125 / 328
学院初等部 4学年生
武術魔法披露会
しおりを挟む
武術魔法披露会の当日は、いつものように救護班として駆り出された。去年の事があるから、私は救護室の奥で治療する為に控えている事になった。救護室の先生も一緒にいてくれるし、ダニエル様とシェーン様も控えてくれている。2人は護衛だけど武術魔法披露会の間はサミュエル先生の部下という立場で動いてくれる。
「まぁまぁまぁ、噂のお2人も一緒だなんて、嬉しくなっちゃうわぁ」
救護室の先生はお義母様位の恰幅の良い女性だ。前世でいうと、気の良いおばちゃんタイプ。でも仕事になるとピシッとするのよね。言葉遣いも雰囲気も変わる。
「ミーア先生、フェルナー嬢を頼みます」
「お任せくださいな。ブランジット先生はご用事がおありなんでしょう?間に合わなくなりますわよ」
救護室のミーア先生に半ば追いやられるように、サミュエル先生が出ていった。サミュエル先生は貴族の対応に駆り出されるらしい。
「フェルナー様も大変ですわね」
「先生にまでご迷惑をお掛けしてしまって、申し訳ございません」
「あらあら。フェルナー様は光の聖女様などと呼ばれてはおりますけれど、大事な大事な学院生のひとりですもの。教師として守るのは当然ですよ。ご遠慮なさらないでくださいな」
「ありがとうございます」
私達がいるのは2つの会場のちょうど中間の部屋だ。今まではそれぞれの現場で治していた怪我を、今年はひとつに集約したそうだ。そっちの方が効率が良いらしい。
武術魔法披露会では熱が入る過ぎるあまり、本気の戦いを繰り広げる生徒が何人かいる。そういう人達は引き際を見誤る事があるのだそうだ。スカウトに来ている人達に良い所を見せたいというのもあるのだと思う。
武術の場合は、警備の人達が止めに入る。でも魔法は途中でキャンセル出来ない。一応は昔の賢者と呼ばれる大魔法使いが作った防御魔法の施されている場所で魔法の試合は行われてはいる。魔道具を通じての利用が多くなっている世界だけど、魔法の腕を磨く人は何人もいるし、過去には戦争や紛争で名を挙げた『英雄』と呼ばれる人達も居た。その人達に憧れる子供もまた多い。今はスタヴィリス国は戦争をしていないけれど、他国では常に内乱中という場所もある。
最初に運ばれてきたのは飛んできた剣が見事に大腿部に突き刺さった、とても運の悪い通りすがりの勧誘者のおじ様。
「避けないから」
「いやぁ、油断してたんだよ、あ、イテテ」
このおじ様は剣が突き刺さっているというのに、お仲間さん達と朗らかに会話をしながら運ばれてきた。王宮の人事部の人らしい。勧誘者って魔法庁と軍部のだけだと思っていたら、人事部の人も来てるのね。
「これはこれは、フェルナー卿のお嬢様ではありませんか。そうか。お嬢様は光魔法の使い手でしたね」
喰えない人だなぁと思う。どう考えても私がここに居るって知っていたよね?
「彼女は学院の大切な生徒ですのよ?分かっておられますわね?」
ミーア先生が笑顔でおじ様とお仲間に釘を差す。おじ様とお仲間はコクコクと頷いた。ミーア先生の笑顔って、威厳があるというか逆らえない雰囲気なのよね。普段は優しいおばちゃまって感じなのに不思議。
治療は私がして、その間おじ様達はミーア先生にお説教されていた。その様子を部屋の隅で控えているダニエル様とシェーン様が面白そうに見ていた。
「よろしいですこと?ヘッケンバウワー卿は不注意が過ぎます。このような細い剣だったから良かったものの、あのような大剣でしたらどうなさっていたおつもり?教会の奇蹟に頼るしかなかったんですのよ?」
大剣と言われて指差されたのは、シェーン様の提げている剣。ダニエル様は大きなナイフ?なんだかいろんな武器が出てくるのよね。フェルナー家の私兵に聞いたら暗器使いだと言われたけど、よく分からない。暗器って何?
「先生、その辺りで。確認をお願いいたします」
「あ、あら。ごめんなさいね、フェルナー様。綺麗に治っておりますわね。痛みもないようですし」
とか言ってバシバシっとおじ様の肩を叩く。非常に良い音がしたけど、大丈夫かな?
さっきミーア先生が言った『教会の奇蹟』とは、ブレシングアクアを指す通称らしい。ある程度年齢の上の方にはこちらの方が意味が通りやすいのだそうだ。ブレシングアクアの製法が秘密にされていた頃の名残なんだって。
ヘッケンバウワー卿と呼ばれたおじ様は、大袈裟に痛がりながら救護室を出ていった。
次に入室してきたのは、風の魔法であちこちに切り傷を負った学院生。中等部の先輩だ。こちらはミーア先生が治した。
「あ、そうだ。フェルナー嬢、ランベルトから伝言。帰りには迎えに来るって」
「かしこまりました。申し訳ございません、伝令のような真似をさせてしまって」
「良いよ良いよ。あいつとは友人だからね」
ニカッと笑った先輩は、声を潜めて私に聞いた。
「ところでさ、ランベルトとエスクーア嬢って、どうなってんの?婚約は難しそう?」
「そんな事は無いと思いますけど。何かございましたか?」
「いいや?いつも通り順調に勝ち上がってる。エスクーア嬢も甲斐甲斐しくランベルトの世話を焼いてるしね。あ、そうだ。エスクーア嬢も順調に勝ち上がってるよ」
「良かったです。お怪我はなさっておられませんか?」
「あー、うん。大丈夫、だと思う」
なんだか妙な言い回しだなぁ。
「お怪我をなさったのですか?」
「ちょっと、ね。ポーションを飲んでたから、大丈夫だと思うよ」
スッとシェーン様が出ていった。様子を見に行ってくれたのかな?
「心配はいらないよ。ランベルトは丈夫だから」
「アンバー様は?ご無事ですか?」
「彼女は大丈夫だよ。怪我もしていない」
先輩はそう教えてくれて、救護室を後にした。
入れ替わりにランベルトお義兄様がシェーン様に引っ張られてきた。
「お義兄様、どこかお怪我を?」
「かなり強く腕を叩かれたようです。ポーションは飲んでおりましたが」
「大丈夫だって。ちょっと痛みはあるけどさ」
「診せてください」
「良いって。おい、離せって」
シェーン様が少し強引に、お義兄様の左腕の袖を捲った。大きな内出血が見られる。色も赤黒い。それに腫脹が見られた。
「お義兄様、ポーションでは怪我は治りません。体力と魔力の回復は出来ますけれど。後は自己修復力を高めて、怪我の治りを早めるだけなんです。分かっておられますか?」
「分かってる。そんな泣きそうな顔をするな」
「泣いてなどおりません」
ランベルトお義兄様の手を握って、治癒を発動する。その頃になってアンバー様が駆け込んできた。厳しい顔のダニエル様に羽交い締めにされているお義兄様と、無表情のシェーン様を見て、スンッとした顔になった。
「キャスリーン様、ランベルト様のお怪我はどうですか?」
「骨にヒビが入っておりました。かなりの痛みがあったはずです」
「やっぱり。やせ我慢をしていたんですね?」
アンバー様がぺしぺしと、治ったお義兄様の腕を叩く。
「いてぇって、アンバー、やめろ」
「キャスリーン様にまで心配をお掛けして。兄失格ですよ」
「アンバー様?兄に失格も何も無いと……」
「怪我をしたなら無理をせず素直になればよろしいのです。きゃーっなんて声援に応えて無理をなさるから」
あらら、ちょっとヤキモチが入っちゃってますねぇ。そーっとダニエル様とシェーン様がお義兄様から離れた。もちろん私もミーア先生も。
「まぁまぁまぁ、噂のお2人も一緒だなんて、嬉しくなっちゃうわぁ」
救護室の先生はお義母様位の恰幅の良い女性だ。前世でいうと、気の良いおばちゃんタイプ。でも仕事になるとピシッとするのよね。言葉遣いも雰囲気も変わる。
「ミーア先生、フェルナー嬢を頼みます」
「お任せくださいな。ブランジット先生はご用事がおありなんでしょう?間に合わなくなりますわよ」
救護室のミーア先生に半ば追いやられるように、サミュエル先生が出ていった。サミュエル先生は貴族の対応に駆り出されるらしい。
「フェルナー様も大変ですわね」
「先生にまでご迷惑をお掛けしてしまって、申し訳ございません」
「あらあら。フェルナー様は光の聖女様などと呼ばれてはおりますけれど、大事な大事な学院生のひとりですもの。教師として守るのは当然ですよ。ご遠慮なさらないでくださいな」
「ありがとうございます」
私達がいるのは2つの会場のちょうど中間の部屋だ。今まではそれぞれの現場で治していた怪我を、今年はひとつに集約したそうだ。そっちの方が効率が良いらしい。
武術魔法披露会では熱が入る過ぎるあまり、本気の戦いを繰り広げる生徒が何人かいる。そういう人達は引き際を見誤る事があるのだそうだ。スカウトに来ている人達に良い所を見せたいというのもあるのだと思う。
武術の場合は、警備の人達が止めに入る。でも魔法は途中でキャンセル出来ない。一応は昔の賢者と呼ばれる大魔法使いが作った防御魔法の施されている場所で魔法の試合は行われてはいる。魔道具を通じての利用が多くなっている世界だけど、魔法の腕を磨く人は何人もいるし、過去には戦争や紛争で名を挙げた『英雄』と呼ばれる人達も居た。その人達に憧れる子供もまた多い。今はスタヴィリス国は戦争をしていないけれど、他国では常に内乱中という場所もある。
最初に運ばれてきたのは飛んできた剣が見事に大腿部に突き刺さった、とても運の悪い通りすがりの勧誘者のおじ様。
「避けないから」
「いやぁ、油断してたんだよ、あ、イテテ」
このおじ様は剣が突き刺さっているというのに、お仲間さん達と朗らかに会話をしながら運ばれてきた。王宮の人事部の人らしい。勧誘者って魔法庁と軍部のだけだと思っていたら、人事部の人も来てるのね。
「これはこれは、フェルナー卿のお嬢様ではありませんか。そうか。お嬢様は光魔法の使い手でしたね」
喰えない人だなぁと思う。どう考えても私がここに居るって知っていたよね?
「彼女は学院の大切な生徒ですのよ?分かっておられますわね?」
ミーア先生が笑顔でおじ様とお仲間に釘を差す。おじ様とお仲間はコクコクと頷いた。ミーア先生の笑顔って、威厳があるというか逆らえない雰囲気なのよね。普段は優しいおばちゃまって感じなのに不思議。
治療は私がして、その間おじ様達はミーア先生にお説教されていた。その様子を部屋の隅で控えているダニエル様とシェーン様が面白そうに見ていた。
「よろしいですこと?ヘッケンバウワー卿は不注意が過ぎます。このような細い剣だったから良かったものの、あのような大剣でしたらどうなさっていたおつもり?教会の奇蹟に頼るしかなかったんですのよ?」
大剣と言われて指差されたのは、シェーン様の提げている剣。ダニエル様は大きなナイフ?なんだかいろんな武器が出てくるのよね。フェルナー家の私兵に聞いたら暗器使いだと言われたけど、よく分からない。暗器って何?
「先生、その辺りで。確認をお願いいたします」
「あ、あら。ごめんなさいね、フェルナー様。綺麗に治っておりますわね。痛みもないようですし」
とか言ってバシバシっとおじ様の肩を叩く。非常に良い音がしたけど、大丈夫かな?
さっきミーア先生が言った『教会の奇蹟』とは、ブレシングアクアを指す通称らしい。ある程度年齢の上の方にはこちらの方が意味が通りやすいのだそうだ。ブレシングアクアの製法が秘密にされていた頃の名残なんだって。
ヘッケンバウワー卿と呼ばれたおじ様は、大袈裟に痛がりながら救護室を出ていった。
次に入室してきたのは、風の魔法であちこちに切り傷を負った学院生。中等部の先輩だ。こちらはミーア先生が治した。
「あ、そうだ。フェルナー嬢、ランベルトから伝言。帰りには迎えに来るって」
「かしこまりました。申し訳ございません、伝令のような真似をさせてしまって」
「良いよ良いよ。あいつとは友人だからね」
ニカッと笑った先輩は、声を潜めて私に聞いた。
「ところでさ、ランベルトとエスクーア嬢って、どうなってんの?婚約は難しそう?」
「そんな事は無いと思いますけど。何かございましたか?」
「いいや?いつも通り順調に勝ち上がってる。エスクーア嬢も甲斐甲斐しくランベルトの世話を焼いてるしね。あ、そうだ。エスクーア嬢も順調に勝ち上がってるよ」
「良かったです。お怪我はなさっておられませんか?」
「あー、うん。大丈夫、だと思う」
なんだか妙な言い回しだなぁ。
「お怪我をなさったのですか?」
「ちょっと、ね。ポーションを飲んでたから、大丈夫だと思うよ」
スッとシェーン様が出ていった。様子を見に行ってくれたのかな?
「心配はいらないよ。ランベルトは丈夫だから」
「アンバー様は?ご無事ですか?」
「彼女は大丈夫だよ。怪我もしていない」
先輩はそう教えてくれて、救護室を後にした。
入れ替わりにランベルトお義兄様がシェーン様に引っ張られてきた。
「お義兄様、どこかお怪我を?」
「かなり強く腕を叩かれたようです。ポーションは飲んでおりましたが」
「大丈夫だって。ちょっと痛みはあるけどさ」
「診せてください」
「良いって。おい、離せって」
シェーン様が少し強引に、お義兄様の左腕の袖を捲った。大きな内出血が見られる。色も赤黒い。それに腫脹が見られた。
「お義兄様、ポーションでは怪我は治りません。体力と魔力の回復は出来ますけれど。後は自己修復力を高めて、怪我の治りを早めるだけなんです。分かっておられますか?」
「分かってる。そんな泣きそうな顔をするな」
「泣いてなどおりません」
ランベルトお義兄様の手を握って、治癒を発動する。その頃になってアンバー様が駆け込んできた。厳しい顔のダニエル様に羽交い締めにされているお義兄様と、無表情のシェーン様を見て、スンッとした顔になった。
「キャスリーン様、ランベルト様のお怪我はどうですか?」
「骨にヒビが入っておりました。かなりの痛みがあったはずです」
「やっぱり。やせ我慢をしていたんですね?」
アンバー様がぺしぺしと、治ったお義兄様の腕を叩く。
「いてぇって、アンバー、やめろ」
「キャスリーン様にまで心配をお掛けして。兄失格ですよ」
「アンバー様?兄に失格も何も無いと……」
「怪我をしたなら無理をせず素直になればよろしいのです。きゃーっなんて声援に応えて無理をなさるから」
あらら、ちょっとヤキモチが入っちゃってますねぇ。そーっとダニエル様とシェーン様がお義兄様から離れた。もちろん私もミーア先生も。
192
お気に入りに追加
493
あなたにおすすめの小説

【完結】長い眠りのその後で
maruko
恋愛
伯爵令嬢のアディルは王宮魔術師団の副団長サンディル・メイナードと結婚しました。
でも婚約してから婚姻まで一度も会えず、婚姻式でも、新居に向かう馬車の中でも目も合わせない旦那様。
いくら政略結婚でも幸せになりたいって思ってもいいでしょう?
このまま幸せになれるのかしらと思ってたら⋯⋯アレッ?旦那様が2人!!
どうして旦那様はずっと眠ってるの?
唖然としたけど強制的に旦那様の為に動かないと行けないみたい。
しょうがないアディル頑張りまーす!!
複雑な家庭環境で育って、醒めた目で世間を見ているアディルが幸せになるまでの物語です
全50話(2話分は登場人物と時系列の整理含む)
※他サイトでも投稿しております
ご都合主義、誤字脱字、未熟者ですが優しい目線で読んで頂けますと幸いです

跡継ぎが産めなければ私は用なし!? でしたらあなたの前から消えて差し上げます。どうぞ愛妾とお幸せに。
Kouei
恋愛
私リサーリア・ウォルトマンは、父の命令でグリフォンド伯爵令息であるモートンの妻になった。
政略結婚だったけれど、お互いに思い合い、幸せに暮らしていた。
しかし結婚して1年経っても子宝に恵まれなかった事で、義父母に愛妾を薦められた夫。
「承知致しました」
夫は二つ返事で承諾した。
私を裏切らないと言ったのに、こんな簡単に受け入れるなんて…!
貴方がそのつもりなら、私は喜んで消えて差し上げますわ。
私は切岸に立って、夕日を見ながら夫に別れを告げた―――…
※この作品は、他サイトにも投稿しています。

魅了の魔法を使っているのは義妹のほうでした・完
瀬名 翠
恋愛
”魅了の魔法”を使っている悪女として国外追放されるアンネリーゼ。実際は義妹・ビアンカのしわざであり、アンネリーゼは潔白であった。断罪後、親しくしていた、隣国・魔法王国出身の後輩に、声をかけられ、連れ去られ。
夢も叶えて恋も叶える、絶世の美女の話。
*五話でさくっと読めます。

【完結】裏切っておいて今になって謝罪ですか? もう手遅れですよ?
かとるり
恋愛
婚約者であるハワード王子が他の女性と抱き合っている現場を目撃してしまった公爵令嬢アレクシア。
まるで悪いことをしたとは思わないハワード王子に対し、もう信じることは絶対にないと思うアレクシアだった。

婚約破棄から~2年後~からのおめでとう
夏千冬
恋愛
第一王子アルバートに婚約破棄をされてから二年経ったある日、自分には前世があったのだと思い出したマルフィルは、己のわがままボディに絶句する。
それも王命により屋敷に軟禁状態。肉塊のニート令嬢だなんて絶対にいかん!
改心を決めたマルフィルは、手始めにダイエットをして今年行われるアルバートの生誕祝賀パーティーに出席することを目標にする。

戻る場所がなくなったようなので別人として生きます
しゃーりん
恋愛
医療院で目が覚めて、新聞を見ると自分が死んだ記事が載っていた。
子爵令嬢だったリアンヌは公爵令息ジョーダンから猛アプローチを受け、結婚していた。
しかし、結婚生活は幸せではなかった。嫌がらせを受ける日々。子供に会えない日々。
そしてとうとう攫われ、襲われ、森に捨てられたらしい。
見つかったという遺体が自分に似ていて死んだと思われたのか、別人とわかっていて死んだことにされたのか。
でももう夫の元に戻る必要はない。そのことにホッとした。
リアンヌは別人として新しい人生を生きることにするというお話です。

こういうの「ざまぁ」って言うんですよね? ~婚約破棄されたら美人になりました~
茅野ガク
恋愛
家のために宝石商の息子と婚約をした伯爵令嬢シスカ。彼女は婚約者の長年の暴言で自分に自信が持てなくなっていた。
更には婚約者の裏切りにより、大勢の前で婚約破棄を告げられてしまう。
シスカが屈辱に耐えていると、宮廷医師ウィルドがその場からシスカを救ってくれた。
初対面のはずの彼はシスカにある提案をして――
人に素顔を見せることが怖くなっていたシスカが、ウィルドと共に自信と笑顔を取り戻していくお話です。

【完結】え、お嬢様が婚約破棄されたって本当ですか?
瑞紀
恋愛
「フェリシア・ボールドウィン。お前は王太子である俺の妃には相応しくない。よって婚約破棄する!」
婚約を公表する手はずの夜会で、突然婚約破棄された公爵令嬢、フェリシア。父公爵に勘当まで受け、絶体絶命の大ピンチ……のはずが、彼女はなぜか平然としている。
部屋まで押しかけてくる王太子(元婚約者)とその恋人。なぜか始まる和気あいあいとした会話。さらに、親子の縁を切ったはずの公爵夫妻まで現れて……。
フェリシアの執事(的存在)、デイヴィットの視点でお送りする、ラブコメディー。
ざまぁなしのハッピーエンド!
※8/6 16:10で完結しました。
※HOTランキング(女性向け)52位,お気に入り登録 220↑,24hポイント4万↑ ありがとうございます。
※お気に入り登録、感想も本当に嬉しいです。ありがとうございます。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる