285 / 328
学院中等部 8学年生
ポーションの長期保存 検証その①
しおりを挟む
「それで何かな?」
薬草研究会が終わってから、サミュエル先生の部屋にお邪魔した。
「光魔法とは何でしょうか?」
「うん?光魔法は光魔法でしょ?人体修復力を持つ奇跡の属性だ」
「そう、ですよね」
「どうかしたのかい?」
「人体を即座に修復するなんて、神の領域だと思っただけです。この世界でも医者がいて、日数をかければ怪我も病気も治ります。それなのに何故光魔法があるのかと……」
「そんな事は考えた事が無かったよ。でもさ、奇跡の属性じゃ駄目なのかい?」
「そもそも魔法も謎なのですが」
「まぁね。でも魔法は存在していて、それが当たり前だ」
「当たり前……」
「神様が、天父神シュターディル様と地母神マーテル様が授けてくだされた、神秘の力だよ」
「それは知っています。眷属神である属性神様達の慈悲の力ですよね。創世期はもっと強く大型の獣ばかりで、その獣に対抗出来る力を授けられたと習いました」
「それじゃ駄目なのかい?」
「駄目ではないですよ。この世界に昔生息していた獣にそっくりな獣は、前世でも生息していましたし」
「居たんだ」
「前世ではダイノソアは人間と同時期には存在しませんでしたけどね。ファーニィービーストに似た獣は人間が狩りの対象にしていたらしいですけれど」
「魔法は無かったんだよね?どうやって狩っていたんだい?」
「槍とか自作の武器で」
「へぇぇ」
「石を割ったり磨いたりした物を槍の穂先としていたらしいです」
「プッ、いや失礼。でもそんな物で?」
「石といってもオブシディアンですわよ?割れたオブシディアンの切れ味はご存じだと思いますが?」
後はサヌカイトとか。サヌカイトは日本だけだったっけ?
それに失敗も多かったらしいし。そして単独で狩る獲物じゃない。
「オブシディアンかぁ。たしかに切れ味は鋭いね」
オブシディアンはこの世界でもインテリアに用いられる。衝撃で割れやすいから怪我もしやすい。落として割ってしまって、拾い集めようとして、とかで、怪我をする事も多いそうだ。
「考えすぎないようにした方がいいよ。光魔法は光魔法。そう思っておいた方がいい」
「……分かりました」
「他は?大丈夫?」
「ローレンス様の……。いえ、なんでもありません」
「今、紋章から調べてるよ。何か分かったら知らせるから」
「はい。よろしくお願いいたします」
礼をして、サミュエル先生の部屋を出た。
その日から5日置きにポーションの確認を行った。品質に変わりはないか、腐敗していないか。クリスト様と一緒にひとつひとつ確認と記録を行った。日の当たる窓際に置いたポーションは、20日目に品質がガクッと落ちた。窓際に置いた3つ共全てがだ。
「これは駄目ですねぇ」
「そうですわね。開けてみましょうか」
減圧は出来ていたようで、開けるのにかなりの力が要ったけれど、ビンのフタを開けてみた。
「匂いは変わりないですぅ」
「少しとろみはあるかしら?」
「でも、ポーションってこんな感じですよねぇ?」
「そうでしたわね」
日陰に置いたポーションは45日目に、品質が落ちると共に色が薄く、透明になった。
「駄目ですねぇ。薬草の匂いも消えちゃいましたぁ」
「ひとつは完全にとろみも消えてますわね」
残りは冷暗所に置いた3つのみ。この3つは品質も変わらないし、色も変わらない。
「冷暗所に置けば、長期保存は可能って事ですかぁ?」
「まだ分かりませんでしてよ?次は夏に試してみなければ」
「えぇぇ……。まだ駄目なんですかぁ?」
「この後もう1度、同じ条件を試してみましょう」
「え?今からですかぁ?夏じゃなくて?」
「今からです。とは言いましても、明日からですが」
「良かったぁ。明日からなんだ。ねぇ、フェルナー先輩、ちゃんと休めています?お顔色が悪いですよ?」
「え?」
顔色が悪い?ちゃんとお化粧をしてるのに?
