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学院中等部 5学年生
王宮でのお茶会 ~邂逅~
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お義母様とお茶会の時間に間に合うように、馬車で王宮に向かう。間に合うようにといっても10分程遅らせるのがマナーで、これは準備が間に合っていないといけないから、余裕をもって準備してもらう為だそう。前世日本人の私は、どうしてもこれが慣れなかった。今じゃ普通に受け入れているけど、「遅刻したら失礼」だとお義母様に言ってしまった事がある。お義母様に説明されてもしばらくは落ち着かなかった。5分前、10分前行動が普通だったからね。ララ様も同じだったらしい。ララ様は中途覚醒だったから、解離に苦しんだんだって。すぐに慣れたらしいけど。こういうポジティブさは見習いたい。
王宮に着くと、ラッセル様とレオナルド様が待っていた。今回は会場が変更されたから、待合室で待ってみんなで移動するんだって。
「キャスリーン、会いたかった」
いつものように私に声をかけて、手を取ろうとするレオナルド様をラッセル様がベシッと頭を叩いて制止した。
「痛ってぇな、何すんだ、おっさん」
「ここではお行儀良くするって約束したでしょ?早速フェルナー嬢に迷惑かけてどうするの」
「愛しの君に会えたんだから、少し位良いだろ?」
「ダメだよ。フェルナー嬢に迷惑がかかる」
至極真っ当な事を言われて、ぐぬぬっとなってしまったレオナルド様に少し安心する。サミュエル先生にレオナルド様の事を聞いてしまってから、レオナルド様が少し気掛かりだった。
「キャスリーン、どうした?」
「なんでもございません」
「そういえば聞いたよ。貴族学院での事。大変だったね」
「あのファッションショーですか?はい。大変でした」
いまだに不穏な影はあるし、ダニエル様やシェーン様や私を守ろうとする人が頑張ってくれているのが分かってしまう。でも遠慮したり恐縮したりは出来ない。「私は何も気付いてません」という態度を取って囮となるのが私の役割だから。別に厳罰に処す訳じゃないけどね。お説教位だとサミュエル先生からは聞いている。
「何があったんだ?」
「彼女を取り込もうとするのが増えたんだよ」
「なにぃっ!?おっさん、どうしてすぐに知らせねぇんだよ」
「君に知らせてもどうしようもないでしょ?」
レオナルド様の素性を知ってしまった今は、レオナルド様がどうにかする手段を持っている事に思い当たって、複雑な気分になった。
「だからなのか?無理してるだろ?大丈夫か?」
レオナルド様の気遣いはすごく嬉しい。でも今は放っておいてほしい。
「大丈夫です。お気遣いありがとうございます」
実はマッケンステイン様の調査報告書は、すべて読んできた。だからラッセル様の事も知っているし、たぶんこれから来る3人についても大体分かると思う。レオナルド様の言う「無理してる」は知った事でいっぱいいっぱいになっているからだ。もちろん笑顔の仮面は被っている。でもレオナルド様は気付いちゃったのよね。
「お連れ様がいらっしゃいました」
案内されてきたのは男性1人に女性2人。同時通訳の出来る魔道具を渡されて装着する。ヘッドセットだから私にはブカブカだ。レオナルド様がさっと調節してくれたけど。
「はじめましてぇ、アウラリア国のセシル・ロシュフォールでぇす」
「はじめまして、シャスマネー国のリーサ・マルムグヴィストと申します」
「ゴーヴィリス国のジョーダン・モンターギュ・エドガーだ」
ジョーダン・モンターギュ・エドガーさんがなぜかものすごく複雑な顔で言った。
「まさかここで会うとはね。ゴーヴィリス国のカミーユ・ラッセルだよ」
「カイル・レヴィ。今はレオナルド・ダ・ヴィンチと名乗っている。だからレオナルドと呼んでほしい。スタヴィリス国出身だ」
「レオナルド・ダ・ヴィンチ……」
有名ですもんね。セシル・ロシュフォールさんなんかリーサ・マルムグヴィストさんに掴まって、ヒィヒィ笑っている。
「同じくスタヴィリス国出身のキャスリーン・フェルナーと申します。お見知りおきくださいませ」
「貴族?」
「そうですね。今は」
「今は?」
リーサ・マルムグヴィストさんが不思議そうに聞いてきた。
「詳しくは後程お話いたします」
案内の王宮侍従に今日のお茶会会場に案内してもらう。
「キャスリーンちゃんって、いくつ?ずいぶん小さいわよね?」
「私は13歳ですわ」
「え?」
ジョーダン・モンターギュ・エドガーさんが意外そうに私を見た。
「もっと小さいと思ってた。悪い」
「いいえ。この身長ですし、童顔で雰囲気も、でしょう?周りの皆様は慣れてくださいましたけど、初対面ですと10歳以下に見られるのは、しょっちゅうですわ」
主に救民院でだけど。
会場は秋バラ庭園。会場を見た時、ドキリと心臓が嫌な音を立てた。確かに特徴的な噴水は無い。でも秋バラを除けばあの夢と一致する。
気にしすぎだよね?一瞬足を止めた私をレオナルド様が待っていてくれた。
「本当に大丈夫か?」
「はい。ご心配をお掛けして、申し訳ございません」
「良いけどよ。何かあったら言えよ?警護しているのは居るけどな」
「警護?」
特に誰も見当たらないんだけど。
「レヴィ家で見た事あるのが……っと。こういう場だし、警護が居ないって事は無いだろ?」
「そうですわね」
レオナルド様は堂に入ったエスコートで、私を案内してくれた。惜しむらくは身長がっ。私の身長がもっと高ければっ。
「ごめんね、放って行ってしまって。配慮すべきだったわ」
「私の身長が低いのがいけないのですわ。お気になさらないでくださいませ」
「貴族ねぇ」
「貴族だな」
「頭のてっぺんから爪先まで貴族だよね」
セシル・ロシュフォールさん、ジョーダン・モンターギュ・エドガーさん、ラッセル様の順だ。
「レオナルドさんは貴族じゃないわよね?」
「俺も今は、だな。貴族籍は抜けている」
「実に堂に入ったエスコートだったけどね。まぁ、いいわ。キャスリーンちゃん……。もしかして不敬になっちゃう?」
「大丈夫ですわ。女性でしたら。男性には家名でお願いしたいですけれど」
「じゃあ、キャスリーンちゃんの事情って、聞いても良い?」
「そうですわね。私は前世を思い出したのが早かったのですの。物心付いた頃には思い出しておりました。その所為で少し辛い目に遭いまして、フェルナー家に養女として引き取られたのです」
「ごめん。思ったより重い事情だった。話させてごめんね」
「いいえ。話そうと決心してきましたから。フェルナーの家族は全員知っていますし、分け隔てなく愛情を注いでくださいます。私は幸せ者ですわ」
「じゃあ、カミーユさんとジョーダンさんの関係は?」
「元上司と部下だよ」
「ラッセル室長が居なくなってから、5人が激務で身体を壊した」
「え?5人が?激務でって……」
「ラッセル室長は仕事は早いし、気遣いも出来てさ。たぶん全業務の3割はひとりで片付けてたんだよ。定年になったらスッパリ辞めて、フラフラするようになった。おかげで残されたこっちは大迷惑だ」
「ちゃんと申し送りもしたし、マニュアルも完璧にしてったんだよ?人員補充も進言してったし」
「『ラッセル君が出来たんだから、君達に出来ないわけないだろ?怠惰の言い訳にラッセル君を使うな』だとさ」
「どこのブラック企業よ、それ」
「さすがに1年で5人倒れたら、上層部も焦ったみたいで補充されたけど」
「安心したよ。今は回ってるんだよね?」
「心配ならせめて月に10日でも良いから、復帰してくれ」
「アハハ。引退した老いぼれに何をさせる気かな?」
「なんだか大変そうね。レオナルドさんは、どうしてレオナルドって名乗ってるの?」
王宮に着くと、ラッセル様とレオナルド様が待っていた。今回は会場が変更されたから、待合室で待ってみんなで移動するんだって。
「キャスリーン、会いたかった」
いつものように私に声をかけて、手を取ろうとするレオナルド様をラッセル様がベシッと頭を叩いて制止した。
「痛ってぇな、何すんだ、おっさん」
「ここではお行儀良くするって約束したでしょ?早速フェルナー嬢に迷惑かけてどうするの」
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「ダメだよ。フェルナー嬢に迷惑がかかる」
至極真っ当な事を言われて、ぐぬぬっとなってしまったレオナルド様に少し安心する。サミュエル先生にレオナルド様の事を聞いてしまってから、レオナルド様が少し気掛かりだった。
「キャスリーン、どうした?」
「なんでもございません」
「そういえば聞いたよ。貴族学院での事。大変だったね」
「あのファッションショーですか?はい。大変でした」
いまだに不穏な影はあるし、ダニエル様やシェーン様や私を守ろうとする人が頑張ってくれているのが分かってしまう。でも遠慮したり恐縮したりは出来ない。「私は何も気付いてません」という態度を取って囮となるのが私の役割だから。別に厳罰に処す訳じゃないけどね。お説教位だとサミュエル先生からは聞いている。
「何があったんだ?」
「彼女を取り込もうとするのが増えたんだよ」
「なにぃっ!?おっさん、どうしてすぐに知らせねぇんだよ」
「君に知らせてもどうしようもないでしょ?」
レオナルド様の素性を知ってしまった今は、レオナルド様がどうにかする手段を持っている事に思い当たって、複雑な気分になった。
「だからなのか?無理してるだろ?大丈夫か?」
レオナルド様の気遣いはすごく嬉しい。でも今は放っておいてほしい。
「大丈夫です。お気遣いありがとうございます」
実はマッケンステイン様の調査報告書は、すべて読んできた。だからラッセル様の事も知っているし、たぶんこれから来る3人についても大体分かると思う。レオナルド様の言う「無理してる」は知った事でいっぱいいっぱいになっているからだ。もちろん笑顔の仮面は被っている。でもレオナルド様は気付いちゃったのよね。
「お連れ様がいらっしゃいました」
案内されてきたのは男性1人に女性2人。同時通訳の出来る魔道具を渡されて装着する。ヘッドセットだから私にはブカブカだ。レオナルド様がさっと調節してくれたけど。
「はじめましてぇ、アウラリア国のセシル・ロシュフォールでぇす」
「はじめまして、シャスマネー国のリーサ・マルムグヴィストと申します」
「ゴーヴィリス国のジョーダン・モンターギュ・エドガーだ」
ジョーダン・モンターギュ・エドガーさんがなぜかものすごく複雑な顔で言った。
「まさかここで会うとはね。ゴーヴィリス国のカミーユ・ラッセルだよ」
「カイル・レヴィ。今はレオナルド・ダ・ヴィンチと名乗っている。だからレオナルドと呼んでほしい。スタヴィリス国出身だ」
「レオナルド・ダ・ヴィンチ……」
有名ですもんね。セシル・ロシュフォールさんなんかリーサ・マルムグヴィストさんに掴まって、ヒィヒィ笑っている。
「同じくスタヴィリス国出身のキャスリーン・フェルナーと申します。お見知りおきくださいませ」
「貴族?」
「そうですね。今は」
「今は?」
リーサ・マルムグヴィストさんが不思議そうに聞いてきた。
「詳しくは後程お話いたします」
案内の王宮侍従に今日のお茶会会場に案内してもらう。
「キャスリーンちゃんって、いくつ?ずいぶん小さいわよね?」
「私は13歳ですわ」
「え?」
ジョーダン・モンターギュ・エドガーさんが意外そうに私を見た。
「もっと小さいと思ってた。悪い」
「いいえ。この身長ですし、童顔で雰囲気も、でしょう?周りの皆様は慣れてくださいましたけど、初対面ですと10歳以下に見られるのは、しょっちゅうですわ」
主に救民院でだけど。
会場は秋バラ庭園。会場を見た時、ドキリと心臓が嫌な音を立てた。確かに特徴的な噴水は無い。でも秋バラを除けばあの夢と一致する。
気にしすぎだよね?一瞬足を止めた私をレオナルド様が待っていてくれた。
「本当に大丈夫か?」
「はい。ご心配をお掛けして、申し訳ございません」
「良いけどよ。何かあったら言えよ?警護しているのは居るけどな」
「警護?」
特に誰も見当たらないんだけど。
「レヴィ家で見た事あるのが……っと。こういう場だし、警護が居ないって事は無いだろ?」
「そうですわね」
レオナルド様は堂に入ったエスコートで、私を案内してくれた。惜しむらくは身長がっ。私の身長がもっと高ければっ。
「ごめんね、放って行ってしまって。配慮すべきだったわ」
「私の身長が低いのがいけないのですわ。お気になさらないでくださいませ」
「貴族ねぇ」
「貴族だな」
「頭のてっぺんから爪先まで貴族だよね」
セシル・ロシュフォールさん、ジョーダン・モンターギュ・エドガーさん、ラッセル様の順だ。
「レオナルドさんは貴族じゃないわよね?」
「俺も今は、だな。貴族籍は抜けている」
「実に堂に入ったエスコートだったけどね。まぁ、いいわ。キャスリーンちゃん……。もしかして不敬になっちゃう?」
「大丈夫ですわ。女性でしたら。男性には家名でお願いしたいですけれど」
「じゃあ、キャスリーンちゃんの事情って、聞いても良い?」
「そうですわね。私は前世を思い出したのが早かったのですの。物心付いた頃には思い出しておりました。その所為で少し辛い目に遭いまして、フェルナー家に養女として引き取られたのです」
「ごめん。思ったより重い事情だった。話させてごめんね」
「いいえ。話そうと決心してきましたから。フェルナーの家族は全員知っていますし、分け隔てなく愛情を注いでくださいます。私は幸せ者ですわ」
「じゃあ、カミーユさんとジョーダンさんの関係は?」
「元上司と部下だよ」
「ラッセル室長が居なくなってから、5人が激務で身体を壊した」
「え?5人が?激務でって……」
「ラッセル室長は仕事は早いし、気遣いも出来てさ。たぶん全業務の3割はひとりで片付けてたんだよ。定年になったらスッパリ辞めて、フラフラするようになった。おかげで残されたこっちは大迷惑だ」
「ちゃんと申し送りもしたし、マニュアルも完璧にしてったんだよ?人員補充も進言してったし」
「『ラッセル君が出来たんだから、君達に出来ないわけないだろ?怠惰の言い訳にラッセル君を使うな』だとさ」
「どこのブラック企業よ、それ」
「さすがに1年で5人倒れたら、上層部も焦ったみたいで補充されたけど」
「安心したよ。今は回ってるんだよね?」
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