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学院中等部 8学年生
仮婚約者とピアーズ君
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翌々日の午前中に、サミュエル先生がタウンハウスにやって来た。私は救民院に行こうと思っていた時だったから、着替えてホールに降りた所だった。
「キャシーちゃん、ちょっといいかな?」
「はい」
いつも魔法の練習をしていた庭に出る。
「非常に言いにくいんだけど、決定してしまったよ」
何を?とは聞かない。たぶん私とサミュエル先生の、仮婚約の件だよね。
「ごめんね、力不足で」
「いいえ。精一杯やってくださったのでしょう?ご自分の為にも」
「宰相も謝っておいてくれって言っていた。両陛下もね」
「その為にフェルナー邸へ?」
「うん。一足先に知らせてこいって。叔母上なんて怒って泣いて大変だったよ」
「怒って泣いて?」
「キャシーちゃんの事を考えてないって怒って、キャシーちゃんの立場を、見栄や駆け引きに使うしかないのが情けないって泣いて」
ありがたいと思う。王妃様は私の事を思ってくれている。
「それから、キャシーちゃんは卒業後に聖国に行くでしょう?もしそれまでにローレンス君が見付からなければ、私が同行するから。婚姻もせっつかれると思うけど、それは回避するからね」
「はい。色々とご迷惑をお掛け致します」
「聖国に行ってしまえば、というか、聖王猊下さえ味方に出来れば楽なんだけどね」
「そうなのですか?」
「例えば、聖王猊下が『光の聖女の婚姻は真に愛した者としか認めぬ』とか言ってくれたら、誰もごり押しできないからね。そこの交渉は任せておいて」
「暗黒微笑の貴公子様の出番ですか?」
「この年で貴公子は無いでしょ」
暗黒微笑は否定しないんだ。
「キャシーちゃん、炎の聖人様に連絡は取れる?」
「確実にとは申せませんが、いくつか手段は思い付きます」
「やってもらえる?」
「連絡はサミュエル先生にで良いですか?」
「そうだね」
そう言ってジィッと私を見る。
「元気そうだね」
「落ち込んでベソベソ泣いてみんなに慰められて、あの時間があったからこそ、今出来る事をしようって思えているんです。私にはローレンス様の行方を追う力はありません。でも出来る事はたくさんあります。なによりもベソベソ泣いてばかりでは、ローレンス様に呆れられてしまいます」
「いつでも寄りかかってきて良いからね?」
「為すべき事を為した後ですね、それは」
「そんなに気を張っていたら、いつか折れてしまうよ?」
「折れない程度には気は抜いていますよ?」
「弱い所を見せないのは、キャシーちゃんらしいけどね」
「そうですか?私だって弱い所は見せてますよ?」
「『いつも気高く可愛らしく、慈愛の微笑みを浮かべる光の聖女様』だからねぇ、キャシーちゃんは」
「何ですか?それ」
「市井で流行ってる光の聖女様の歌」
「はい?また出来たんですか?」
「今のところ、5曲位あるらしいよ。正式にテアトルムで上演するからって、使用許可願いが出されてた」
「どうしてご存じですの?」
「たまたま行き合わせたんだよ。申請書が出された所にね」
「もちろん止めてくださったのですわよね?」
「嫌だなぁ。ちゃんと許可しておいたよ。市井の者に楽しみを提供するのも王宮の義務だからね」
「止めてくださいよ」
「止めないよ。歌劇仕立てにするらしいし、キャシーちゃんも観に行ったら?」
「確実に注目されるじゃないですか」
「当然でしょ?」
当然なんだ。それを良しとしちゃうんだ。
「キャシーちゃんは光の聖女様候補だよ?正式に任命されたら、今以上の注目度だよ?」
「分かっております。でも、積極的に目立ちたい訳じゃないんですよ?」
「知ってるよ」
そう言って伸ばしかけた手を引っ込めた。
「サミュエル様、正式発表まではお待ちいただきますよう」
マリアさんがにらみを効かせてたみたい。
「分かってるよ、マリア。ちょっとキャシーちゃんに似てきたんじゃない?」
「そうですか?」
「ははは……。さてと、ちょっと貴族院のジジィ達とやりあってくるかな。キャシーちゃんは救民院?」
「はい。久しぶりになってしまいましたが」
「仕方がないよ。ピアーズ君も行っているよ」
「ピアーズ様の光魔法はどうですか?」
「それは自分で判断して。上達はしてるよ」
上達はしてる、か。何かあるのかしら?
帰っていくサミュエル先生を見送って、私も救民院に出掛ける。
救民院ではララさんが編み物をしていた。
「お邪魔いたします」
「キャシーちゃん、来てくれたのね」
ポイッと編み物を放り投げて、ララさんが私に抱き付いた。
「ララさん、編み物が」
「いいのいいの。放っておいて」
「駄目ですって。それにしてもこの暑いのに編み物ですか?」
「今から編んでおかないと、時間が足りなくなっちゃうのよ」
救民院は閑散としていた。
「今日は患者さんは?」
「さっきまでは居たんだけどね。去年から来てくれてるあの子、えっと、ピアーズ君。あの子頑張ってるわね。ちょっと空回りしちゃってる気がするけど」
「空回り?」
「今はね、農園区画に行ってるの」
「あぁ。お家の方でもやっていたみたいですし、良いんじゃないでしょうか?」
「他にも侍衛官から剣術を習ったり、薬師に作り方を聞いたり。なんと言ったら良いのかしら?」
「詰め込みすぎですわね。お話ししましょうか?」
「お願い出来る?私じゃ説得力が無いのよね」
「そんな事は無いと思いますが。あ、ララさん、後でお話が」
「私も?」
「ララさんにとっては良い話ですよ」
「何かしら?楽しみにしておくわ」
ララさんに案内されて、農園区画に行く。ピアーズ君が一生懸命草むしりをしていた。
「ピアーズ様」
「あっ、フェルナー先輩」
子犬のように走ってきたピアーズ君が、私の少し手前で急に止まった。
「あ、泥だらけだ。手を洗ってきます」
言うや否やピューっと走っていく。
「なんと言うか、子犬を彷彿とさせますね」
後ろでマリアさんが呟いて、ララさんが吹き出していた。
「フェルナー先輩、こんにちは」
「はい、こんにちは。聞きましたよ?いろんな事を学んでいるんですって?」
「はい。たくさん勉強させてもらっています」
「でもね、詰め込みすぎではなくて?」
「詰め込みすぎですか?」
キョトンと聞き返された。
「光魔法は使っていけば上達します。でも、剣術はそうではないでしょう?出来なくてもどかしい時もあるのではないですか?」
「……あります」
「誤解しないでくださいね?するなと言っている訳ではございませんのよ?ただ、剣術を習うなら、まずは体力を着けた方が良いのでは?と思ったのです」
「侍衛官にもそう言われました」
「私は剣術を習った事はございません。ですが、お義兄様がずっとやっているのを見てまいりました。農園のお手伝いは体力を使いますでしょう?」
「はい。僕はすぐに疲れてしまって」
「ならばそこからご指導いただいた方が良いのでは?」
「えっと、どういう?」
「体力を付けるにはどうすれば良いかのご指導です。後は学院で剣術倶楽部に入る、という手もございましてよ?」
「剣術倶楽部って、僕みたいな初心者が入っても良いんですか?」
「良いと思いますわよ?誰だって最初は初心者ですもの。私の知り合いに聞いてみましょうか?」
「良いんですか?」
パァッと顔を輝かせる。
「でも聞かせてくださらない?どうして急に?」
「あ、えっと、急にっていうか……」
しどろもどろになりながら説明してくれた。曰く、救民院に通っている内に今までの「弱い自分」を反省したのだそうだ。
デリス・ヘリンソン侯爵令息と話もしたと言う。そこで貴族の心得というか心構えや、貴族としての義務についても聞いたらしい。
「その時に言われたんです。貴族は心身ともに強くなければって」
「キャシーちゃん、ちょっといいかな?」
「はい」
いつも魔法の練習をしていた庭に出る。
「非常に言いにくいんだけど、決定してしまったよ」
何を?とは聞かない。たぶん私とサミュエル先生の、仮婚約の件だよね。
「ごめんね、力不足で」
「いいえ。精一杯やってくださったのでしょう?ご自分の為にも」
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「その為にフェルナー邸へ?」
「うん。一足先に知らせてこいって。叔母上なんて怒って泣いて大変だったよ」
「怒って泣いて?」
「キャシーちゃんの事を考えてないって怒って、キャシーちゃんの立場を、見栄や駆け引きに使うしかないのが情けないって泣いて」
ありがたいと思う。王妃様は私の事を思ってくれている。
「それから、キャシーちゃんは卒業後に聖国に行くでしょう?もしそれまでにローレンス君が見付からなければ、私が同行するから。婚姻もせっつかれると思うけど、それは回避するからね」
「はい。色々とご迷惑をお掛け致します」
「聖国に行ってしまえば、というか、聖王猊下さえ味方に出来れば楽なんだけどね」
「そうなのですか?」
「例えば、聖王猊下が『光の聖女の婚姻は真に愛した者としか認めぬ』とか言ってくれたら、誰もごり押しできないからね。そこの交渉は任せておいて」
「暗黒微笑の貴公子様の出番ですか?」
「この年で貴公子は無いでしょ」
暗黒微笑は否定しないんだ。
「キャシーちゃん、炎の聖人様に連絡は取れる?」
「確実にとは申せませんが、いくつか手段は思い付きます」
「やってもらえる?」
「連絡はサミュエル先生にで良いですか?」
「そうだね」
そう言ってジィッと私を見る。
「元気そうだね」
「落ち込んでベソベソ泣いてみんなに慰められて、あの時間があったからこそ、今出来る事をしようって思えているんです。私にはローレンス様の行方を追う力はありません。でも出来る事はたくさんあります。なによりもベソベソ泣いてばかりでは、ローレンス様に呆れられてしまいます」
「いつでも寄りかかってきて良いからね?」
「為すべき事を為した後ですね、それは」
「そんなに気を張っていたら、いつか折れてしまうよ?」
「折れない程度には気は抜いていますよ?」
「弱い所を見せないのは、キャシーちゃんらしいけどね」
「そうですか?私だって弱い所は見せてますよ?」
「『いつも気高く可愛らしく、慈愛の微笑みを浮かべる光の聖女様』だからねぇ、キャシーちゃんは」
「何ですか?それ」
「市井で流行ってる光の聖女様の歌」
「はい?また出来たんですか?」
「今のところ、5曲位あるらしいよ。正式にテアトルムで上演するからって、使用許可願いが出されてた」
「どうしてご存じですの?」
「たまたま行き合わせたんだよ。申請書が出された所にね」
「もちろん止めてくださったのですわよね?」
「嫌だなぁ。ちゃんと許可しておいたよ。市井の者に楽しみを提供するのも王宮の義務だからね」
「止めてくださいよ」
「止めないよ。歌劇仕立てにするらしいし、キャシーちゃんも観に行ったら?」
「確実に注目されるじゃないですか」
「当然でしょ?」
当然なんだ。それを良しとしちゃうんだ。
「キャシーちゃんは光の聖女様候補だよ?正式に任命されたら、今以上の注目度だよ?」
「分かっております。でも、積極的に目立ちたい訳じゃないんですよ?」
「知ってるよ」
そう言って伸ばしかけた手を引っ込めた。
「サミュエル様、正式発表まではお待ちいただきますよう」
マリアさんがにらみを効かせてたみたい。
「分かってるよ、マリア。ちょっとキャシーちゃんに似てきたんじゃない?」
「そうですか?」
「ははは……。さてと、ちょっと貴族院のジジィ達とやりあってくるかな。キャシーちゃんは救民院?」
「はい。久しぶりになってしまいましたが」
「仕方がないよ。ピアーズ君も行っているよ」
「ピアーズ様の光魔法はどうですか?」
「それは自分で判断して。上達はしてるよ」
上達はしてる、か。何かあるのかしら?
帰っていくサミュエル先生を見送って、私も救民院に出掛ける。
救民院ではララさんが編み物をしていた。
「お邪魔いたします」
「キャシーちゃん、来てくれたのね」
ポイッと編み物を放り投げて、ララさんが私に抱き付いた。
「ララさん、編み物が」
「いいのいいの。放っておいて」
「駄目ですって。それにしてもこの暑いのに編み物ですか?」
「今から編んでおかないと、時間が足りなくなっちゃうのよ」
救民院は閑散としていた。
「今日は患者さんは?」
「さっきまでは居たんだけどね。去年から来てくれてるあの子、えっと、ピアーズ君。あの子頑張ってるわね。ちょっと空回りしちゃってる気がするけど」
「空回り?」
「今はね、農園区画に行ってるの」
「あぁ。お家の方でもやっていたみたいですし、良いんじゃないでしょうか?」
「他にも侍衛官から剣術を習ったり、薬師に作り方を聞いたり。なんと言ったら良いのかしら?」
「詰め込みすぎですわね。お話ししましょうか?」
「お願い出来る?私じゃ説得力が無いのよね」
「そんな事は無いと思いますが。あ、ララさん、後でお話が」
「私も?」
「ララさんにとっては良い話ですよ」
「何かしら?楽しみにしておくわ」
ララさんに案内されて、農園区画に行く。ピアーズ君が一生懸命草むしりをしていた。
「ピアーズ様」
「あっ、フェルナー先輩」
子犬のように走ってきたピアーズ君が、私の少し手前で急に止まった。
「あ、泥だらけだ。手を洗ってきます」
言うや否やピューっと走っていく。
「なんと言うか、子犬を彷彿とさせますね」
後ろでマリアさんが呟いて、ララさんが吹き出していた。
「フェルナー先輩、こんにちは」
「はい、こんにちは。聞きましたよ?いろんな事を学んでいるんですって?」
「はい。たくさん勉強させてもらっています」
「でもね、詰め込みすぎではなくて?」
「詰め込みすぎですか?」
キョトンと聞き返された。
「光魔法は使っていけば上達します。でも、剣術はそうではないでしょう?出来なくてもどかしい時もあるのではないですか?」
「……あります」
「誤解しないでくださいね?するなと言っている訳ではございませんのよ?ただ、剣術を習うなら、まずは体力を着けた方が良いのでは?と思ったのです」
「侍衛官にもそう言われました」
「私は剣術を習った事はございません。ですが、お義兄様がずっとやっているのを見てまいりました。農園のお手伝いは体力を使いますでしょう?」
「はい。僕はすぐに疲れてしまって」
「ならばそこからご指導いただいた方が良いのでは?」
「えっと、どういう?」
「体力を付けるにはどうすれば良いかのご指導です。後は学院で剣術倶楽部に入る、という手もございましてよ?」
「剣術倶楽部って、僕みたいな初心者が入っても良いんですか?」
「良いと思いますわよ?誰だって最初は初心者ですもの。私の知り合いに聞いてみましょうか?」
「良いんですか?」
パァッと顔を輝かせる。
「でも聞かせてくださらない?どうして急に?」
「あ、えっと、急にっていうか……」
しどろもどろになりながら説明してくれた。曰く、救民院に通っている内に今までの「弱い自分」を反省したのだそうだ。
デリス・ヘリンソン侯爵令息と話もしたと言う。そこで貴族の心得というか心構えや、貴族としての義務についても聞いたらしい。
「その時に言われたんです。貴族は心身ともに強くなければって」
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