「今はお化粧で誤魔化せてますけどぉ、唇とか口紅の色が浮いちゃってて、心配ですぅ。食事も少ないでしょう?」
驚いた。クリスト様ってあんがいよく見ている。
「なぁんて。私が気付いたんじゃないですよぉ。クグラン先輩が言ってたんですぅ。それ以来気になっちゃって、それで注意してたんですよぉ」
「ごめんなさい」
「謝らないでくださいよぉ。お茶、飲みましょ。あ、クレイヴンせんぱぁい、教えてくださぁい」
パタパタとクリスト様が走っていった。何かを話しかけられたクレイヴン様とリリス様が少し考えて、ハーブティーを淹れ始める。
「キャスリーン様、ハーブティーです。リラックス効果と血行促進の効果のハーブを使いました」
「リリス様」
「みんなもお茶にしますから、お飲みください。お茶請けもありますけれども、召し上がられますか?」
「いえ、申し訳ございませんが」
「食欲は戻られませんか?」
「えぇ」
リリス様がソッとその場を立ち去った。ひとりにしてくれたんだと思う。
リリス様が淹れてくれたハーブティーを、ゆっくりと味わう。水色は黄色がかったグリーン。メリッサの香りとチェストベリーの少し苦味のある味がする。他にも入っているのだろうけど、判別は付かなかった。
その時、鉄臭い血の匂いがした。鼻出血らしい。最近は慣れてきて鼻出血の前に匂いで分かるようになってきた。ハンカチで鼻の辺りを押さえて席を立つ。レストルームに駆け込んでハンカチを外すと、ハンカチが真っ赤に染まっていた。
「キャスリーン様」
「マリアさん」
「鼻出血ですか?」
「はい。ハンカチを汚してしまいました」
「洗いましょうか?」
「自分で洗いますわよ?」
「私に任せてください。もしかして今まではご自分で?」
「はい。これ位でしたら、ランドリーメイドの手を煩わせるまでもありませんから」
「キャスリーン様、お気持ちは分かりますが」
「だって、血の付いた物は早く洗わないと染みになっちゃって、落ちなくなってしまいますもの」
「そういった物を綺麗にする技術を持っているのが、ランドリーメイドですよ?」
「それは分かっておりますけれど」
レストルームでマリアさんと言い合いをしていると、リリス様が様子を見に来てくれた。どうやら心配になったらしい。
「キャスリーン様、大丈夫ですか?」
「えぇ、大丈夫ですわ。ご心配させてしまいましたのね。申し訳ございません」
私がリリス様と話している間に、ハンカチを手早く綺麗にしたマリアさんも一緒に、薬草研究会に戻った。
「キャスリーン様、どうなさいましたの?急に教室をお出になられましたから、心配いたしましたのよ」
ガブリエラ様からも心配の目を向けられた。
「申し訳ございません。少し……」
「ご無理はなさっておられませんわよね?何かございましたらご相談なさってくださいまし?」
「ありがとうございます」
と言われても相談出来ないのよね。代償経の事は、たぶん私が1番詳しいだろうし。
翌日から薬草研究会のみんなを巻き込んでの、ポーション液作りを始めた。やり方は私が指導しての煮沸消毒。全員で作ったから成分統一は出来ていないけれど、ポーション液としては合格している物ばかりで、それぞれ別々の場所に5個ずつ置いての経過観察が始まった。
最初に効果が失われたのは、直射日光が当たる屋外に置いたポーション。やっぱり10日程で有効成分の数値が、ガタッと落ちた。
次いで直射日光が当たる室内の物。こちらは20日程で有効成分が失われた。
ちなみに有効成分が失われたポーションは、園芸愛好会が植物に与えていた。
薬草研究会が終わってから、サミュエル先生の部屋にお邪魔した。
「光魔法とは何でしょうか?」
「うん?光魔法は光魔法でしょ?人体修復力を持つ奇跡の属性だ」
「そう、ですよね」
「どうかしたのかい?」
「人体を即座に修復するなんて、神の領域だと思っただけです。この世界でも医者がいて、日数をかければ怪我も病気も治ります。それなのに何故光魔法があるのかと……」
「そんな事は考えた事が無かったよ。でもさ、奇跡の属性じゃ駄目なのかい?」
「そもそも魔法も謎なのですが」
「まぁね。でも魔法は存在していて、それが当たり前だ」
「当たり前……」
「神様が、天父神シュターディル様と地母神マーテル様が授けてくだされた、神秘の力だよ」
「それは知っています。眷属神である属性神様達の慈悲の力ですよね。創世期はもっと強く大型の獣ばかりで、その獣に対抗出来る力を授けられたと習いました」
「それじゃ駄目なのかい?」
「駄目ではないですよ。この世界に昔生息していた獣にそっくりな獣は、前世でも生息していましたし」
「居たんだ」
「前世ではダイノソアは人間と同時期には存在しませんでしたけどね。ファーニィービーストに似た獣は人間が狩りの対象にしていたらしいですけれど」
「魔法は無かったんだよね?どうやって狩っていたんだい?」
「槍とか自作の武器で」
「へぇぇ」
「石を割ったり磨いたりした物を槍の穂先としていたらしいです」
「プッ、いや失礼。でもそんな物で?」
「石といってもオブシディアンですわよ?割れたオブシディアンの切れ味はご存じだと思いますが?」
後はサヌカイトとか。サヌカイトは日本だけだったっけ?
