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学院中等部 8学年生
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私が治療している間に、どうやらトリコローレで私とララさんがお買い物をするという事が決まったらしい。
「私、聞いておりませんでしてよ?」
「言ってないもの。その日はリーサも呼んで、みんなでお買い物しましょ」
「そういえばセシルさん、オルブライト様の牧場なのですが、いつでも来てもらって良いと、連絡がありました」
「あら、そう?キャスリーンちゃん、いつなら都合が良い?」
「聞いてみないと分かりかねますが、夏季休暇中ですから。ただ、ララさんも一緒ですと、王都の光魔法使いが2人になって、お2人の負担が大きくなります」
「ブランジット様に頼んでおけば良いんじゃない?」
「今が平常時でしたら、それで良いのでしょうけど」
「でもでも、貧民街の健康診断の目処が付けば良いんでしょ?」
「そうなのですけれど。聞いてみるしかありませんわね。皆様は逆に都合の悪い日はございませんの?」
「無いわねぇ」
「シモンに聞かなきゃだけど、仕入れの話も関わってくるから、大丈夫だと思うわ」
「え?セシルちゃん、お仕事なの?」
「だって、新鮮な乳製品よ?見逃せないわ」
「乳製品って言っても」
「お菓子作りに乳製品は不可欠よ。生クリームとかバターとか。ね?必要でしょ?」
「必要ね」
お昼過ぎに救民院にやって来たサミュエル先生に、オルブライト様の所に行く話をすると、「気にせずに行っておいで」という優しい言葉をもらった。
「健康診断は順調ですか?」
「そうだね。光の聖女様に来てほしいという要望というか、希望は寄せられているけど」
「行きますわよ?」
「駄目だよ。本当は今日だって休んでいてほしかったんだから。救民院なら無茶もしないだろうって、宰相と話し合って、救民院だけならって許可を出したんだよ?」
「キャシーちゃん、無茶をしたの?」
「してません」
「したんだよ。2人同時治癒を連発してね。最後の方はフラフラになってるし。心配したんだよ?」
「キャシーちゃん、無理、無茶はダメよ?」
「そうよぉ、無理、無茶は心身の不調に直結するんだから」
「そんな事を気にしている場合じゃなかったんです。そんな暇があったら、ひとりでも命を救いたかったんです」
「キャシーちゃんの理念も信念も立派だけど」
「私達はね、少しでもキャスリーンちゃんと長く楽しく居たいの。その為ならどんな事だってするわよ?キャスリーンちゃんは私達の妹なんだから」
「妹ですか」
「あら、不満?」
「私は対等な立場でいたいのです」
「対等よ?」
「それでも、1番年下のキャシーちゃんが、1番重要で大変な立場だっていうのは変わらないでしょ?せめて私達と居る時位は、甘えてほしいのよ」
「ラッセル殿もキャシーちゃんを、孫のようだって言ってたね。議論するとポンポン返ってくるから、それはそれで楽しいらしいよ」
ラッセル様への手紙は、お義父様経由で送ってもらった。届いていたらサミュエル先生とのやり取りになると思うけど、今はどうなっているんだろう?
チラリとサミュエル先生を見たけど、気付かない振りをされた。目は合ったから、絶対に気付いてたと思う。
トリコローレに行く日と、オルブライト様の所に行く日は、また話し合う事にした。たぶんトリコローレに行く日はすぐに決まると思う。
「先生、ラッセル様へのお手紙の件ですが」
「あぁ、助かったよ。あちらからの連絡待ちだね」
「上手く行くのでしょうか?」
「炎の聖人様がどれだけキャシーちゃんを気に入っているかにも依るね。炎の聖人様って今いくつ位だっけ?あの時たしか20歳代後半位だったから今は……」
「炎の聖人様は55歳だそうですわよ?」
「は?55歳?いやいや待って?キャシーちゃんの言う『炎の聖人様』って、真っ赤な髪の肌の浅黒い方で合ってる?」
「はい、そうですわね。聖人なんて呼ばれているが、火魔法が得意なだけだと笑っておられました」
「あぁ、うん。間違いなさそうだね。そうか、あの方は今、55歳か。もっと若いと思ったが」
「魔力に関係があるとか」
「あぁ、関係有りそうだね。私も少しだけ若く見られるし。キャシーちゃんは……ね?」
「はっきり言ってくださいませ?どうせ幼いとかそういった類いの言葉なのでしょう?」
「可愛い容姿だな、と」
「色々誤魔化しましたわね?」
「正直には言えないでしょ。それが許されるのはローレンス君だけだ」
「……ありがとうございます。今頃どこでどうしておられるのか」
「その事なんだけど、ロシュフォール嬢にもあの紋章を見てもらったんだよ。そうしたらプセロイン天主国の国章があの紋章に似てると言うんだよ」
「プセロイン天主国?」
「一般的にはあまり知られていないかもね。一言で言うならピュリオンヴェルッティ教とは違う宗教を信奉している、プライドの高い独裁国家だよ。かなり胡散臭いというか、かかわり合いになりたくはないね。あそこは上層部が腐っているから」
「授業でも聞いた事が無いのですが?」
「まぁね。独裁的だし、国家と認めていない国も多いから。ちなみにスタヴィリス国は認めていない」
「でも、天主国という国なのですわよね?」
「その辺は色々複雑なんだよ」
サミュエル先生が言葉を濁した。でもそっか。そんな国……支配地域?があるのね。
トリコローレに行く話は、リーサさんに相談してからだし、ラッセル様とのやり取りはサミュエル先生がする事になっている。今のところする事がないのよね。貧困地区の健康診断には加われないし。
待機室に戻ると、ユリシーズ君がひとりでせっせとレースを編んでいた。今はかぎ針で編んでいるけれど、その速度に驚いてしまう。私も小物入れから本を取り出して開いた。
お義母様が言ったように、レティキュールの作り方が載っている。外側のレース部分を自分で編んで、全体の仕上げは専門店に任せるのか。それって手作りになるのかしら?
「ユリシーズ君、簡単に編めるレースって、どういった物がございますの?」
「簡単に編めるレースですか?」
「こういう感じなのですが」
ユリシーズ君に本を見せると、一目で理解したらしく色々と教えてくれた。模様編みの仕方も教えてくれたんだけど、編み目がガタガタになってしまう。
「難しいですわ」
「慣れですよ」
ユリシーズ君は簡単に言うけど、それは分かってるのよ。
「私、手芸系の才能が無いのでしょうか」
「そんな事は……」
ユリシーズ君の優しい慰めが心に沁みる。
「光の聖女様はレース編みなんて出来なくても良いんですよ。そういった物は僕達が作りますから」
でもこれ、お義母様からの課題なのよね。
「でも、『そう?じゃあ任せるわ』という訳にはいかないのですわ」
「お貴族様も大変なんですね」
そうなの。大変なのよ。口には出せないけどね。
それからユリシーズ君にレース編みを教わる日々が続いた。相変わらず健康診断には出してもらえないし、救民院での治療も重症者を1日に2人位しか任せてもらえない。
今はピアーズ君を鍛えるという目的もあるからって、サミュエル先生には説得された。納得はしていないけど、心配をかけたのは事実だ。ローレンス様は家に帰ってきてからしか分からなかったけど、サミュエル先生は実際に現場を見ている。ローレンス様にも相当心配されたけど、サミュエル先生ほどじゃなかったのよね。
あの当時はローレンス様が婚約者で口は出さなかったけど、今は仮とはいえ婚約者という立場だから、口出しをさせてもらうと、サミュエル先生に言われてしまった。
「私、聞いておりませんでしてよ?」
「言ってないもの。その日はリーサも呼んで、みんなでお買い物しましょ」
「そういえばセシルさん、オルブライト様の牧場なのですが、いつでも来てもらって良いと、連絡がありました」
「あら、そう?キャスリーンちゃん、いつなら都合が良い?」
「聞いてみないと分かりかねますが、夏季休暇中ですから。ただ、ララさんも一緒ですと、王都の光魔法使いが2人になって、お2人の負担が大きくなります」
「ブランジット様に頼んでおけば良いんじゃない?」
「今が平常時でしたら、それで良いのでしょうけど」
「でもでも、貧民街の健康診断の目処が付けば良いんでしょ?」
「そうなのですけれど。聞いてみるしかありませんわね。皆様は逆に都合の悪い日はございませんの?」
「無いわねぇ」
「シモンに聞かなきゃだけど、仕入れの話も関わってくるから、大丈夫だと思うわ」
「え?セシルちゃん、お仕事なの?」
「だって、新鮮な乳製品よ?見逃せないわ」
「乳製品って言っても」
「お菓子作りに乳製品は不可欠よ。生クリームとかバターとか。ね?必要でしょ?」
「必要ね」
お昼過ぎに救民院にやって来たサミュエル先生に、オルブライト様の所に行く話をすると、「気にせずに行っておいで」という優しい言葉をもらった。
「健康診断は順調ですか?」
「そうだね。光の聖女様に来てほしいという要望というか、希望は寄せられているけど」
「行きますわよ?」
「駄目だよ。本当は今日だって休んでいてほしかったんだから。救民院なら無茶もしないだろうって、宰相と話し合って、救民院だけならって許可を出したんだよ?」
「キャシーちゃん、無茶をしたの?」
「してません」
「したんだよ。2人同時治癒を連発してね。最後の方はフラフラになってるし。心配したんだよ?」
「キャシーちゃん、無理、無茶はダメよ?」
「そうよぉ、無理、無茶は心身の不調に直結するんだから」
「そんな事を気にしている場合じゃなかったんです。そんな暇があったら、ひとりでも命を救いたかったんです」
「キャシーちゃんの理念も信念も立派だけど」
「私達はね、少しでもキャスリーンちゃんと長く楽しく居たいの。その為ならどんな事だってするわよ?キャスリーンちゃんは私達の妹なんだから」
「妹ですか」
「あら、不満?」
「私は対等な立場でいたいのです」
「対等よ?」
「それでも、1番年下のキャシーちゃんが、1番重要で大変な立場だっていうのは変わらないでしょ?せめて私達と居る時位は、甘えてほしいのよ」
「ラッセル殿もキャシーちゃんを、孫のようだって言ってたね。議論するとポンポン返ってくるから、それはそれで楽しいらしいよ」
ラッセル様への手紙は、お義父様経由で送ってもらった。届いていたらサミュエル先生とのやり取りになると思うけど、今はどうなっているんだろう?
チラリとサミュエル先生を見たけど、気付かない振りをされた。目は合ったから、絶対に気付いてたと思う。
トリコローレに行く日と、オルブライト様の所に行く日は、また話し合う事にした。たぶんトリコローレに行く日はすぐに決まると思う。
「先生、ラッセル様へのお手紙の件ですが」
「あぁ、助かったよ。あちらからの連絡待ちだね」
「上手く行くのでしょうか?」
「炎の聖人様がどれだけキャシーちゃんを気に入っているかにも依るね。炎の聖人様って今いくつ位だっけ?あの時たしか20歳代後半位だったから今は……」
「炎の聖人様は55歳だそうですわよ?」
「は?55歳?いやいや待って?キャシーちゃんの言う『炎の聖人様』って、真っ赤な髪の肌の浅黒い方で合ってる?」
「はい、そうですわね。聖人なんて呼ばれているが、火魔法が得意なだけだと笑っておられました」
「あぁ、うん。間違いなさそうだね。そうか、あの方は今、55歳か。もっと若いと思ったが」
「魔力に関係があるとか」
「あぁ、関係有りそうだね。私も少しだけ若く見られるし。キャシーちゃんは……ね?」
「はっきり言ってくださいませ?どうせ幼いとかそういった類いの言葉なのでしょう?」
「可愛い容姿だな、と」
「色々誤魔化しましたわね?」
「正直には言えないでしょ。それが許されるのはローレンス君だけだ」
「……ありがとうございます。今頃どこでどうしておられるのか」
「その事なんだけど、ロシュフォール嬢にもあの紋章を見てもらったんだよ。そうしたらプセロイン天主国の国章があの紋章に似てると言うんだよ」
「プセロイン天主国?」
「一般的にはあまり知られていないかもね。一言で言うならピュリオンヴェルッティ教とは違う宗教を信奉している、プライドの高い独裁国家だよ。かなり胡散臭いというか、かかわり合いになりたくはないね。あそこは上層部が腐っているから」
「授業でも聞いた事が無いのですが?」
「まぁね。独裁的だし、国家と認めていない国も多いから。ちなみにスタヴィリス国は認めていない」
「でも、天主国という国なのですわよね?」
「その辺は色々複雑なんだよ」
サミュエル先生が言葉を濁した。でもそっか。そんな国……支配地域?があるのね。
トリコローレに行く話は、リーサさんに相談してからだし、ラッセル様とのやり取りはサミュエル先生がする事になっている。今のところする事がないのよね。貧困地区の健康診断には加われないし。
待機室に戻ると、ユリシーズ君がひとりでせっせとレースを編んでいた。今はかぎ針で編んでいるけれど、その速度に驚いてしまう。私も小物入れから本を取り出して開いた。
お義母様が言ったように、レティキュールの作り方が載っている。外側のレース部分を自分で編んで、全体の仕上げは専門店に任せるのか。それって手作りになるのかしら?
「ユリシーズ君、簡単に編めるレースって、どういった物がございますの?」
「簡単に編めるレースですか?」
「こういう感じなのですが」
ユリシーズ君に本を見せると、一目で理解したらしく色々と教えてくれた。模様編みの仕方も教えてくれたんだけど、編み目がガタガタになってしまう。
「難しいですわ」
「慣れですよ」
ユリシーズ君は簡単に言うけど、それは分かってるのよ。
「私、手芸系の才能が無いのでしょうか」
「そんな事は……」
ユリシーズ君の優しい慰めが心に沁みる。
「光の聖女様はレース編みなんて出来なくても良いんですよ。そういった物は僕達が作りますから」
でもこれ、お義母様からの課題なのよね。
「でも、『そう?じゃあ任せるわ』という訳にはいかないのですわ」
「お貴族様も大変なんですね」
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それからユリシーズ君にレース編みを教わる日々が続いた。相変わらず健康診断には出してもらえないし、救民院での治療も重症者を1日に2人位しか任せてもらえない。
今はピアーズ君を鍛えるという目的もあるからって、サミュエル先生には説得された。納得はしていないけど、心配をかけたのは事実だ。ローレンス様は家に帰ってきてからしか分からなかったけど、サミュエル先生は実際に現場を見ている。ローレンス様にも相当心配されたけど、サミュエル先生ほどじゃなかったのよね。
あの当時はローレンス様が婚約者で口は出さなかったけど、今は仮とはいえ婚約者という立場だから、口出しをさせてもらうと、サミュエル先生に言われてしまった。
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