27 / 296
学院初等部 1学年生
芸術祭1日目
しおりを挟む
芸術祭が始まった。オープニングを飾るのはダンス倶楽部の皆様と、この日の為に結成された学生弦楽オーケストラの皆様。この日の為に練習された素晴らしいダンスと演奏だった。
私はガビーちゃんやリジーちゃん達と2階席で見ていたんだけど、何故かバージェフ先輩と体術倶楽部と剣術倶楽部の先輩方、計4人が私達を守るように一緒にいた。
「バージェフ先輩、この状況は?」
「フェルナー嬢にあげたでしょ?疲労回復ポーション。その味の改善に付き合ってくれているのが、彼らだよ」
「気にするな、ラフィー。世話になっているのはこちらの方だ」
バージェフ先輩ってラフィーって呼ばれているんだ。ランベルトお義兄様はラフと呼んでいたよね。
「状況の説明になっていないのですが?」
「頼まれたんだよ」
お義兄様達にでしょうね。
「お世話をおかけします」
「いやいや、フェルナー侯爵家の姫を守る栄誉をいただき、栄誉の極みであります」
先輩は胸に手を当てて真面目くさって言った後、ニカリと笑った。
「こんな奴らだけど、根は良い奴だから」
「先輩が保証してくださるなら、心強いですわ」
なにかを考えていたガビーちゃんが、バージェフ先輩に聞く。
「疲労回復ポーションの味の改善は苦味と酸味でしたか。使用しているのは?」
「タラクサクの葉とツィトロン、ネトルとマッテラ茶だよ」
「タラクサクの葉が苦味を、ツィトロンが酸味を出している可能性がございますわね」
「そうなんだよ。でもどうすればいいのか……」
「製造行程を見なければ、私にも何も言えませんわ。芸術祭が終わった最初の倶楽部で、作ってみていただけませんこと?」
「フェルナー嬢、彼女は?グクラン辺境伯令嬢だよね?」
「はい。お身体が弱かったと言いましたでしょう?ご両親が医師や薬師、果ては民間療法まで色々と試されたそうです。ガブリエラ様もそれでお詳しくなられたと」
「嫌ですわ、キャスリーン様。暇にあかせて皆様にご迷惑をおかけしただけですのに」
ガビーちゃんがコロコロと笑った。
芸術祭は楽器演奏だけじゃない。楽器演奏と声楽の発表はホールで行われるけれど、絵画と詩歌の披露は展示スペースがあってそこに展示されている。服飾だけはファッションショーも兼ねたオークション形式で行われる。モデルはプロの劇団員さん。貴族学院がパトロンとなっている為に芸術祭ではモデルとなってくれる。実質は国のお抱えだよね。芸術祭で認められて、有名芸術家となっている人も多い。
「今のピアノの子、1学年生だろう?よくあんな曲が弾けるもんだ」
「あの方は、アリス・ブレイクリー様です」
「ブレイクリー男爵家の令嬢か。あそこって何年か前の洪水で大打撃を受けたよね?」
「あぁ、10年程前だ。復興には5年掛かったと言われている」
政治事例で読んだ洪水の被害を思い出す。全てが頭に入っている訳じゃないけど、洪水被害の規模が大きすぎて、忘れられなかった。
ブレイクリー男爵領のほぼ中央を流れるテミポイト川が氾濫したのは、夏の終わりの事だった。原因はテミポイト川の上流にあるオルゴィロ領で起きた河川事業の失敗。テミポイト川を塞き止めて橋を架けてたんだけど、塞き止めの際の土塁が甘かったらしく一気に崩れ、ブレイクリー男爵領に入った所でテミポイト川は再び塞き止められた。最悪な事にそれを隠蔽しようとしたオルゴィロ領主は、ブレイクリー男爵に知らせず国にも報告せず、何の対策もしなかった。
自然ダム湖となったテミポイト川が崩壊し、夏の終わりのブレイクリー領を襲った時には、親切面をして通常の数倍の利息で金を貸し付けたらしい。当然国の監査でバレて、オルゴィロ家は没落した。オルゴィロという家名の貴族は今は無い。
「あれは酷い事件だったね。今でも覚えているよ。学院生でも寄付を募ったらしいから。私のバージェフ領は少し離れているから、義援金しか送れなかったんだよね」
「それでも助かったと思いますよ」
「ありがとう。フェルナー嬢は優しいんだね」
「今はオルゴィロ領は、どうなっているんですの?」
リジーちゃんの質問に答えたのは、剣術倶楽部の先輩だった。
「王家の預かりとなっているよ。オルゴィロの当時の領主は本当に愚かだったけど、次代まで愚かだった訳じゃないからね。本来なら次代に引き継がれる予定だったんだけど、次代が嫌がって王家預かりのままだ」
視線が1階席の一点で固定されている。そこに「次代」とやらがいるらしい。
「お知り合いですか?」
「愚かだった当時の領主の妻が、祖母の再従姉妹なんだよ」
「遠いですけど親族ですね」
「そうなんだよ。声もかけ辛くてね」
一方が意図的に避けていると、声は掛けられないだろうなぁ。
「お年は離れているんですか?」
「離れてないね。今、中等部の6学年生だから」
先輩達は中等部7学年生だ。1歳下かぁ。
「ここに居たんだね」
ローレンスお義兄様が私を見付けて近くに来た。先輩方が騎士のように礼をする。
「お仕事は終わったんですか?」
「もう1人に押し付けてきた」
「お義兄様……」
「休憩時間だよ。キャシーは心配しなくて良い。良い席だね。少し遠いけど」
「バージェフ先輩が選んでくださいました」
「そうか。頼んで良かったよ」
お義兄様が先輩方に視線を向けた。
「社交界の次世代の華を守らせていただく栄誉を与えていただき、光栄です」
なんだかお義兄様を見る目が、キラキラしている気がするんですが。
お昼を挟んでヴァイオリン、ヴィオラの発表が行われる。チェロは演奏人数が少なくて、ピアノ演奏の後に組み込まれていた。
「お義兄様、チェロって演奏人数は少ないんですの?」
「午前中の演奏で全員だよ」
「4人しか居なかったのですけれど?」
「チェロの倶楽部に所属しているのは4人だね。掛け持ちも居ないし」
「そうですの?」
「そうなんだよ。掛け持ちは出来るんだけどね」
「私も掛け持ちですし、ガブリエラ様もですわよね」
「ん?グクラン嬢は何を掛け持ちしているんだい?」
「刺繍倶楽部と薬草研究会ですわ」
澄ました顔でガビーちゃんが言う。ガビーちゃんは倶楽部に昇格したと知ったとたん、速攻で入部届けを提出しに来たんだよね。
「刺繍倶楽部は手芸倶楽部と合同だったね。明日の発表が楽しみだ」
「お恥ずかしゅうございます」
ガビーちゃんによると、1学年生はチーフやシャツの刺繍を任されたらしい。ドレスの刺繍は上級生が受け持ったらしい。
刺繍倶楽部は手芸倶楽部の姉妹倶楽部といった意味合いが強くて、協力関係でしょっちゅう一緒に作業している。それだけを聞くと統合しちゃった方が良いような気がするんだけど、そう簡単じゃないんだって。刺繍と縫製では色々と違うのは分かるんだけど、聞いた話だと刺繍倶楽部が手芸倶楽部を見下しているとか。刺繍は貴婦人の嗜みだけど縫製までいってしまうとそれは職業婦人となって、貴族としてははしたない行いらしい。とはいっても手芸倶楽部にも、伯爵令嬢が何人か在籍している。
それでもそういった風潮が残っているのは、そういった思想を持った方が部長を代々勤めているから。伝統なんだって。
「そんな伝統なんて廃止すれば良いのに」
「そう簡単な事じゃないよ。双方に言い分があるしね」
「分かっております」
お義兄様は苦笑した後、宥めるように頭をポンポンしてくれた。
1日目の芸術祭が終わった。お義兄様はまだ執行部のお仕事があるらしい。寮に戻る途中で、アリス様が男性に囲まれているのが見えた。
私はガビーちゃんやリジーちゃん達と2階席で見ていたんだけど、何故かバージェフ先輩と体術倶楽部と剣術倶楽部の先輩方、計4人が私達を守るように一緒にいた。
「バージェフ先輩、この状況は?」
「フェルナー嬢にあげたでしょ?疲労回復ポーション。その味の改善に付き合ってくれているのが、彼らだよ」
「気にするな、ラフィー。世話になっているのはこちらの方だ」
バージェフ先輩ってラフィーって呼ばれているんだ。ランベルトお義兄様はラフと呼んでいたよね。
「状況の説明になっていないのですが?」
「頼まれたんだよ」
お義兄様達にでしょうね。
「お世話をおかけします」
「いやいや、フェルナー侯爵家の姫を守る栄誉をいただき、栄誉の極みであります」
先輩は胸に手を当てて真面目くさって言った後、ニカリと笑った。
「こんな奴らだけど、根は良い奴だから」
「先輩が保証してくださるなら、心強いですわ」
なにかを考えていたガビーちゃんが、バージェフ先輩に聞く。
「疲労回復ポーションの味の改善は苦味と酸味でしたか。使用しているのは?」
「タラクサクの葉とツィトロン、ネトルとマッテラ茶だよ」
「タラクサクの葉が苦味を、ツィトロンが酸味を出している可能性がございますわね」
「そうなんだよ。でもどうすればいいのか……」
「製造行程を見なければ、私にも何も言えませんわ。芸術祭が終わった最初の倶楽部で、作ってみていただけませんこと?」
「フェルナー嬢、彼女は?グクラン辺境伯令嬢だよね?」
「はい。お身体が弱かったと言いましたでしょう?ご両親が医師や薬師、果ては民間療法まで色々と試されたそうです。ガブリエラ様もそれでお詳しくなられたと」
「嫌ですわ、キャスリーン様。暇にあかせて皆様にご迷惑をおかけしただけですのに」
ガビーちゃんがコロコロと笑った。
芸術祭は楽器演奏だけじゃない。楽器演奏と声楽の発表はホールで行われるけれど、絵画と詩歌の披露は展示スペースがあってそこに展示されている。服飾だけはファッションショーも兼ねたオークション形式で行われる。モデルはプロの劇団員さん。貴族学院がパトロンとなっている為に芸術祭ではモデルとなってくれる。実質は国のお抱えだよね。芸術祭で認められて、有名芸術家となっている人も多い。
「今のピアノの子、1学年生だろう?よくあんな曲が弾けるもんだ」
「あの方は、アリス・ブレイクリー様です」
「ブレイクリー男爵家の令嬢か。あそこって何年か前の洪水で大打撃を受けたよね?」
「あぁ、10年程前だ。復興には5年掛かったと言われている」
政治事例で読んだ洪水の被害を思い出す。全てが頭に入っている訳じゃないけど、洪水被害の規模が大きすぎて、忘れられなかった。
ブレイクリー男爵領のほぼ中央を流れるテミポイト川が氾濫したのは、夏の終わりの事だった。原因はテミポイト川の上流にあるオルゴィロ領で起きた河川事業の失敗。テミポイト川を塞き止めて橋を架けてたんだけど、塞き止めの際の土塁が甘かったらしく一気に崩れ、ブレイクリー男爵領に入った所でテミポイト川は再び塞き止められた。最悪な事にそれを隠蔽しようとしたオルゴィロ領主は、ブレイクリー男爵に知らせず国にも報告せず、何の対策もしなかった。
自然ダム湖となったテミポイト川が崩壊し、夏の終わりのブレイクリー領を襲った時には、親切面をして通常の数倍の利息で金を貸し付けたらしい。当然国の監査でバレて、オルゴィロ家は没落した。オルゴィロという家名の貴族は今は無い。
「あれは酷い事件だったね。今でも覚えているよ。学院生でも寄付を募ったらしいから。私のバージェフ領は少し離れているから、義援金しか送れなかったんだよね」
「それでも助かったと思いますよ」
「ありがとう。フェルナー嬢は優しいんだね」
「今はオルゴィロ領は、どうなっているんですの?」
リジーちゃんの質問に答えたのは、剣術倶楽部の先輩だった。
「王家の預かりとなっているよ。オルゴィロの当時の領主は本当に愚かだったけど、次代まで愚かだった訳じゃないからね。本来なら次代に引き継がれる予定だったんだけど、次代が嫌がって王家預かりのままだ」
視線が1階席の一点で固定されている。そこに「次代」とやらがいるらしい。
「お知り合いですか?」
「愚かだった当時の領主の妻が、祖母の再従姉妹なんだよ」
「遠いですけど親族ですね」
「そうなんだよ。声もかけ辛くてね」
一方が意図的に避けていると、声は掛けられないだろうなぁ。
「お年は離れているんですか?」
「離れてないね。今、中等部の6学年生だから」
先輩達は中等部7学年生だ。1歳下かぁ。
「ここに居たんだね」
ローレンスお義兄様が私を見付けて近くに来た。先輩方が騎士のように礼をする。
「お仕事は終わったんですか?」
「もう1人に押し付けてきた」
「お義兄様……」
「休憩時間だよ。キャシーは心配しなくて良い。良い席だね。少し遠いけど」
「バージェフ先輩が選んでくださいました」
「そうか。頼んで良かったよ」
お義兄様が先輩方に視線を向けた。
「社交界の次世代の華を守らせていただく栄誉を与えていただき、光栄です」
なんだかお義兄様を見る目が、キラキラしている気がするんですが。
お昼を挟んでヴァイオリン、ヴィオラの発表が行われる。チェロは演奏人数が少なくて、ピアノ演奏の後に組み込まれていた。
「お義兄様、チェロって演奏人数は少ないんですの?」
「午前中の演奏で全員だよ」
「4人しか居なかったのですけれど?」
「チェロの倶楽部に所属しているのは4人だね。掛け持ちも居ないし」
「そうですの?」
「そうなんだよ。掛け持ちは出来るんだけどね」
「私も掛け持ちですし、ガブリエラ様もですわよね」
「ん?グクラン嬢は何を掛け持ちしているんだい?」
「刺繍倶楽部と薬草研究会ですわ」
澄ました顔でガビーちゃんが言う。ガビーちゃんは倶楽部に昇格したと知ったとたん、速攻で入部届けを提出しに来たんだよね。
「刺繍倶楽部は手芸倶楽部と合同だったね。明日の発表が楽しみだ」
「お恥ずかしゅうございます」
ガビーちゃんによると、1学年生はチーフやシャツの刺繍を任されたらしい。ドレスの刺繍は上級生が受け持ったらしい。
刺繍倶楽部は手芸倶楽部の姉妹倶楽部といった意味合いが強くて、協力関係でしょっちゅう一緒に作業している。それだけを聞くと統合しちゃった方が良いような気がするんだけど、そう簡単じゃないんだって。刺繍と縫製では色々と違うのは分かるんだけど、聞いた話だと刺繍倶楽部が手芸倶楽部を見下しているとか。刺繍は貴婦人の嗜みだけど縫製までいってしまうとそれは職業婦人となって、貴族としてははしたない行いらしい。とはいっても手芸倶楽部にも、伯爵令嬢が何人か在籍している。
それでもそういった風潮が残っているのは、そういった思想を持った方が部長を代々勤めているから。伝統なんだって。
「そんな伝統なんて廃止すれば良いのに」
「そう簡単な事じゃないよ。双方に言い分があるしね」
「分かっております」
お義兄様は苦笑した後、宥めるように頭をポンポンしてくれた。
1日目の芸術祭が終わった。お義兄様はまだ執行部のお仕事があるらしい。寮に戻る途中で、アリス様が男性に囲まれているのが見えた。
235
お気に入りに追加
470
あなたにおすすめの小説
来世はあなたと結ばれませんように【再掲載】
倉世モナカ
恋愛
病弱だった私のために毎日昼夜問わず看病してくれた夫が過労により先に他界。私のせいで死んでしまった夫。来世は私なんかよりもっと素敵な女性と結ばれてほしい。それから私も後を追うようにこの世を去った。
時は来世に代わり、私は城に仕えるメイド、夫はそこに住んでいる王子へと転生していた。前世の記憶を持っている私は、夫だった王子と距離をとっていたが、あれよあれという間に彼が私に近づいてくる。それでも私はあなたとは結ばれませんから!
再投稿です。ご迷惑おかけします。
この作品は、カクヨム、小説家になろうにも掲載中。
離縁をさせて頂きます、なぜなら私は選ばれたので。
kanon
恋愛
「アリシア、お前はもうこの家に必要ない。ブライト家から追放する」
父からの予想外の言葉に、私は目を瞬かせる。
我が国でも名高いブライト伯爵家のだたっぴろい応接間。
用があると言われて足を踏み入れた途端に、父は私にそう言ったのだ。
困惑する私を楽しむように、姉のモンタナが薄ら笑いを浮かべる。
「あら、聞こえなかったのかしら? お父様は追放と言ったのよ。まさか追放の意味も知らないわけじゃないわよねぇ?」
恋人に夢中な婚約者に一泡吹かせてやりたかっただけ
棗
恋愛
伯爵令嬢ラフレーズ=ベリーシュは、王国の王太子ヒンメルの婚約者。
王家の忠臣と名高い父を持ち、更に隣国の姫を母に持つが故に結ばれた完全なる政略結婚。
長年の片思い相手であり、婚約者であるヒンメルの隣には常に恋人の公爵令嬢がいる。
婚約者には愛を示さず、恋人に夢中な彼にいつか捨てられるくらいなら、こちらも恋人を作って一泡吹かせてやろうと友達の羊の精霊メリー君の妙案を受けて実行することに。
ラフレーズが恋人役を頼んだのは、人外の魔術師・魔王公爵と名高い王国最強の男――クイーン=ホーエンハイム。
濡れた色香を放つクイーンからの、本気か嘘かも分からない行動に涙目になっていると恋人に夢中だった王太子が……。
※小説家になろう・カクヨム様にも公開しています
香りの聖女と婚約破棄
秋津冴
恋愛
「近寄るな、お前は臭いから」
ゼダ伯爵令嬢エヴァは婚約者にいつもそう言われ、傷心を抱えていた。
婚約者の第三王子マシューは、臭いを理由に彼女との婚約を破棄しようとする。
「エヴァ、いつも告げてきたが、お前のその香りには耐えられない。この高貴な僕まで、周囲から奇異の目で見られて疎外される始末だ。もう別れてくれ‥‥‥婚約破棄だ」
「なあ、それは王族の横暴じゃないのか?」
共通の幼馴染、ロランが疑問の声を上げた。
他の投稿サイトでも別名義で投稿しております。
婚約破棄が私を笑顔にした
夜月翠雨
恋愛
「カトリーヌ・シャロン! 本日をもって婚約を破棄する!」
学園の教室で婚約者であるフランシスの滑稽な姿にカトリーヌは笑いをこらえるので必死だった。
そこに聖女であるアメリアがやってくる。
フランシスの瞳は彼女に釘付けだった。
彼女と出会ったことでカトリーヌの運命は大きく変わってしまう。
短編を小分けにして投稿しています。よろしくお願いします。
許してもらえるだなんて本気で思っているのですか?
風見ゆうみ
恋愛
ネイロス伯爵家の次女であるわたしは、幼い頃から変わった子だと言われ続け、家族だけじゃなく、周りの貴族から馬鹿にされ続けてきた。
そんなわたしを公爵である伯父はとても可愛がってくれていた。
ある日、伯父がお医者様から余命を宣告される。
それを聞いたわたしの家族は、子供のいない伯父の財産が父に入ると考えて豪遊し始める。
わたしの婚約者も伯父の遺産を当てにして、姉に乗り換え、姉は姉で伯父が選んでくれた自分の婚約者をわたしに押し付けてきた。
伯父が亡くなったあと、遺言書が公開され、そこには「遺留分以外の財産全てをリウ・ネイロスに、家督はリウ・ネイロスの婚約者に譲る」と書かれていた。
そのことを知った家族たちはわたしのご機嫌伺いを始める。
え……、許してもらえるだなんて本気で思ってるんですか?
※独特の異世界の世界観であり、設定はゆるゆるで、ご都合主義です。
※誤字脱字など見直して気を付けているつもりですが、やはりございます。申し訳ございません。教えていただけますと有り難いです。
【完結】仕事を放棄した結果、私は幸せになれました。
キーノ
恋愛
わたくしは乙女ゲームの悪役令嬢みたいですわ。悪役令嬢に転生したと言った方がラノベあるある的に良いでしょうか。
ですが、ゲーム内でヒロイン達が語られる用な悪事を働いたことなどありません。王子に嫉妬? そのような無駄な事に時間をかまけている時間はわたくしにはありませんでしたのに。
だってわたくし、週4回は王太子妃教育に王妃教育、週3回で王妃様とのお茶会。お茶会や教育が終わったら王太子妃の公務、王子殿下がサボっているお陰で回ってくる公務に、王子の管轄する領の嘆願書の整頓やら収益やら税の計算やらで、わたくし、ちっとも自由時間がありませんでしたのよ。
こんなに忙しい私が、最後は冤罪にて処刑ですって? 学園にすら通えて無いのに、すべてのルートで私は処刑されてしまうと解った今、わたくしは全ての仕事を放棄して、冤罪で処刑されるその時まで、押しと穏やかに過ごしますわ。
※さくっと読める悪役令嬢モノです。
2月14~15日に全話、投稿完了。
感想、誤字、脱字など受け付けます。
沢山のエールにお気に入り登録、ありがとうございます。現在執筆中の新作の励みになります。初期作品のほうも見てもらえて感無量です!
恋愛23位にまで上げて頂き、感謝いたします。
お馬鹿な聖女に「だから?」と言ってみた
リオール
恋愛
だから?
それは最強の言葉
~~~~~~~~~
※全6話。短いです
※ダークです!ダークな終わりしてます!
筆者がたまに書きたくなるダークなお話なんです。
スカッと爽快ハッピーエンドをお求めの方はごめんなさい。
※勢いで書いたので支離滅裂です。生ぬるい目でスルーして下さい(^-^;
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる