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学院中等部 7学年生
シドニー君と薬草研究会
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シドニー君の光魔法も、ずいぶんとスムーズに発動出来るようになってきた。ジャクソン先輩はシドニー君を褒め、時に優しく諭しながら、いい関係を築いている。
サミュエル先生がシドニー君に薬草研究会の事を話したら、見学したいと言ってくれたので、今日の授業終わりに薬草研究会に行く事になった。
ジャクソン先輩は勝手知ったるなんとやらで、特に気負いもなく進んでいく。シドニー君は緊張ぎみだ。
「大丈夫だよ。薬草研究会は男爵、子爵階級が多いし。フェルナー嬢は侯爵家だけど、その辺りは気にしないしね」
シドニー君にジャクソン先輩が、楽しそうに話している。元は私も平民なんですけどね。
「フェルナー嬢、今日は早かったですね……って、ジャクソン先輩?え?」
「やぁ。みんな久しぶり。ここの雰囲気は変わらないね。安心したよ」
「ジャクソン先輩、お久しぶりですぅ」
「君も変わらないね、ヒラリー・クリスト伯爵令嬢」
「やぁだぁ、前みたいにヒラリーで良いですよぉ」
「卒業したからね、そういうわけにはいかないよ」
「えぇぇぇ、良いじゃないですかぁ、私と先輩の仲でしょおぉ」
「どういう仲だよっ」
懐かしいな、この雰囲気。ヒラリー・クリスト伯爵令嬢はジャクソン先輩に気が有ったようで、積極的に絡みに行っていた。それをジャクソン先輩が苦笑いしながらスルッと躱して。あの時は仲が良いのになぜ?と思ってたけど、教会で私に対する気持ちというか『光の聖女』に対する感情を聞いて、分かってしまった。あの時ヒラリー・クリスト伯爵令嬢に応えなかったのは、先輩なりの誠意だ。『光の聖女』に憧れというか、思慕の感情を持ったまま、ヒラリー・クリスト伯爵令嬢に応えられないと思ったんだと思う。
「あ、の……。先輩……」
「ごめんなさいね、シドニー君。こんな雰囲気だから、固くなる事は無いと思いますわ。普段はのんびりポーションを試作したり、他にも薬草を使った何かを作ったりしています。薬草も育てていますのよ」
「薬草を?え?どこで?」
「グリーンハウスの片隅を、お借りしておりますのよ」
「そうだったんですね」
「お茶の時間もございましてよ。シドニー君は何か苦手な物はございますか?」
「えっと、ナッツが食べられません」
「あら。食べるとご気分が悪くなったり?」
「というか、全身に赤いポツポツが。気持ち悪いですよね?」
「それはアレルギーですわ。無理をして食べると、命に関わる場合もございます」
「命に?」
「また説明いたしますわね。今は時間もございませんし。心配なさらなくてもよろしくてよ。除去食を準備いたしますわね」
「先輩が?」
「えぇ。私もですし、私がいなくとも用意されるように、周知徹底いたします」
「そこまでしてくれるんですか?」
「薬草研究会ではアレルギーについての勉強会も開いておりますの。ご心配には及びませんわ」
シドニー君が泣き出した。よくよく話を聞いてみると、ナッツアレルギーを好き嫌いだと言われていたそうだ。あの補助教員には無理に食べさせられて、じんましんをバカにされていたらしい。
これは追加で学院長先生に報告しなきゃね。アレルギーの事は、学院長先生にも説明して、理解してもらってる。学院は給食はなくて、カフェテリアで好きに注文するスタイルだから、危険は少ない。カフェテリアでもポインター先輩の弟、ミケール君の件があってから、説明して理解してもらった。申告すれば除去食を作ってもらえるようになっている。
「フェルナー先輩、その子は?新入生ですよね?」
「えぇ。紹介いたしますわ。シドニー・ピアーズ様です。光魔法の使い手ですわね」
とたんに歓声が上がった。
「ついに、ついに光魔法使いが」
「これでフェルナー嬢が卒業しても、ポーションが作れる」
「ブランジット先生も、いつまで居てくれるか分からなかったからなぁ」
「歓迎するよ、シドニー・ピアーズ君」
次々に声をかけられて、シドニー君が目を白黒させていた。
「ごめんなさいね。私が卒業してしまうと、光魔法使いが居なくなってしまって、ポーションが作れなくなってしまうと、みんな危惧していたの。サミュエル先生もいらっしゃるのだけど。私も卒業後にこちらに来る事に異存はございませんし、昨年度に卒業された光魔法使いの先輩も協力を申し出ていただけているのですが、私は卒業後に1年程自由に動けないかもしれませんので」
「どうしてですか?」
「国外に出る事が決まっておりますの。正式な期間は不明ですので、動けないかもしれませんと申し上げたのですわ」
「僕は薬草研究会に、入らなければいけないのですか?」
「まぁ、いいえ。入ってくださればとても嬉しいですけれど、ピアーズ様の自由意思ですわ。ご自分のお考えに従われませ」
「そうそう。薬草研究会だけって訳じゃないしな。掛け持ちしてるのもいるし」
ジャクソン先輩が口を挟んだ。
「してもいいんですか?」
「もちろん。無理の無い程度ならね」
「ちょっと考えます。相談に乗ってくれますか?」
「相談してくれるのかい?嬉しいな」
ジャクソン先輩がニコニコして言った。ジャクソン先輩はこういう所が上手だったけど、卒業してからますます上手くなった気がする。相談したいという者に対して気を使わせないように、言葉遣いも雰囲気も柔らかくしていく。私には真似出来ないな。見習いたい所だ。
シドニー君は薬草研究会に受け入れられて、嬉しそうに見える。この先はどうなるかは分からないけれど、薬草研究会に所属してくれると、良いな。
「うまくいきそうかな?」
「サミュエル先生、何をコソコソしておられますの?」
「生徒の時間を邪魔しちゃいけないでしょ?」
「今さら何を仰っておられますの?」
じとっとした目を向けると、ワザとらしく目を逸らした。
「キャシーちゃん、王家からの要請は受ける気はある?」
「内容によりますが」
「フェアールカク辺境伯領に赴いてほしい。夏期休暇に入ってからでいいよ。私も一緒に行くし」
「フェアールカク辺境伯領で何を?」
「あのウサギと同じ事をしてほしいんだ。あぁ、上手くいかなくても責めはしない。フェアールカク辺境伯領には光魔法使いが何人も派遣されているし、その光魔法使い達も同じ要請を受けている。でもどうやら上手くいかないようでね。あのウサギはたまたまかもしれないとは言ってある」
「浄化が効きませんの?」
「効かないんだよ。効く時もあるけどね。何回かは成功してるけど、確率は3割かな。ただ、失敗したとしても体調に変化は無いし、多少魔力の増大があった位だと言うし、放っておいてもとは思うんだけど」
「今のお話しですが、人間にと聞こえたのですが」
「そうだよ。人間相手だ」
「黒く変化してしまった方に、体調面の変化はございませんのね?」
「体調面には変化無しだと聞いてるよ」
「体調面には?」
「精神的にね。無気力になったりやたらと活動的になったり、元の人格と正反対になってるらしい」
「よく分かりませんわね。光魔法を使ったからなのでしょうか?そもそも黒く変化してしまうとは、どこがですの?」
「目と髪の毛だね。後は皮膚も青黒くなる。ロマンサ北方国の人達は色白だから、余計に目立つんだよね」
「その他に変化は?」
「無いらしいね」
これ以上の手掛かりは無いらしい。もっともこんな症状に心当たりは無い。聞いた事が無いもの。
「かしこまりました。私はお受けする方向です。家族に相談してからになりますけれど」
「そっちが一番の難関だよね」
サミュエル先生がシドニー君に薬草研究会の事を話したら、見学したいと言ってくれたので、今日の授業終わりに薬草研究会に行く事になった。
ジャクソン先輩は勝手知ったるなんとやらで、特に気負いもなく進んでいく。シドニー君は緊張ぎみだ。
「大丈夫だよ。薬草研究会は男爵、子爵階級が多いし。フェルナー嬢は侯爵家だけど、その辺りは気にしないしね」
シドニー君にジャクソン先輩が、楽しそうに話している。元は私も平民なんですけどね。
「フェルナー嬢、今日は早かったですね……って、ジャクソン先輩?え?」
「やぁ。みんな久しぶり。ここの雰囲気は変わらないね。安心したよ」
「ジャクソン先輩、お久しぶりですぅ」
「君も変わらないね、ヒラリー・クリスト伯爵令嬢」
「やぁだぁ、前みたいにヒラリーで良いですよぉ」
「卒業したからね、そういうわけにはいかないよ」
「えぇぇぇ、良いじゃないですかぁ、私と先輩の仲でしょおぉ」
「どういう仲だよっ」
懐かしいな、この雰囲気。ヒラリー・クリスト伯爵令嬢はジャクソン先輩に気が有ったようで、積極的に絡みに行っていた。それをジャクソン先輩が苦笑いしながらスルッと躱して。あの時は仲が良いのになぜ?と思ってたけど、教会で私に対する気持ちというか『光の聖女』に対する感情を聞いて、分かってしまった。あの時ヒラリー・クリスト伯爵令嬢に応えなかったのは、先輩なりの誠意だ。『光の聖女』に憧れというか、思慕の感情を持ったまま、ヒラリー・クリスト伯爵令嬢に応えられないと思ったんだと思う。
「あ、の……。先輩……」
「ごめんなさいね、シドニー君。こんな雰囲気だから、固くなる事は無いと思いますわ。普段はのんびりポーションを試作したり、他にも薬草を使った何かを作ったりしています。薬草も育てていますのよ」
「薬草を?え?どこで?」
「グリーンハウスの片隅を、お借りしておりますのよ」
「そうだったんですね」
「お茶の時間もございましてよ。シドニー君は何か苦手な物はございますか?」
「えっと、ナッツが食べられません」
「あら。食べるとご気分が悪くなったり?」
「というか、全身に赤いポツポツが。気持ち悪いですよね?」
「それはアレルギーですわ。無理をして食べると、命に関わる場合もございます」
「命に?」
「また説明いたしますわね。今は時間もございませんし。心配なさらなくてもよろしくてよ。除去食を準備いたしますわね」
「先輩が?」
「えぇ。私もですし、私がいなくとも用意されるように、周知徹底いたします」
「そこまでしてくれるんですか?」
「薬草研究会ではアレルギーについての勉強会も開いておりますの。ご心配には及びませんわ」
シドニー君が泣き出した。よくよく話を聞いてみると、ナッツアレルギーを好き嫌いだと言われていたそうだ。あの補助教員には無理に食べさせられて、じんましんをバカにされていたらしい。
これは追加で学院長先生に報告しなきゃね。アレルギーの事は、学院長先生にも説明して、理解してもらってる。学院は給食はなくて、カフェテリアで好きに注文するスタイルだから、危険は少ない。カフェテリアでもポインター先輩の弟、ミケール君の件があってから、説明して理解してもらった。申告すれば除去食を作ってもらえるようになっている。
「フェルナー先輩、その子は?新入生ですよね?」
「えぇ。紹介いたしますわ。シドニー・ピアーズ様です。光魔法の使い手ですわね」
とたんに歓声が上がった。
「ついに、ついに光魔法使いが」
「これでフェルナー嬢が卒業しても、ポーションが作れる」
「ブランジット先生も、いつまで居てくれるか分からなかったからなぁ」
「歓迎するよ、シドニー・ピアーズ君」
次々に声をかけられて、シドニー君が目を白黒させていた。
「ごめんなさいね。私が卒業してしまうと、光魔法使いが居なくなってしまって、ポーションが作れなくなってしまうと、みんな危惧していたの。サミュエル先生もいらっしゃるのだけど。私も卒業後にこちらに来る事に異存はございませんし、昨年度に卒業された光魔法使いの先輩も協力を申し出ていただけているのですが、私は卒業後に1年程自由に動けないかもしれませんので」
「どうしてですか?」
「国外に出る事が決まっておりますの。正式な期間は不明ですので、動けないかもしれませんと申し上げたのですわ」
「僕は薬草研究会に、入らなければいけないのですか?」
「まぁ、いいえ。入ってくださればとても嬉しいですけれど、ピアーズ様の自由意思ですわ。ご自分のお考えに従われませ」
「そうそう。薬草研究会だけって訳じゃないしな。掛け持ちしてるのもいるし」
ジャクソン先輩が口を挟んだ。
「してもいいんですか?」
「もちろん。無理の無い程度ならね」
「ちょっと考えます。相談に乗ってくれますか?」
「相談してくれるのかい?嬉しいな」
ジャクソン先輩がニコニコして言った。ジャクソン先輩はこういう所が上手だったけど、卒業してからますます上手くなった気がする。相談したいという者に対して気を使わせないように、言葉遣いも雰囲気も柔らかくしていく。私には真似出来ないな。見習いたい所だ。
シドニー君は薬草研究会に受け入れられて、嬉しそうに見える。この先はどうなるかは分からないけれど、薬草研究会に所属してくれると、良いな。
「うまくいきそうかな?」
「サミュエル先生、何をコソコソしておられますの?」
「生徒の時間を邪魔しちゃいけないでしょ?」
「今さら何を仰っておられますの?」
じとっとした目を向けると、ワザとらしく目を逸らした。
「キャシーちゃん、王家からの要請は受ける気はある?」
「内容によりますが」
「フェアールカク辺境伯領に赴いてほしい。夏期休暇に入ってからでいいよ。私も一緒に行くし」
「フェアールカク辺境伯領で何を?」
「あのウサギと同じ事をしてほしいんだ。あぁ、上手くいかなくても責めはしない。フェアールカク辺境伯領には光魔法使いが何人も派遣されているし、その光魔法使い達も同じ要請を受けている。でもどうやら上手くいかないようでね。あのウサギはたまたまかもしれないとは言ってある」
「浄化が効きませんの?」
「効かないんだよ。効く時もあるけどね。何回かは成功してるけど、確率は3割かな。ただ、失敗したとしても体調に変化は無いし、多少魔力の増大があった位だと言うし、放っておいてもとは思うんだけど」
「今のお話しですが、人間にと聞こえたのですが」
「そうだよ。人間相手だ」
「黒く変化してしまった方に、体調面の変化はございませんのね?」
「体調面には変化無しだと聞いてるよ」
「体調面には?」
「精神的にね。無気力になったりやたらと活動的になったり、元の人格と正反対になってるらしい」
「よく分かりませんわね。光魔法を使ったからなのでしょうか?そもそも黒く変化してしまうとは、どこがですの?」
「目と髪の毛だね。後は皮膚も青黒くなる。ロマンサ北方国の人達は色白だから、余計に目立つんだよね」
「その他に変化は?」
「無いらしいね」
これ以上の手掛かりは無いらしい。もっともこんな症状に心当たりは無い。聞いた事が無いもの。
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