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学院初等部 2学年生
虚心坦懐
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「お義兄様、そろそろ離してくださいませ」
「キャシー、何もされてないかい?」
「サミュエル先生には何もされておりませんわ」
「には?他の誰に……?あいつか」
「誰を思い浮かべておいでですか?ダニエル様でもありませんわよ?」
「クラスメートか?」
「違いますわね。お義兄様、そろそろ離してくださいませ。落ち着いてお話も出来ませんわ」
お義兄様がしぶしぶ私を解放してくれた。
「どういう事なんだい?」
「順を追ってお話いたしますね。本日の授業が終わって、薬草研究会に行こうと思ったのです。そこで呼び止められまして」
「誰に?」
「……先生、言っても?」
「やめてほしいんだけどね。納得しないだろうし、仕方がないね」
ふぅっとため息を吐きながら、サミュエル先生が許可を出してくれた。
「フランシス・エンヴィーオ、先輩です」
「エンヴィーオか。あそこは前から……」
「前から、なんだい?」
「いえ、少々……」
「ん?」
ローレンスお義兄様が言葉を濁した。
その日から私に護衛というか、ダニエル様が付いてくるようになった。教室には入ってこないけど、移動教室の際には必ずダニエル様が現れる。近付いては来ないけど私を視界に収めるように行動しているのがわかる。たぶん他にも居るんだと思うけど、私にはダニエル様しか分からない。ダニエル様はワザと姿を見せているんだと思う。
護衛が付くという事態は起きているけど、基本的に平和になった。私がここまで気を使われているのは、転生者だからだろう。他には護衛が付いている人なんて居ないし。
「転生者って関係ないと思うけどね」
薬草研究会でバージェフ先輩に訳知り顔で言われた。
「関係ないですか?」
「筆頭ではないけど名門のフェルナー家のご令嬢だよ?フェルナー嬢は可愛らしい顔だし大人しそうに見えるからね」
「見えるってなんですか?」
「なんでも言う事を聞いてくれそうだし、反抗しなさそうだし。そういう風に見られるって事。私のクラスでも人気があるんだよ。ラドがにらみを利かせているから突撃する事はないだろうけど、ラドやローレンス先輩が居なければ婚約の申し込みが絶えないと思うよ」
「えぇぇ……。スゴく迷惑です」
「ハッキリキッパリお断りなんてしないだろうとも思われているよ。押せばいけるって」
「キャシーちゃんはハッキリキッパリお断りするし、押しても引いてもダメよね」
ララ様が笑って言った。ちなみに今は全員で生の薬草洗いの真っ最中だ。初夏のこの時期は生の薬草が多く安く仕入れられるから、多く仕入れて部室内で乾燥加工している。生の薬草を洗ったら使用用途別の大きさにに刻んで乾燥させて保管する。
「この作業って、地味だけど大切なんですね。土とか付いていたらポーションに出来ないし」
そう言ったのは新1学年生で、薬草研究会に入ってくれたアントニオ・ストレイエス男爵令息。ストレイエス男爵領は良質な薬草が採れる。特に基本的なポーションに使われる良質なマトリカミアやメリッサの産地で、アントニオ君は今までハーブには興味が無かったらしいんだけど、バージェフ先輩が熱心に口説き落とした。
「ストレイエス領にもブレシングアクアって届いたんですけど、あれはポーションじゃないんですね」
「違うよ。あれは光魔法と水魔法で作られている」
「神聖魔法で。あれで古くから居てくれる庭師のサム爺さんの、腰が治ったんですよ。ポーションでは痛み止めの効果しかなくて、諦めてたんです」
「腰が?お年なのかい?」
「年も取っているんですけどね。そうじゃなくて木から落ちたんですよ。僕が生まれる前、15年位前って言ったかな?首と腰と膝を痛めたって聞きました」
「首と腰と膝?ずいぶん広範囲だね」
「詳しくは分かりませんけど、その木はものすごく大きくて高いんです。教会の敷地にあって、枝が折れて危険だからって、サム爺さんが切る為に作業してたんですよね。そうしたら強い風が吹いてバランスを崩したって。司祭様がすぐに手当てしてくれたんですけど、司祭様は光魔法を持っていなくて、ポーションと保管してあったブレシングアクアを使ったんですけど、完全に治しきれなかったらしいです。司祭様がとても気にされていて、今回の事を凄く喜んでいました」
ストレイエス領に届けられたブレシングアクアが私の物だとは限らない。それでも長年の苦しみから解放されたのは嬉しい。
ブレシングアクアは、領の規模によって配布する本数が決められている。辺境領程多くのブレシングアクアが届けられているし、司祭様も複数人居て、光魔法を持っている人も多い。反対にストレイエス領なんかの弱小領には、年に1本か2本届くのみだったりする。足りなければ近隣領に協力を要請して、ブレシングアクアを譲り受けたり出来るらしいけど、貴重なブレシングアクアを易々と譲ってくれる領は少ないと聞く。
「それは良かった。けど……」
「けど?」
「サムお爺さんが、治ったからって張り切らないか心配だね」
「そうなんですよねぇ」
薬草洗いが終わって水気を飛ばす。これは風魔法を使える部員と水魔法を使える部員にお願いする。
そういえば転生者は10歳前後で魔法属性が後発現するって言ってたなぁ。私は何が使えるんだろう?すでに2属性使えるから、後発現はしないかもしれないけど。
勝手に試してもいいけど、魔法は失敗した時が怖いんだよね。だから学院では教師の指導の元と定められている。野犬事件の時に私が勝手に光魔法を使ったのは、厳密には校則違反だ。緊急事態だったからおとがめは無かったけど。
庶民は少人数の教室で学ぶそうだ。江戸時代の寺子屋みたいな制度で、仕事をやめた知識人が教室を開いて読み書き計算を教えるらしい。その中に魔法の授業もあって、その時だけ学びに来る人達も多いんだとか。ララ様が教えてくれた。
「まぁ、その時は私はヒロイン、ってノリだったから、かなり煙たがられていたわね。男子にはモテたけど」
「黒歴史ですね」
「ハッキリ言わないでよぉ」
「センパイ達って仲が良いんですね」
「同じ光魔法を持っているからね。それにキャシーちゃんって大人びてて話してて楽なのよ。侯爵令嬢なのに気安いし。私がキャシーちゃんって呼んじゃうのも許してくれちゃう器の大きい女性なのよ」
「ララ様、褒めすぎです」
「冷静沈着だしね。落ち着いてるから助かっているんだよ」
「バージェフ先輩まで。何も出ませんよ?」
「とか言いながら、それは何?」
「ガビーちゃんのご実家から届いた、ドライフルーツ入りのクッキーです」
「皆様、お茶にしましょう」
みんなで机を囲んでお茶にする。お茶はハーブティーだけど苦手な人には紅茶が出されている。
「こういう雰囲気って良いですよね」
「うふふ。忙しい時は忙しいわよ?」
「暇な時は自由に研究も出来るし、良い倶楽部だよ。それにお茶の時間があるのが良い」
「先輩ったら」
ガタッという物音に振り向くと、人影が見えた。
「何か用かな?入ってきて良いよ」
ドアを開けた先輩の後から、おずおずと女の子が姿を見せた。
「ミケール?どうしたんだ?」
中等部のポインター先輩が慌てて駆け寄った。
「おっ、にぃちゃぁん」
女の子が泣き出した。
「ミケール、お前一人か?父上や母上はどうした?」
女の子は首を横に振るだけで答えない。泣いていて答えられないんだと思う。
「兄妹?」
バージェフ先輩が聞いた。
「キャシー、何もされてないかい?」
「サミュエル先生には何もされておりませんわ」
「には?他の誰に……?あいつか」
「誰を思い浮かべておいでですか?ダニエル様でもありませんわよ?」
「クラスメートか?」
「違いますわね。お義兄様、そろそろ離してくださいませ。落ち着いてお話も出来ませんわ」
お義兄様がしぶしぶ私を解放してくれた。
「どういう事なんだい?」
「順を追ってお話いたしますね。本日の授業が終わって、薬草研究会に行こうと思ったのです。そこで呼び止められまして」
「誰に?」
「……先生、言っても?」
「やめてほしいんだけどね。納得しないだろうし、仕方がないね」
ふぅっとため息を吐きながら、サミュエル先生が許可を出してくれた。
「フランシス・エンヴィーオ、先輩です」
「エンヴィーオか。あそこは前から……」
「前から、なんだい?」
「いえ、少々……」
「ん?」
ローレンスお義兄様が言葉を濁した。
その日から私に護衛というか、ダニエル様が付いてくるようになった。教室には入ってこないけど、移動教室の際には必ずダニエル様が現れる。近付いては来ないけど私を視界に収めるように行動しているのがわかる。たぶん他にも居るんだと思うけど、私にはダニエル様しか分からない。ダニエル様はワザと姿を見せているんだと思う。
護衛が付くという事態は起きているけど、基本的に平和になった。私がここまで気を使われているのは、転生者だからだろう。他には護衛が付いている人なんて居ないし。
「転生者って関係ないと思うけどね」
薬草研究会でバージェフ先輩に訳知り顔で言われた。
「関係ないですか?」
「筆頭ではないけど名門のフェルナー家のご令嬢だよ?フェルナー嬢は可愛らしい顔だし大人しそうに見えるからね」
「見えるってなんですか?」
「なんでも言う事を聞いてくれそうだし、反抗しなさそうだし。そういう風に見られるって事。私のクラスでも人気があるんだよ。ラドがにらみを利かせているから突撃する事はないだろうけど、ラドやローレンス先輩が居なければ婚約の申し込みが絶えないと思うよ」
「えぇぇ……。スゴく迷惑です」
「ハッキリキッパリお断りなんてしないだろうとも思われているよ。押せばいけるって」
「キャシーちゃんはハッキリキッパリお断りするし、押しても引いてもダメよね」
ララ様が笑って言った。ちなみに今は全員で生の薬草洗いの真っ最中だ。初夏のこの時期は生の薬草が多く安く仕入れられるから、多く仕入れて部室内で乾燥加工している。生の薬草を洗ったら使用用途別の大きさにに刻んで乾燥させて保管する。
「この作業って、地味だけど大切なんですね。土とか付いていたらポーションに出来ないし」
そう言ったのは新1学年生で、薬草研究会に入ってくれたアントニオ・ストレイエス男爵令息。ストレイエス男爵領は良質な薬草が採れる。特に基本的なポーションに使われる良質なマトリカミアやメリッサの産地で、アントニオ君は今までハーブには興味が無かったらしいんだけど、バージェフ先輩が熱心に口説き落とした。
「ストレイエス領にもブレシングアクアって届いたんですけど、あれはポーションじゃないんですね」
「違うよ。あれは光魔法と水魔法で作られている」
「神聖魔法で。あれで古くから居てくれる庭師のサム爺さんの、腰が治ったんですよ。ポーションでは痛み止めの効果しかなくて、諦めてたんです」
「腰が?お年なのかい?」
「年も取っているんですけどね。そうじゃなくて木から落ちたんですよ。僕が生まれる前、15年位前って言ったかな?首と腰と膝を痛めたって聞きました」
「首と腰と膝?ずいぶん広範囲だね」
「詳しくは分かりませんけど、その木はものすごく大きくて高いんです。教会の敷地にあって、枝が折れて危険だからって、サム爺さんが切る為に作業してたんですよね。そうしたら強い風が吹いてバランスを崩したって。司祭様がすぐに手当てしてくれたんですけど、司祭様は光魔法を持っていなくて、ポーションと保管してあったブレシングアクアを使ったんですけど、完全に治しきれなかったらしいです。司祭様がとても気にされていて、今回の事を凄く喜んでいました」
ストレイエス領に届けられたブレシングアクアが私の物だとは限らない。それでも長年の苦しみから解放されたのは嬉しい。
ブレシングアクアは、領の規模によって配布する本数が決められている。辺境領程多くのブレシングアクアが届けられているし、司祭様も複数人居て、光魔法を持っている人も多い。反対にストレイエス領なんかの弱小領には、年に1本か2本届くのみだったりする。足りなければ近隣領に協力を要請して、ブレシングアクアを譲り受けたり出来るらしいけど、貴重なブレシングアクアを易々と譲ってくれる領は少ないと聞く。
「それは良かった。けど……」
「けど?」
「サムお爺さんが、治ったからって張り切らないか心配だね」
「そうなんですよねぇ」
薬草洗いが終わって水気を飛ばす。これは風魔法を使える部員と水魔法を使える部員にお願いする。
そういえば転生者は10歳前後で魔法属性が後発現するって言ってたなぁ。私は何が使えるんだろう?すでに2属性使えるから、後発現はしないかもしれないけど。
勝手に試してもいいけど、魔法は失敗した時が怖いんだよね。だから学院では教師の指導の元と定められている。野犬事件の時に私が勝手に光魔法を使ったのは、厳密には校則違反だ。緊急事態だったからおとがめは無かったけど。
庶民は少人数の教室で学ぶそうだ。江戸時代の寺子屋みたいな制度で、仕事をやめた知識人が教室を開いて読み書き計算を教えるらしい。その中に魔法の授業もあって、その時だけ学びに来る人達も多いんだとか。ララ様が教えてくれた。
「まぁ、その時は私はヒロイン、ってノリだったから、かなり煙たがられていたわね。男子にはモテたけど」
「黒歴史ですね」
「ハッキリ言わないでよぉ」
「センパイ達って仲が良いんですね」
「同じ光魔法を持っているからね。それにキャシーちゃんって大人びてて話してて楽なのよ。侯爵令嬢なのに気安いし。私がキャシーちゃんって呼んじゃうのも許してくれちゃう器の大きい女性なのよ」
「ララ様、褒めすぎです」
「冷静沈着だしね。落ち着いてるから助かっているんだよ」
「バージェフ先輩まで。何も出ませんよ?」
「とか言いながら、それは何?」
「ガビーちゃんのご実家から届いた、ドライフルーツ入りのクッキーです」
「皆様、お茶にしましょう」
みんなで机を囲んでお茶にする。お茶はハーブティーだけど苦手な人には紅茶が出されている。
「こういう雰囲気って良いですよね」
「うふふ。忙しい時は忙しいわよ?」
「暇な時は自由に研究も出来るし、良い倶楽部だよ。それにお茶の時間があるのが良い」
「先輩ったら」
ガタッという物音に振り向くと、人影が見えた。
「何か用かな?入ってきて良いよ」
ドアを開けた先輩の後から、おずおずと女の子が姿を見せた。
「ミケール?どうしたんだ?」
中等部のポインター先輩が慌てて駆け寄った。
「おっ、にぃちゃぁん」
女の子が泣き出した。
「ミケール、お前一人か?父上や母上はどうした?」
女の子は首を横に振るだけで答えない。泣いていて答えられないんだと思う。
「兄妹?」
バージェフ先輩が聞いた。
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