無敵少女の意のままに

CHABO

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Never die

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【previously on 無敵少女の意のままに】
樹霊族にエメリーは眠らされ、苦戦中のマァナ。
妖精の1人がダンカー専用の弾丸を持ってきたが、発射された弾は水、だったw

「なぁ~~んで水なのよぉ~~!!」
魔銃から出た弾は、無数の水しぶきとなり、宙に留まる。
「えっ??」
「マァナさん、水だけじゃない、よく見て!!」
よく見ると水しぶきの一粒一粒が回転している。
「風だ!!風と水の合成弾だ!!」
水しぶきはゆっくりと樹霊モンスターに向かっていく。

『ぐぎゃあぁぁぁ~~~!!!』

発射された無数の水玉は刃となり、弾丸となり樹霊モンスターを切り裂き、貫いた。
敵はあっという間にズタズタになる。
「はっ、ははははは。細切れだ、これじゃコアなんて残っちゃいない、勝ったんだよマァナさん!!」

辺りには樹木の残骸のみが残っており、生命反応はない。
「良か...ったわ~~」
この合成弾は今のマァナのレベルで扱える弾ではなかったようで、全精力を使い果たしたマァナは小さくなった後、気絶した。
「大変だ、村に運べ~~」
遠ざかる意識の中で、合成弾への憧れがマァナの中に芽生えていた。

一方ソフィー達。
表のロストウッズに到着、目標地に急ぐ(アンちゃんはソフィーにおぶられてw)
「いたっ!!おい、大丈夫か~~!?」
「はぁ、はぁ、助かった、助っ人か!!」
敵の数がだいぶ減っている、こいつら思ったより強いのか?
「ん~~っ??」
アンちゃんが背中でうなっている。
「よし、アンちゃん処理するぞ、手伝ってくれ!!」
「お姉さま、お待ちなさい。よく状況を観察してくださいまし」
状況??
人間5人は軽傷は負っているが全員無事。
周りには30体程度の死霊系モンスター。
「何だ??何かおかしいか??」
「分かりませんか?例えばほら、あの骸骨騎士、どこに剣振ってるんでしょうねぇ」
確かに...何匹かは誰もいない所に攻撃している。
「これは...まさかネクロマンサー屍術士の仕業か!?」

「ご明答、この精度の低さからすると、本体は相当遠くにいますわね」
ネクロマンシー屍操術は術者から遠ざかるほど精度が落ちる。
「エラ!!ミラーリングの映像は見られるか?」
「う、うん」
「わたしとアンちゃんはこいつらを片付ける。エラは怪しい奴を探してくれ」
「はぁ...。こんなつまんない連中に拳振るいたくないですわ」
わたしとアンちゃんは次々とモンスターを処理していく。
「あ、ありがとう、助かったよ。強いな君たち」
「ポーションだ、5人分ある。ここから先はヤバイモンスターと対峙することになる、どうする?」
「帰るよ。俺はスパールの防具屋のせがれだ、戻ったらお礼をさせてくれ」
「分かった。エラ、帰りの転移空間を開いてくれ」
「はいは~い『チュース!!』」
5人は転移空間で帰っていく。

「さて、術者本人は見つかったか?」
「う~~ん、変な即席の砦みたいなのはあったけど...」
「砦!?そんなもん作ってるのをどうして今まで気づかなかった?」
「こんな深い所、誰も見てないのよぉ~、エラは入り口付近しか見てなかったし...」
「まぁ、目的は達成したし、このまま見て見ぬふりしても...」
「ダメよぉ~~、他の妖精が表に出られなくなるじゃな~~い」
「どちらにせよ、マァナ達の加勢に行くのが優先だと思いますわ。エメリーが心配ですの」
「そうだな、とりあえず泉に戻ろう」
わたし達は一旦、泉に向かった。

「ちょっと、何コレ~~!!」
泉が毒に汚染されている。
「これは...おそらくネクロマンサーに泉が入り口だとバレたのでしょう。わたし達が泉から出た時に鳥獣族がわたし達を監視してましたから」
わたしは全然気づかなかった。
「違う泉に急ぎましょう!!」

それから数か所の泉を確認しに行ったが、全ての泉が毒に汚染されていた。
「これじゃ帰れないし、向こうからも出てこれないわよ~」
「汚染を修復するにしても先にネクロマンサーを退治しないとまた同じことになるな...」
「仕方ないですわね。ネクロマンサーを探しましょう」
「エラ、砦まで案内してくれ」
「分かったわ」
「近づくにつれて敵は強くなりますわ、警戒を怠らないように...」

10分ほど歩いただろうか、敵は確かに少しずつ強くなってきている。
「あとどれくらいだ?」
「このペースならあと15分くらいかな」
「お姉さま、あなたがネクロマンサーならこの後どうしますか?」
「そうだな...わたし達の分析がある程度出揃った頃だ。苦手な種類の敵を厳選して送り込む頃合いかな」
「良い分析ですわ。と、いうわけで来ましたわよ」
無機物族だ。
こいつは岩の化け物、ヴァーチャーが使っていたゴーレム(37話参照)だな。
「ネクロマンシーの受術者は不死身。人型の場合は足を破壊すれば追ってこれませんわ」
「とは言え、手の内はまだ見せたくないな...」
「なら上手く立ち回ってくださいまし」
アンちゃんは手伝わない、お姫様っぷりに拍車かかってるなw

「あぁ、問題ない」
わたしは一目散にゴーレムに向かっていく。
ゴーレムは殴りかかってくる。
「遅いな」
わたしは殴打を避け、後ろに回り込む。
「ここだっ!!」
ゴーレムの関節部分に剣を差し込み、テコの原理で打ち上げる。
奴は片足がもげ、その場に倒れ込む。
「お見事ですわ。これでそいつはもう追ってこれません。最小限の動きで無力化出来ましたわね」
「ソフィーさんすご~い、伊達にもやし生やしてないわね!!」
それ褒めてんのか!?w
「さぁ、行こうか...」
と後ろを振り返った瞬間。

『ゴアァァア~~!!』

「ス、スカルドラゴン~~!!」
骨とは言え、ドラゴンなんて初めて見た!!
奴は毒と炎の混じったブレスを吐いてくる。
「うわわわわぁ~~!!」
わたし達は元来た道を逃げる。
強靭があろうとなかろうとこんなん食らいたくない!!
「アンちゃん~~、何とかしてくれ~~」
「あんな気持ち悪い生き物、絶対相手にしませんわ!!」
もぉ~~、気持ち悪いからこそさっさとやっつけた方が良くないかぁ~~ww
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