175 / 328
学院中等部 5学年生
武術魔法披露会の裏では
しおりを挟む
武術魔法披露会の開催日がやって来た。学院以外での出来事が多すぎて、準備にはまったく関われなかったけど、今年もお義兄様とアンバー様は出場する。私は救護室にもポーション配布にも携われないと言われてしまった。
「どうしてですか?」
「光の聖女様と噂されているキャシーちゃんが居たら、どうなるか分かってる?」
「分かってるというか、想像は付きますけど。でも私もお役に立ちたいんです」
「うんうん。気持ちだけ受けとるよ」
私の説得を任されたらしいサミュエル先生に、こんこんと説得された。
「少しのお休み期間だと思われたら、およろしいのでは?」
武術魔法披露会なのにおしゃべりサロンを開催していた、ヴィクトリア・マッケンステイン様に愚痴を聞いてもらっていた。ご招待されたんだよね。武術魔法披露会の当日に?って驚いちゃった。
「そうですわ。フェルナー様ったら、中等部に入ってからお忙しすぎですわ。少し休息なさいませ」
ミア・ブレイシー様も言う。
「良いのでしょうか?」
「「働きすぎですわ」」
「お2人でお声を揃えなくとも」
「フェルナー様。フェルナー様は学生ですのよ?分かっておられますわよね?」
「分かっておりますわ」
「分かっておられませんわ。フェルナー様は学生だというのに働きすぎですわ」
マッケンステイン様はどこまで知っているんだろう?
おしゃべりサロンといっても、いつものカフェじゃない。授業外交流棟の一室だ。武術魔法披露会の結果は逐次マッケンステイン様の所に集まってきている。男女学院生が交代でマッケンステイン様に結果を知らせに来ている。
その中に薬草研究会のメンバーが居た。あちらは気付いてなかったと思う。マッケンステイン様が上手く隠してくれているから。マッケンステイン様には「叱らないでやってくださいませね?」と言われたけど、その辺りは個人の自由だから、何も言いません。ちょっとモヤモヤするけど。
たぶん今回も、武術魔法披露会の結果だけじゃないんだろうな。
「あら?フェルナー様、少し気分転換をしませんこと?」
その中の一人の報告に、マッケンステイン様が急に私を誘った。
「気分転換ですか?」
「えぇ。私も一緒にまいりますわ」
どこに行こうというんだろう?マッケンステイン様と私の2人でお喋りサロンを出る。もちろんシェーン様も一緒だ。
マッケンステイン様が向かったのは、第2サロン。今日は誰も使っていないサロンだ。ここは重要な話をする時に使われる。第2サロンにはサミュエル先生とダニエル様が待っていた。
「早いね、マッケンステイン嬢。キャシーちゃん、マルムグヴィスト嬢に会いたいかい?」
「はい」
即答する。あの後の身体の調子も知りたいし、もう少しお話ししたかった。
「それじゃあ、冬季休暇に来るかい?」
「どこにですか?」
「ブランジット公爵邸」
「はい?」
「別邸だけどね。他言無用の制約は付けさせてもらうけど」
「当然ですわね。ブランジット公爵邸に入れるだけでも名誉な事ですもの」
え?そうなの?
「フェルナー様はご存じありませんの?ブランジット公爵邸といえば女性貴族の憧れですのよ。ブランジット公爵夫人は広く女性の意見を取り入れ、身分関係なく交流していらっしゃいますの。それに最近では次期様と……」
「はい、そこまで。喋りすぎだよ、マッケンステイン嬢」
私はポカンとするしかない。
「先生、リーサさんの事は知られてもよろしいのですか?」
「別に内密にって訳じゃないからね。スタヴィリス国がマルムグヴィスト嬢を保護したというのは事実だし、シャスマネー国にも通告してあるよ」
「それならよろしいのですけれど」
「それにマッケンステイン嬢は、言って良い事と悪い事の区別がしっかり付いているからね」
「当然ですわ」
「マッケンステイン様を信用していない訳では、ないのですけれど」
私が神経質になりすぎなんだろうか?なんとなく転生者の事とか秘密にしておきたいって気がする。転生者は他にもいてオープンにしている人も多い。私も医療面では自重していない。任される事は多くないけど、救民院のお医者様も信用してくれていると思う。
「キャシーちゃん、フェルナー侯爵には私から言っておくよ」
「ありがとうございます」
これってローレンス様が拗ねそうだな。さすがに自分も一緒にとは言わないだろうけど。一緒にいる時間が少なくなっているし。
「フェルナー様、どうなさいましたの?」
「申し訳ございません。少し考え事を」
「マルムグヴィスト様と仰ると、マルムグヴィスト博士の血縁の方ですの?」
「そうだよ。スタヴィリス国に来られていてね。キャシーちゃんも知り合いだし、2人の気分転換をと思ってね」
「フェルナー様もお忙しいですものね。今日もお手伝いをさせてもらえないと嘆いておられましたし」
「もうね、武術魔法披露会なのに、光の聖女様を見たい、話したいって人が多くてさ。学院長がお怒りだったよ。王宮に抗議するってさ」
「ご迷惑を……」
「ご迷惑をかけてるのは王宮の勧誘者達だよ。キャシーちゃんは気にしなくて良いよ。それに今日は外部の人間が多いからね。キャシーちゃんが危険になる気がする」
「あぁ、光の聖女様を手に入れたいという、狂った考えの方達ですわね。フェルナー様の御身を手に入れるなど、許せませんわ。フェルナー様、お気を付けなさいませ」
えっと?
「誘拐計画の通報だけで6件。実際に捜査の手が入ったのが3件。噂もあるんだろうけど、1番の原因はあれだね。芸術祭」
「あの時は私共、親衛隊全員が動きましたわ」
「マッケンステイン嬢も隊員だったね。1年前から」
「うふふふふ」
和やかに笑うサミュエル先生とマッケンステイン様だけど、私はその前の私の誘拐計画の方が気になっていた。
「サミュエル先生、もしかして今日私を出さなかったのは、その計画の所為ですか?」
「まぁね。外部が入り込む以上、警備を万全には出来ない。キャシーちゃんには悪いけど、キャシーちゃんを隠しておくのが1番の有効手段だったんだ。説得している時は本当の理由は言えないし、諦めてもらう為に色々言っちゃったけど」
「私、何も知らなくて。もしかして今日、お喋りサロンを開いていたのは……?」
「学院長もお怒りだったからね。誰に託すかを考えた時に隔絶された空間に居てもおかしくない状況が必要だったから。許可が降りたんだよ」
「マッケンステイン様、ありがとうございます」
どこかに行っていたダニエル様が戻ってきた。サミュエル先生に耳打ちする。
「ランベルト君は次に決勝だって。エスクーア嬢も決勝に進出してるね」
「あのお2人、婚約してらっしゃいますわよね?」
「はい。この夏発表予定だったのですけれど、お2人共派手な婚約発表はしたくないと仰って、お義兄様は領地で、アンバー様はタウンハウスで小規模なパーティーを開催されたのみだそうです。アンバー様の方には私は出席出来なくて」
お義父様は出席されたのよね。お義兄様もフェルナー領から帰った後だったから、文句を言いながら連れていかれていた。ご自分の婚約発表なのに。
「キャシーちゃん、どうする?ランベルト君の試合、見たいかい?」
「見たいですけど、無理ですよね?騒ぎになってしまうんでしょう?」
「手が無い事はないけどね。借りは作りたくないんだよね」
「あの、無理なら良いんです」
考えていたサミュエル先生が顔をあげた。
「うーん。ダニエル、交渉よろしく」
「自分っすかぁ?」
「ダニエルは気に入られているからさ」
「後が面倒なんすけど。良いっすよ。少しだけ時間をくださいね」
「どうしてですか?」
「光の聖女様と噂されているキャシーちゃんが居たら、どうなるか分かってる?」
「分かってるというか、想像は付きますけど。でも私もお役に立ちたいんです」
「うんうん。気持ちだけ受けとるよ」
私の説得を任されたらしいサミュエル先生に、こんこんと説得された。
「少しのお休み期間だと思われたら、およろしいのでは?」
武術魔法披露会なのにおしゃべりサロンを開催していた、ヴィクトリア・マッケンステイン様に愚痴を聞いてもらっていた。ご招待されたんだよね。武術魔法披露会の当日に?って驚いちゃった。
「そうですわ。フェルナー様ったら、中等部に入ってからお忙しすぎですわ。少し休息なさいませ」
ミア・ブレイシー様も言う。
「良いのでしょうか?」
「「働きすぎですわ」」
「お2人でお声を揃えなくとも」
「フェルナー様。フェルナー様は学生ですのよ?分かっておられますわよね?」
「分かっておりますわ」
「分かっておられませんわ。フェルナー様は学生だというのに働きすぎですわ」
マッケンステイン様はどこまで知っているんだろう?
おしゃべりサロンといっても、いつものカフェじゃない。授業外交流棟の一室だ。武術魔法披露会の結果は逐次マッケンステイン様の所に集まってきている。男女学院生が交代でマッケンステイン様に結果を知らせに来ている。
その中に薬草研究会のメンバーが居た。あちらは気付いてなかったと思う。マッケンステイン様が上手く隠してくれているから。マッケンステイン様には「叱らないでやってくださいませね?」と言われたけど、その辺りは個人の自由だから、何も言いません。ちょっとモヤモヤするけど。
たぶん今回も、武術魔法披露会の結果だけじゃないんだろうな。
「あら?フェルナー様、少し気分転換をしませんこと?」
その中の一人の報告に、マッケンステイン様が急に私を誘った。
「気分転換ですか?」
「えぇ。私も一緒にまいりますわ」
どこに行こうというんだろう?マッケンステイン様と私の2人でお喋りサロンを出る。もちろんシェーン様も一緒だ。
マッケンステイン様が向かったのは、第2サロン。今日は誰も使っていないサロンだ。ここは重要な話をする時に使われる。第2サロンにはサミュエル先生とダニエル様が待っていた。
「早いね、マッケンステイン嬢。キャシーちゃん、マルムグヴィスト嬢に会いたいかい?」
「はい」
即答する。あの後の身体の調子も知りたいし、もう少しお話ししたかった。
「それじゃあ、冬季休暇に来るかい?」
「どこにですか?」
「ブランジット公爵邸」
「はい?」
「別邸だけどね。他言無用の制約は付けさせてもらうけど」
「当然ですわね。ブランジット公爵邸に入れるだけでも名誉な事ですもの」
え?そうなの?
「フェルナー様はご存じありませんの?ブランジット公爵邸といえば女性貴族の憧れですのよ。ブランジット公爵夫人は広く女性の意見を取り入れ、身分関係なく交流していらっしゃいますの。それに最近では次期様と……」
「はい、そこまで。喋りすぎだよ、マッケンステイン嬢」
私はポカンとするしかない。
「先生、リーサさんの事は知られてもよろしいのですか?」
「別に内密にって訳じゃないからね。スタヴィリス国がマルムグヴィスト嬢を保護したというのは事実だし、シャスマネー国にも通告してあるよ」
「それならよろしいのですけれど」
「それにマッケンステイン嬢は、言って良い事と悪い事の区別がしっかり付いているからね」
「当然ですわ」
「マッケンステイン様を信用していない訳では、ないのですけれど」
私が神経質になりすぎなんだろうか?なんとなく転生者の事とか秘密にしておきたいって気がする。転生者は他にもいてオープンにしている人も多い。私も医療面では自重していない。任される事は多くないけど、救民院のお医者様も信用してくれていると思う。
「キャシーちゃん、フェルナー侯爵には私から言っておくよ」
「ありがとうございます」
これってローレンス様が拗ねそうだな。さすがに自分も一緒にとは言わないだろうけど。一緒にいる時間が少なくなっているし。
「フェルナー様、どうなさいましたの?」
「申し訳ございません。少し考え事を」
「マルムグヴィスト様と仰ると、マルムグヴィスト博士の血縁の方ですの?」
「そうだよ。スタヴィリス国に来られていてね。キャシーちゃんも知り合いだし、2人の気分転換をと思ってね」
「フェルナー様もお忙しいですものね。今日もお手伝いをさせてもらえないと嘆いておられましたし」
「もうね、武術魔法披露会なのに、光の聖女様を見たい、話したいって人が多くてさ。学院長がお怒りだったよ。王宮に抗議するってさ」
「ご迷惑を……」
「ご迷惑をかけてるのは王宮の勧誘者達だよ。キャシーちゃんは気にしなくて良いよ。それに今日は外部の人間が多いからね。キャシーちゃんが危険になる気がする」
「あぁ、光の聖女様を手に入れたいという、狂った考えの方達ですわね。フェルナー様の御身を手に入れるなど、許せませんわ。フェルナー様、お気を付けなさいませ」
えっと?
「誘拐計画の通報だけで6件。実際に捜査の手が入ったのが3件。噂もあるんだろうけど、1番の原因はあれだね。芸術祭」
「あの時は私共、親衛隊全員が動きましたわ」
「マッケンステイン嬢も隊員だったね。1年前から」
「うふふふふ」
和やかに笑うサミュエル先生とマッケンステイン様だけど、私はその前の私の誘拐計画の方が気になっていた。
「サミュエル先生、もしかして今日私を出さなかったのは、その計画の所為ですか?」
「まぁね。外部が入り込む以上、警備を万全には出来ない。キャシーちゃんには悪いけど、キャシーちゃんを隠しておくのが1番の有効手段だったんだ。説得している時は本当の理由は言えないし、諦めてもらう為に色々言っちゃったけど」
「私、何も知らなくて。もしかして今日、お喋りサロンを開いていたのは……?」
「学院長もお怒りだったからね。誰に託すかを考えた時に隔絶された空間に居てもおかしくない状況が必要だったから。許可が降りたんだよ」
「マッケンステイン様、ありがとうございます」
どこかに行っていたダニエル様が戻ってきた。サミュエル先生に耳打ちする。
「ランベルト君は次に決勝だって。エスクーア嬢も決勝に進出してるね」
「あのお2人、婚約してらっしゃいますわよね?」
「はい。この夏発表予定だったのですけれど、お2人共派手な婚約発表はしたくないと仰って、お義兄様は領地で、アンバー様はタウンハウスで小規模なパーティーを開催されたのみだそうです。アンバー様の方には私は出席出来なくて」
お義父様は出席されたのよね。お義兄様もフェルナー領から帰った後だったから、文句を言いながら連れていかれていた。ご自分の婚約発表なのに。
「キャシーちゃん、どうする?ランベルト君の試合、見たいかい?」
「見たいですけど、無理ですよね?騒ぎになってしまうんでしょう?」
「手が無い事はないけどね。借りは作りたくないんだよね」
「あの、無理なら良いんです」
考えていたサミュエル先生が顔をあげた。
「うーん。ダニエル、交渉よろしく」
「自分っすかぁ?」
「ダニエルは気に入られているからさ」
「後が面倒なんすけど。良いっすよ。少しだけ時間をくださいね」
120
お気に入りに追加
493
あなたにおすすめの小説

【完結】長い眠りのその後で
maruko
恋愛
伯爵令嬢のアディルは王宮魔術師団の副団長サンディル・メイナードと結婚しました。
でも婚約してから婚姻まで一度も会えず、婚姻式でも、新居に向かう馬車の中でも目も合わせない旦那様。
いくら政略結婚でも幸せになりたいって思ってもいいでしょう?
このまま幸せになれるのかしらと思ってたら⋯⋯アレッ?旦那様が2人!!
どうして旦那様はずっと眠ってるの?
唖然としたけど強制的に旦那様の為に動かないと行けないみたい。
しょうがないアディル頑張りまーす!!
複雑な家庭環境で育って、醒めた目で世間を見ているアディルが幸せになるまでの物語です
全50話(2話分は登場人物と時系列の整理含む)
※他サイトでも投稿しております
ご都合主義、誤字脱字、未熟者ですが優しい目線で読んで頂けますと幸いです

跡継ぎが産めなければ私は用なし!? でしたらあなたの前から消えて差し上げます。どうぞ愛妾とお幸せに。
Kouei
恋愛
私リサーリア・ウォルトマンは、父の命令でグリフォンド伯爵令息であるモートンの妻になった。
政略結婚だったけれど、お互いに思い合い、幸せに暮らしていた。
しかし結婚して1年経っても子宝に恵まれなかった事で、義父母に愛妾を薦められた夫。
「承知致しました」
夫は二つ返事で承諾した。
私を裏切らないと言ったのに、こんな簡単に受け入れるなんて…!
貴方がそのつもりなら、私は喜んで消えて差し上げますわ。
私は切岸に立って、夕日を見ながら夫に別れを告げた―――…
※この作品は、他サイトにも投稿しています。

婚約破棄から~2年後~からのおめでとう
夏千冬
恋愛
第一王子アルバートに婚約破棄をされてから二年経ったある日、自分には前世があったのだと思い出したマルフィルは、己のわがままボディに絶句する。
それも王命により屋敷に軟禁状態。肉塊のニート令嬢だなんて絶対にいかん!
改心を決めたマルフィルは、手始めにダイエットをして今年行われるアルバートの生誕祝賀パーティーに出席することを目標にする。

魅了の魔法を使っているのは義妹のほうでした・完
瀬名 翠
恋愛
”魅了の魔法”を使っている悪女として国外追放されるアンネリーゼ。実際は義妹・ビアンカのしわざであり、アンネリーゼは潔白であった。断罪後、親しくしていた、隣国・魔法王国出身の後輩に、声をかけられ、連れ去られ。
夢も叶えて恋も叶える、絶世の美女の話。
*五話でさくっと読めます。

【完結】裏切っておいて今になって謝罪ですか? もう手遅れですよ?
かとるり
恋愛
婚約者であるハワード王子が他の女性と抱き合っている現場を目撃してしまった公爵令嬢アレクシア。
まるで悪いことをしたとは思わないハワード王子に対し、もう信じることは絶対にないと思うアレクシアだった。

戻る場所がなくなったようなので別人として生きます
しゃーりん
恋愛
医療院で目が覚めて、新聞を見ると自分が死んだ記事が載っていた。
子爵令嬢だったリアンヌは公爵令息ジョーダンから猛アプローチを受け、結婚していた。
しかし、結婚生活は幸せではなかった。嫌がらせを受ける日々。子供に会えない日々。
そしてとうとう攫われ、襲われ、森に捨てられたらしい。
見つかったという遺体が自分に似ていて死んだと思われたのか、別人とわかっていて死んだことにされたのか。
でももう夫の元に戻る必要はない。そのことにホッとした。
リアンヌは別人として新しい人生を生きることにするというお話です。

こういうの「ざまぁ」って言うんですよね? ~婚約破棄されたら美人になりました~
茅野ガク
恋愛
家のために宝石商の息子と婚約をした伯爵令嬢シスカ。彼女は婚約者の長年の暴言で自分に自信が持てなくなっていた。
更には婚約者の裏切りにより、大勢の前で婚約破棄を告げられてしまう。
シスカが屈辱に耐えていると、宮廷医師ウィルドがその場からシスカを救ってくれた。
初対面のはずの彼はシスカにある提案をして――
人に素顔を見せることが怖くなっていたシスカが、ウィルドと共に自信と笑顔を取り戻していくお話です。

【完結】え、お嬢様が婚約破棄されたって本当ですか?
瑞紀
恋愛
「フェリシア・ボールドウィン。お前は王太子である俺の妃には相応しくない。よって婚約破棄する!」
婚約を公表する手はずの夜会で、突然婚約破棄された公爵令嬢、フェリシア。父公爵に勘当まで受け、絶体絶命の大ピンチ……のはずが、彼女はなぜか平然としている。
部屋まで押しかけてくる王太子(元婚約者)とその恋人。なぜか始まる和気あいあいとした会話。さらに、親子の縁を切ったはずの公爵夫妻まで現れて……。
フェリシアの執事(的存在)、デイヴィットの視点でお送りする、ラブコメディー。
ざまぁなしのハッピーエンド!
※8/6 16:10で完結しました。
※HOTランキング(女性向け)52位,お気に入り登録 220↑,24hポイント4万↑ ありがとうございます。
※お気に入り登録、感想も本当に嬉しいです。ありがとうございます。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる