無敵少女の意のままに2

CHABO

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Provocation

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【previously on 無敵少女の意のままに】
魔王城に緊急招集され、聞かされたのはさやかの5都市同時侵攻の予告だった。
ティップの防衛に気合を入れるソフィーだったが、まさかの居残りを言い渡される。

各都市への防衛チームを軍団長が振り分けている。
「天使の防御魔法はチームの生命線だ。慎重にバランスよく振り分けよう」
「各属性魔法や力、素早さなども均等に分けないと対応が難しい場面が生まれる。タンク役は巨人族任せるぞ」
ソフィーはなーごなーごの意向で魔王城に居残り。
ウルズはマァナとアン、スパールはエラ、ディーネはモンスター召喚に適した土地の広さからランズを選択した。
「ウチは??」
「...どう考える?ソフィー殿」
「エメリーもここに残したい。奴らはメリアの能力を無効化するピアスとコンタクトレンズというアイテムを開発している。いざという時もメリアを使えなくなったんだ」
「何です?コンタクトレンズ??」
早速ステンノーが食いついたw

「詳しくは分からんが視覚に訴えるタイプの能力や魔法を無効化してしまう目に装着するアイテムだよ」
「目に装着??何かを眼球に入れるの?」
「すまない、それ以上は...」
「レンズよ。シリコンハイドロゲルという素材を使ったカバーを眼球に装着するの」
「なーごなーご様。あなたは何故それを知って...」
「...。私はトーキョーに少しの間滞在したのよ。あそこは日本人の町、異世界の情報はそこで得たわ」
「あの結界の中に入り込んだってことですか?一体、どうやって...」
トーキョーは滅ぶまで強力な結界が町を覆っており、出入りは絶対不可能な閉鎖された町だった。
「あっ!!ひょっとしてティップの町に5年前にマンガを探しに来たのってまさか...」(2話参照)
「ティップ?あぁ、そういえばそれくらいの時期に滞在したわね。あの館長さん、そんな昔の事覚えていたのね」
「それでどうやって入って、どうやって出たのですか?」
「入ったのは偶然ね。おそらく数万分の1くらいの確率で分子構造が一瞬崩れた箇所を発見して中に入れたのよ。でもすぐにその箇所は無くなって逆に出られなくなったわ」

「中に閉じ込められた、ってことか?」
「そうよ。それから中で結界を研究し続けたわ、何年もね。それで1人分が一瞬通れる程度の分子破壊アイテムを開発して何とか出られたわ」
「あ、あの結界を一瞬でも破壊?そ、それはどのようにお作りになるのですか?」
「聞いても無駄だと思うけど一応説明しておくわ。クロロフルオロカーボンという人工的にしか作ることが出来ない気体よ。これは当時のトーキョー内でしか作れないから再現は不可能、残念だったわね」
「じゃあさやかとも会ったことあるのか?」
「いえ、彼女が転生してきたのはそれから随分後の話、会ったことはないわ」
色々と衝撃の事実が判明していたところ、悪い知らせが入る。
「まっ、魔王様!!大変です!!」
「どうかしたか??」
「サ、サウスウェスト大陸のメンフィルという小さな村が...跡形もなく消滅しました!!」
「な、なんじゃと!!」
聞くに、人口300人ほどの小さな村がたった一発の魔法で吹き飛んだそうだ。
犯人は不明、おそらくさやかの指示を受けた誰かだろうと推察された。
しかし何故だか村民は全て無事だったとの事だ。

さやかの秘密基地。
「お疲れ、久々の高威力魔法、うまく出来た??」
「全然ダメだなぁ、屁みたいな威力だ。でもいいのか?侵攻前にこんな目立つ事して??」
「いいのよ。警戒して町の防衛をより一層固めてもらわないとね。主の目的のために...」
「あははは、面白くなってきたね~~。ねぇ、カラオケしようよ!!」
「いいわね!!じゃあジャパニーズメロコア縛りね」
「あの曲は私がもらうね♪」
「ダメよ!!あれだけは譲れない!!」
「嫌よ、絶対歌う!!」
「ダメったらダメって言ってるのよ!!」
彼女達はハイス〇ンダードのステイゴールドをどっちが歌うかで小一時間揉めたw

魔王城。
「恐ろしい女じゃ、さやか。村だけ吹き飛ばして村人には全て魔法に耐えうる強化を施し、無傷で生存させるとは...」
「前から薄々勘付いてましたが...これでハッキリしましたわね、魔王様」
「あぁ、あ奴は人間は極力殺さない。しかしということじゃな」
「一応、同族意識はあるんだな...この村の襲撃、魔王はどう見る?」
「無論、理由はたったひとつじゃ。だがこの挑発、乗らざるを得まい...」
「あぁ、同じ推察のようだな。わたしからもティップを守る為にこの挑発に乗ってくれ、と頼まざるをえない...すまん」
「いや、いいのじゃ。人間を殺さない、というのもここからの無差別殺人の伏線という事もあ奴ならあり得るからの、更に町の防衛陣を強化しよう!!」
「えっ!?なになに??エラ全然わかんないんだけど??」
「あなたはスパールの防衛の事だけ考えていればいいですわ。マァナ、ウルズの防衛、かなり気合入れないとやられますわよ!!」
「うん。私はサポート活動に専念するわ。残念だけど攻撃力は魔王軍のモンスターさん達には到底かなわないもの...」
「あぁ、マァナさん、そうしてくれると助かる。モンスターという特性上、攻撃か防御、どちらかに能力を全振りしている者が多くてな。サポーターは希少なんじゃ」
全モンスターはしっかりと準備を整え、決戦の日を待つ。
そして、なーごなーごの記憶にも秘密があった事に今は本人さえも気づいていないのだった。

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