95 / 281
学院初等部 4学年生
シェーン様とダニエル様
しおりを挟む
今日は薬草研究会に顔を出す予定だ。薬草研究会に向かっている途中、アルベリク・リトルトンに出会った。
「光の聖女様、今日はどちらへ?」
警戒したシェーン様が、ギロッとアルベリク・リトルトンを見る。そこまで警戒しなくても、と思うのは、私が甘いのだろうか。
「薬草研究会ですわ。授業外交流の倶楽部に所属しておりますので」
「途中までご一緒しても?」
「それはかまいませんけれど」
「お邪魔いたします」
「邪魔をするなら帰るがいい。フェルナー様はお優しいから許可を出されたが、私は許さない。早々に立ち去れ」
「嫌だなぁ。そんなに邪険にしないでくださいよ」
警戒心剥き出しのシェーン様と、飄々と受け流そうとするアルベリク・リトルトン。たかだか数十mの距離なんだけどな。言い合いをしながら並んで歩くシェーン様とアルベリク・リトルトンを引き連れて、薬草研究会に向かう。
「大丈夫かい?」
「精神的に疲れました」
特別棟の薬草研究会の教室に着いて、ぐったりしていたらバージェフ先輩に気遣われた。薬草研究会の部屋に入る手前でシェーン様は私から離れていった。決して部屋から出ないでくださいって言い残していったから、どこかに行ったんだと思う。
「なぁに?何があったの?」
「なんというか、原因に抗議したい気持ちです」
「原因に抗議?」
「フェルナー嬢はこういう時、絶対に個人名を出さないんだよね」
「個人情報の保護だっけ?」
「どこでどう利用されるか分かりませんから」
貴族はスキャンダルが命取り。用心に越した事はない。逆恨みなんてごめんだもの。
魔術研究会の部員もやって来て、いつも通りの授業外交流が始まった。光魔法を使わないポーションの開発は停滞しているらしく、メアリー・ポッター先輩は魔法陣の構築に苦労しているらしい。光魔法の魔法陣は他の魔法と比べて特殊らしく、見た事の無い魔法陣に頭を抱えている。同時に光魔法の行使を要求される事が増えた。良いんですけどね。小さな怪我の治癒はそこまで魔力を使わないし。でも自分で指を切らないでください。どうしてこうも自分で傷付ける事を厭わないんだろう。お願いだから自分を大切にしてください。
「そこまで痛くないのよ?」
「そういう問題じゃありません。こういった事に慣れてしまうと、自分の命まで軽視するんじゃないかと、心配なんです」
「大丈夫だってば。そんな泣きそうな顔をしないで?」
「誰がさせているんですか」
「毒を試す時も致死量には気を付けているし、攻撃魔法もギリギリを狙ってるから大丈夫よ」
「大丈夫な要素が見えません」
ヨシヨシと頭を撫でられたけど、原因はメアリー様ですからね?
光魔法を連発していると、ショーン様がサミュエル先生をこっそり手招きしたのが見えた。何だろう?
「うーん。読み解けないのよねぇ」
メアリー様の呟きが耳に入った。
「読み解けない?」
「文字が重なっちゃってる気がするんだけど。縦線とか横線がいっぱいでね。魔法文字特有なのよね。こういう文字は」
メアリー様が紙に書き付けた文字を見せてもらう。漢字っぽいのかと思ったけど違う。カクカクした波線だったりエックスの左右に縦線がくっついていたり、私には見ても分からないけどこれが魔法文字なんだそうだ。一文字に意味があるらしくて、文字の組み合わせで大きく魔法効果が変わってくるんだって。
「キャシーちゃん、いいかな?」
サミュエル先生に呼ばれた。メアリー様の了解を得て中座させてもらう。
「明日からシェーンを護衛から外すよ。代わりにダニエルを寄越すから」
「ダニエル様を?」
「会いたがっていたからね。正式交代はまだだけど。シェーンが嫌がっていてね」
そこで言葉を切って意味ありげに私を見る。
「まったく、人タラシだね」
「私に言われましても。シェーン様はどうかなさったのですか?」
「話を付けに行くそうだよ」
「話を?誰にとは教えてもらえないのですね」
「そうだね。知られたくないだろうしね」
「分かりました」
薬草研究会で、必死に魔法文字を読み解いているメアリー様の側に戻る。
「用事は済んだ?」
「はい。何かお分かりになりましたか?」
「うん。分かったけど……」
「けど?」
「キャスリーン様の治癒魔法と、バージェフセンパイの治癒魔法の、文字列が違うの」
「そんな事ってあるんですか?」
「無い……はずなんだけどね」
魔道具に関する本は読んだけれど、魔法媒体である魔鉱石を砕いて溶かした薬液を塗布した金属や、同じく薬液を染み込ませた布に、魔法陣を刻むなり染め付けるなりして、魔力を通す物だったはず。それには一定の魔法陣が必要だし、人によって魔法文字の文字列が違ったら意味がない。
その魔法陣の文字列が違うってどういう事だろう?魔法発動の際に見える魔法陣は規模の違いはあっても同じらしいし。
その日はメアリー様と一緒に悩んで終わった。
次の日、女性寮の前でダニエル様が待っていた。
「おはよう、お嬢ちゃん」
「おはようございます、ダニエル様」
「行こうか」
シェーン様は護衛として少し後ろを付いてきてくれたけど、ダニエル様は横に立って友達のように振る舞っている。それが懐かしかった。
「ふふっ」
「どうしたの?」
「同じ護衛でも、ダニエル様とシェーン様はやっぱり違うなと思いまして」
「まぁね。アイツは融通が利かなかったでしょ?真面目で忠実。護衛対象に特別な感情は抱かずに任務の遂行だけを考える。よく言えば護衛の鏡、悪く言えば護衛傀儡ってね」
「悪く言いすぎでは?」
「それ位感情が動かなかったんだよ。護衛中に斬り付けられても表情ひとつ変えない。出血に護衛対象が怖じ気付いて交代したって事もあったんだよ」
「そんな事が……」
「だから今回は驚いた。お嬢ちゃんから離れないって言い張ってさ。喧嘩を売られたよ。買わなかったけど」
「買わなかったんですね。良かったです」
「そんな事をしたらサミュエル様にお叱りを受けてしまうしね。ブランジット公爵家にお嬢ちゃんが来たでしょ?その時に密かに護衛に付いたけど、症状はどう?」
紅茶が飲めない事だよね。
「ずいぶん良くなりました。たまに思い出しますけど、マナーの先生に及第点はいただけています」
「そりゃ良かった」
教室に入ると、護衛がダニエル様に変わっている事に驚かれてしまった。
「キャスリーン様、いつもの方は?」
「前の方に戻られましたのね」
「え?」
「え?」
ダニエル様を知っている方と知らない方の認識のズレが、あちこちで起きている気がする。ダニエル様は苦笑していた。
ダニエル様はサミュエル先生からの指示で、教室でも待機するようになっていた。そうすると好奇心旺盛な方が話しかけにいったりする。
「護衛の方ってキャスリーン様とお親しいのですわよね?失礼ですが前の方は話しかけ辛いというかけんもほろろな対応でしたけれど、護衛としてならどちらが理想的なのですか?」
「理想かぁ。一概には言えないけど、一番理想的な護衛は前の奴とオレとを足して2で割った感じかな?オレみたいに馴れ馴れしくしすぎてもダメだし、前の奴みたいに距離を取りすぎてもね。でも一番大切なのは護衛対象との相性だよ」
「相性ですか?」
「キャスリーン嬢のように両方と付き合える人もいるけどさ、やっぱり馴れ馴れしいな、と感じられたり、無愛想だなと思われたりっていうのはあるわけなんだ。護衛中は結構そういうのを感じ取れるんだよね」
「感じ取れちゃうんですか?」
「なんとなくね。こうだから、とは言えないんだけどさ」
教室の中でそんな話をしているから、当然私の耳にも入ってくる。
「ダニエル様は馴れ馴れしい訳ではないと思いますわよ」
ダニエル様に言ったらバツの悪そうな顔をされた。
「光の聖女様、今日はどちらへ?」
警戒したシェーン様が、ギロッとアルベリク・リトルトンを見る。そこまで警戒しなくても、と思うのは、私が甘いのだろうか。
「薬草研究会ですわ。授業外交流の倶楽部に所属しておりますので」
「途中までご一緒しても?」
「それはかまいませんけれど」
「お邪魔いたします」
「邪魔をするなら帰るがいい。フェルナー様はお優しいから許可を出されたが、私は許さない。早々に立ち去れ」
「嫌だなぁ。そんなに邪険にしないでくださいよ」
警戒心剥き出しのシェーン様と、飄々と受け流そうとするアルベリク・リトルトン。たかだか数十mの距離なんだけどな。言い合いをしながら並んで歩くシェーン様とアルベリク・リトルトンを引き連れて、薬草研究会に向かう。
「大丈夫かい?」
「精神的に疲れました」
特別棟の薬草研究会の教室に着いて、ぐったりしていたらバージェフ先輩に気遣われた。薬草研究会の部屋に入る手前でシェーン様は私から離れていった。決して部屋から出ないでくださいって言い残していったから、どこかに行ったんだと思う。
「なぁに?何があったの?」
「なんというか、原因に抗議したい気持ちです」
「原因に抗議?」
「フェルナー嬢はこういう時、絶対に個人名を出さないんだよね」
「個人情報の保護だっけ?」
「どこでどう利用されるか分かりませんから」
貴族はスキャンダルが命取り。用心に越した事はない。逆恨みなんてごめんだもの。
魔術研究会の部員もやって来て、いつも通りの授業外交流が始まった。光魔法を使わないポーションの開発は停滞しているらしく、メアリー・ポッター先輩は魔法陣の構築に苦労しているらしい。光魔法の魔法陣は他の魔法と比べて特殊らしく、見た事の無い魔法陣に頭を抱えている。同時に光魔法の行使を要求される事が増えた。良いんですけどね。小さな怪我の治癒はそこまで魔力を使わないし。でも自分で指を切らないでください。どうしてこうも自分で傷付ける事を厭わないんだろう。お願いだから自分を大切にしてください。
「そこまで痛くないのよ?」
「そういう問題じゃありません。こういった事に慣れてしまうと、自分の命まで軽視するんじゃないかと、心配なんです」
「大丈夫だってば。そんな泣きそうな顔をしないで?」
「誰がさせているんですか」
「毒を試す時も致死量には気を付けているし、攻撃魔法もギリギリを狙ってるから大丈夫よ」
「大丈夫な要素が見えません」
ヨシヨシと頭を撫でられたけど、原因はメアリー様ですからね?
光魔法を連発していると、ショーン様がサミュエル先生をこっそり手招きしたのが見えた。何だろう?
「うーん。読み解けないのよねぇ」
メアリー様の呟きが耳に入った。
「読み解けない?」
「文字が重なっちゃってる気がするんだけど。縦線とか横線がいっぱいでね。魔法文字特有なのよね。こういう文字は」
メアリー様が紙に書き付けた文字を見せてもらう。漢字っぽいのかと思ったけど違う。カクカクした波線だったりエックスの左右に縦線がくっついていたり、私には見ても分からないけどこれが魔法文字なんだそうだ。一文字に意味があるらしくて、文字の組み合わせで大きく魔法効果が変わってくるんだって。
「キャシーちゃん、いいかな?」
サミュエル先生に呼ばれた。メアリー様の了解を得て中座させてもらう。
「明日からシェーンを護衛から外すよ。代わりにダニエルを寄越すから」
「ダニエル様を?」
「会いたがっていたからね。正式交代はまだだけど。シェーンが嫌がっていてね」
そこで言葉を切って意味ありげに私を見る。
「まったく、人タラシだね」
「私に言われましても。シェーン様はどうかなさったのですか?」
「話を付けに行くそうだよ」
「話を?誰にとは教えてもらえないのですね」
「そうだね。知られたくないだろうしね」
「分かりました」
薬草研究会で、必死に魔法文字を読み解いているメアリー様の側に戻る。
「用事は済んだ?」
「はい。何かお分かりになりましたか?」
「うん。分かったけど……」
「けど?」
「キャスリーン様の治癒魔法と、バージェフセンパイの治癒魔法の、文字列が違うの」
「そんな事ってあるんですか?」
「無い……はずなんだけどね」
魔道具に関する本は読んだけれど、魔法媒体である魔鉱石を砕いて溶かした薬液を塗布した金属や、同じく薬液を染み込ませた布に、魔法陣を刻むなり染め付けるなりして、魔力を通す物だったはず。それには一定の魔法陣が必要だし、人によって魔法文字の文字列が違ったら意味がない。
その魔法陣の文字列が違うってどういう事だろう?魔法発動の際に見える魔法陣は規模の違いはあっても同じらしいし。
その日はメアリー様と一緒に悩んで終わった。
次の日、女性寮の前でダニエル様が待っていた。
「おはよう、お嬢ちゃん」
「おはようございます、ダニエル様」
「行こうか」
シェーン様は護衛として少し後ろを付いてきてくれたけど、ダニエル様は横に立って友達のように振る舞っている。それが懐かしかった。
「ふふっ」
「どうしたの?」
「同じ護衛でも、ダニエル様とシェーン様はやっぱり違うなと思いまして」
「まぁね。アイツは融通が利かなかったでしょ?真面目で忠実。護衛対象に特別な感情は抱かずに任務の遂行だけを考える。よく言えば護衛の鏡、悪く言えば護衛傀儡ってね」
「悪く言いすぎでは?」
「それ位感情が動かなかったんだよ。護衛中に斬り付けられても表情ひとつ変えない。出血に護衛対象が怖じ気付いて交代したって事もあったんだよ」
「そんな事が……」
「だから今回は驚いた。お嬢ちゃんから離れないって言い張ってさ。喧嘩を売られたよ。買わなかったけど」
「買わなかったんですね。良かったです」
「そんな事をしたらサミュエル様にお叱りを受けてしまうしね。ブランジット公爵家にお嬢ちゃんが来たでしょ?その時に密かに護衛に付いたけど、症状はどう?」
紅茶が飲めない事だよね。
「ずいぶん良くなりました。たまに思い出しますけど、マナーの先生に及第点はいただけています」
「そりゃ良かった」
教室に入ると、護衛がダニエル様に変わっている事に驚かれてしまった。
「キャスリーン様、いつもの方は?」
「前の方に戻られましたのね」
「え?」
「え?」
ダニエル様を知っている方と知らない方の認識のズレが、あちこちで起きている気がする。ダニエル様は苦笑していた。
ダニエル様はサミュエル先生からの指示で、教室でも待機するようになっていた。そうすると好奇心旺盛な方が話しかけにいったりする。
「護衛の方ってキャスリーン様とお親しいのですわよね?失礼ですが前の方は話しかけ辛いというかけんもほろろな対応でしたけれど、護衛としてならどちらが理想的なのですか?」
「理想かぁ。一概には言えないけど、一番理想的な護衛は前の奴とオレとを足して2で割った感じかな?オレみたいに馴れ馴れしくしすぎてもダメだし、前の奴みたいに距離を取りすぎてもね。でも一番大切なのは護衛対象との相性だよ」
「相性ですか?」
「キャスリーン嬢のように両方と付き合える人もいるけどさ、やっぱり馴れ馴れしいな、と感じられたり、無愛想だなと思われたりっていうのはあるわけなんだ。護衛中は結構そういうのを感じ取れるんだよね」
「感じ取れちゃうんですか?」
「なんとなくね。こうだから、とは言えないんだけどさ」
教室の中でそんな話をしているから、当然私の耳にも入ってくる。
「ダニエル様は馴れ馴れしい訳ではないと思いますわよ」
ダニエル様に言ったらバツの悪そうな顔をされた。
207
お気に入りに追加
462
あなたにおすすめの小説
お認めください、あなたは彼に選ばれなかったのです
めぐめぐ
恋愛
騎士である夫アルバートは、幼馴染みであり上官であるレナータにいつも呼び出され、妻であるナディアはあまり夫婦の時間がとれていなかった。
さらにレナータは、王命で結婚したナディアとアルバートを可哀想だと言い、自分と夫がどれだけ一緒にいたか、ナディアの知らない小さい頃の彼を知っているかなどを自慢げに話してくる。
しかしナディアは全く気にしていなかった。
何故なら、どれだけアルバートがレナータに呼び出されても、必ず彼はナディアの元に戻ってくるのだから――
偽物サバサバ女が、ちょっと天然な本物のサバサバ女にやられる話。
※頭からっぽで
※思いつきで書き始めたので、つたない設定等はご容赦ください。
※夫婦仲は良いです
※私がイメージするサバ女子です(笑)
そんなに妹が好きなら家出してあげます
新野乃花(大舟)
恋愛
エレーナとエーリッヒ伯爵が婚約を発表した時、時の第一王子であるクレスはやや複雑そうな表情を浮かべていた。伯爵は、それは第一王子の社交辞令に過ぎないものであると思い、特に深く考えてはいなかった。その後、エーリッヒの妹であるナタリーの暗躍により、エレーナは一方的に婚約破棄を告げられてしまうこととなる。第一王子のエレーナに対する思いは社交辞令に過ぎないものだと思っていて、婚約破棄はなんら問題のない事だと考えている伯爵だったが、クレスのエレーナに対する思いが本物だったと明らかになった時、事態は一変するのだった…。
婚約破棄すると言われたので、これ幸いとダッシュで逃げました。殿下、すみませんが追いかけてこないでください。
桜乃
恋愛
ハイネシック王国王太子、セルビオ・エドイン・ハイネシックが舞踏会で高らかに言い放つ。
「ミュリア・メリッジ、お前とは婚約を破棄する!」
「はい、喜んで!」
……えっ? 喜んじゃうの?
※約8000文字程度の短編です。6/17に完結いたします。
※1ページの文字数は少な目です。
☆番外編「出会って10秒でひっぱたかれた王太子のお話」
セルビオとミュリアの出会いの物語。
※10/1から連載し、10/7に完結します。
※1日おきの更新です。
※1ページの文字数は少な目です。
❇❇❇❇❇❇❇❇❇
2024年12月追記
お読みいただき、ありがとうございます。
こちらの作品は完結しておりますが、番外編を追加投稿する際に、一旦、表記が連載中になります。ご了承ください。
※番外編投稿後は完結表記に致します。再び、番外編等を投稿する際には連載表記となりますこと、ご容赦いただけますと幸いです。
【完結】第三王子殿下とは知らずに無礼を働いた婚約者は、もう終わりかもしれませんね
白草まる
恋愛
パーティーに参加したというのに婚約者のドミニクに放置され壁の花になっていた公爵令嬢エレオノーレ。
そこに普段社交の場に顔を出さない第三王子コンスタンティンが話しかけてきた。
それを見たドミニクがコンスタンティンに無礼なことを言ってしまった。
ドミニクはコンスタンティンの身分を知らなかったのだ。
妹に正妻の座を奪われた公爵令嬢
岡暁舟
恋愛
妹に正妻の座を奪われた公爵令嬢マリアは、それでも婚約者を憎むことはなかった。なぜか?
「すまない、マリア。ソフィアを正式な妻として迎え入れることにしたんだ」
「どうぞどうぞ。私は何も気にしませんから……」
マリアは妹のソフィアを祝福した。だが当然、不気味な未来の陰が少しずつ歩み寄っていた。
【完結】婚約破棄された私は昔の約束と共に溺愛される
かずきりり
恋愛
学園の卒業パーティ。
傲慢で我儘と噂される私には、婚約者である王太子殿下からドレスが贈られることもなく、エスコートもない…
そして会場では冤罪による婚約破棄を突きつけられる。
味方なんて誰も居ない…
そんな中、私を助け出してくれたのは、帝国の皇帝陛下だった!?
*****
HOTランキング入りありがとうございます
※こちらの作品はカクヨムにも掲載しています
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる