31 / 296
学院初等部 1学年生
お義兄様の悩み事
しおりを挟む
ランベルトお義兄様は優勝出来なかった。5位だったらしいけど、6学年生で5位というのは快挙らしい。
それでもランベルトお義兄様にとっては反省点がたくさんあったようで、剣術倶楽部で毎日特訓を受けているらしい。
「ずっとあんな調子じゃ身体を壊してしまう。フェルナーの姫君、彼を止められないでしょうか?」
バージェフ先輩のご友人の先輩が薬草研究会に来て、そう懇願していった。疲労回復ポーションを飲みながらだけど。
「私が言って聞きますかどうか」
「エスクーア嬢は姫に頼んだ方がいいと」
「姫って言われるたびにムズムズするんですけど。ランベルトお義兄様と1度話してみます」
先輩と一緒に剣術倶楽部に行ってみた。剣術倶楽部ではエスクーア様も鍛練しておられた。長い髪をポニーテールに結い上げて木剣を一心不乱に振っている。
「エスクーア様、カッコいい」
ポツリと呟くと、先輩が私を見た。
「姫様は彼女のああいった姿を否定されないのですね」
「否定する方もいらっしゃるんですか?」
「いますよ。女なのにはしたないとか。今や軍部にも女性がいる時代です。それなのに女だからと彼女を傷付ける事を言っていくんですよ」
「いますよね、そんな方」
学院にまで居るっていうのが驚きだけど。
「キャシー?どうしたんだ?」
こっそり眺めていたら、ランベルトお義兄様に見付かった。休憩しろと言われたらしく、汗を拭って私のいる方に歩いてきた。
「お義兄様、焦りは禁物ですわよ」
「キャシー?何を吹き込まれた?」
「吹き込まれてはおりません。とりあえずこちらをお飲みくださいませ」
経口補水液にリラックスをかけた物を渡す。
「旨い」
「改良しましたのよ。お砂糖を減らしてハチミツを増やして。甘すぎないギリギリを狙いましたけど、いかがですか?」
「いいと思う。オレには良いけど、他はどう言うだろう?」
「ですから試飲していただきたくて。男性だけでなく女性の意見も伺いたいのですけど」
「そんなの、キャシーが一言声をかければ、みんな集まると思うけどな」
同じ様に休憩に来た剣術倶楽部の先輩方に、普通の経口補水液を渡して飲んでもらう。おおむね高評価をもらえた。
「美味しいですわぁ」
エスクーア様が一緒に渡した薬草入りのハーブクッキーを嬉しそうに食べている。
「キャスリーン様、剣術倶楽部だけですの?」
「体術倶楽部の方にも試飲と試食を頼みに行ってます。私は剣術倶楽部担当なんです」
今回の試飲と試食はサミュエル先生が急遽思い付いたものだ。薬草ハーブクッキーは以前ララ様の「成分抽出後のハーブって、有効利用出来ないのかな?」の言葉で作ってみた物。成分解析装置では薬効が検出されたから、薬草研究会の趣旨には合っているとしておいた。
出がらしのハーブを風魔法で乾燥させて磨り潰して、クッキーを作るのは案外楽しかった。
「うふふふふ。キャスリーン様、お兄様の説得は出来ましたかしら?」
「しておりません。焦りは禁物だとは言っておきましたが」
「それでも十分だと思いますわよ。私の言葉は、聞いてもいただけませんでしたもの」
「エスクーア様……」
こそこそと話をしていると、体術倶楽部に行っていた薬草研究会のみんなが戻ってきた。
「それでは失礼いたしますわ」
「送ろう」
ランベルトお義兄様がそう言って許可をもらって薬草研究会の部室まで送ってくれた。
「お義兄様、何か焦っておられます?」
「焦ってはないけどな。焦っているように見えたか?」
「焦っているというよりは、もどかしいという感じでしょうか。理想があって道筋も分かっているのに、行動に反映されなくて。それが結果的に焦っていると見えたのだと思います」
「相変わらず鋭いな」
「目標が何かはお尋ねいたしませんが、どのような目標も一歩ずつですわよ?一足飛びだと見逃してしまう物があるやもしれません」
「見逃してしまう物か」
「道端に咲く名も無き花、頬を撫でる風の柔らかさ、木々の香り。そういった何でもない物も、後に大きな意味を持つかもしれないんです。お義兄様、努力は裏切りません。ですが無理をなさると、全てがゼロになってしまう事もございます」
「あぁ、分かってる」
「時には休む事も大切でしてよ」
「ありがとう」
くしゃくしゃっと私の髪を乱暴に撫でて、部室まで送り届けてくれたランベルトお義兄様は、サミュエル先生に挨拶をして帰っていった。
「お悩み相談、終了?」
サミュエル先生が興味津々で聞く。先生だけでなく部室内のみんなが、さりげなく聞き耳を立てているのが分かった。
「解決したとは申せませんが、私の考えは伝えました」
「何を言ったの?」
「簡単に申しますと、少しずつでも前に進めば良いといった意味合いですね。特に運動関係は無理をしたあげく全てが壊れてしまう事が多いので」
「確かにね。特に剣術や体術は、壊れるのが自分の身体だったりするからね」
「そういった方ほど無理をなさるのですわ」
「なんだか実感がこもっているねぇ」
「そういった方はたくさん見てきましたから」
ストレスで身体を壊した方や、仕事や家族を優先して自分の不調を後回しにした方、無理をしたという自覚無しの大量の仕事を抱え込んだ方々。救急救命室で何人も見てきた。気付いてあげられなかったと悔やむ家族や患者の友人の姿も。助けられた命もあったし助けられなかった命もあった。八つ当たりもされた。どうして助けてくれなかったのかと。
前世を思い出して少し落ち込む。ララ様が私の肩に手を置いた。
「大丈夫?」
「大丈夫です。ご心配をお掛けしました」
「クッキー、食べる?」
「これはララ様のでは?お友達に渡すと言っておられた物ですよね?」
「彼女達には別のでも良いもの。それより今はキャシーちゃんよ」
「キャスリーン様、ハーブティーをお淹れしましたわ」
「よく分かんないけど、元気出して」
「皆様、ありがとうございます」
倶楽部が終わってから、サミュエル先生に呼び出された。
「キャシーちゃん、前世って辛い事ばかりだったの?」
「いいえ。楽しい事もありましたよ。少し辛かった事を思い出しただけです」
「それなら良いけどね」
「細かい事は忘れてきているのに、前世の仕事に関する事は忘れられないんです」
「仕事って?」
「看護師でした。救急救命室勤務で、最期の時は災害救助派遣されていたはずです」
「カンゴシって医師のような?」
「医師の介助や患者の手助けや、傷病者の簡単な手当てを行う役職です」
「それで分かったよ。救民院に行った時、やけに手際が良いと思ったんだよね。キャシーちゃん、中等部に入ったら医師資格を取りなさい」
「医師資格って6学年生から取れますの?」
「受験資格はあるよ。たいていは何年も落ち続けて、学院卒業時に合格ってパターンが多いかな」
「最年少合格者は?」
「……9学年生」
「それ以降に合格するようにがんばります」
「一発合格でも良いんだよ?」
「目立つじゃないですか」
「今もよく似たものでしょ?学年成績は常にトップ10に入ってるんだから」
「調整はしてませんからね?」
「手は抜いてないんだ?」
「抜いてません。それは真剣に試験に取り組む他の方々に失礼です」
「とにかく4学年生になったら特別授業を受けるように」
「決定ですか?」
「決定だよ。ハイレント侯爵令嬢の為にもなるしね」
「私の教会所属も決定ですか?」
「あれ?了承してくれたと聞いたけど?」
「ミリアディス様に頼んだわよ?ね?ね?って念を押されただけです」
「ハイレント侯爵令嬢とエドワードが、引き受けてくれたって喜んでいたけど?」
「ミリアディス様ったら」
こうなったら今からの辞退は無理なんだろうな。
それでもランベルトお義兄様にとっては反省点がたくさんあったようで、剣術倶楽部で毎日特訓を受けているらしい。
「ずっとあんな調子じゃ身体を壊してしまう。フェルナーの姫君、彼を止められないでしょうか?」
バージェフ先輩のご友人の先輩が薬草研究会に来て、そう懇願していった。疲労回復ポーションを飲みながらだけど。
「私が言って聞きますかどうか」
「エスクーア嬢は姫に頼んだ方がいいと」
「姫って言われるたびにムズムズするんですけど。ランベルトお義兄様と1度話してみます」
先輩と一緒に剣術倶楽部に行ってみた。剣術倶楽部ではエスクーア様も鍛練しておられた。長い髪をポニーテールに結い上げて木剣を一心不乱に振っている。
「エスクーア様、カッコいい」
ポツリと呟くと、先輩が私を見た。
「姫様は彼女のああいった姿を否定されないのですね」
「否定する方もいらっしゃるんですか?」
「いますよ。女なのにはしたないとか。今や軍部にも女性がいる時代です。それなのに女だからと彼女を傷付ける事を言っていくんですよ」
「いますよね、そんな方」
学院にまで居るっていうのが驚きだけど。
「キャシー?どうしたんだ?」
こっそり眺めていたら、ランベルトお義兄様に見付かった。休憩しろと言われたらしく、汗を拭って私のいる方に歩いてきた。
「お義兄様、焦りは禁物ですわよ」
「キャシー?何を吹き込まれた?」
「吹き込まれてはおりません。とりあえずこちらをお飲みくださいませ」
経口補水液にリラックスをかけた物を渡す。
「旨い」
「改良しましたのよ。お砂糖を減らしてハチミツを増やして。甘すぎないギリギリを狙いましたけど、いかがですか?」
「いいと思う。オレには良いけど、他はどう言うだろう?」
「ですから試飲していただきたくて。男性だけでなく女性の意見も伺いたいのですけど」
「そんなの、キャシーが一言声をかければ、みんな集まると思うけどな」
同じ様に休憩に来た剣術倶楽部の先輩方に、普通の経口補水液を渡して飲んでもらう。おおむね高評価をもらえた。
「美味しいですわぁ」
エスクーア様が一緒に渡した薬草入りのハーブクッキーを嬉しそうに食べている。
「キャスリーン様、剣術倶楽部だけですの?」
「体術倶楽部の方にも試飲と試食を頼みに行ってます。私は剣術倶楽部担当なんです」
今回の試飲と試食はサミュエル先生が急遽思い付いたものだ。薬草ハーブクッキーは以前ララ様の「成分抽出後のハーブって、有効利用出来ないのかな?」の言葉で作ってみた物。成分解析装置では薬効が検出されたから、薬草研究会の趣旨には合っているとしておいた。
出がらしのハーブを風魔法で乾燥させて磨り潰して、クッキーを作るのは案外楽しかった。
「うふふふふ。キャスリーン様、お兄様の説得は出来ましたかしら?」
「しておりません。焦りは禁物だとは言っておきましたが」
「それでも十分だと思いますわよ。私の言葉は、聞いてもいただけませんでしたもの」
「エスクーア様……」
こそこそと話をしていると、体術倶楽部に行っていた薬草研究会のみんなが戻ってきた。
「それでは失礼いたしますわ」
「送ろう」
ランベルトお義兄様がそう言って許可をもらって薬草研究会の部室まで送ってくれた。
「お義兄様、何か焦っておられます?」
「焦ってはないけどな。焦っているように見えたか?」
「焦っているというよりは、もどかしいという感じでしょうか。理想があって道筋も分かっているのに、行動に反映されなくて。それが結果的に焦っていると見えたのだと思います」
「相変わらず鋭いな」
「目標が何かはお尋ねいたしませんが、どのような目標も一歩ずつですわよ?一足飛びだと見逃してしまう物があるやもしれません」
「見逃してしまう物か」
「道端に咲く名も無き花、頬を撫でる風の柔らかさ、木々の香り。そういった何でもない物も、後に大きな意味を持つかもしれないんです。お義兄様、努力は裏切りません。ですが無理をなさると、全てがゼロになってしまう事もございます」
「あぁ、分かってる」
「時には休む事も大切でしてよ」
「ありがとう」
くしゃくしゃっと私の髪を乱暴に撫でて、部室まで送り届けてくれたランベルトお義兄様は、サミュエル先生に挨拶をして帰っていった。
「お悩み相談、終了?」
サミュエル先生が興味津々で聞く。先生だけでなく部室内のみんなが、さりげなく聞き耳を立てているのが分かった。
「解決したとは申せませんが、私の考えは伝えました」
「何を言ったの?」
「簡単に申しますと、少しずつでも前に進めば良いといった意味合いですね。特に運動関係は無理をしたあげく全てが壊れてしまう事が多いので」
「確かにね。特に剣術や体術は、壊れるのが自分の身体だったりするからね」
「そういった方ほど無理をなさるのですわ」
「なんだか実感がこもっているねぇ」
「そういった方はたくさん見てきましたから」
ストレスで身体を壊した方や、仕事や家族を優先して自分の不調を後回しにした方、無理をしたという自覚無しの大量の仕事を抱え込んだ方々。救急救命室で何人も見てきた。気付いてあげられなかったと悔やむ家族や患者の友人の姿も。助けられた命もあったし助けられなかった命もあった。八つ当たりもされた。どうして助けてくれなかったのかと。
前世を思い出して少し落ち込む。ララ様が私の肩に手を置いた。
「大丈夫?」
「大丈夫です。ご心配をお掛けしました」
「クッキー、食べる?」
「これはララ様のでは?お友達に渡すと言っておられた物ですよね?」
「彼女達には別のでも良いもの。それより今はキャシーちゃんよ」
「キャスリーン様、ハーブティーをお淹れしましたわ」
「よく分かんないけど、元気出して」
「皆様、ありがとうございます」
倶楽部が終わってから、サミュエル先生に呼び出された。
「キャシーちゃん、前世って辛い事ばかりだったの?」
「いいえ。楽しい事もありましたよ。少し辛かった事を思い出しただけです」
「それなら良いけどね」
「細かい事は忘れてきているのに、前世の仕事に関する事は忘れられないんです」
「仕事って?」
「看護師でした。救急救命室勤務で、最期の時は災害救助派遣されていたはずです」
「カンゴシって医師のような?」
「医師の介助や患者の手助けや、傷病者の簡単な手当てを行う役職です」
「それで分かったよ。救民院に行った時、やけに手際が良いと思ったんだよね。キャシーちゃん、中等部に入ったら医師資格を取りなさい」
「医師資格って6学年生から取れますの?」
「受験資格はあるよ。たいていは何年も落ち続けて、学院卒業時に合格ってパターンが多いかな」
「最年少合格者は?」
「……9学年生」
「それ以降に合格するようにがんばります」
「一発合格でも良いんだよ?」
「目立つじゃないですか」
「今もよく似たものでしょ?学年成績は常にトップ10に入ってるんだから」
「調整はしてませんからね?」
「手は抜いてないんだ?」
「抜いてません。それは真剣に試験に取り組む他の方々に失礼です」
「とにかく4学年生になったら特別授業を受けるように」
「決定ですか?」
「決定だよ。ハイレント侯爵令嬢の為にもなるしね」
「私の教会所属も決定ですか?」
「あれ?了承してくれたと聞いたけど?」
「ミリアディス様に頼んだわよ?ね?ね?って念を押されただけです」
「ハイレント侯爵令嬢とエドワードが、引き受けてくれたって喜んでいたけど?」
「ミリアディス様ったら」
こうなったら今からの辞退は無理なんだろうな。
238
お気に入りに追加
470
あなたにおすすめの小説
来世はあなたと結ばれませんように【再掲載】
倉世モナカ
恋愛
病弱だった私のために毎日昼夜問わず看病してくれた夫が過労により先に他界。私のせいで死んでしまった夫。来世は私なんかよりもっと素敵な女性と結ばれてほしい。それから私も後を追うようにこの世を去った。
時は来世に代わり、私は城に仕えるメイド、夫はそこに住んでいる王子へと転生していた。前世の記憶を持っている私は、夫だった王子と距離をとっていたが、あれよあれという間に彼が私に近づいてくる。それでも私はあなたとは結ばれませんから!
再投稿です。ご迷惑おかけします。
この作品は、カクヨム、小説家になろうにも掲載中。
私が妻です!
ミカン♬
恋愛
幼い頃のトラウマで男性が怖いエルシーは夫のヴァルと結婚して2年、まだ本当の夫婦には成っていない。
王都で一人暮らす夫から連絡が途絶えて2か月、エルシーは弟のような護衛レノを連れて夫の家に向かうと、愛人と赤子と暮らしていた。失意のエルシーを狙う従兄妹のオリバーに王都でも襲われる。その時に助けてくれた侯爵夫人にお世話になってエルシーは生まれ変わろうと決心する。
侯爵家に離婚届けにサインを求めて夫がやってきた。
そこに王宮騎士団の副団長エイダンが追いかけてきて、夫の様子がおかしくなるのだった。
世界観など全てフワっと設定です。サクっと終わります。
5/23 完結に状況の説明を書き足しました。申し訳ありません。
★★★なろう様では最後に閑話をいれています。
脱字報告、応援して下さった皆様本当に有難うございました。
他のサイトにも投稿しています。
恋人に夢中な婚約者に一泡吹かせてやりたかっただけ
棗
恋愛
伯爵令嬢ラフレーズ=ベリーシュは、王国の王太子ヒンメルの婚約者。
王家の忠臣と名高い父を持ち、更に隣国の姫を母に持つが故に結ばれた完全なる政略結婚。
長年の片思い相手であり、婚約者であるヒンメルの隣には常に恋人の公爵令嬢がいる。
婚約者には愛を示さず、恋人に夢中な彼にいつか捨てられるくらいなら、こちらも恋人を作って一泡吹かせてやろうと友達の羊の精霊メリー君の妙案を受けて実行することに。
ラフレーズが恋人役を頼んだのは、人外の魔術師・魔王公爵と名高い王国最強の男――クイーン=ホーエンハイム。
濡れた色香を放つクイーンからの、本気か嘘かも分からない行動に涙目になっていると恋人に夢中だった王太子が……。
※小説家になろう・カクヨム様にも公開しています
婚約破棄が私を笑顔にした
夜月翠雨
恋愛
「カトリーヌ・シャロン! 本日をもって婚約を破棄する!」
学園の教室で婚約者であるフランシスの滑稽な姿にカトリーヌは笑いをこらえるので必死だった。
そこに聖女であるアメリアがやってくる。
フランシスの瞳は彼女に釘付けだった。
彼女と出会ったことでカトリーヌの運命は大きく変わってしまう。
短編を小分けにして投稿しています。よろしくお願いします。
【完結】仕事を放棄した結果、私は幸せになれました。
キーノ
恋愛
わたくしは乙女ゲームの悪役令嬢みたいですわ。悪役令嬢に転生したと言った方がラノベあるある的に良いでしょうか。
ですが、ゲーム内でヒロイン達が語られる用な悪事を働いたことなどありません。王子に嫉妬? そのような無駄な事に時間をかまけている時間はわたくしにはありませんでしたのに。
だってわたくし、週4回は王太子妃教育に王妃教育、週3回で王妃様とのお茶会。お茶会や教育が終わったら王太子妃の公務、王子殿下がサボっているお陰で回ってくる公務に、王子の管轄する領の嘆願書の整頓やら収益やら税の計算やらで、わたくし、ちっとも自由時間がありませんでしたのよ。
こんなに忙しい私が、最後は冤罪にて処刑ですって? 学園にすら通えて無いのに、すべてのルートで私は処刑されてしまうと解った今、わたくしは全ての仕事を放棄して、冤罪で処刑されるその時まで、押しと穏やかに過ごしますわ。
※さくっと読める悪役令嬢モノです。
2月14~15日に全話、投稿完了。
感想、誤字、脱字など受け付けます。
沢山のエールにお気に入り登録、ありがとうございます。現在執筆中の新作の励みになります。初期作品のほうも見てもらえて感無量です!
恋愛23位にまで上げて頂き、感謝いたします。
許してもらえるだなんて本気で思っているのですか?
風見ゆうみ
恋愛
ネイロス伯爵家の次女であるわたしは、幼い頃から変わった子だと言われ続け、家族だけじゃなく、周りの貴族から馬鹿にされ続けてきた。
そんなわたしを公爵である伯父はとても可愛がってくれていた。
ある日、伯父がお医者様から余命を宣告される。
それを聞いたわたしの家族は、子供のいない伯父の財産が父に入ると考えて豪遊し始める。
わたしの婚約者も伯父の遺産を当てにして、姉に乗り換え、姉は姉で伯父が選んでくれた自分の婚約者をわたしに押し付けてきた。
伯父が亡くなったあと、遺言書が公開され、そこには「遺留分以外の財産全てをリウ・ネイロスに、家督はリウ・ネイロスの婚約者に譲る」と書かれていた。
そのことを知った家族たちはわたしのご機嫌伺いを始める。
え……、許してもらえるだなんて本気で思ってるんですか?
※独特の異世界の世界観であり、設定はゆるゆるで、ご都合主義です。
※誤字脱字など見直して気を付けているつもりですが、やはりございます。申し訳ございません。教えていただけますと有り難いです。
お馬鹿な聖女に「だから?」と言ってみた
リオール
恋愛
だから?
それは最強の言葉
~~~~~~~~~
※全6話。短いです
※ダークです!ダークな終わりしてます!
筆者がたまに書きたくなるダークなお話なんです。
スカッと爽快ハッピーエンドをお求めの方はごめんなさい。
※勢いで書いたので支離滅裂です。生ぬるい目でスルーして下さい(^-^;
そちらから縁を切ったのですから、今更頼らないでください。
木山楽斗
恋愛
伯爵家の令嬢であるアルシエラは、高慢な妹とそんな妹ばかり溺愛する両親に嫌気が差していた。
ある時、彼女は父親から縁を切ることを言い渡される。アルシエラのとある行動が気に食わなかった妹が、父親にそう進言したのだ。
不安はあったが、アルシエラはそれを受け入れた。
ある程度の年齢に達した時から、彼女は実家に見切りをつけるべきだと思っていた。丁度いい機会だったので、それを実行することにしたのだ。
伯爵家を追い出された彼女は、商人としての生活を送っていた。
偶然にも人脈に恵まれた彼女は、着々と力を付けていき、見事成功を収めたのである。
そんな彼女の元に、実家から申し出があった。
事情があって窮地に立たされた伯爵家が、支援を求めてきたのだ。
しかしながら、そんな義理がある訳がなかった。
アルシエラは、両親や妹からの申し出をきっぱりと断ったのである。
※8話からの登場人物の名前を変更しました。1話の登場人物とは別人です。(バーキントン→ラナキンス)
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる