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学院初等部 3学年生
冬季休暇
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冬季休暇に入った。いつも通りランベルトお義兄様が来てくれて、馬車でタウンハウスに帰る。今回はローレンス様は飛び出してこなかった。
「兄貴は来なかったな」
「そうですわね。お仕事でしょうか?」
「さぁ?寂しい?」
「かもしれませんけど、タウンハウスに帰れば夜には会えますから」
「仲の良いこって」
ランベルトお義兄様にため息を吐かれてしまった。
本来なら子供の兄妹でも、2人きりで馬車に乗る事はない。大目には見てもらえるけど相応しくないとされている。だからこの馬車には侍女が1人乗っている。フランじゃない。ランベルトお義兄様の専属侍女だ。名前はメイジー。元々は海の有るキプァ国の出身で、フェルナー侯爵家の遠戚の男爵令嬢だった。行儀作法を学びにスタヴィリス国のフェルナー家を頼ってきて、そのまま侍女として勤めて早25年。ランベルトお義兄様が小さな頃から専属侍女として勤めてくれている。ランベルトお義兄様を怒鳴り付けて叱れる、唯一の侍女といっても良い。他の人だと遠慮しちゃうんだよね。
「お嬢様、実はフランさんが怪我をされまして」
「えっ!?」
「お嬢様がいらっしゃらない間に実家に帰っておられたのですが、その時に足を痛められたらしく……」
「怪我は酷いのですか?」
「5日前に帰ってこられて、今は杖を突いて歩いておられます。ローレンス坊っちゃまが治癒を薦められたのですが、大丈夫だと仰られて」
治療していないと。ローレンス様の治癒の力はそれほど強くない。
フェルナー邸に着くと、恒例のお義母様のハグで迎えられた。
「おかえりなさい、キャシーちゃん」
「ただいま帰りました」
「ランベルトも。あ、あら?」
「さっさとご自分のお部屋に行かれてしまわれましたわよ」
「もぅっ。あの子ったら。ローレンスはお仕事なの。それまで一緒に居ましょうね。お話を聞かせてちょうだい」
「はい。着替えたら伺います」
お義母様と約束をして、自分の部屋に行く。フランが出てこなかったけど、足を痛めていると聞いたし、出来るなら私の力で治してあげたい。
「ただいま、フラン」
「おかえりなさいませ、お嬢様。お出迎え出来ずに申し訳ございません」
「足を痛めたと聞いたけど。診せてもらえる?」
「お嬢様のお手を煩わせる訳には」
「お願い。フランの怪我は私が治したいの」
半ば強引にフランをソファーに座らせた。
「痛めたのは左よね?」
跪いてフランの足に触れる。けっこう腫れちゃってる。
「お嬢様、そのような……」
「私が目指している仕事はこういう仕事よ。フランの怪我を治したいの」
フランを見つめてはっきりと告げる。なおも「でも」だの「だって」だの言っているフランは放っておいて、左足に巻かれた包帯を取る。内出血で変色している。骨折はしていないよね?
光魔法の治癒を発動する。今回はフランの足首に手を添えて発動してみた。患部を光が包む。
「お嬢様、痛みがひきました」
「良かった。もう少し動かないでね」
完全に治ったのを確認して手を離して立ち上がる。
「痛みはどう?」
「全くありません。ありがとうございます、お嬢様」
怪我の癒えたフランに手伝ってもらって、着替える。部屋を出てお義母様の所に案内してもらった。フランも一緒に来てもらう。
「お義母様」
「いらっしゃい、キャシーちゃん。フラン、足は治してもらったの?」
「はい。お嬢様にあのような真似をさせるなど。申し訳ございません」
「フラン、私がフランを治したかったの。そんな風に言わないで?」
「そうよぉ。キャシーちゃんに話したのはメイジーよ。私が指示をしておきましたからね。フランは遠慮するだろうからって。キャシーちゃんが怪我をしたフランを見て、放っておくわけがないじゃない。キャシーちゃんの観察眼をなめちゃダメよ」
「なめている訳ではなかったのですが」
「うふふ。キャシーちゃん、こちらに来てちょうだい」
お義母様に衣装部屋に呼ばれた。私の部屋にも続き部屋があって衣装部屋になってるんだけど、お義母様の衣装部屋は私の物より広い。中央にトルソーが置いてあった。深いブルーのドレスに金の刺繍が施されている。
「今年のドレスよ。冬季休暇中にこれを着てローレンスと踊ってやってちょうだい」
「ローレンス様と?」
「デザインも布も刺繍も、ローレンスが選んだの。キャシーちゃんに着せたいって。学院のプレ社交会は見られないでしょう?」
「そうですわね。そういえばプレ社交会のエスコートは、誰にお頼みすればよろしいのでしょう」
「誰にも誘われてないの?」
「3人に誘われました。皆様、ローレンス様が居ないのだからと仰って」
「どなた?」
「同級生のウェイン・ミッチェル伯爵令息様、薬草研究会のフランシス・エンヴィーオ様、後は繋がりがないのですけれど、4学年生のアルベリク・リトルトン様です」
「リトルトン?」
