73 / 281
学院初等部 3学年生
困り事
しおりを挟む
「キャシー、調子はどうだい?」
午後からという言葉の通り、昼食後に休憩している私達の元に、ローレンス様とエドワード様がやって来た。
「ローレンス様、調子は良いですよ。エドワード様、昨日はご迷惑をお掛け致しました」
「迷惑だなんて思っていないから、気にしないで。もっと迷惑な令嬢もいるし」
「あぁ、あれですか」
ん?
「教会にドレスで来て、救民院での奉仕を願いながら、平民相手は嫌だとごねまくり、重症者には暴言を吐き軽症者には貴族である自分に感謝なさいと見下し、何をしに来たのか分からない貴族令嬢達だよ」
えぇっと、奉仕活動に来たのよね?奉仕活動は学院で推奨されている。卒業時に有利に働くとされていて、下位貴族は長期休暇にボランティアをする事も多い。
「そういう令嬢の証明書には、事実をきちんと書いているよ」
ボランティアをすると責任者が証明書を発行してくれる。私は遠慮しているけど、証明書目当ての貴族令嬢も居るんだよね。
「失礼いたします。フェルナー侯爵令嬢様、ご学友がお出でになっておられます」
「学友?どなたですか?」
「イザベラ・ウォーリィ様とリリス・シーケリア様でございます」
「お2人でいらしたのかしら?」
席を立つと、ローレンス様が当然のように付いてきてくれた。
「キャシーちゃん、久しぶり」
「キャスリーン様、お久しぶりでございます」
「お久しぶりですわ。お2人でお揃いでお越しくださるなんて、珍しいですわね」
「私は付き添いよ。リリス様がご用なんですって」
「あの、私も、医師試験を受ける事にいたしましたの」
「そうなんですの?」
「それでご挨拶をと」
「挨拶なんて……。嬉しいですわ。でもどうなさいましたの?」
「兄嫁様がご病気で、今は静養してらっしゃるのですけど」
「良くないのですか?」
「吐き気と食欲不振が続いているのですって」
「……もしかして、微熱もございません?」
「はい。寝込むほどではないけど、熱っぽいと」
「確信は持てませんが、至急お医者様に診ていただいた方がよろしいですわ」
「そんなに悪いのですか?」
「反対です。おめでたかもしれません」
「えぇぇぇっ」
リリス様が急いで走っていった。イザベラ様が慌てて後を追いかけていった。リリス様は、イザベラ様の馬車に乗せてきてもらってきたんだって。
「スゴいね、キャシーは。聞いただけで答えられるなんて」
「お医者様なら同じ事が出来ますよ。わりと有名ですから」
「それでもだよ。シーケリア嬢は結局どうするんだろうね?」
「分かりませんわ。リリス様の自由ですもの」
貴族令嬢は、政略の道具に使われる事が多い。もちろん大半は娘の幸福を祈っての縁組みだけど、業務提携とか資金援助の見返りだとかの政略結婚も多いのだ。
ローレンス様と教会内に戻ろうとすると、教会前に立派な金ぴか馬車が停まった。こういう場合はさっさと隠れるに限ると経験上知っている。
「キャシー、先に戻っておいで」
「はい。ローレンス様もお早くお戻りになれますよう」
「なるべく早く戻るよ」
ローレンス様が苦笑しながら言った。厄介事の臭いがプンプンしますもんね、あの馬車。
幸い、馬車の停まった所から教会の入口までは少し距離がある。日本の寺社仏閣の参道程は無いけど、100メートル位かなぁ?
