無敵少女の意のままに

CHABO

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As the dew

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【previously on 無敵少女の意のままに】
インチキのような力で予選を勝ち抜いたエラw
ベスト8が出揃い、いよいよ本戦が始まる。

「倍率はまだか、まだか!!」
「落ち着けよケルビム、まぁ今大会は面白いから分かるけどさぁw」
パブリックビューイング会場のドアが開く。
「皆様、お待たせいたしました。協議の結果、こちらがベスト8メンバーの倍率表となります」
「キタキター、早く見せてくれ!!」
「どうなったんじゃー?」
魔王様がケルビムの次に楽しんでらっしゃるなww

「あ、あの妖精が2番人気だと!!」
「はい。水魔法限定とはいえ、あの威力はトップクラスの脅威であると判断致しました」
「アンちゃん、アバちゃん、タマちゃんの並びはどのような評価なのじゃ?」
「はい。ステンノー様の証言を元に能力値をアバドンと相対評価した結果、アンゲロス様がやや有利と判断致しました。タマヨリは憑依能力が未発達ですので両者よりも倍率を下げさせていただきました」 
「確かに5割程度の能力では評価は非常に難しいところじゃしな」
「アンゲロス様はMPを消費せず強力な攻撃が可能、かつ殆どの魔法をあの羽で無効化出来ることから評価は高めとなりました、ですが…」
「ですが?」
「あの妖精のタイダルウェイブ、あれ程の広範囲、かつ高威力の水魔法はさすがのアンゲロス様でも対応は不可能という結論でございます」
「確かに。アンが魔法を使えれば多少は対応も出来ようが、そっちはからっきしだからなぁ」
「で、無敵の勇者は大本命、と?」
「あれは、反則です…」
「だよなぁ~」
その場にいた全員が同時にうなずいたww

その頃、会場ではベスト8の組み合わせ表が発表されていた。

「すごい、わたし達完全にバラけたわね」
エラはサインを求める長蛇の列に対応していたw
「エメリーは一番当たってほしくない奴が1回戦の相手だな...」
「なんでだ??」
「魔法しかお前を倒す突破口ないからだよ。注意しろよ」
「分かった」
「おっ、始まるぞ」

『皆様、大変長らくお待たせ致しました。これより決勝トーナメントを開始致します』

「ア~~ンちゃん♪ ア~~ンちゃん♪」
よく見たらアンちゃんのファンクラブらしきものも出来てるなw
「じゃあ行ってきますわ」
「頑張れよ、アン!!」

『それでは1回戦第1試合、アンゲロス選手VSタマヨリ選手の試合を開始致します』

2人が舞台に揃う。
「タマちゃん、次は誰を呼びますの??」
「ふふ~ん、秘密よ」

『では、試合開始です!!』

開始の号令と共に、タマヨリは憑依術の態勢に入る。
「お早くしてくださいね」
守護兵に攻撃はしない、無駄なのを分かっているからだろう。
しばらくの間、沈黙が続く。
「よし、準備完了。す~~~~っ、お願いしま~~~す!!」
また空に向かって大声で叫ぶ、それやんないとダメなんだなw
ゆっくりとタマヨリは立ち上がった。
「こ、今度は誰なんだ??」
「魔王、とかないわよね...」

「ふっふっふ、大天使ケルビム様、出・張!!」

ケ、ケルビムだ~~~ww

「おっ、おじい様??」
「はっはっは、アンちゃんと当たったら是非使ってくれと頼んでおいたのだ。孫娘の成長を肌で感じたくてな~」

魔王城。
「あやつ、どうりで酒を途中から控えてたわけだ」
「見て楽しんでるだけに飽き足らず、参加までするか...何てお祭り野郎だw」
「うふふ、これは面白い戦いになりますよ~、色んな意味で...」
「色んな意味??どういうことじゃ?パワーちゃん」
「えへへ、楽しみに御覧ください魔王様」

ケルビムの登場にうつむいたきりのアンちゃん。
「どうしたアンちゃん!?さぁ、じいちゃんだろうと遠慮なくかかってこい」
「くっ、くくくくく...」
アンちゃんの様子がおかしい!?
「あははははははははは!!」
ア、アンちゃんが...壊れたww

「お、おい。アンちゃん、どうした?って、おわぁ!!」
鋭い真空破がケルビムを襲い、間一髪かわした。
「おじい様を!遠慮なく!完膚なきまでに!叩きのめす機会を与えてくれたこと!感謝しますわタマちゃん!!」
今まで見たことのない狂気的な顔をしているw
「ア、アンちゃん?じいちゃん今結構ショック受けてるんだけど...どわぁ!!」
またも鋭い真空破をノーモーションで繰り出す。
お前、アンちゃんにこれまで何してきたんだよ、ケルビム!!ww
「行きますわよ~~!!」
そこからのアンちゃんの攻撃は圧倒的だった。
両手、両足から真空破、衝撃破、旋風破の連続コンボを次々に叩き込んでいく。
「ア、アンちゃん。わたしに大技ばかり使うなって言っておいてあんなデタラメな攻撃を...w」
「いや、よく見ろマァナ。攻撃の大きさ、スピード、威力、全てバラつかせて対応をしにくくさせている。アンちゃんは冷静に容赦なくケルビムを倒しに行っているw」
「こっ、これはヤバイ!!」
ケルビムは必死によけたり攻撃反射の魔法でいなし続けているが、初めて一撃喰らう。
「うぐっ!!」
(ライフセービング使って防御力を高めてもダメージが入るか...全部かわすか弾かないとダメだな)
「あっはははははは、どうしましたおじい様!!防戦一方では勝てませんよ~~」
もう完全にトリガーハッピー状態だ。
「わたしの汚点をベラベラしゃべったり...」
「ぐっぬぬぬう...」
「わたしとの約束をドタキャンしたり...」
「ぐぅ、こいつはキツイ!!」
「そして、度重なるパワーお姉様へのセクハラ発言!!」
「のぉぉぉ~~それを今言うか~~」
「一度痛い目に遭うべきですわおじい様~!!」
話しながらアンちゃんの攻撃は苛烈さを増していく。

「何て奴だこの駄天使め、女の敵だ!!やっちまえ~アンちゃん!!」
「そうよそうよ、親失格よあいつ~~!!」
「いやいや落ち着いてよ2人とも。あそこにいるのはタマヨリって子でしょ?基本はww」
これほどまでに味方を応援した事を過去に一度もないくらいわたしは叫んだw

「ト・ド・メ・ですわ~~!!」
両手両足による同時広範囲衝撃破がケルビムを襲った。
「おおおおおおお~~!!」
凄まじい衝撃に舞台が揺れ、バブルの一部が弾け飛んだ。
「バブルが一部弾けるなんて、過去の大会でも類を見ないぞ今の威力は...」
バブルはすぐに自己修復されたが観客や運営は全員、驚愕している。
「はぁ、はぁ...どうなりましたの?」
「あっ、あれは!?」
ケルビムの周囲には、以前パワーが使ったピンク色のどことなくいやらしい雰囲気のシールドが張られているw(67話参照)
「ふぅ、この体でもこの程度の範囲なら使えたか、危なかった」
(ギリギリだった。羽もないから空にも逃げれんしな)
「パワーお姉様のシールド、おじい様も使えたのですね」
「彼女ほどの耐久力はないがな。ほら、シールドはもう朽ちているよ」
シールドはボロボロと崩れ落ちた。
さすがに動きすぎたのか、アンちゃんは疲労困憊だ。
「調子に乗りすぎましたわね。もう腕も足も上がりませんわ...」
「俺もこのシールドと反射魔法の使いすぎでMPがかなり少なくなってしまった。その羽でも防げない魔法で一気に片をつけさせてもらおう。悪く思うなよ、アンちゃん」
「まさか、ウルズで見せたあのスーパー・ノヴァとかいう広範囲爆発魔法か!?(36話参照)」
「ご明答だお嬢さん、これならばアンちゃんは防げ...はっ!?」
何とアンちゃんはケルビムに向かって走っている。
「ヴァーチャーと同じ失態を犯すとは、残念ですわおじい様!!(39話参照)」
「ブラフか!!やべぇぇぇ~~~!!」
もちろん、腕も足もピンピンしているアンちゃんだったw
「至近距離からの~~、ア~~ン・パンチ!!」
一気に距離を詰めたアンちゃんが内臓破壊の殺人パンチを放つ。
「なんちゃって~~!!」
「はっ!?」
ケルビムは霧になって消えていく。
「これは、高等水魔法『アズ・ザ・デュウ』」
「こっちだよ、アンちゃん」
アンちゃんが元居た位置にケルビムは現れる。
「お、お互いが化かし合ったのか。親も親なら子も子だなw」
さすがに魔王6軍団長の1人、一筋縄ではいかないようだ。
でも女の敵は死すべし!!ww
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