森蘭丸外伝─果心居士

春野わか

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──3──

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「殿……」

 妖艶な容姿を裏切る低く掠れた声がそれに続く。
 
「儂はいつ死んでも可笑しく無い年じゃ。多くは望まぬ。好きな茶の湯と美しいそなたがおれば余生を楽しく過ごせるであろう。この砦の任を解かれたら上様に隠居を願い出て、今まで蓄えてきた知識を政に役立てて欲しいと申し上げる」

「真に勿体無いお言葉。私のような者を最期まで御側に置いて下さるのですか?ですが、この先、年を取れば御目を楽しませる事は出来兼ねるかと」

 睦言に重要な何かが含まれていないかと、射干は熱心に耳を傾ける。

「何を申す。そなたの華が枯れるなど有り得ぬ。初めて会った時からずっと美しい。何なら儂と同じように、あれを──」

 突然三郎が松永の上に馬乗りになり唇を塞いだ。

 素っ裸で上に跨がり松永の唇を貪り食らう三郎は、美しい一匹の獣だ。

 甘い匂いは安らぎを与えるが、甘過ぎると吐き気を覚える事もある。
 彼女の気持ちを余所に、目下二人の行為は熱を帯びていく。
 射干は、これ以上此処にいても無駄と、盛り上がっている隙に退散する事にした。

───

 相変わらずの体たらくじゃのう──

 荒波のような欲望をぶつけ合い、息遣い激しく空に視線を留める二人に声が降ってきた。
 最早聞き慣れた陰鬱な声、果心である。

「また声だけか。説教か? 」

 然して驚かず、気怠げに声のする方に視線を送るのみ。

「色惚けの腑抜けにしか見えぬ。それともそれが狙いか」

 旧来の友と交わす戯れ言のようである。

「そうしてせっつくが儂の狙いは信長を倒し天下を取る事。お前は儂を若返らせ、信長と順慶の密談を見せもした。だが、それだけでは無いか。求めておるのは軍勢じゃ!不思議な力で信長の首を取って見せよ。それか寵愛の乱法師を操ってな!そうしないという事はお前こそ人の力を必要としているのではないか? 」

「ぐぐぐ、何と傲慢な。神の力を得た途端に元々己が力のように言い放つとは!弾正よ、武器よりも軍勢よりも得難い物は時じゃ」

「──時? 」

「そうじゃ。稀有な才能に恵まれようとも時だけは操れぬ。時は人に勝利を齎《もたら》すが、強者から全てを奪う事もある。巻き戻す事は叶わぬ。貴様が持たざるのは人生の残りの時であった。それを与えたのは儂じゃ!忘れるな!」

「ふん、それを存分に使い信長を倒せと?お前は高見の見物という事か?ならば構うな。何時動くかは儂が決める」

 三郎は二人のやり取りを黙って聞いているが、その面は相変わらず冷たく何を考えているのか掴めない。

「お前のすべき事は信貴山城に籠り、安土から信長を引き摺り出す事じゃ」

 ぴくっと跳ねた小指に目を止めたなら、三郎の微かな動揺を窺う事が出来ただろう。
 
「一体何を狙っておる? 」

「くくく、安土から離れれば信長の力は弱まる」

「安土に何があるというのじゃ。お前と手を組めば五万の大軍よりも心強いという事を証明して見せよ。神と宣うのであればな。お前こそ真に味方する気があるのか怪しいものじゃ」

「くく……ならば三郎、気付いていたか? 」

 果心の陰鬱な声が、すっかり蚊帳の外にいた彼の名を呼んだ。

「…………」

 俯せで枕に頭を乗せていた彼が、ゆるりと身を起こす様は、天女のように麗しい。

「蝿のように飛び回る女の事、儂に任せぬか? 」

「今は不要じゃ。泳がせている。無論殿も御存知じゃ」

 ふさりと濃く長い睫毛を持ち上げ、素気無く断る。

「何れは始末しようと思っているのであろう? 」

 問いには答えず松永にちらりと視線を送る。

「使い道はまだある。が、面白い。お前が女を始末して見せるというのじゃな」

「殿……」

 俯せから身を返した三郎の白い裸身を余すこと無く灯りが照らす。
 案じるような瞳は、真に果心を信じて良いのか、と訴えていた。

「三郎、そなたの言わんとする事は分かる。なれど女を仕留める為に数人手配すれば、その数人に秘密を作る事となる。安土に知られるのは出来るだけ遅い方が良い」

「お前から言い出した事じゃ。確実に仕留めよ。だが後数日待て。雑賀と連絡を取っている。いよいよ、じゃ」

「承知した。女は生臭うて叶わぬ。儂と貴様は今、繋がっておる。必要となったら心で念じよ。良き知らせを待っておるぞ。くく──」

 息苦しい重圧感が薄れた事で、声ばかりの果心が失せたと分かった。

「真に良いのですか?あの者の力を借りて」

「たかが女一人消すのに此方の手の者を使う必要もあるまい。それに、もう既に奴の力が儂の一部となっておる事認めぬ訳にはいかぬ。身内から湧き起こる精力。以前とは比べ物にならぬ」

───
 
 久しぶりに見る陽光に、雨で濡れた各所に残る露が煌めき眩しさが増す。
 敷かれた白い庭石も光を反射し神秘的に輝いていた。
 
 信長の仮御殿の庭に乱法師は一人佇み、大きく息を吸い込んだ。
 途端にずきっと胸に痛みが走る。

 それでも陽の光りを浴びるというのは何と心身を健全に保ってくれるのだろう。
 冷静に今の状況を考えれば決して悪く無いと思えてくるのだから。

 真っ白な砂に埋められた庭石を踏みしめて進めば、大きな池に人工の川から流れ込む水が涼しげで、その上に掛かる橋の欄干は朱色に擬宝珠は金で龍の形の細工が施されている。

 紅、桃色、水色、紫、緑、彩り豊かな草花に池を泳ぐ朱や金の鯉の鱗。
 この広く贅沢な空間を、乱法師は今、独り占めしている。

 偉大な主の確かな愛を感じ幸せな気分に浸っていたところ、目の端で捉えた光景が再び彼の心を曇らせた。

 回廊を歩く朋輩の小姓達。
 気付かれぬよう、さっと木の陰に隠れる。
 疚しさなのか彼等に対する妬ましさからか。
 先刻までの幸福感は萎み、広い庭が孤独を実感させる。

 のんびりと庭を散策している場合では無い。
 今すぐ信長の前に転び出て、小姓としての勤めに専心したい。

 焦燥感で胸が締め付けられる。

『上様に御願いしよう。何時までも寝てはおられぬ』

 決心すると心は軽くなった。
 彼の心を象徴するように、ひらひらと蝶が飛んで行く。
 思わず目を奪われたのは艶やかである以上に、色と模様が、ある花に良く似ていたからだ。

 射干──

 その蝶は橙色で黒の斑点があり、射干の花びらが舞っているように見えた。

「秋の蝶か。やはり知らせた方が良いのではないか」

 秋の蝶は何処か弱々しく儚げで、凶兆を知らせる使者と思えてならなかった。

───
 
 庭を散策後、乱法師は六助を見舞い互いの無事を喜び合った。

「熱は下がったようじゃな」

 ちらりと曲直瀬道三が渋面で目を遣る。

「人の事心配してる場合ではありまへん。後でお乱殿の部屋にも参りますよってお戻り下さい。儂が上様に怒られるんやから」

「上様のお許しを得て庭の散策をしていたのです。部屋で寝ていなければならぬ程ではございませぬ」

 頑固な彼は納得いかぬと言い方は穏やかだが、相手が誰であろうと口答えをするという欠点がある。

「寝ていーひんでもええかどうかは医師である儂が判断します。不満があるなら上様に言うて貰わへんと。儂がいける言うたって寝とき言われるかも知れへんどっしゃろ? 」

「承知致しました。では、そうさせて頂きます」

『全くなんや。いっそ全然元気どすさかい都に戻らせて頂く言うてまおか。どないしたら部屋で寝てるだけで傷出来るんやろう。詮索も他言も無用と上様には睨まれるし。早う都に戻りたい』

 実際一番鬱憤が溜まっているのは曲直瀬道三であったかのも知れない。

 取り敢えず乱法師は部屋に戻り自分の番を待つ事にした。 
 しかし道三よりも先にやって来たのは信長その人であった。

 朝まで同じ褥の上で過ごし、また直ぐに部屋を訪れてくれた事に胸ときめく。

「道三がそなたの傷をこれから見るというので心配で来たのじゃ。庭は歩いてみたか? 」

「はい、真に美しい御庭で目を奪われましてございます」

 やはり側にいたい。
 小姓として誠心誠意お仕えしたい。

「体調も良くなりましたので、小姓として出仕する事を御許し頂けないでしょうか?本日からでも明日からでも──」

 決意が揺るがぬ内に早速願い出た。

「ならぬ!気が急くのは分かるが、いくら何でも無茶であろう」

 強く言い掛け語気を弱めたのは、乱法師が止められると却って意固地になる傾向があり、立場の強い相手に言われた場合、聞いた振りをして隠れて無茶をする恐れがあるからである。

 そこに曲直瀬道三が部屋に入って来て、話しは中断された。

「六、そなたまで? 」

 乱法師が少し驚いたのは、六助が道三の後に従っていたからである。

「六助はんが、どないしてもお乱殿の部屋に行くって聞か──」

「六助も随分と回復したようじゃな」

 道三の嫌味を遮り、信長が明るく声を掛ける。

「へえ、お陰様でうめえもん朝からこじゃんと食べて、この通りでごぜえます」

 道三は首を振り振り呆れ、乱法師の診察を黙々と始めた。

 先ず傷を覆う晒を巻き取る。
 
「──ん?」
「やっぱり!」

 訝しげな声は信長と道三。
 思っていた通り、というのは六助である。

「なんや、えらい昨日よりも良なってはる。どないなっとんやろう」

 白い肌に出来た痛々しい傷痕がたった一晩で目に見えて薄れていた。

「確かに良くなっておる。治りが早いのは心清らで行いが正しいからであろう」

 と、信長らしからぬ非合理的な言い様に道三が益々目を剥く。

「そないな阿呆な!それで治るんやったら──」

「阿呆? 」

「え……ええ、そないな事もある、て聞いたようなあらへんような……と、ともかく薬い薬……」

 うっかり口を滑らした道三は、信長の声音の変化と鋭い視線に顔面蒼白となり慌てて誤魔化した。
 震える手で薬を塗り込みながら傷口を良く良く観察し、改めて驚いた。

『殆んど塞がっとるやんか。怖い怖い………只の傷やあらへん』

「どうじゃ。乱の具合は? 」

『何言うてるんや!さっきから医師の見立てを無視してんのはそっちちゃうか!病人は病人でちいとも大人しゅうする気あらへんし。もう、かなん! 』

 道三は呆れ、散々罵倒した。
 無論、心の内で。

「そのう、さっきも申しましたように傷は良うなってます。後は心労で血が薄いという点についても──」

「乱、先ずは良かった。なれど、そなたが僅かでも傷付くのは辛い」

『聞いといて聞いてへんやんか』

 またもや発言を遮られ、道三が不満を募らせる。

「傷痕もそのうち消えましょう。これで勤めに戻る事、御許し頂けますか? 」

 道三の胸中を知る由も無い二人は、他に人無きが如く熱い視線を絡ませ身を寄せ合った。

「何故そう焦る。完全に癒えた訳では無いのじゃ。傷だけでは無い。血が薄いと前から言われているでは無いか。勤めなどまだ早い!そう思わぬか?道三! 」

「……はあ」

 都合の良い時だけ意見を求めてくるのは如何なものか。
 などと信長相手に言える訳が無い。

「はい、仰せの通りでございます!今少し休んでおられた方が宜しいかと」

 救いを求める乱法師から目を逸らし、道三は長い物に巻かれ捲った。

「そんな!! 」

 乱法師は思わず大袈裟に悲痛な声を上げた。

「可哀想じゃが仕方が無い。天下の名医がああ申しておるのじゃ。今少し我慢致せ」

『あんたが言わせてるんやろ』

 心の中で呟く分にはどんな発言も自由だ。

「どうか上様。私はもう我慢出来ませぬ」
 
「困ったのう。道三、貴様からも言って聞かせよ」
 
「はあ……」
 
「はあ、とは何じゃ!医師の言う事なら聞くであろう故、乱を納得させよと申しておる。腑抜けておる場合か! 」

『その医師の言う事を聞かへんのは何処のどいつや』

 道三は信長の我が儘さに振り回され疲れきっていた。
 しかし此処は堪えるしか無い。
 例え医師の見立てでは寝ている必要は無いとの判断でも、信長が望む答えを言わなければ命が危ういのだ。

「お乱殿……まだ万全とは言い難いさかい、今少し我慢を──」

「上様あ、私は──うう、上様の御側にいたいのでございます。お役に立ちたいのでございます。お忙しい最中部屋にお越し頂く度、上様の御顔と御声にどれ程励まされてきたか。どうかどうか──」

 口ごもる道三の意見を跳ね除け、乱法師は瞳を潤ませ信長に懇願した。

「何と!!健気な心掛けじゃ。そのような一途な思いを受け止めぬ訳には参らぬ。分かった!勤めを許す!但し無理をせぬように。聞いたか?道三!他の家臣共にも聞かせてやりたいのう」

 信長はあっさり命令を撤回した。

「……はあ」

 すっかり脱力している曲直瀬道三をよそに、満面の笑みで見つめ合う信長と乱法師。

 だが窶れた顔をしているのは道三だけでは無かった。
 部屋の隅に影のように控え、存在を忘れられている感のある六助の面持ちは暗く、一人深刻な物思いに沈んでいるように見えた。

 

 

 

 


 
 
 





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