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学院中等部 7学年生
芸術祭 2日目
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今日は音楽観賞会……違った。楽器演奏の発表が行われる。歌唱隊も出演するから、楽器演奏というか、音楽発表会かな?
一応元代表者だから激励に行ったんだけど、「一緒に歌いましょう」と言われてしまった。お断りさせてもらったけど。
みんなの楽器演奏を聞いて思った。最近ピアノを弾いていない。
ピアノの演奏の1曲に「 Wish Upon a Star」があって、なんだか懐かしくなってしまった。「簡単な曲」「運指の練習に」とされる曲だけど、難易度が上がると指使いも複雑になる。
「こうやって聞くと、簡単とされる曲でも聞き応えがありますわね」
「そうですわね。ガブリエラ様は最近はヴァイオリンは?」
「演奏しておりませんわね。もっともあまり上手ではございませんでしたが。薬草の本を見ている方が楽しかったですわ」
私もソナチネ位で止まってるのよね。こちらの世界で「シュターディルの威光」と呼ばれる「Jupiter」っぽい曲とか弾いてみたいな。その前の段階で終わっているけど。
歌唱隊の合唱は、「マーテルの慈しみ」。「シュターディルの威光」と迷ったらしいんだけど、柔らかい雰囲気のこちらに決めたらしい。
歌唱隊は正式な授業外交流のクラブとしてまだ認められていない。でも、すでに何人か新しい顔があるし、男性も居るようだ。
歌唱隊の「マーテルの慈しみ」は、浄化に近い力を感じる歌声だった。それと同時に昨日違和感を感じた辺りに、昨日より強力な違和感を感じた。違和感というか、そこだけ違う空間のような、変な感じがする。
「フェルナー嬢?」
「サミュエル先生はどこに?」
「ご案内します」
側に居てくれた体術倶楽部の人が2人、案内してくれた。
「サミュエル先生」
「あれかい?昨日言っていたのは」
「はい。昨日より強力な気がします」
「私にも分かるよ。呪いではないね」
「そうですわよね。昨日はゴーストだと言っていましたけれど、そんな感じです」
「そうだね。この世のモノと思えないという表現が、ピッタリだね」
舞台際まで観客が居る為に、今は近寄れない。昼休憩なら人が少なくなるだろうと考えて、昼休憩まで見守るしかなかった。
「歌唱隊の歌と共に存在感が増したよね?」
「エマちゃんの力でしょうか?」
「その可能性はあるね。今は光魔法を使っていないよね?」
「使っていません。そっか。増幅してもらったら、あるいは」
「ちょっと待とうか。先走りすぎだよ」
先走りしちゃった。落ち着かなきゃ。
昼休憩になると、会場に人は少なくなる。サミュエル先生と一緒に違和感を感じた所に行ってみた。サミュエル先生の完璧結界をかけてもらってるのに、寂しいとか哀しいという感情が湧いてくる。
「キャシーちゃん?大丈夫かい?」
「なんだか感情が落ち込んでいくというか、哀しい、寂しいという感情が湧いてきます」
「うん。私もそんな……。何だこれ?」
その席の下に落ちていたのは、黒曜石のような真っ黒ないびつな石だった。
「調べた方が良いね。魔術塔に持ち込んでみるよ」
「お願いします」
サミュエル先生が慎重に拾い上げて、聖布で出来た袋に入れた。
「これで何もなければ良いんだけどね」
「この石は関係無いと?」
「さぁ?とりあえず浄化しておこうか」
サミュエル先生と2人で浄化する。ついでにお祈りをしておいた。
「何をお祈りしたんだい?」
「悲しみや寂しさが無くなるようにと。その石が何かは分かりませんし、どうしてこんな感情を覚えるかは分かりません。でも、少しでも寄り添いたいんです」
「無茶をするね。もしこれが悪いモノと繋がっていたら、どうするんだい?」
「どうしましょう?」
「どうしましょうって……」
「話せば分かるとか、最後には手を取り合えるなんて、甘い事は分かってます。でも、もし、って考えてしまうんです。この哀しみや寂しさを感じているモノが、少しでも救われてほしいんです」
「甘いねぇ。キャシーちゃんのその甘さは嫌いじゃないけど」
「申し訳ございません」
「さ、気分を切り替えて、午後からを楽しもう」
「はい」
午後からは重奏部門。デュオ、トリオ、 カルテットの演奏形態の発表だ。
「フェルナー嬢、午前中の件は、片付いたのですか?」
午前中に、サミュエル先生の所に付き添ってくれた、体術倶楽部の人に聞かれた。
「一応ですわね。確実とは申せません」
「何だったのですか?」
「不明です」
「不明ですか?」
「私にもよく分かっておりませんの」
発表会が終わると、サミュエル先生に呼ばれた。
「さっきの石なんだけど、急いで魔術塔に持っていってもらったんだよ。魔術塔にはいくつか同じような石が届いていたらしい」
「他にもですか?」
「王都以外の所から持ち込まれた物ばかりだね。ピアーズ領からも届いていたようだよ。結構大きめのが」
「ピアーズ領からも?」
「石が見付かった所って、なんらかの揉め事が起きているんだよね。ミザリア伯爵領からは早い段階で届いていたって言うし」
「何なのでしょう?」
「分からないんだよね。ただ、こちらから持っていった石は、少し小さくなっていた気がするんだよね」
「小さくなっていた?」
「気がしただけだよ」
「不思議ですわね」
サミュエル先生の話からは、何も分からなかった。今回私に話してくれたのは、見付けた時に私も居たかららしい。気になるだろうからと、サミュエル先生の独断で知らせてくれたそうだ。ただしこれ以上は教えてもらえそうにない。
「ピアーズ領なんだけど、キャシーちゃんからの報告から、事実確認中だね。調査が入っているから後はこちらに任せてほしい。気になるのは、ピアーズ君の長期休暇なんだよね。夏季休暇中は王都の知り合いの家に、逗留していたらしいけど」
「知り合いのお家は安全なのですか?」
「安全だと思うよ。こちらも全てを把握出来ていないけどね」
それでもどこに誰が滞在しているという、大まかな場所は把握しているらしい。らしいというか、届けは必要だもんね。
「キャシーちゃんみたいなのが、一番困っちゃうんだよ。王都内に留まらないでしょ?」
「そう仰られましても」
「大半は依頼で動いているから、大丈夫だよ。護衛もちゃんとしているしね。でもねぇ、ピアーズ君は準男爵子息だしね。そこまで人手を割けないんだよね」
高位貴族ほど守られているのは、周知の事実だけど、この辺りの格差はいかんともしがたいんだよね。
「王都も安全な場所ばかりじゃないし」
サミュエル先生の話が、愚痴っぽくなっている気がします。愚痴位なら聞きますけどね。
「ごめんね。関係無い話を聞かせて」
「厄介事を先生に丸投げしているのは、私ですから。お話位はお聞きいたしますわ」
「学生らしくない達観の仕方だね」
「らしくございませんか?」
「教師とはいえ、キャシーちゃんからしたら、オジさんと呼ばれる年齢でしょ?40歳越えているんだよ?」
「年齢には3種類あるとご存じですか?」
「ん?3種類?」
「実年齢、肉体年齢、精神年齢です。これに脳年齢を足して4種類の年齢と言う方もいらっしゃいます」
「年齢は気にしなくて良いと?」
「実年齢以外は、その人次第で変動しますからね。年齢に囚われるべきではないというお話です。先生はお若いと思いますよ」
「キャシーちゃんは成熟しているよね」
「私には、前世の記憶がございますから」
「それだけじゃないよ。判断力、洞察力は、同年齢より高いと思うよ。ゼンセの記憶が役に立たない事もあるでしょ?」
「ございますけれど」
「こうやって愚痴を聞いてくれるのもね。こっちは嬉しいけど、キャシーちゃんはどうなのかって思う時もあるんだよ。気は付けているんだけどね。いつもごめんね」
一応元代表者だから激励に行ったんだけど、「一緒に歌いましょう」と言われてしまった。お断りさせてもらったけど。
みんなの楽器演奏を聞いて思った。最近ピアノを弾いていない。
ピアノの演奏の1曲に「 Wish Upon a Star」があって、なんだか懐かしくなってしまった。「簡単な曲」「運指の練習に」とされる曲だけど、難易度が上がると指使いも複雑になる。
「こうやって聞くと、簡単とされる曲でも聞き応えがありますわね」
「そうですわね。ガブリエラ様は最近はヴァイオリンは?」
「演奏しておりませんわね。もっともあまり上手ではございませんでしたが。薬草の本を見ている方が楽しかったですわ」
私もソナチネ位で止まってるのよね。こちらの世界で「シュターディルの威光」と呼ばれる「Jupiter」っぽい曲とか弾いてみたいな。その前の段階で終わっているけど。
歌唱隊の合唱は、「マーテルの慈しみ」。「シュターディルの威光」と迷ったらしいんだけど、柔らかい雰囲気のこちらに決めたらしい。
歌唱隊は正式な授業外交流のクラブとしてまだ認められていない。でも、すでに何人か新しい顔があるし、男性も居るようだ。
歌唱隊の「マーテルの慈しみ」は、浄化に近い力を感じる歌声だった。それと同時に昨日違和感を感じた辺りに、昨日より強力な違和感を感じた。違和感というか、そこだけ違う空間のような、変な感じがする。
「フェルナー嬢?」
「サミュエル先生はどこに?」
「ご案内します」
側に居てくれた体術倶楽部の人が2人、案内してくれた。
「サミュエル先生」
「あれかい?昨日言っていたのは」
「はい。昨日より強力な気がします」
「私にも分かるよ。呪いではないね」
「そうですわよね。昨日はゴーストだと言っていましたけれど、そんな感じです」
「そうだね。この世のモノと思えないという表現が、ピッタリだね」
舞台際まで観客が居る為に、今は近寄れない。昼休憩なら人が少なくなるだろうと考えて、昼休憩まで見守るしかなかった。
「歌唱隊の歌と共に存在感が増したよね?」
「エマちゃんの力でしょうか?」
「その可能性はあるね。今は光魔法を使っていないよね?」
「使っていません。そっか。増幅してもらったら、あるいは」
「ちょっと待とうか。先走りすぎだよ」
先走りしちゃった。落ち着かなきゃ。
昼休憩になると、会場に人は少なくなる。サミュエル先生と一緒に違和感を感じた所に行ってみた。サミュエル先生の完璧結界をかけてもらってるのに、寂しいとか哀しいという感情が湧いてくる。
「キャシーちゃん?大丈夫かい?」
「なんだか感情が落ち込んでいくというか、哀しい、寂しいという感情が湧いてきます」
「うん。私もそんな……。何だこれ?」
その席の下に落ちていたのは、黒曜石のような真っ黒ないびつな石だった。
「調べた方が良いね。魔術塔に持ち込んでみるよ」
「お願いします」
サミュエル先生が慎重に拾い上げて、聖布で出来た袋に入れた。
「これで何もなければ良いんだけどね」
「この石は関係無いと?」
「さぁ?とりあえず浄化しておこうか」
サミュエル先生と2人で浄化する。ついでにお祈りをしておいた。
「何をお祈りしたんだい?」
「悲しみや寂しさが無くなるようにと。その石が何かは分かりませんし、どうしてこんな感情を覚えるかは分かりません。でも、少しでも寄り添いたいんです」
「無茶をするね。もしこれが悪いモノと繋がっていたら、どうするんだい?」
「どうしましょう?」
「どうしましょうって……」
「話せば分かるとか、最後には手を取り合えるなんて、甘い事は分かってます。でも、もし、って考えてしまうんです。この哀しみや寂しさを感じているモノが、少しでも救われてほしいんです」
「甘いねぇ。キャシーちゃんのその甘さは嫌いじゃないけど」
「申し訳ございません」
「さ、気分を切り替えて、午後からを楽しもう」
「はい」
午後からは重奏部門。デュオ、トリオ、 カルテットの演奏形態の発表だ。
「フェルナー嬢、午前中の件は、片付いたのですか?」
午前中に、サミュエル先生の所に付き添ってくれた、体術倶楽部の人に聞かれた。
「一応ですわね。確実とは申せません」
「何だったのですか?」
「不明です」
「不明ですか?」
「私にもよく分かっておりませんの」
発表会が終わると、サミュエル先生に呼ばれた。
「さっきの石なんだけど、急いで魔術塔に持っていってもらったんだよ。魔術塔にはいくつか同じような石が届いていたらしい」
「他にもですか?」
「王都以外の所から持ち込まれた物ばかりだね。ピアーズ領からも届いていたようだよ。結構大きめのが」
「ピアーズ領からも?」
「石が見付かった所って、なんらかの揉め事が起きているんだよね。ミザリア伯爵領からは早い段階で届いていたって言うし」
「何なのでしょう?」
「分からないんだよね。ただ、こちらから持っていった石は、少し小さくなっていた気がするんだよね」
「小さくなっていた?」
「気がしただけだよ」
「不思議ですわね」
サミュエル先生の話からは、何も分からなかった。今回私に話してくれたのは、見付けた時に私も居たかららしい。気になるだろうからと、サミュエル先生の独断で知らせてくれたそうだ。ただしこれ以上は教えてもらえそうにない。
「ピアーズ領なんだけど、キャシーちゃんからの報告から、事実確認中だね。調査が入っているから後はこちらに任せてほしい。気になるのは、ピアーズ君の長期休暇なんだよね。夏季休暇中は王都の知り合いの家に、逗留していたらしいけど」
「知り合いのお家は安全なのですか?」
「安全だと思うよ。こちらも全てを把握出来ていないけどね」
それでもどこに誰が滞在しているという、大まかな場所は把握しているらしい。らしいというか、届けは必要だもんね。
「キャシーちゃんみたいなのが、一番困っちゃうんだよ。王都内に留まらないでしょ?」
「そう仰られましても」
「大半は依頼で動いているから、大丈夫だよ。護衛もちゃんとしているしね。でもねぇ、ピアーズ君は準男爵子息だしね。そこまで人手を割けないんだよね」
高位貴族ほど守られているのは、周知の事実だけど、この辺りの格差はいかんともしがたいんだよね。
「王都も安全な場所ばかりじゃないし」
サミュエル先生の話が、愚痴っぽくなっている気がします。愚痴位なら聞きますけどね。
「ごめんね。関係無い話を聞かせて」
「厄介事を先生に丸投げしているのは、私ですから。お話位はお聞きいたしますわ」
「学生らしくない達観の仕方だね」
「らしくございませんか?」
「教師とはいえ、キャシーちゃんからしたら、オジさんと呼ばれる年齢でしょ?40歳越えているんだよ?」
「年齢には3種類あるとご存じですか?」
「ん?3種類?」
「実年齢、肉体年齢、精神年齢です。これに脳年齢を足して4種類の年齢と言う方もいらっしゃいます」
「年齢は気にしなくて良いと?」
「実年齢以外は、その人次第で変動しますからね。年齢に囚われるべきではないというお話です。先生はお若いと思いますよ」
「キャシーちゃんは成熟しているよね」
「私には、前世の記憶がございますから」
「それだけじゃないよ。判断力、洞察力は、同年齢より高いと思うよ。ゼンセの記憶が役に立たない事もあるでしょ?」
「ございますけれど」
「こうやって愚痴を聞いてくれるのもね。こっちは嬉しいけど、キャシーちゃんはどうなのかって思う時もあるんだよ。気は付けているんだけどね。いつもごめんね」
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