「ご本人は伯爵家だと仰っておられましたけど、貴族年鑑にお名前が無くて」
「リトルトンね。知っているわ。少しお待ちなさい」
お義母様が侍女に何かを言いつけた。しばらくして侍女が紐で綴じられた分厚い冊子をお義母様に手渡した。お義母様がペラペラとページをめくる。
「有ったわ。このお方で間違いない?」
「はい。この方って?」
「サン=コームを勤めていらっしゃる方の家系よ。世襲制が多いから貴族年鑑にも載せられなくてね。中でもリトルトン家は長い歴史があるお家なのだけど」
「貴族年鑑に載せられないのは、逆恨みを警戒してですか?」
「そうよ」
サン=コームによる取り調べを受けるなら、身に覚えがある方ばかりでしょうに。逆恨みは理不尽だと思う。サン=コームと聞いて思い出すのは、アヴァレーツィオだ。あの家はサン=コームを纏めていると、ローレンス様に教えていただいた。
「お受けしたほうが良いでしょうか?」
「そうね。その3名から選ぶなら、ウェイン・ミッチェル伯爵令息かしらね。エンヴィーオ家は男爵にまで爵位を落としたし。ご本人は反省されているのよね?」
「はい」
「ウェイン・ミッチェル令息はどのようなお方?」
「なんと言いましょうか、普段はふざけてるけどやる時はやるというか。いざという時には頼りになる方です」
「そう。大体分かったわ。愉快な方なのね」
愉快、なのかな?成績は良い。剣術も体術もある程度こなせるらしい。でも言動が子供っぽいというか、先生にイタズラを仕掛けてバレて逃げているなんてしょっちゅうだ。頼りにはなるのよ?みんなを纏める力はあると思う。クラス委員なんて物はないけど、もしあったら委員になっていると思う。
「キャシーちゃんが納得出来ていない?」
「良い方なのですけど」
「最終的に決めるのはキャシーちゃんですからね。納得の出来る方を選びなさい」
「はい」
「家格が気にならないなら、エンヴィーオ様でも良いと思うわよ?」
「私は家格なんて気にはならないのですけれど、あちらが気にされておられまして。それに周りに押されて申し込んだけど、迷惑だったらさっさと断ってくれていいからって言われました」
「そうねぇ。加害者と被害者の立場ですものね。周りはキャシーちゃんが無理やりと見るかもしれないわね。男爵家と侯爵家じゃね。困ったわね」
「ローレンス様に相談しても良いでしょうか?」
「良いんじゃない?後のご機嫌取りが大変そうだけど」
「ご機嫌取りですか」
「頑張ってね、キャシーちゃん」
丸投げされました。相談したらご機嫌取りか。どうしよう。
「兄貴は来なかったな」
「そうですわね。お仕事でしょうか?」
「さぁ?寂しい?」
「かもしれませんけど、タウンハウスに帰れば夜には会えますから」
「仲の良いこって」
ランベルトお義兄様にため息を吐かれてしまった。
本来なら子供の兄妹でも、2人きりで馬車に乗る事はない。大目には見てもらえるけど相応しくないとされている。だからこの馬車には侍女が1人乗っている。フランじゃない。ランベルトお義兄様の専属侍女だ。名前はメイジー。元々は海の有るキプァ国の出身で、フェルナー侯爵家の遠戚の男爵令嬢だった。行儀作法を学びにスタヴィリス国のフェルナー家を頼ってきて、そのまま侍女として勤めて早25年。ランベルトお義兄様が小さな頃から専属侍女として勤めてくれている。ランベルトお義兄様を怒鳴り付けて叱れる、唯一の侍女といっても良い。他の人だと遠慮しちゃうんだよね。
「お嬢様、実はフランさんが怪我をされまして」
「えっ!?」
「お嬢様がいらっしゃらない間に実家に帰っておられたのですが、その時に足を痛められたらしく……」
「怪我は酷いのですか?」
「5日前に帰ってこられて、今は杖を突いて歩いておられます。ローレンス坊っちゃまが治癒を薦められたのですが、大丈夫だと仰られて」
治療していないと。ローレンス様の治癒の力はそれほど強くない。
フェルナー邸に着くと、恒例のお義母様のハグで迎えられた。
「おかえりなさい、キャシーちゃん」
「ただいま帰りました」
「ランベルトも。あ、あら?」
「さっさとご自分のお部屋に行かれてしまわれましたわよ」
「もぅっ。あの子ったら。ローレンスはお仕事なの。それまで一緒に居ましょうね。お話を聞かせてちょうだい」
「はい。着替えたら伺います」
お義母様と約束をして、自分の部屋に行く。フランが出てこなかったけど、足を痛めていると聞いたし、出来るなら私の力で治してあげたい。
「ただいま、フラン」
「おかえりなさいませ、お嬢様。お出迎え出来ずに申し訳ございません」
「足を痛めたと聞いたけど。診せてもらえる?」
「お嬢様のお手を煩わせる訳には」
「お願い。フランの怪我は私が治したいの」
半ば強引にフランをソファーに座らせた。
「痛めたのは左よね?」
跪いてフランの足に触れる。けっこう腫れちゃってる。
「お嬢様、そのような……」
「私が目指している仕事はこういう仕事よ。フランの怪我を治したいの」
フランを見つめてはっきりと告げる。なおも「でも」だの「だって」だの言っているフランは放っておいて、左足に巻かれた包帯を取る。内出血で変色している。骨折はしていないよね?
光魔法の治癒を発動する。今回はフランの足首に手を添えて発動してみた。患部を光が包む。
「お嬢様、痛みがひきました」
「良かった。もう少し動かないでね」
完全に治ったのを確認して手を離して立ち上がる。
「痛みはどう?」
「全くありません。ありがとうございます、お嬢様」
怪我の癒えたフランに手伝ってもらって、着替える。部屋を出てお義母様の所に案内してもらった。フランも一緒に来てもらう。
「お義母様」
「いらっしゃい、キャシーちゃん。フラン、足は治してもらったの?」
「はい。お嬢様にあのような真似をさせるなど。申し訳ございません」
「フラン、私がフランを治したかったの。そんな風に言わないで?」
「そうよぉ。キャシーちゃんに話したのはメイジーよ。私が指示をしておきましたからね。フランは遠慮するだろうからって。キャシーちゃんが怪我をしたフランを見て、放っておくわけがないじゃない。キャシーちゃんの観察眼をなめちゃダメよ」
「なめている訳ではなかったのですが」
「うふふ。キャシーちゃん、こちらに来てちょうだい」
お義母様に衣装部屋に呼ばれた。私の部屋にも続き部屋があって衣装部屋になってるんだけど、お義母様の衣装部屋は私の物より広い。中央にトルソーが置いてあった。深いブルーのドレスに金の刺繍が施されている。
「今年のドレスよ。冬季休暇中にこれを着てローレンスと踊ってやってちょうだい」
「ローレンス様と?」
「デザインも布も刺繍も、ローレンスが選んだの。キャシーちゃんに着せたいって。学院のプレ社交会は見られないでしょう?」
「そうですわね。そういえばプレ社交会のエスコートは、誰にお頼みすればよろしいのでしょう」
「誰にも誘われてないの?」
「3人に誘われました。皆様、ローレンス様が居ないのだからと仰って」
「どなた?」
「同級生のウェイン・ミッチェル伯爵令息様、薬草研究会のフランシス・エンヴィーオ様、後は繋がりがないのですけれど、4学年生のアルベリク・リトルトン様です」
「リトルトン?」
「ご本人は伯爵家だと仰っておられましたけど、貴族年鑑にお名前が無くて」
「リトルトンね。知っているわ。少しお待ちなさい」
お義母様が侍女に何かを言いつけた。しばらくして侍女が紐で綴じられた分厚い冊子をお義母様に手渡した。お義母様がペラペラとページをめくる。
「有ったわ。このお方で間違いない?」
「はい。この方って?」
「サン=コームを勤めていらっしゃる方の家系よ。世襲制が多いから貴族年鑑にも載せられなくてね。中でもリトルトン家は長い歴史があるお家なのだけど」
「貴族年鑑に載せられないのは、逆恨みを警戒してですか?」
「そうよ」
サン=コームによる取り調べを受けるなら、身に覚えがある方ばかりでしょうに。逆恨みは理不尽だと思う。サン=コームと聞いて思い出すのは、アヴァレーツィオだ。あの家はサン=コームを纏めていると、ローレンス様に教えていただいた。
「お受けしたほうが良いでしょうか?」
「そうね。その3名から選ぶなら、ウェイン・ミッチェル伯爵令息かしらね。エンヴィーオ家は男爵にまで爵位を落としたし。ご本人は反省されているのよね?」
「はい」
「ウェイン・ミッチェル令息はどのようなお方?」
「なんと言いましょうか、普段はふざけてるけどやる時はやるというか。いざという時には頼りになる方です」
「そう。大体分かったわ。愉快な方なのね」
愉快、なのかな?成績は良い。剣術も体術もある程度こなせるらしい。でも言動が子供っぽいというか、先生にイタズラを仕掛けてバレて逃げているなんてしょっちゅうだ。頼りにはなるのよ?みんなを纏める力はあると思う。クラス委員なんて物はないけど、もしあったら委員になっていると思う。
「キャシーちゃんが納得出来ていない?」
「良い方なのですけど」
「最終的に決めるのはキャシーちゃんですからね。納得の出来る方を選びなさい」
「はい」
「家格が気にならないなら、エンヴィーオ様でも良いと思うわよ?」
「私は家格なんて気にはならないのですけれど、あちらが気にされておられまして。それに周りに押されて申し込んだけど、迷惑だったらさっさと断ってくれていいからって言われました」
「そうねぇ。加害者と被害者の立場ですものね。周りはキャシーちゃんが無理やりと見るかもしれないわね。男爵家と侯爵家じゃね。困ったわね」
「ローレンス様に相談しても良いでしょうか?」
「良いんじゃない?後のご機嫌取りが大変そうだけど」
「ご機嫌取りですか」
「頑張ってね、キャシーちゃん」
丸投げされました。相談したらご機嫌取りか。どうしよう。
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