無敵少女の意のままに2

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【previously on 無敵少女の意のままに】
スパール侵攻の作戦会議中に、アン捜索中のケルビムと偶然接触。
さやかとうららは辛うじて逃げ切る事に成功した。

ここはスパールの町から少し行った街道。
「あっ、来た来たお~~い、こっちよ~~」
うららを発見したさやかは手を振り居場所を教える。
「ケルビムからうまく逃げたみたいね、大丈夫だった?」
「ごめ~んさやかさん。チートシートバフ紙1枚使っちゃった~~」
「えっ、3枚しかないのに早速使っちゃったの?で、ここでも1枚使うんでしょ?」
「うん、あいつに捕まりそうだったから...」
「まぁ仕方ないわ、相手は軍団長だものね」
「さやかさん、何で逃げたの?さやかさんなら勝てたでしょ??」
「いえ、勝てる確証はないし、あいつが出したあのアイテム...あれは多分ヤバイわ。向こうも私達を研究してるってことよ」
「そっか...ところでチートシートってもう作れないの??」
「無理ね。この世界では超希少な紙と特殊な薬品がいるのよ。私ももう1枚しか持ってないし」
「分かった、大切に使うよ。じゃあ行こう」
2人は合流し、スパールの町に入る。

さやか達は町の隅、人気のない所でその時を待つ。
「本当に2人でやるのねw ハーピークイーンっていう奴も下手すると戦闘になるかもしれないんでしょ?」
「そっちの方が問題ね。余力は絶対に残しておかないといけないわよ。さぁ、そろそろね」
待つ事数分、スパールの町に正午を告げる鐘が鳴り響く。
「さぁ、来るわよ!!」
鐘が鳴ると同時に、町の外から無数の光の線が上空の一点に集まり、ドーム状の結界が張られる。
「なっ、何だこれは??」
スパールの住民が騒ぎ始める。
「町の外に部下を100人用意しての大規模結界よ。出入りも転移も不可!!トーキョーに張られていた結界を再現するのにどれだけ苦労したことか...」
「さやかさん感傷に浸ってないで指示してよw」
「ぐすん、そうね。じゃあ指示するわ『やっちゃえ、うららちゃん!!』」
「了解、いっくぞ~~!!」
うららは空に浮き、魔力を練る。
「♪ぼうや~~、良い子だねんねしなぁ~~...」
「ぷっ、その歌歌わないと使えないの~~?w」
「うるさいわね、使用者が歌ってたんだから仕方ないでしょ~~w」
「そ、そう?意外と忠実に再現する派なのね、うららちゃんw」
うららが歌い終わる。
『ナップ・α・スプレッド!!』

最上級催眠魔法の広範囲版である、そして...
「ここでチートペーパー1枚使用!!」
うららは先ほど使用した紙を一枚破ると、魔法の効果と範囲が町全体に拡がった。
「やるわね~~、ギリギリだけど町の隅々までナップが行き届いたわ」
うららが降りてくる。
「ふぅ。あの保育士の魔法がこんな所で役に立つなんてね」
「あれでしょ?子供がお昼寝の時間になっても遊び続けて困った保育士が血のにじむ努力をして会得したって?w」
「強制的に眠らせるなんて保育士としてどうかと思うけど、それくらい困ってたみたいねw」
「さぁ、ナップが効いてない住民もいるから残党狩りと行くわよ~」
ナップはある程度の強者や先天的に全く効かない者には効果が無い。
また、生粋のショートスリーパーも存在し、効果時間もバラツキがあるのだった。
さやかとうららはスパールの観光名所、歴史展示場に向かう。

「み、みんな、どうしちまったんだ?」
「残党はっけ~~ん」
「うららちゃん、残党は私に任せて」
さやかはスティレットを鳴らす。
「かはっ!!」
住民はその場で倒れ込む。
「それ何?」
「心臓の機能を一時的に止める音。脳に血液が行かなくなって気絶するわ。雑魚はこれで処理していくわ」
「それ、私もヤバくない??音聞いちゃったんだけど」
「そうね、だからピアスは絶対外しちゃだめよ」
「本当に住民殺さないのね、さやかさんって意外と慈悲深い人?」
「日本人だからね、血なまぐさいのはやっぱり嫌いなのよ、臭いしキモいし。そういうのはゲームや映画だけで十分」
「ここもゲームの世界なんでしょ??」
「まぁね、いいっちゃいいんだけど臭いのだけは勘弁ね。私達か弱い乙女じゃない」
「か弱くはないわ、絶対w」
その後も残党を気絶させながらさやか達は目的地に向かう。

「ここが歴史展示場ね」
さやかは錬金に使えそうな物を物色しつつ、目的の物を探す。
「さやかさ~ん、これじゃない??」
「そうそうこれこれ。ハーピークイーンのミイラ」
「なになに?およそ数十年前、軍団を築いて魔王軍に立ち向かったハーピー種の女王の亡骸、だって」
「軍団長数人で協力してようやく倒したって話よ。この事件をキッカケに魔王軍は野良モンスターの不殺を決めたとも言われているわ」
「ふ~~ん、何があったのかしらね。まぁどうでもいいか、で、どうするの??」
「実はね、これミイラ化してるだけでまだ仮死状態なのよ」
「えっ!?生きてるって事??」
「いえ、一般的には死んでるとされてるわ。でも微量な生命反応があることが分かってから復活させる方法をあれこれ考えてたのよ、で、出した結論がこれね」
さやかがアイテムを取り出す。
「エッ、エナジードリンク~~w パッケージ思いっきりあの翼授けるでお馴染みの奴じゃないww」
「中身は濃いわよ~~、生きてる人間が飲むと間違いなくぶっ飛ぶわw」
「面白そう、早くやって早くやって!!」
さやかはミイラの口の中にエナドリを流し込む。
『ドクン!!ドクン!!』
「うわっ、発作みたいな動きしてる、キモっ!!」
「さぁ、蘇りなさい、ハーピークイーン!!」
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