無敵少女の意のままに

CHABO

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Sailing day

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【previously on 無敵少女の意のままに】
謎のホムンクルスに襲われたクトゥルフ、約束を破られたクトゥルフw
一方ソフィー達は、次の大陸へ出発する準備にかかっていた。

魔王城から帰還した翌日、昼食後。
「はぁ~、この温泉ともお別れかぁ~...」
「姉ちゃんホント温泉好きだなぁ~」
「マァナうまく交渉出来ますかね?」
「大丈夫だろ、あいつあっという間にここの兵士と仲良くなってたからな」
「ホント、人ったらしすぎて危なっかしい子ですわ」

風呂上がり、食堂。
「あっおかえり~、お風呂気持ちよかった~?」
昼間っからビール飲んでやがるw
「馬車を借りる交渉はうまくいったのか?」
「うん、むしろ連れて行ってくれるってさ。マァナちゃん行かないで~、って泣きつかれちゃったけど~」
出た、無意識の人ったらしw
「ってわけでぇ~、わたしが運転する必要なくなったからビール浴びてるってわけ~」
「欲望に真っすぐでいつも感心させられるよ...」
「あら、ありがと~」
「マァナ、今のは皮肉ですわよ、全く...」

数日お世話になった宿主にお礼を告げ、わたし達は馬車に乗り込んだ。
周りには送り出しの兵士たちが集まっている。
「本当に行っちゃうんだね~、寂しくなるよ~」
「改めてこの国を救ってくれてありがとう、皆さん!!」
「また遊びにくるからね~」
「またなぁ~~バイバ~~イ」
馬車が動き出す。

山道をゆっくりと馬車が下っていく。
「兵士の方々は下山まで連れ添ってくれるってさ」
「じゃあ外の警戒は必要なさそうだな、今後の予定を立てようか」
「ペイサンからは2つの便が出てるわ。サウスウェスト大陸かノースウェスト大陸だけど...」
「ノースウェストは例の滅んだ町がある大陸なので、行かない方が無難ですわね」
「じゃあサウスウェストに決まりだな、確かあの大陸は文明レベルが低くて未開拓な場所がまだゴロゴロあるって話だが」
「最近はそうでもないみたいよ。むしろ豊富な資源で荒稼ぎして全世界で最もバブルな状況って聞くし」
「綺麗な鉱石とかもたくさんありそうですわね~」
「おいしいもんいっぱいあるかな?」
「そうだな、そういうのを自分で見て回るのが旅の醍醐味だからな」
そんな話をしていると、周りの兵が騒ぎ出した。
「モ、モンスターだ!!しかもかなりヤバそうな奴だぞ!!」
「お前ら、戦闘準備だ!!」
わたし達は戦闘準備をし、馬車の外に出る。
「あっ、美人の姉ちゃんだ」
そこに立っていたのはステンノーだった。
「ソフィーさん、下がって!!あいつはかなりヤバイ!!」
「あ~~、いいんだ、大丈夫。何というか...連れだ」
「はっ!?連れ??」

ステンノーも馬車に乗り込み、移動しながら話を聞くことになった。
「昨日別れたばかりだろ?早速来るとかw」
「ごめんなさいね。昨夜、クトゥルフ様が耳に入れておきたい情報を持ち帰ったのよ」
「確か、ライブ行ってたのよね、アイドルの...」
「そう。その帰りにあり得ないくらい精巧なホムンクルスに襲われたそうなの。強さは上級モンスタークラスだったそうよ」
「ホムンクルス...って人造人間よね?そんな強い存在生み出せる技術なんて聞いたことないのだけれど...」
「えぇ。悪魔族も研究はしてたのだけど、数分で崩れ落ちてしまうの、定着しないのよ、何やっても」
「分かった。おそらく黒幕の差し金だろうな、注意するよ。だからそろそろ帰ってくれ、兵士がお前をチラチラ見てうっとうしいw」
「あら?わたしの魅力が業務に支障を及ぼしているみたいね、じゃあまた来るわ、道中気を付けて」
ステンノーは転移魔法で消えた。
「仕方ありませんわ。ステンノー、エウリュアレ、メドゥーサ3姉妹は男を惑わす姿を好むので...悪気はありませんわ」
「ソフィーちゃんもあれくらい大人の魅力つくといいわねぇ~」
「うるさい!お前もあんま変わんないだろマァナ」
「あら?わたしは健康美で売ってるの、結構モテるのよ~」
「うちは姉ちゃん好きだぞ、男っぽくて!!」
「あははエメリーちゃん、それトドメ~ww」
くそっ、がんばろ...。

そこから途中で村に寄ったり何だかんだで2日経過、ようやくペイサンに到着した。
「はぁ~、ようやく着いたか~遠かったな」
「ソフィーさん、我々は少し休憩したら村に戻ります、お疲れ様でした、良い旅を!!」
「本当にありがとう!!王様にもよろしく伝えてくれ」
兵士たちと別れる。
「小さな港町だな、少し休んでいくか?」
「いえ、すぐ乗りましょう。サウスウェスト行きの船は今日を逃すと5日後って書いてあるわ」
「それならば仕方ありませんわね、こんな所に5日もいられませんわ」
みすぼらしい町に辛辣な本音をぶつけるアンちゃん、そういうとこモンスターっぽいなw
わたし達は乗船手続きをして早速船に乗り込む。
「実は船は初めてですの、美しい海、少し楽しみですわ~」
「お嬢ちゃん残念だな。ここらの海は黒海って呼ばれててな。見渡す限り真っ黒だ、我慢しな」
「あ...ああああぁぁぁぁ...。」
アンちゃんが、ダメージを受けているww
「藻か何かか?残念だな」
「あと、普通に魚人族が襲ってくることもあるからな、東の海とは危険度が違うから戦闘準備だけはしといてくれよ。さぁ、出航だ~~!!」
どうやら今回の航海は油断できないみたいだな...。
そういえば...何か忘れてる気が...。
「どうしたの?ソフィーちゃん」
「いや、何か忘れてると思ってウルズから行動を順に思い出してるんだが...あぁぁ~~~!!!」
「びっくりした~~、なになに~~??」
「キャブルで遺跡の報酬、貰ってない!!」

「あっ、あぁぁぁぁ~~!!!」

金に人一倍うるさいマァナの叫び声と共に船は離岸したw
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