小走りで聖堂内に入ると、シスター達が来てくれた。
「光の聖女様?」
「教会の前に金ぴかの馬車が停まったから、逃げてきちゃいました」
「あらまぁ。それは大変ですね」
キャワキャワ言いながら、私を聖堂奥に隠してくれる。教会の執務空間に入れば安心のはずなんだけど、例外はあるんだよね。王族とか公侯爵クラスの貴族とか。あの金ぴか馬車が誰かは知らないけど、立入禁止区域に立ち入れる人じゃないと良いなぁ。
休憩場所に戻ってさっき見た馬車について話していると、ララ様にお呼びだしがかかった。
「ララ様?」
「ノボリッチ伯爵でしょ、どうせ。嫁に迎えてやるとか遊びに来いとか、色々と口実をつけて取り込もうとしてるのよ。キャシーちゃんの話の金ぴか馬車はノボリッチ伯爵の馬車でしょうね」
大きなため息を吐いて、ララ様が立ち上がる。
「心配しなくても大丈夫よ、キャシーちゃん。キャシーちゃんの事はローレンス様がガッチリ守ってくださるから」
「ララ様が心配なんです」
「もぅっ!!本当に良い子なんだから。みんな、キャシーちゃんは絶対に表に出さないで。キャシーちゃんはアイツのストライクゾーンど真ん中だから」
ストライクゾーンど真ん中って……。えぇっと……。
「ノボリッチ伯爵様は小さい女性がお好きなんだって、聞いた事があります」
「小さいって、身長が?」
「年齢が、です。違法奴隷の少女を集めてたという噂もあって」
わぁぁ、ロリコンさんですか?そりゃあ、私はストライクゾーンど真ん中だ。低年齢層で身長も平均より低いし。違法奴隷の少女を何の為に集めてたのかは分からない。そもそも噂が本当かも分からないけど。
「キャシー、この後はミリアディス様のお手伝いをしてもらえるかな?」
「はい」
ローレンス様が若干疲れた顔で休憩場所にやって来た。ノボリッチ伯爵のお相手でもしていたんだろうか。
「ローレンス様、お疲れですね」
「キャシーにはすぐにバレてしまうね」
何があったかは言ってくれない。元々ローレンス様は自分だけで自己完結出来る方だ。ちょっとした難題でも、周りに頼らず解決できてしまう。
「ローレンス様、お座りください。軽く光魔法をおかけします」
「キャシーの光魔法は気持ちいいから好きなんだよね」
「それは良かったです」
光魔法を軽くかけると、どうやら疲れが取れるようだから、ローレンス様にはしょっちゅう使っている。
休憩後にミリアディス様の執務室に行くと、エドワード様もいらっしゃった。
「お邪魔してしまいましたか?」
「いいや。居座っていたのはこっちだから。フェルナー嬢に手伝ってほしいのはこれなんだけど」
「居座っていたというか、私に仕事を割り振る為に待っておられたんですよね?」
じとっとした目を向けると、エドワード様が目を逸らした。
「これって予算書じゃないですか。計算ですか?」
「うん。確かめなんだけど、頼めるかな?ノックス嬢は得意じゃないみたいでね」
「かしこまりました」
空いている机に座って計算を確かめる。ひっ算で確かめていくと、エドワード様がそれを覗き込んでいた。
「エドワード様、お戻りにならないんですか?」
「戻るよ。戻るけど、早いね、フェルナー嬢」
「そうですか?」
「そういえばローレンスに聞いたけど、シャーマニー語の勉強もしてるんだって?」
「医師資格に必要ですので。単語だけより文章を読めた方が良いじゃないですか」
「シャーマニー語ですって?私はヨケハ語はやりましたけど、シャーマニー語は独特な言い回しが多くございませんでした?覚えようとして混乱しましたもの」
「多いですね。そういう物だと割り切って覚えるしかないです」
「キャスリーン様、本当にご無理はなさらないでくださいね」
話していても計算は出来る。多少スピードは落ちるけど。「戻る」と言いながら部屋を出ていかないエドワード様に、少し呆れながら検算していく。
ローレンス様がエドワード様を探しに来て、エドワード様の襟首を掴むという乱暴な手法で連れ帰っていった。それを呆然と見送る私。
「心配はございませんわ」
「通常運転ですか」
「えぇ。いつもの事です」
良いのかなぁ?
午後からという言葉の通り、昼食後に休憩している私達の元に、ローレンス様とエドワード様がやって来た。
「ローレンス様、調子は良いですよ。エドワード様、昨日はご迷惑をお掛け致しました」
「迷惑だなんて思っていないから、気にしないで。もっと迷惑な令嬢もいるし」
「あぁ、あれですか」
ん?
「教会にドレスで来て、救民院での奉仕を願いながら、平民相手は嫌だとごねまくり、重症者には暴言を吐き軽症者には貴族である自分に感謝なさいと見下し、何をしに来たのか分からない貴族令嬢達だよ」
えぇっと、奉仕活動に来たのよね?奉仕活動は学院で推奨されている。卒業時に有利に働くとされていて、下位貴族は長期休暇にボランティアをする事も多い。
「そういう令嬢の証明書には、事実をきちんと書いているよ」
ボランティアをすると責任者が証明書を発行してくれる。私は遠慮しているけど、証明書目当ての貴族令嬢も居るんだよね。
「失礼いたします。フェルナー侯爵令嬢様、ご学友がお出でになっておられます」
「学友?どなたですか?」
「イザベラ・ウォーリィ様とリリス・シーケリア様でございます」
「お2人でいらしたのかしら?」
席を立つと、ローレンス様が当然のように付いてきてくれた。
「キャシーちゃん、久しぶり」
「キャスリーン様、お久しぶりでございます」
「お久しぶりですわ。お2人でお揃いでお越しくださるなんて、珍しいですわね」
「私は付き添いよ。リリス様がご用なんですって」
「あの、私も、医師試験を受ける事にいたしましたの」
「そうなんですの?」
「それでご挨拶をと」
「挨拶なんて……。嬉しいですわ。でもどうなさいましたの?」
「兄嫁様がご病気で、今は静養してらっしゃるのですけど」
「良くないのですか?」
「吐き気と食欲不振が続いているのですって」
「……もしかして、微熱もございません?」
「はい。寝込むほどではないけど、熱っぽいと」
「確信は持てませんが、至急お医者様に診ていただいた方がよろしいですわ」
「そんなに悪いのですか?」
「反対です。おめでたかもしれません」
「えぇぇぇっ」
リリス様が急いで走っていった。イザベラ様が慌てて後を追いかけていった。リリス様は、イザベラ様の馬車に乗せてきてもらってきたんだって。
「スゴいね、キャシーは。聞いただけで答えられるなんて」
「お医者様なら同じ事が出来ますよ。わりと有名ですから」
「それでもだよ。シーケリア嬢は結局どうするんだろうね?」
「分かりませんわ。リリス様の自由ですもの」
貴族令嬢は、政略の道具に使われる事が多い。もちろん大半は娘の幸福を祈っての縁組みだけど、業務提携とか資金援助の見返りだとかの政略結婚も多いのだ。
ローレンス様と教会内に戻ろうとすると、教会前に立派な金ぴか馬車が停まった。こういう場合はさっさと隠れるに限ると経験上知っている。
「キャシー、先に戻っておいで」
「はい。ローレンス様もお早くお戻りになれますよう」
「なるべく早く戻るよ」
ローレンス様が苦笑しながら言った。厄介事の臭いがプンプンしますもんね、あの馬車。
幸い、馬車の停まった所から教会の入口までは少し距離がある。日本の寺社仏閣の参道程は無いけど、100メートル位かなぁ?
小走りで聖堂内に入ると、シスター達が来てくれた。
「光の聖女様?」
「教会の前に金ぴかの馬車が停まったから、逃げてきちゃいました」
「あらまぁ。それは大変ですね」
キャワキャワ言いながら、私を聖堂奥に隠してくれる。教会の執務空間に入れば安心のはずなんだけど、例外はあるんだよね。王族とか公侯爵クラスの貴族とか。あの金ぴか馬車が誰かは知らないけど、立入禁止区域に立ち入れる人じゃないと良いなぁ。
休憩場所に戻ってさっき見た馬車について話していると、ララ様にお呼びだしがかかった。
「ララ様?」
「ノボリッチ伯爵でしょ、どうせ。嫁に迎えてやるとか遊びに来いとか、色々と口実をつけて取り込もうとしてるのよ。キャシーちゃんの話の金ぴか馬車はノボリッチ伯爵の馬車でしょうね」
大きなため息を吐いて、ララ様が立ち上がる。
「心配しなくても大丈夫よ、キャシーちゃん。キャシーちゃんの事はローレンス様がガッチリ守ってくださるから」
「ララ様が心配なんです」
「もぅっ!!本当に良い子なんだから。みんな、キャシーちゃんは絶対に表に出さないで。キャシーちゃんはアイツのストライクゾーンど真ん中だから」
ストライクゾーンど真ん中って……。えぇっと……。
「ノボリッチ伯爵様は小さい女性がお好きなんだって、聞いた事があります」
「小さいって、身長が?」
「年齢が、です。違法奴隷の少女を集めてたという噂もあって」
わぁぁ、ロリコンさんですか?そりゃあ、私はストライクゾーンど真ん中だ。低年齢層で身長も平均より低いし。違法奴隷の少女を何の為に集めてたのかは分からない。そもそも噂が本当かも分からないけど。
「キャシー、この後はミリアディス様のお手伝いをしてもらえるかな?」
「はい」
ローレンス様が若干疲れた顔で休憩場所にやって来た。ノボリッチ伯爵のお相手でもしていたんだろうか。
「ローレンス様、お疲れですね」
「キャシーにはすぐにバレてしまうね」
何があったかは言ってくれない。元々ローレンス様は自分だけで自己完結出来る方だ。ちょっとした難題でも、周りに頼らず解決できてしまう。
「ローレンス様、お座りください。軽く光魔法をおかけします」
「キャシーの光魔法は気持ちいいから好きなんだよね」
「それは良かったです」
光魔法を軽くかけると、どうやら疲れが取れるようだから、ローレンス様にはしょっちゅう使っている。
休憩後にミリアディス様の執務室に行くと、エドワード様もいらっしゃった。
「お邪魔してしまいましたか?」
「いいや。居座っていたのはこっちだから。フェルナー嬢に手伝ってほしいのはこれなんだけど」
「居座っていたというか、私に仕事を割り振る為に待っておられたんですよね?」
じとっとした目を向けると、エドワード様が目を逸らした。
「これって予算書じゃないですか。計算ですか?」
「うん。確かめなんだけど、頼めるかな?ノックス嬢は得意じゃないみたいでね」
「かしこまりました」
空いている机に座って計算を確かめる。ひっ算で確かめていくと、エドワード様がそれを覗き込んでいた。
「エドワード様、お戻りにならないんですか?」
「戻るよ。戻るけど、早いね、フェルナー嬢」
「そうですか?」
「そういえばローレンスに聞いたけど、シャーマニー語の勉強もしてるんだって?」
「医師資格に必要ですので。単語だけより文章を読めた方が良いじゃないですか」
「シャーマニー語ですって?私はヨケハ語はやりましたけど、シャーマニー語は独特な言い回しが多くございませんでした?覚えようとして混乱しましたもの」
「多いですね。そういう物だと割り切って覚えるしかないです」
「キャスリーン様、本当にご無理はなさらないでくださいね」
話していても計算は出来る。多少スピードは落ちるけど。「戻る」と言いながら部屋を出ていかないエドワード様に、少し呆れながら検算していく。
ローレンス様がエドワード様を探しに来て、エドワード様の襟首を掴むという乱暴な手法で連れ帰っていった。それを呆然と見送る私。
「心配はございませんわ」
「通常運転ですか」
「えぇ。いつもの事です」
良いのかなぁ?
228
お気に入りに追加
461
あなたにおすすめの小説
お認めください、あなたは彼に選ばれなかったのです
めぐめぐ
恋愛
騎士である夫アルバートは、幼馴染みであり上官であるレナータにいつも呼び出され、妻であるナディアはあまり夫婦の時間がとれていなかった。
さらにレナータは、王命で結婚したナディアとアルバートを可哀想だと言い、自分と夫がどれだけ一緒にいたか、ナディアの知らない小さい頃の彼を知っているかなどを自慢げに話してくる。
しかしナディアは全く気にしていなかった。
何故なら、どれだけアルバートがレナータに呼び出されても、必ず彼はナディアの元に戻ってくるのだから――
偽物サバサバ女が、ちょっと天然な本物のサバサバ女にやられる話。
※頭からっぽで
※思いつきで書き始めたので、つたない設定等はご容赦ください。
※夫婦仲は良いです
※私がイメージするサバ女子です(笑)
そんなに妹が好きなら家出してあげます
新野乃花(大舟)
恋愛
エレーナとエーリッヒ伯爵が婚約を発表した時、時の第一王子であるクレスはやや複雑そうな表情を浮かべていた。伯爵は、それは第一王子の社交辞令に過ぎないものであると思い、特に深く考えてはいなかった。その後、エーリッヒの妹であるナタリーの暗躍により、エレーナは一方的に婚約破棄を告げられてしまうこととなる。第一王子のエレーナに対する思いは社交辞令に過ぎないものだと思っていて、婚約破棄はなんら問題のない事だと考えている伯爵だったが、クレスのエレーナに対する思いが本物だったと明らかになった時、事態は一変するのだった…。
婚約破棄すると言われたので、これ幸いとダッシュで逃げました。殿下、すみませんが追いかけてこないでください。
桜乃
恋愛
ハイネシック王国王太子、セルビオ・エドイン・ハイネシックが舞踏会で高らかに言い放つ。
「ミュリア・メリッジ、お前とは婚約を破棄する!」
「はい、喜んで!」
……えっ? 喜んじゃうの?
※約8000文字程度の短編です。6/17に完結いたします。
※1ページの文字数は少な目です。
☆番外編「出会って10秒でひっぱたかれた王太子のお話」
セルビオとミュリアの出会いの物語。
※10/1から連載し、10/7に完結します。
※1日おきの更新です。
※1ページの文字数は少な目です。
❇❇❇❇❇❇❇❇❇
2024年12月追記
お読みいただき、ありがとうございます。
こちらの作品は完結しておりますが、番外編を追加投稿する際に、一旦、表記が連載中になります。ご了承ください。
※番外編投稿後は完結表記に致します。再び、番外編等を投稿する際には連載表記となりますこと、ご容赦いただけますと幸いです。
【完結】第三王子殿下とは知らずに無礼を働いた婚約者は、もう終わりかもしれませんね
白草まる
恋愛
パーティーに参加したというのに婚約者のドミニクに放置され壁の花になっていた公爵令嬢エレオノーレ。
そこに普段社交の場に顔を出さない第三王子コンスタンティンが話しかけてきた。
それを見たドミニクがコンスタンティンに無礼なことを言ってしまった。
ドミニクはコンスタンティンの身分を知らなかったのだ。
成人したのであなたから卒業させていただきます。
ぽんぽこ狸
恋愛
フィオナはデビュタント用に仕立てた可愛いドレスを婚約者であるメルヴィンに見せた。
すると彼は、とても怒った顔をしてフィオナのドレスを引き裂いた。
メルヴィンは自由に仕立てていいとは言ったが、それは流行にのっとった範囲でなのだから、こんなドレスは着させられないという事を言う。
しかしフィオナから見れば若い令嬢たちは皆愛らしい色合いのドレスに身を包んでいるし、彼の言葉に正当性を感じない。
それでも子供なのだから言う事を聞けと年上の彼に言われてしまうとこれ以上文句も言えない、そんな鬱屈とした気持ちを抱えていた。
そんな中、ある日、王宮でのお茶会で変わり者の王子に出会い、その素直な言葉に、フィオナの価値観はがらりと変わっていくのだった。
変わり者の王子と大人になりたい主人公のお話です。
初対面の婚約者に『ブス』と言われた令嬢です。
甘寧
恋愛
「お前は抱けるブスだな」
「はぁぁぁぁ!!??」
親の決めた婚約者と初めての顔合わせで第一声で言われた言葉。
そうですかそうですか、私は抱けるブスなんですね……
って!!こんな奴が婚約者なんて冗談じゃない!!
お父様!!こいつと結婚しろと言うならば私は家を出ます!!
え?結納金貰っちゃった?
それじゃあ、仕方ありません。あちらから婚約を破棄したいと言わせましょう。
※4時間ほどで書き上げたものなので、頭空っぽにして読んでください。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる