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学院初等部 4学年生
20人目?
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帰ってきたローレンス様に思いっきり甘やかされて、食べ物すら自分で食べさせてはくれない状況に少しうんざりし始めた頃、お義父様がひとりの男の子を連れて帰宅した。少し薄汚れているけど、理知的な目をしていた。
「20人目の『テンセイシャ』らしい。どこからかキャスリーンの事を知ったようだ」
「私を?」
「話がしたいと言っている」
お義母様が男の子の身なりを整えさせている間に、お義父様と話をする。
「ここまで何日かかけて来たらしい。道中聞いた限りだが、前世の記憶がよみがえってすぐに家を追い出されたと」
「転生者としてのお話でしたら、ラッセル様もいらっしゃっているこの時期で良かったですわ。私はもうすぐ学院に戻りますもの」
「あぁ、そうだな。そのラッセル氏はどこにおられる?」
「先程料理長とクロワッサンについて熱く語り合っておられましたわ。フェルナー侯爵家のクロワッサンは最高ですって」
「クロワッサンか。あれは旨いがパン屑が落ちるのが難点だな」
「うふふ。気にしちゃいけないらしいですわよ。カロリーが怖いですけれど、美味しいですわよね。カロリーが怖いですけれど」
クロワッサンはびっくりするほどのバターと砂糖、ミルクを使う贅沢なパンで、この世界ではお菓子扱いだ。今回はラッセル様が新鮮なバターをたくさんお土産に持ってきてくださったから、料理長が喜んでいた。ラッセル様の話は邸内でもしていたから、きっと料理長が気を利かせたんだと思う。お義母様がカロリーを気にしているから、フェルナー邸ではめったに出ないからね。
「でもお義父様、転生者ってこんなに見つかるものですの?」
「キャスリーンの事があって調べ直してみたが、10年で5人とか、50年ぶりの『テンセイシャ』だとか、記載があった。だからあの子が『テンセイシャ』でないとは限らん」
「短い場合も長い場合もあるという事ですのね。記録が全てとは申しませんが」
ホクホク顔のラッセル様が通りかかったから、事情をお話しして同席してもらうことにした。
身綺麗にされた男の子がお義母様に連れられてやって来た。
「まずは名を聞かせてくれるか?」
「スズキユウノスケです」
ずいぶん古風な名前だな、と思った。前世の私の同僚にも古風な名前の人もいたし、どの時代からというのが分からないから、なんとも言えないけど。
「今の名前は?」
「ユリシーズ・トレジャーです。あの、ハナアイム領から来ました」
「隣か」
ハナアイム領はハナアイム男爵が治める領で、フェルナー侯爵家とは寄り親、寄り子の関係に当たる。これといった特産も無くて、ハナアイム男爵とも何度か会ったけど穏やかで木訥とした好好爺という印象の方だった。
「それで?キャスリーンに話があるとの事だったが」
「キャスリーン様って光の聖女様ですよね?」
「そう呼ばれているらしいな」
「フェルナー家の養女で合ってますか」
「それを聞いてどうする?キャスリーンの事を調べたのかね?」
「やっ、ちげって……、違ってあの、これを預かりました」
おずおずと差し出されたのはブローチ。金の蝶のブローチで透明感のある色彩が施されている。
「預かった?」
「じい様からです。注文を受けたって言っていました。じい様はこういうアクセサリーを作るのが得意でしたから」
「注文って、誰からだ?」
「それが分からないんです。じい様は1月に死んじまいましたから。でもこのブローチは、大切に箱に入れられていて、光の聖女様ってラベルが付けられていて。その横にフェルナー侯爵家の養女とか髪の毛の色とかメモされていて。これがその紙なんすけど」
小さく折り畳まれた紙には、注文書と書かれた文字が見えた。残念ながらすぐにお義父様に取り上げられたけど。
「スズキユウノスケって事はニホンジン?」
ラッセル様がのんびりと聞いた。とたんにユリシーズ・トレジャーがギクリと身体を強張らせた。
「えぇっと……」
「本当の事を話した方が良いよ」
「本当です。本当に『テンセイシャ』なんです」
ユリシーズ・トレジャーが言いつのる。
「君がじゃないよね?」
「そっ、それは……」
「ほぉら、楽になった方が良いよ。オジさんに話してごらん?」
なんとなく胡散臭い話し方になっているのは、気の所為でしょうか?
ラッセル様が聞き出したユリシーズ少年の話によると、前世の記憶らしきものはうっすらとだけどあるらしい。だけどそれが自分の前世の記憶かどうかが分からないらしい。と、いうのも、彼のお祖父さんが転生者だったらしくて、その話を小さい頃から聞かされていたから。転生したっていう感じじゃなくて、「昔こんな事があったんだよ」とかフワッとした話だったらしくて刷り込まれたような感じらしい。
「ボっ、ボクはっ、分からなくってっ」
「うんうん。でもね、結果的に騙した形になっちゃったからね。困ったね」
「お祖父様はお亡くなりになられたのですわよね?前世を思い出したから追い出されたというのも、嘘ですの?」
「それっもっ、じい様のっ、話でっ」
泣き出してしゃくりあげながら話すユリシーズ少年。
「大丈夫ですわよ。落ち着いてくださいませ」
手を握って軽いリラックス効果の光魔法をかける。
「はぁ。キャスリーン、席を外しなさい。彼には他にも聞かねばならん事がある」
「私も一緒に……」
「外しなさい。デリケートな事も聞かねばならんからな」
「それならなおさら私がいた方が良いのでは?ユリシーズさんも怯えているようですし」
「外しなさい。これは命令だ」
お義父様に強い口調で言われた。これ以上は同席出来そうにない。
「私は席を外しますけれど、大丈夫ですからね。お義父様は厳めしいお顔ですけれど、優しいお方ですから」
「おい、キャスリーン……」
「本当の事でしょう?」
不機嫌になってしまったお義父様の顔に申し訳無いとは思ったけど、少しだけ溜飲が下がったのも本当だ。
話し合いの部屋を出ると、ローレンス様に心配そうに私を見た。待っていてくれていたらしい。
「キャシーだけかい?」
「はい。お義父様とラッセル様は、彼にまだお聞きになりたい事があるそうです」
「そうか。こちらにおいで」
一室に連れ込まれて、ソファーに座らされる。ローレンス様は隣に座った。珍しい。2人きりの時は、たいていお膝だっこなのに。2人きりといっても当然使用人はいる。見て見ぬふりをしているけど。待って?「2人きりの時は、たいていお膝だっこなのに」ってちょっとがっかりしてない?大丈夫?私。洗脳されてないよね?
「キャシー、どうしたんだい?」
ひとりでアワアワグルグル考えていたら、さりげなく肩に手を回された。
「おおお、おにーさま?」
「久しぶりだね。キャシーのお義兄様呼び。何を動揺してるの?婚約者でしょ?この位普通だよ?」
普通じゃないと思う。他の婚約者持ちの2人きりの時は知らないけれど。
コトリとマカロンが乗ったお皿と飲み物が置かれた。私には冷たいハーブティー、ローレンス様にはコーヒー。
テーブルの上のマカロンは丸く平べったく、ひび割れた表面でまるで固いビスケットのような見た目だ。日本で食べていたようなツルンとした色とりどりの、可愛らしい見た目じゃない。サクッとした表面の食感とは対照的に中はもっちりしていてアーモンドの香りと味が、私のお気に入り。
「美味しい」
「キャシーはマカロンが好きだよね。それもこのタイプの物が」
「前世にもマカロンはあったんですけど、こういった物じゃなかったんです。だから最初は珍しくて、食べてみたらこっちの方が好きになりました」
「キャシー、フェルナー領に行きたいかい?」
急にローレンス様が言い出した。
「20人目の『テンセイシャ』らしい。どこからかキャスリーンの事を知ったようだ」
「私を?」
「話がしたいと言っている」
お義母様が男の子の身なりを整えさせている間に、お義父様と話をする。
「ここまで何日かかけて来たらしい。道中聞いた限りだが、前世の記憶がよみがえってすぐに家を追い出されたと」
「転生者としてのお話でしたら、ラッセル様もいらっしゃっているこの時期で良かったですわ。私はもうすぐ学院に戻りますもの」
「あぁ、そうだな。そのラッセル氏はどこにおられる?」
「先程料理長とクロワッサンについて熱く語り合っておられましたわ。フェルナー侯爵家のクロワッサンは最高ですって」
「クロワッサンか。あれは旨いがパン屑が落ちるのが難点だな」
「うふふ。気にしちゃいけないらしいですわよ。カロリーが怖いですけれど、美味しいですわよね。カロリーが怖いですけれど」
クロワッサンはびっくりするほどのバターと砂糖、ミルクを使う贅沢なパンで、この世界ではお菓子扱いだ。今回はラッセル様が新鮮なバターをたくさんお土産に持ってきてくださったから、料理長が喜んでいた。ラッセル様の話は邸内でもしていたから、きっと料理長が気を利かせたんだと思う。お義母様がカロリーを気にしているから、フェルナー邸ではめったに出ないからね。
「でもお義父様、転生者ってこんなに見つかるものですの?」
「キャスリーンの事があって調べ直してみたが、10年で5人とか、50年ぶりの『テンセイシャ』だとか、記載があった。だからあの子が『テンセイシャ』でないとは限らん」
「短い場合も長い場合もあるという事ですのね。記録が全てとは申しませんが」
ホクホク顔のラッセル様が通りかかったから、事情をお話しして同席してもらうことにした。
身綺麗にされた男の子がお義母様に連れられてやって来た。
「まずは名を聞かせてくれるか?」
「スズキユウノスケです」
ずいぶん古風な名前だな、と思った。前世の私の同僚にも古風な名前の人もいたし、どの時代からというのが分からないから、なんとも言えないけど。
「今の名前は?」
「ユリシーズ・トレジャーです。あの、ハナアイム領から来ました」
「隣か」
ハナアイム領はハナアイム男爵が治める領で、フェルナー侯爵家とは寄り親、寄り子の関係に当たる。これといった特産も無くて、ハナアイム男爵とも何度か会ったけど穏やかで木訥とした好好爺という印象の方だった。
「それで?キャスリーンに話があるとの事だったが」
「キャスリーン様って光の聖女様ですよね?」
「そう呼ばれているらしいな」
「フェルナー家の養女で合ってますか」
「それを聞いてどうする?キャスリーンの事を調べたのかね?」
「やっ、ちげって……、違ってあの、これを預かりました」
おずおずと差し出されたのはブローチ。金の蝶のブローチで透明感のある色彩が施されている。
「預かった?」
「じい様からです。注文を受けたって言っていました。じい様はこういうアクセサリーを作るのが得意でしたから」
「注文って、誰からだ?」
「それが分からないんです。じい様は1月に死んじまいましたから。でもこのブローチは、大切に箱に入れられていて、光の聖女様ってラベルが付けられていて。その横にフェルナー侯爵家の養女とか髪の毛の色とかメモされていて。これがその紙なんすけど」
小さく折り畳まれた紙には、注文書と書かれた文字が見えた。残念ながらすぐにお義父様に取り上げられたけど。
「スズキユウノスケって事はニホンジン?」
ラッセル様がのんびりと聞いた。とたんにユリシーズ・トレジャーがギクリと身体を強張らせた。
「えぇっと……」
「本当の事を話した方が良いよ」
「本当です。本当に『テンセイシャ』なんです」
ユリシーズ・トレジャーが言いつのる。
「君がじゃないよね?」
「そっ、それは……」
「ほぉら、楽になった方が良いよ。オジさんに話してごらん?」
なんとなく胡散臭い話し方になっているのは、気の所為でしょうか?
ラッセル様が聞き出したユリシーズ少年の話によると、前世の記憶らしきものはうっすらとだけどあるらしい。だけどそれが自分の前世の記憶かどうかが分からないらしい。と、いうのも、彼のお祖父さんが転生者だったらしくて、その話を小さい頃から聞かされていたから。転生したっていう感じじゃなくて、「昔こんな事があったんだよ」とかフワッとした話だったらしくて刷り込まれたような感じらしい。
「ボっ、ボクはっ、分からなくってっ」
「うんうん。でもね、結果的に騙した形になっちゃったからね。困ったね」
「お祖父様はお亡くなりになられたのですわよね?前世を思い出したから追い出されたというのも、嘘ですの?」
「それっもっ、じい様のっ、話でっ」
泣き出してしゃくりあげながら話すユリシーズ少年。
「大丈夫ですわよ。落ち着いてくださいませ」
手を握って軽いリラックス効果の光魔法をかける。
「はぁ。キャスリーン、席を外しなさい。彼には他にも聞かねばならん事がある」
「私も一緒に……」
「外しなさい。デリケートな事も聞かねばならんからな」
「それならなおさら私がいた方が良いのでは?ユリシーズさんも怯えているようですし」
「外しなさい。これは命令だ」
お義父様に強い口調で言われた。これ以上は同席出来そうにない。
「私は席を外しますけれど、大丈夫ですからね。お義父様は厳めしいお顔ですけれど、優しいお方ですから」
「おい、キャスリーン……」
「本当の事でしょう?」
不機嫌になってしまったお義父様の顔に申し訳無いとは思ったけど、少しだけ溜飲が下がったのも本当だ。
話し合いの部屋を出ると、ローレンス様に心配そうに私を見た。待っていてくれていたらしい。
「キャシーだけかい?」
「はい。お義父様とラッセル様は、彼にまだお聞きになりたい事があるそうです」
「そうか。こちらにおいで」
一室に連れ込まれて、ソファーに座らされる。ローレンス様は隣に座った。珍しい。2人きりの時は、たいていお膝だっこなのに。2人きりといっても当然使用人はいる。見て見ぬふりをしているけど。待って?「2人きりの時は、たいていお膝だっこなのに」ってちょっとがっかりしてない?大丈夫?私。洗脳されてないよね?
「キャシー、どうしたんだい?」
ひとりでアワアワグルグル考えていたら、さりげなく肩に手を回された。
「おおお、おにーさま?」
「久しぶりだね。キャシーのお義兄様呼び。何を動揺してるの?婚約者でしょ?この位普通だよ?」
普通じゃないと思う。他の婚約者持ちの2人きりの時は知らないけれど。
コトリとマカロンが乗ったお皿と飲み物が置かれた。私には冷たいハーブティー、ローレンス様にはコーヒー。
テーブルの上のマカロンは丸く平べったく、ひび割れた表面でまるで固いビスケットのような見た目だ。日本で食べていたようなツルンとした色とりどりの、可愛らしい見た目じゃない。サクッとした表面の食感とは対照的に中はもっちりしていてアーモンドの香りと味が、私のお気に入り。
「美味しい」
「キャシーはマカロンが好きだよね。それもこのタイプの物が」
「前世にもマカロンはあったんですけど、こういった物じゃなかったんです。だから最初は珍しくて、食べてみたらこっちの方が好きになりました」
「キャシー、フェルナー領に行きたいかい?」
急にローレンス様が言い出した。
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