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学院中等部 8学年生
第2王子の相談事
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「やめてください、サミィ兄様」
「で?何を頼まれたのかな?」
第2王子の耳を引っ張るという暴挙に、セレスタ様とジョシュアが驚いていた。
「妃殿下の事でございます」
「サフィア妃か。結婚して3年だっけ?」
「はい」
「まだ2人を楽しみたい気持ちは……」
「先生、それ以上は言ってはなりませんわよ」
「キャシーちゃん?」
「子を望みながら子に恵まれない女性の心を、抉らないでくださいませ。病んでしまわれます」
「でもね、キャシーちゃん。まだ3年だよ?」
「子を望まれながら子が出来ない。それがどんなに重圧かお分かりになりませんか?」
「挨拶というか軽い気持ちだよ?」
「えぇ、ひとりに言われるだけならそうでしょう。ですが、今回の方はひとりに言われる訳ではないのですよ」
「そうか。そうだね。悪かった」
セレスタ様が私とサミュエル先生を、不安そうに交互に見ていた。
「プロクシィ様、大丈夫です。いつもの事ですから」
ジョシュアがセレスタ様に言う。ジョシュアは知ってるよね。救民院でいつも見ているから。
「え?いつもの事なんですか?」
「いつもですわね」
「いつもだね」
「……」
「ジョシュア様、黙らないでくださいませ」
「いつもながら光の聖女様のイメージと違いますよねぇ。私は今のフェルナー嬢の方が好きですが」
「へぇ、好きねぇ」
「あ、違うんですよ。そういう好きじゃなくてですね。人として好ましいというかですね。救民院でのキリッとしたフェルナー嬢も人気なんですよ」
「慌てなくて良いよ、ジョシュア。みんな分かってるから」
「フェルナー嬢、サフィアと話してやってもらえないだろうか?」
「私はかまいませんが、その前に王子殿下。サフィア妃殿下をお守りになられる筆頭は、王子殿下です。それを忘れないでくださいませ」
「肝に命じるよ」
「あのぉ、私は何の為にここに居るのでしょうか?」
セレスタ様が聞く。
「セレスタ嬢はあの空間に居たかった?私達が一緒なら、話しかける人も居ないだろうけど、離れたら繋がりを持ちたいとワラワラ押し寄せてくるよ」
「え?まさか。私は平民ですよ?」
「平民だからだよ。なんとでも言いくるめられるって思う貴族も居るからね。プロクシィとしての活動中ならともかく、そうじゃなかったら嫌な思いもしてるんじゃないかな?」
「そうですね。フェルナー様が赴かれた場所では、『光の聖女様の偽物』と言われた事もあります」
「え?」
「それが罰でしたから。きちんと受け止めましたけど、やっぱり辛かったです」
「セレスタ様……」
「それも今日で終わりだよ。今日の正式公表で領民に知らしめる義務が、領主には生じたから。何かあったら言っておいで。不当に貶められたとかね」
「そんな。畏れ多いです」
第2王子殿下の言葉に、セレスタ様が恐縮する。スタヴィリス国は王族と国民の距離が近いとは思うけど、王族に気軽に何かを物申せる訳じゃない。貴族だって無理だと思う。私はわりあい好き勝手言っているけど。本来なら不敬罪になっちゃう場合もあるのよね。私が許されているのは、侯爵家の娘という身分と、光の聖女候補だからだ。
「セレスタ様、本当に言ってくださいませ?第2王子殿下が畏れ多いのであれば、私でもよろしいですから」
「光の聖女様でも畏れ多いですよ?」
セレスタ様はそう言って笑う。
「あれ?プロクシィ殿、目の色が……」
第2王子殿下がセレスタ様の目の色を見て言う。
「申し訳ありません。気味悪いですよね」
「いや、なんと言えば良いのか……。フェルナー嬢は知っていたのかい?」
「はい。セレスタ様のお目の色が違うのは、ヘテロクロミアという病気の一種です。オッドアイとも言いますが、こちらは主に猫に使いますね」
「ん?猫に?」
「はい。我々は動物にはオッドアイ、人間にはヘテロクロミアと言っておりました」
「プロクシィ殿のような人間は多いのかい?」
「少ないですね。1万人にひとりと言われております。猫は25%の割合のようですけど」
「原因は知ってる?」
「先天性の物と後天性の物がございます。先天性の物は母親のお腹の中でのトラブルが原因といわれております。後天性の物は目に衝撃を受けて、角膜が傷付く事で変色する事があるようです」
「悪い事とか……」
「色々と言われますよ。悪魔付きだとか、反対に幸運の象徴だとか。人は自分達と違う物を排除しようとしたり、特別扱いをしますから」
「排除か特別扱いか」
「先程の猫の話ですが、私の生きていた国ではその昔、金目銀目と呼ばれて幸運の象徴だと信じられておりましたね」
三毛猫のオスよりは確率が高いから、珍しくもなかったようだし。人のヘテロクロミアはかなり珍しいけど、芸能人にもいたし。
「悪い物ではないんだね?」
「ただの外見的特徴ですよ。人によって髪の色が違うのと同じです」
ヘテロクロミアの話になっちゃったけど、妃殿下の不妊の話よね?本来は。
「殿下、妃殿下とお会いする日はどうなりますか?」
「そうだね。勝手に決めても良いけど」
「それはおよしになった方がいいかと」
「駄目なのかい?」
「先程言いましたでしょう?妃殿下をお守りになられる筆頭は殿下だと。過剰に気を使えとは申しませんが、私とお会いするという事柄も、妃殿下の意思を尊重してくださいませ」
「意思の尊重か」
「妃殿下はどのようなお方ですか?何もかも人任せで流されるままなお方ではないのでしょう?」
「そうだね。割合ハッキリと物を言う、ちょっとフェルナー嬢に似た人だよ」
「それならばなおさらです。お2人でお話し合いになってくださいませ。その上で連絡していただければよろしいかと」
「夏季休暇が終わる前にだね」
「はい」
「その時には私も一緒に登城するよ」
「先生?」
「色々と言う煩い老人も多いからね。風避け位にはなれるよ」
色々と言う煩い老人、か。私が、『光の聖女候補』が第2王子妃殿下に近付くと、何か言われたりするのかしら?お義父様なら分かる。王族と近いと権力の集中や影響力が増えると懸念する、そんな人もいるだろうし、単純に自分がその地位を狙っている人に、材料を与えかねない。
「キャシーちゃん?」
今更ながら思う。サミュエル先生が仮婚約者になって良かったんだろうか?お義父様のお邪魔になっていない?
「どうしたんだい?キャシーちゃん」
「いえ。少し考えていただけです。第2王子殿下、お任せしてもよろしいですか?」
「任せておきたまえ。フェルナー嬢の不利にならないように根回ししておこう」
私だけの問題じゃないんだけど。
5人で夜会会場に戻ると、第2王子殿下にお歳を召した男性がニヤニヤと話しかけた。
「第2王子殿下も、あんな欠陥妃など放っておけばよろしいものを」
「何と言った?」
第2王子の顔に怒気が見えた。抑えているけど相当苛立っていると思う。さっきまでその事について話していたし。
「おや、私は本当の事を言っただけですよ。生まれの卑しい娘を妃などになさるから」
生まれの卑しいって、第2王子妃殿下は伯爵家の令嬢だったはずだけど?
「その方のように関知せぬ子が増えるよりは良いと思うが?奥方に隠れて囲っておるそうではないか」
「何を仰います」
「キャサリン、アイラ、モーヴ、イブリン」
第2王子が名を出す度に顔色が悪くなるご老人。ちょっと待って。さっきまでの話の流れだと、第2王子があげた名前はすべてこの男性の愛人、もしくは浮気相手?
「失礼します」
そそくさと去っていく男性を呆れて見てしまった。勝てないケンカなら売らなきゃ良いのに。
「で?何を頼まれたのかな?」
第2王子の耳を引っ張るという暴挙に、セレスタ様とジョシュアが驚いていた。
「妃殿下の事でございます」
「サフィア妃か。結婚して3年だっけ?」
「はい」
「まだ2人を楽しみたい気持ちは……」
「先生、それ以上は言ってはなりませんわよ」
「キャシーちゃん?」
「子を望みながら子に恵まれない女性の心を、抉らないでくださいませ。病んでしまわれます」
「でもね、キャシーちゃん。まだ3年だよ?」
「子を望まれながら子が出来ない。それがどんなに重圧かお分かりになりませんか?」
「挨拶というか軽い気持ちだよ?」
「えぇ、ひとりに言われるだけならそうでしょう。ですが、今回の方はひとりに言われる訳ではないのですよ」
「そうか。そうだね。悪かった」
セレスタ様が私とサミュエル先生を、不安そうに交互に見ていた。
「プロクシィ様、大丈夫です。いつもの事ですから」
ジョシュアがセレスタ様に言う。ジョシュアは知ってるよね。救民院でいつも見ているから。
「え?いつもの事なんですか?」
「いつもですわね」
「いつもだね」
「……」
「ジョシュア様、黙らないでくださいませ」
「いつもながら光の聖女様のイメージと違いますよねぇ。私は今のフェルナー嬢の方が好きですが」
「へぇ、好きねぇ」
「あ、違うんですよ。そういう好きじゃなくてですね。人として好ましいというかですね。救民院でのキリッとしたフェルナー嬢も人気なんですよ」
「慌てなくて良いよ、ジョシュア。みんな分かってるから」
「フェルナー嬢、サフィアと話してやってもらえないだろうか?」
「私はかまいませんが、その前に王子殿下。サフィア妃殿下をお守りになられる筆頭は、王子殿下です。それを忘れないでくださいませ」
「肝に命じるよ」
「あのぉ、私は何の為にここに居るのでしょうか?」
セレスタ様が聞く。
「セレスタ嬢はあの空間に居たかった?私達が一緒なら、話しかける人も居ないだろうけど、離れたら繋がりを持ちたいとワラワラ押し寄せてくるよ」
「え?まさか。私は平民ですよ?」
「平民だからだよ。なんとでも言いくるめられるって思う貴族も居るからね。プロクシィとしての活動中ならともかく、そうじゃなかったら嫌な思いもしてるんじゃないかな?」
「そうですね。フェルナー様が赴かれた場所では、『光の聖女様の偽物』と言われた事もあります」
「え?」
「それが罰でしたから。きちんと受け止めましたけど、やっぱり辛かったです」
「セレスタ様……」
「それも今日で終わりだよ。今日の正式公表で領民に知らしめる義務が、領主には生じたから。何かあったら言っておいで。不当に貶められたとかね」
「そんな。畏れ多いです」
第2王子殿下の言葉に、セレスタ様が恐縮する。スタヴィリス国は王族と国民の距離が近いとは思うけど、王族に気軽に何かを物申せる訳じゃない。貴族だって無理だと思う。私はわりあい好き勝手言っているけど。本来なら不敬罪になっちゃう場合もあるのよね。私が許されているのは、侯爵家の娘という身分と、光の聖女候補だからだ。
「セレスタ様、本当に言ってくださいませ?第2王子殿下が畏れ多いのであれば、私でもよろしいですから」
「光の聖女様でも畏れ多いですよ?」
セレスタ様はそう言って笑う。
「あれ?プロクシィ殿、目の色が……」
第2王子殿下がセレスタ様の目の色を見て言う。
「申し訳ありません。気味悪いですよね」
「いや、なんと言えば良いのか……。フェルナー嬢は知っていたのかい?」
「はい。セレスタ様のお目の色が違うのは、ヘテロクロミアという病気の一種です。オッドアイとも言いますが、こちらは主に猫に使いますね」
「ん?猫に?」
「はい。我々は動物にはオッドアイ、人間にはヘテロクロミアと言っておりました」
「プロクシィ殿のような人間は多いのかい?」
「少ないですね。1万人にひとりと言われております。猫は25%の割合のようですけど」
「原因は知ってる?」
「先天性の物と後天性の物がございます。先天性の物は母親のお腹の中でのトラブルが原因といわれております。後天性の物は目に衝撃を受けて、角膜が傷付く事で変色する事があるようです」
「悪い事とか……」
「色々と言われますよ。悪魔付きだとか、反対に幸運の象徴だとか。人は自分達と違う物を排除しようとしたり、特別扱いをしますから」
「排除か特別扱いか」
「先程の猫の話ですが、私の生きていた国ではその昔、金目銀目と呼ばれて幸運の象徴だと信じられておりましたね」
三毛猫のオスよりは確率が高いから、珍しくもなかったようだし。人のヘテロクロミアはかなり珍しいけど、芸能人にもいたし。
「悪い物ではないんだね?」
「ただの外見的特徴ですよ。人によって髪の色が違うのと同じです」
ヘテロクロミアの話になっちゃったけど、妃殿下の不妊の話よね?本来は。
「殿下、妃殿下とお会いする日はどうなりますか?」
「そうだね。勝手に決めても良いけど」
「それはおよしになった方がいいかと」
「駄目なのかい?」
「先程言いましたでしょう?妃殿下をお守りになられる筆頭は殿下だと。過剰に気を使えとは申しませんが、私とお会いするという事柄も、妃殿下の意思を尊重してくださいませ」
「意思の尊重か」
「妃殿下はどのようなお方ですか?何もかも人任せで流されるままなお方ではないのでしょう?」
「そうだね。割合ハッキリと物を言う、ちょっとフェルナー嬢に似た人だよ」
「それならばなおさらです。お2人でお話し合いになってくださいませ。その上で連絡していただければよろしいかと」
「夏季休暇が終わる前にだね」
「はい」
「その時には私も一緒に登城するよ」
「先生?」
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「キャシーちゃん?」
今更ながら思う。サミュエル先生が仮婚約者になって良かったんだろうか?お義父様のお邪魔になっていない?
「どうしたんだい?キャシーちゃん」
「いえ。少し考えていただけです。第2王子殿下、お任せしてもよろしいですか?」
「任せておきたまえ。フェルナー嬢の不利にならないように根回ししておこう」
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5人で夜会会場に戻ると、第2王子殿下にお歳を召した男性がニヤニヤと話しかけた。
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「何と言った?」
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「おや、私は本当の事を言っただけですよ。生まれの卑しい娘を妃などになさるから」
生まれの卑しいって、第2王子妃殿下は伯爵家の令嬢だったはずだけど?
「その方のように関知せぬ子が増えるよりは良いと思うが?奥方に隠れて囲っておるそうではないか」
「何を仰います」
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第2王子が名を出す度に顔色が悪くなるご老人。ちょっと待って。さっきまでの話の流れだと、第2王子があげた名前はすべてこの男性の愛人、もしくは浮気相手?
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