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学院中等部 7学年生
武術魔法披露会 ①
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今年の武術魔法披露会には、私は無事に救護室待機に収まった。ピアーズ君も一緒だ。ピアーズ君は光魔法の訓練も兼ねていて、簡単な怪我はミーア先生の指導の元、彼が治す事になっている。まだ慣れていないから、5人治したら休憩というのはミーア先生にも知らされていて、ピアーズ君は今から緊張しているように見えた。
今日はジャクソン先輩は、ピアーズ君の側に居ない。補助教員はこういった行事に参加出来ない。用務員のような全体的な補助に回っている。
「ピアーズ君、リラックスよ。だーいじょーぶ、だいじょーぶ」
ミーア先生が声をかけるんだけど、ピアーズ君はガチガチに緊張している。
最初の内は初等部の患者が多い。ピアーズ君が光魔法を上手く発動出来ない頃から知っている子達がほとんどだから、何だか見下すような蔑むような、そんな風に見ていく子もいる。
「おい、お前は触るな。準男爵なんて平民と同じだろうが。高貴な私に触れるな」
「あらあら、じゃあ、あなたは誰にも治療してもらえないわねぇ。私も平民ですもの」
「えっ」
ニコニコとミーア先生が言う。ミーア先生は男爵位を持っているのよね。公表はしていないけれど。
悔しそうにピアーズ君を見て、悔しそうにピアーズ君に治療してもらって、悔しそうにピアーズ君を睨みながら去っていった彼は、ジョン・クーパー男爵子息。5年程前に男爵位を買ったクーパー家の息子だ。なんだかピアーズ君にライバル意識というか、鬱屈した想いを抱いているらしい。ピアーズ君が5人目の治療を終えて、休憩に入ろうとした時に飛び込んできたのは、チャールズ・サニディーン侯爵令息。
「光の聖女様っ。良かった。今年も居てくださった」
「サニディーン侯爵令息様?どうなさいましたの?」
「すみません。ちょっと強く叩きすぎたって言うか、倒れて意識が無くって」
「フェルナー様、お願い」
「はいっ」
ダニエル様とマリアさんの後について飛び出す。人だかりが出来ている試合会場を頑張って進んでいく。その内気付いたみんなが、道を開けてくれた。
「マーク君。マーク・ウィンストン君、目を開けなさい」
中央で倒れた子を、デイビット・エバンス先生が揺り起こそうとしている。
「エバンス先生、揺すらないでください」
大声で制止して、エバンス先生を遠ざけてもらった。
サミュエル先生も駆け付けてきた。
「状況は?」
「頭部打撲です。出血もあります」
「とりあえず応急措置だね。本格的には救護室で」
「分かりました」
出血を止め、担架が来るまでに少しだけ内部を探る。まずい。急性硬膜外血腫を起こしている。
急性硬膜外血腫は頭部の外傷によって、脳を覆う硬膜と頭蓋骨の間に血液がたまる病気だ。頭蓋骨の骨折などで硬膜動脈や脳静脈洞が損傷し、出血する事で生じる。
「先生、急性硬膜外血腫を認めます」
「分かった。処置は出来るね?」
「はい」
担架に乗せられたマーク・ウィンストンが運ばれていく。
「マーク……」
マーク・ウィンストンを見送るチャールズ・サニディーンの横をすり抜ける。私の後ろをチャールズ・サニディーンが黙って付いてきた。
「サニディーン様、少しお離れになった方が……」
「しかし、少しでも側に付いていたいんだ」
マーク・ウィンストンとチャールズ・サニディーンの関係は、何だろう?疑問に思いながら、治癒を進めていく。
「キャシーちゃん、任せていいかな?」
「はい。ミーア先生も居てくださいますから」
「頼むね。さて、チャールズ・サニディーン侯爵子息、ちょっと話をいいかな?」
サミュエル先生が、チャールズ・サニディーンを連れていった。
硬膜外の血腫となっている原因の血管を修復。次に血腫を取り除けばいいんだけど、血液をどうしよう?血管内に戻す?というか、戻せるの?
とにかく元の状態にという事を念じて、光魔法を使い続ける。どんどん魔力が減っていくのを感じる。
ようやく血腫が消えたのが感じ取れた。
「キャシーちゃん、どうだい?」
「血腫は取り除きましたし、血管の修復も終わりました。後は全身チェックだけです」
「代わろうか?」
「お願い出来ますか?」
「珍しいね。大丈夫かい?」
「かなり魔力を使いました。脳外は専門外だったんですよね」
「休んでいなさい。はい、これを持って」
「先生?これって……」
「後でね」
渡された物を持って突っ立っていると、ダニエル様にソッと下がらされた。
渡された物は、どう見ても見覚えがある物。フェアールカク領でダヴィート・コンドラショフ様から頂いたペトリファイドのペルクナスの心臓だ。もちろん最初に頂いた物とは金の入り方が違う。でも、あの時に感じた暖かな感じがする。渡されたペトリファイドはあの時の物より少し大きい。
サミュエル先生が待機場所の居た私の所に歩いてきた。
「チェック、終わったよ。特に異常なし」
「ありがとうございます」
「何か聞きたい事がありそうだね?」
「いくつもあります。答えていただけるのですか?」
「答えられる範囲ならね」
「まず、このペトリファイドはペルクナスの心臓ですわよね?」
「そうだよ」
「どうされたのですか?これ」
「今ね、王宮にダヴィート・コンドラショフ様が逗留中なんだよ。それであの時のペルクナスの心臓が砕けたと聞いて、これをと渡された。ペルクナスの心臓には言い伝えがあるそうだ。『正しい行いをする者を守護する』というね」
「正しい行い?」
「あの時、ダヴィート・コンドラショフ様はキャシーちゃんに渡さなければと感じたそうだよ。今までにもそういう事があったんだそうだ」
「不思議なお話ですわね」
「そもそもダヴィート・コンドラショフ様がスタヴィリス国に避難されたのも、その為というか、スタヴィリス国に逃げるべきだと思ったらしいよ。ダヴィート・コンドラショフ様の居住地はスタヴィリス国から離れているからね。他国に行く予定だったんだそうだ」
「なのにその直感に従って、スタヴィリス国にいらっしゃったと?」
「ご本人が仰るにはね」
にわかには信じがたいけれど、第6感というものだろうか?
「フェアールカク領でキャシーちゃんを見て、彼女に会うためか?と思ったと仰っていた。少々戸惑ったみたいだけど」
「それは余計な一言ですわよ?」
手の中のペルクナスの心臓を見る。正しい行いをする者を守護するという、ペルクナスの心臓。ペトリファイドの深いオレンジ色の中に走る眩い金色。
「それは砕けたペルクナスの心臓の交換の品だそうだよ」
「交換の品」
いくつも持ってたの?
「そのペルクナスの心臓なんだけど、キャシーちゃんは温かい気がすると言っただろう?私はそうは感じないんだよ」
「そうなのですか?」
「私だけじゃない。ダヴィート・コンドラショフ様も温かく感じた事は無いそうだ」
なんとなくサミュエル先生の言葉に引っ掛かりを覚えた。私は『暖かい』と言った。心が暖まるような、ポカポカとする心持ちという意味として。でも、サミュエル先生は温度的に『温かい』と言っている気がする。
「先生、温かく感じると言っても、温度的に高いというわけではございませんわよ?」
「違うの?」
「違います。心が暖まるような感じがすると申したのですが、言葉って難しいですわね」
「そうか。温度が高いという訳じゃなかったんだ」
疑問が解けたという風に、サミュエル先生が私を見た。
「これで質問は終わりかな?」
「まだありますわ。いくつもあると言いましたわよね?」
「答えられる事なら答えるよ。さぁ、次の質問は?」
今日はジャクソン先輩は、ピアーズ君の側に居ない。補助教員はこういった行事に参加出来ない。用務員のような全体的な補助に回っている。
「ピアーズ君、リラックスよ。だーいじょーぶ、だいじょーぶ」
ミーア先生が声をかけるんだけど、ピアーズ君はガチガチに緊張している。
最初の内は初等部の患者が多い。ピアーズ君が光魔法を上手く発動出来ない頃から知っている子達がほとんどだから、何だか見下すような蔑むような、そんな風に見ていく子もいる。
「おい、お前は触るな。準男爵なんて平民と同じだろうが。高貴な私に触れるな」
「あらあら、じゃあ、あなたは誰にも治療してもらえないわねぇ。私も平民ですもの」
「えっ」
ニコニコとミーア先生が言う。ミーア先生は男爵位を持っているのよね。公表はしていないけれど。
悔しそうにピアーズ君を見て、悔しそうにピアーズ君に治療してもらって、悔しそうにピアーズ君を睨みながら去っていった彼は、ジョン・クーパー男爵子息。5年程前に男爵位を買ったクーパー家の息子だ。なんだかピアーズ君にライバル意識というか、鬱屈した想いを抱いているらしい。ピアーズ君が5人目の治療を終えて、休憩に入ろうとした時に飛び込んできたのは、チャールズ・サニディーン侯爵令息。
「光の聖女様っ。良かった。今年も居てくださった」
「サニディーン侯爵令息様?どうなさいましたの?」
「すみません。ちょっと強く叩きすぎたって言うか、倒れて意識が無くって」
「フェルナー様、お願い」
「はいっ」
ダニエル様とマリアさんの後について飛び出す。人だかりが出来ている試合会場を頑張って進んでいく。その内気付いたみんなが、道を開けてくれた。
「マーク君。マーク・ウィンストン君、目を開けなさい」
中央で倒れた子を、デイビット・エバンス先生が揺り起こそうとしている。
「エバンス先生、揺すらないでください」
大声で制止して、エバンス先生を遠ざけてもらった。
サミュエル先生も駆け付けてきた。
「状況は?」
「頭部打撲です。出血もあります」
「とりあえず応急措置だね。本格的には救護室で」
「分かりました」
出血を止め、担架が来るまでに少しだけ内部を探る。まずい。急性硬膜外血腫を起こしている。
急性硬膜外血腫は頭部の外傷によって、脳を覆う硬膜と頭蓋骨の間に血液がたまる病気だ。頭蓋骨の骨折などで硬膜動脈や脳静脈洞が損傷し、出血する事で生じる。
「先生、急性硬膜外血腫を認めます」
「分かった。処置は出来るね?」
「はい」
担架に乗せられたマーク・ウィンストンが運ばれていく。
「マーク……」
マーク・ウィンストンを見送るチャールズ・サニディーンの横をすり抜ける。私の後ろをチャールズ・サニディーンが黙って付いてきた。
「サニディーン様、少しお離れになった方が……」
「しかし、少しでも側に付いていたいんだ」
マーク・ウィンストンとチャールズ・サニディーンの関係は、何だろう?疑問に思いながら、治癒を進めていく。
「キャシーちゃん、任せていいかな?」
「はい。ミーア先生も居てくださいますから」
「頼むね。さて、チャールズ・サニディーン侯爵子息、ちょっと話をいいかな?」
サミュエル先生が、チャールズ・サニディーンを連れていった。
硬膜外の血腫となっている原因の血管を修復。次に血腫を取り除けばいいんだけど、血液をどうしよう?血管内に戻す?というか、戻せるの?
とにかく元の状態にという事を念じて、光魔法を使い続ける。どんどん魔力が減っていくのを感じる。
ようやく血腫が消えたのが感じ取れた。
「キャシーちゃん、どうだい?」
「血腫は取り除きましたし、血管の修復も終わりました。後は全身チェックだけです」
「代わろうか?」
「お願い出来ますか?」
「珍しいね。大丈夫かい?」
「かなり魔力を使いました。脳外は専門外だったんですよね」
「休んでいなさい。はい、これを持って」
「先生?これって……」
「後でね」
渡された物を持って突っ立っていると、ダニエル様にソッと下がらされた。
渡された物は、どう見ても見覚えがある物。フェアールカク領でダヴィート・コンドラショフ様から頂いたペトリファイドのペルクナスの心臓だ。もちろん最初に頂いた物とは金の入り方が違う。でも、あの時に感じた暖かな感じがする。渡されたペトリファイドはあの時の物より少し大きい。
サミュエル先生が待機場所の居た私の所に歩いてきた。
「チェック、終わったよ。特に異常なし」
「ありがとうございます」
「何か聞きたい事がありそうだね?」
「いくつもあります。答えていただけるのですか?」
「答えられる範囲ならね」
「まず、このペトリファイドはペルクナスの心臓ですわよね?」
「そうだよ」
「どうされたのですか?これ」
「今ね、王宮にダヴィート・コンドラショフ様が逗留中なんだよ。それであの時のペルクナスの心臓が砕けたと聞いて、これをと渡された。ペルクナスの心臓には言い伝えがあるそうだ。『正しい行いをする者を守護する』というね」
「正しい行い?」
「あの時、ダヴィート・コンドラショフ様はキャシーちゃんに渡さなければと感じたそうだよ。今までにもそういう事があったんだそうだ」
「不思議なお話ですわね」
「そもそもダヴィート・コンドラショフ様がスタヴィリス国に避難されたのも、その為というか、スタヴィリス国に逃げるべきだと思ったらしいよ。ダヴィート・コンドラショフ様の居住地はスタヴィリス国から離れているからね。他国に行く予定だったんだそうだ」
「なのにその直感に従って、スタヴィリス国にいらっしゃったと?」
「ご本人が仰るにはね」
にわかには信じがたいけれど、第6感というものだろうか?
「フェアールカク領でキャシーちゃんを見て、彼女に会うためか?と思ったと仰っていた。少々戸惑ったみたいだけど」
「それは余計な一言ですわよ?」
手の中のペルクナスの心臓を見る。正しい行いをする者を守護するという、ペルクナスの心臓。ペトリファイドの深いオレンジ色の中に走る眩い金色。
「それは砕けたペルクナスの心臓の交換の品だそうだよ」
「交換の品」
いくつも持ってたの?
「そのペルクナスの心臓なんだけど、キャシーちゃんは温かい気がすると言っただろう?私はそうは感じないんだよ」
「そうなのですか?」
「私だけじゃない。ダヴィート・コンドラショフ様も温かく感じた事は無いそうだ」
なんとなくサミュエル先生の言葉に引っ掛かりを覚えた。私は『暖かい』と言った。心が暖まるような、ポカポカとする心持ちという意味として。でも、サミュエル先生は温度的に『温かい』と言っている気がする。
「先生、温かく感じると言っても、温度的に高いというわけではございませんわよ?」
「違うの?」
「違います。心が暖まるような感じがすると申したのですが、言葉って難しいですわね」
「そうか。温度が高いという訳じゃなかったんだ」
疑問が解けたという風に、サミュエル先生が私を見た。
「これで質問は終わりかな?」
「まだありますわ。いくつもあると言いましたわよね?」
「答えられる事なら答えるよ。さぁ、次の質問は?」
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