それに失敗も多かったらしいし。そして単独で狩る獲物じゃない。
「オブシディアンかぁ。たしかに切れ味は鋭いね」
オブシディアンはこの世界でもインテリアに用いられる。衝撃で割れやすいから怪我もしやすい。落として割ってしまって、拾い集めようとして、とかで、怪我をする事も多いそうだ。
「考えすぎないようにした方がいいよ。光魔法は光魔法。そう思っておいた方がいい」
「……分かりました」
「他は?大丈夫?」
「ローレンス様の……。いえ、なんでもありません」
「今、紋章から調べてるよ。何か分かったら知らせるから」
「はい。よろしくお願いいたします」
礼をして、サミュエル先生の部屋を出た。
その日から5日置きにポーションの確認を行った。品質に変わりはないか、腐敗していないか。クリスト様と一緒にひとつひとつ確認と記録を行った。日の当たる窓際に置いたポーションは、20日目に品質がガクッと落ちた。窓際に置いた3つ共全てがだ。
「これは駄目ですねぇ」
「そうですわね。開けてみましょうか」
減圧は出来ていたようで、開けるのにかなりの力が要ったけれど、ビンのフタを開けてみた。
「匂いは変わりないですぅ」
「少しとろみはあるかしら?」
「でも、ポーションってこんな感じですよねぇ?」
「そうでしたわね」
日陰に置いたポーションは45日目に、品質が落ちると共に色が薄く、透明になった。
「駄目ですねぇ。薬草の匂いも消えちゃいましたぁ」
「ひとつは完全にとろみも消えてますわね」
残りは冷暗所に置いた3つのみ。この3つは品質も変わらないし、色も変わらない。
「冷暗所に置けば、長期保存は可能って事ですかぁ?」
「まだ分かりませんでしてよ?次は夏に試してみなければ」
「えぇぇ……。まだ駄目なんですかぁ?」
「この後もう1度、同じ条件を試してみましょう」
「え?今からですかぁ?夏じゃなくて?」
「今からです。とは言いましても、明日からですが」
「良かったぁ。明日からなんだ。ねぇ、フェルナー先輩、ちゃんと休めています?お顔色が悪いですよ?」
「え?」
顔色が悪い?ちゃんとお化粧をしてるのに?
「今はお化粧で誤魔化せてますけどぉ、唇とか口紅の色が浮いちゃってて、心配ですぅ。食事も少ないでしょう?」
驚いた。クリスト様ってあんがいよく見ている。
「なぁんて。私が気付いたんじゃないですよぉ。クグラン先輩が言ってたんですぅ。それ以来気になっちゃって、それで注意してたんですよぉ」
「ごめんなさい」
「謝らないでくださいよぉ。お茶、飲みましょ。あ、クレイヴンせんぱぁい、教えてくださぁい」
パタパタとクリスト様が走っていった。何かを話しかけられたクレイヴン様とリリス様が少し考えて、ハーブティーを淹れ始める。
「キャスリーン様、ハーブティーです。リラックス効果と血行促進の効果のハーブを使いました」
「リリス様」
「みんなもお茶にしますから、お飲みください。お茶請けもありますけれども、召し上がられますか?」
「いえ、申し訳ございませんが」
「食欲は戻られませんか?」
「えぇ」
リリス様がソッとその場を立ち去った。ひとりにしてくれたんだと思う。
リリス様が淹れてくれたハーブティーを、ゆっくりと味わう。水色は黄色がかったグリーン。メリッサの香りとチェストベリーの少し苦味のある味がする。他にも入っているのだろうけど、判別は付かなかった。
その時、鉄臭い血の匂いがした。鼻出血らしい。最近は慣れてきて鼻出血の前に匂いで分かるようになってきた。ハンカチで鼻の辺りを押さえて席を立つ。レストルームに駆け込んでハンカチを外すと、ハンカチが真っ赤に染まっていた。
「キャスリーン様」
「マリアさん」
「鼻出血ですか?」
「はい。ハンカチを汚してしまいました」
「洗いましょうか?」
「自分で洗いますわよ?」
「私に任せてください。もしかして今まではご自分で?」
「はい。これ位でしたら、ランドリーメイドの手を煩わせるまでもありませんから」
「キャスリーン様、お気持ちは分かりますが」
「だって、血の付いた物は早く洗わないと染みになっちゃって、落ちなくなってしまいますもの」
「そういった物を綺麗にする技術を持っているのが、ランドリーメイドですよ?」
「それは分かっておりますけれど」
レストルームでマリアさんと言い合いをしていると、リリス様が様子を見に来てくれた。どうやら心配になったらしい。
「キャスリーン様、大丈夫ですか?」
「えぇ、大丈夫ですわ。ご心配させてしまいましたのね。申し訳ございません」
私がリリス様と話している間に、ハンカチを手早く綺麗にしたマリアさんも一緒に、薬草研究会に戻った。
「キャスリーン様、どうなさいましたの?急に教室をお出になられましたから、心配いたしましたのよ」
ガブリエラ様からも心配の目を向けられた。
「申し訳ございません。少し……」
「ご無理はなさっておられませんわよね?何かございましたらご相談なさってくださいまし?」
「ありがとうございます」
と言われても相談出来ないのよね。代償経の事は、たぶん私が1番詳しいだろうし。
翌日から薬草研究会のみんなを巻き込んでの、ポーション液作りを始めた。やり方は私が指導しての煮沸消毒。全員で作ったから成分統一は出来ていないけれど、ポーション液としては合格している物ばかりで、それぞれ別々の場所に5個ずつ置いての経過観察が始まった。
最初に効果が失われたのは、直射日光が当たる屋外に置いたポーション。やっぱり10日程で有効成分の数値が、ガタッと落ちた。
次いで直射日光が当たる室内の物。こちらは20日程で有効成分が失われた。
ちなみに有効成分が失われたポーションは、園芸愛好会が植物に与えていた。
106
お気に入りに追加
493
あなたにおすすめの小説
離婚した彼女は死ぬことにした
まとば 蒼
恋愛
2日に1回更新(希望)です。
-----------------
事故で命を落とす瞬間、政略結婚で結ばれた夫のアルバートを愛していたことに気づいたエレノア。
もう一度彼との結婚生活をやり直したいと願うと、四年前に巻き戻っていた。
今度こそ彼に相応しい妻になりたいと、これまでの臆病な自分を脱ぎ捨て奮闘するエレノア。しかし、
「前にも言ったけど、君は妻としての役目を果たさなくていいんだよ」
返ってくるのは拒絶を含んだ鉄壁の笑みと、表面的で義務的な優しさ。
それでも夫に想いを捧げ続けていたある日のこと、アルバートの大事にしている弟妹が原因不明の体調不良に襲われた。
神官から、二人の体調不良はエレノアの体内に宿る瘴気が原因だと告げられる。
大切な人を守るために離婚して彼らから離れることをエレノアは決意するが──。
-----------------
とあるコンテストに応募するためにひっそり書いていた作品ですが、最近ダレてきたので公開してみることにしました。
まだまだ荒くて調整が必要な話ですが、どんなに些細な内容でも反応を頂けると大変励みになります。
書きながら色々修正していくので、読み返したら若干展開が変わってたりするかもしれません。
作風が好みじゃない場合は回れ右をして自衛をお願いいたします。

【完結】長い眠りのその後で
maruko
恋愛
伯爵令嬢のアディルは王宮魔術師団の副団長サンディル・メイナードと結婚しました。
でも婚約してから婚姻まで一度も会えず、婚姻式でも、新居に向かう馬車の中でも目も合わせない旦那様。
いくら政略結婚でも幸せになりたいって思ってもいいでしょう?
このまま幸せになれるのかしらと思ってたら⋯⋯アレッ?旦那様が2人!!
どうして旦那様はずっと眠ってるの?
唖然としたけど強制的に旦那様の為に動かないと行けないみたい。
しょうがないアディル頑張りまーす!!
複雑な家庭環境で育って、醒めた目で世間を見ているアディルが幸せになるまでの物語です
全50話(2話分は登場人物と時系列の整理含む)
※他サイトでも投稿しております
ご都合主義、誤字脱字、未熟者ですが優しい目線で読んで頂けますと幸いです

跡継ぎが産めなければ私は用なし!? でしたらあなたの前から消えて差し上げます。どうぞ愛妾とお幸せに。
Kouei
恋愛
私リサーリア・ウォルトマンは、父の命令でグリフォンド伯爵令息であるモートンの妻になった。
政略結婚だったけれど、お互いに思い合い、幸せに暮らしていた。
しかし結婚して1年経っても子宝に恵まれなかった事で、義父母に愛妾を薦められた夫。
「承知致しました」
夫は二つ返事で承諾した。
私を裏切らないと言ったのに、こんな簡単に受け入れるなんて…!
貴方がそのつもりなら、私は喜んで消えて差し上げますわ。
私は切岸に立って、夕日を見ながら夫に別れを告げた―――…
※この作品は、他サイトにも投稿しています。

婚約破棄から~2年後~からのおめでとう
夏千冬
恋愛
第一王子アルバートに婚約破棄をされてから二年経ったある日、自分には前世があったのだと思い出したマルフィルは、己のわがままボディに絶句する。
それも王命により屋敷に軟禁状態。肉塊のニート令嬢だなんて絶対にいかん!
改心を決めたマルフィルは、手始めにダイエットをして今年行われるアルバートの生誕祝賀パーティーに出席することを目標にする。

魅了の魔法を使っているのは義妹のほうでした・完
瀬名 翠
恋愛
”魅了の魔法”を使っている悪女として国外追放されるアンネリーゼ。実際は義妹・ビアンカのしわざであり、アンネリーゼは潔白であった。断罪後、親しくしていた、隣国・魔法王国出身の後輩に、声をかけられ、連れ去られ。
夢も叶えて恋も叶える、絶世の美女の話。
*五話でさくっと読めます。

【完結】裏切っておいて今になって謝罪ですか? もう手遅れですよ?
かとるり
恋愛
婚約者であるハワード王子が他の女性と抱き合っている現場を目撃してしまった公爵令嬢アレクシア。
まるで悪いことをしたとは思わないハワード王子に対し、もう信じることは絶対にないと思うアレクシアだった。

戻る場所がなくなったようなので別人として生きます
しゃーりん
恋愛
医療院で目が覚めて、新聞を見ると自分が死んだ記事が載っていた。
子爵令嬢だったリアンヌは公爵令息ジョーダンから猛アプローチを受け、結婚していた。
しかし、結婚生活は幸せではなかった。嫌がらせを受ける日々。子供に会えない日々。
そしてとうとう攫われ、襲われ、森に捨てられたらしい。
見つかったという遺体が自分に似ていて死んだと思われたのか、別人とわかっていて死んだことにされたのか。
でももう夫の元に戻る必要はない。そのことにホッとした。
リアンヌは別人として新しい人生を生きることにするというお話です。

こういうの「ざまぁ」って言うんですよね? ~婚約破棄されたら美人になりました~
茅野ガク
恋愛
家のために宝石商の息子と婚約をした伯爵令嬢シスカ。彼女は婚約者の長年の暴言で自分に自信が持てなくなっていた。
更には婚約者の裏切りにより、大勢の前で婚約破棄を告げられてしまう。
シスカが屈辱に耐えていると、宮廷医師ウィルドがその場からシスカを救ってくれた。
初対面のはずの彼はシスカにある提案をして――
人に素顔を見せることが怖くなっていたシスカが、ウィルドと共に自信と笑顔を取り戻していくお話です。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる