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The fairy queen
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【前回までのあらすじ】
妖精族の住むロストウッズに向かうマチルダ達。
入り口を案内したのは臨時で仲間になったターニャだった。
ロストウッズに突入したマチルダ達を待ち受けていたのは、下級モンスターの猛襲だった。
マチルダ「はぁ、はぁ。何よこのモンスターの量。それに樹霊とかアンデッドとか表ではあまり見ないモンスターばかり...」
ターニャ「ロストウッズは非常に魔素が濃いので、樹木や草木が生を持ち、死者がアンデッド化しやすい環境だと聞いておりますわ」
アスタロト「じゃあ妖精だってただじゃ済まないんじゃないの??」
ターニャ「妖精はすばしっこくて、特に逃げる時の速さは光速とも音速とも言われているくらいですので大丈夫なのでしょう」
グディオン「それ聞いたことある~。でも根が単純だからお菓子とか甘いもので簡単に釣られて人身売買されてるって話よね」
ターニャ「今は魔王軍がしっかりと法治しておりますので、そのような蛮行は相当な罰が与えられるはずですわ、それに...」
マチルダ「それに??」
ターニャ「今は全世界が冒険者という共通の敵を持っていますので犯罪率は激減し、以前とは比べ物にならないほど1枚岩となっていますわ。何せこの世界存続に関わる脅威なのですから...」
マチルダ「...」
ターニャ「??」
アスタロト「さっ、そろそろよね? ターニャちゃんが言ってた泉って」
アスタロトが気を遣い、うまく話題を逸らす。
グディオン「泉に何があるの??」
ターニャ「妖精族の集落への入口ですわ。特別な呪文を使い飛び込む事で集落へ辿り着けますの、むっ!!」
ターニャが何かに気づく。
マチルダ「後ろからすごい魔力の何者かが来る!!」
アスタロト「あれ? あららステンノーじゃな~~い」
ステンノー「アスタ...ロト。また会ったわね」
ターニャ「あなたが噂の大悪魔ルシファーの娘にして天才悪魔と名高いステンノーさんですわね。お初にお目にかかります、ターニャと申しますわ」
ステンノー「これはこれはご丁寧に...。でももっとぶっきらぼうでいいのよ、唾なんて吐かれるとちょっと私、ヤバイかも...」
いやヤバイのはお前だw
アスタロト「どうしたの、こんな所に」
ステンノー「私はルシファー様のお使いで妖精族に用事があってね。あっ、そうそう、マチルダさんとターニャさんにこれを渡しておくわ、何でも持ってるだけで魔法防御力が上がる特殊な札、だそうよ。魔王様が全世界の人間族に配布してるの」
マチルダ「それはありがたいけどまた何で??」
ステンノー「ご存知の通り現魔王様は人間であらせられます。種族的に能力の劣る人間族を保護するための施策の一環、だそうよ」
マチルダ「ふ~~ん、まぁいいわありがとう」
マチルダとターニャは札を受け取る。
マチルダ「んっ、何か札が変色していってるけど...ターニャちゃんのは??」
ターニャ「いえ、わたくしのは特に何も...」
ステンノー「....。あっ、そうだ急用を思い出したわ。じゃあ皆さんごきげんよう」
ステンノーは引き返そうとする。
ターニャ「待ってくださいまし。このお札、何の魔力も感じませんわ。本当のところ、これは一体何ですの?」
ステンノー「い、いえ、私は何も知りません。ただ渡せと言われただけで...」
ターニャ『エンフォースメント!!』
アスタロト「ぶわっ、なになになに???」
ターニャが小指をステンノーに向け、何かを唱えると、球状の部屋が広がり、ターニャとステンノー以外が押し出される。
ステンノー「こっ、これは??」
ターニャ「わたくしの小指の能力エンフォースメント。この球状の部屋からは自力で出ることは出来ませんわ」
マチルダ「ターニャちゃんどうしたの?? 何故そんな事を...」
ターニャ「答えよステンノー。そなた、何を隠しておる? この札は何じゃ??」
ターニャの口調が変わる。
ステンノー「...あなた、何者?? どこか違和感は感じてはいたけど、少なくとも人間ではないわね」
ターニャ「さすが現世の神話級悪魔じゃ、違和感を感じるだけでも大したものよ。良かろう、正体を明かしてしんぜよう」
そう言うとターニャの体が発光し、真の姿となった、その正体は...
ステンノー「ままままままま、まさ、まさか...そのお姿は...ティ、ティターニア様!!!!」
ティターニア「いかにも。っと、口調はターニャのままでおらねばな。その通り、わたくしの正体はティターニアですわ」
アスタロト「ティ...ティターニア...。大昔、大魔王様を凌ぐ実力を持つとされていた妖精族の女王、伝説級の人物じゃない。。まだ生きてたなんて...」
グディオン「ターニャちゃんすっごい人だったんだね~~、後で遊ぼ~~」
ティターニア「えぇ、もちろんですわグディオンちゃん。マチルダさんすみません、騙してしまって...」
マチルダ「いえ、そんな事は今はいいわ。それよりこの札、何がひっかかったの??」
ティターニア「長年の勘、という奴ですわ。どうなのですか?ステンノーさん??」
ステンノーは敬服し、小刻みに震えながら土下座のスタイルだw
ステンノー「わわわわ、わたくしの様な下賤な者と会話をしてくださるなど何たる光栄。貴方様のお噂、伝説は書物となり、このステンノー、幼少期よりあなた様に憧れているしがなく陳腐な悪魔族のひとりにございます。このようなみすぼらしい姿にて貴方様のお目を汚してしまった事、深くお詫び申し上げますっっ!!」
ティターニア「頭を上げてくださいまし。わたくしへのその敬意、悪い気はしませんがそれでは答えになっていませんよ」
ステンノー「たたた、大変申し訳ございません。ですが...ですが、こればかりは申し上げるわけには参りません、何卒ご容赦を...」
ステンノーは伝説の大妖精に会った事でただのオタクになってしまっており、戦闘意欲などまるで削がれてしまっていたw
ティターニア「...弱りましたね、このパターンは体験した事がありません。普通なら玉砕覚悟で向かってくるのですが...。では少しやる気を湧かせて差し上げるとしましょうか...妖精族オリジナル魔法『moremore』」
ティターニアはステンノーに魔法を浴びせる。
ステンノー「なっ、何でしょう...。不遜と知りつつも貴方様に挑みたくなってきました」
ティターニア「この魔法は妖精族の子供同士が遊んでいた時に相手が飽きて帰ろうとした時、強制的にもっと遊びたくなるように編み出された魔法ですわ」
いや、ろっくでもねぇな、妖精族ww
ティターニア「先にこの部屋でのルールを説明しておきましょう。この部屋は別名『告白と強要の間』あなたがわたくしに負けると隠し事を包みなく吐き出し、その後わたくしはあなたの記憶を都合良く上書きすることが出来るのです。もちろんこの部屋であなたが死ぬ事はありません、遠慮なくかかって来るといいですわ」
ステンノー「相手にとって不足なし。遠慮なく参ります大妖精ティターニア様!!もし敵わなければ容赦なく、徹底的に痛めつけてくだされば至福にございます!!」
ティターニア「えぇ~~…w」
魔法にかかっているにも関わらず、最大限の敬意を払うステンノー。
彼女の自己肯定感の低さとMっ気は女王の魔法ですら治せないほど重症であったw
.........................
【補足コーナー】
・妖精族は地上ではレア種族なので、誘拐拉致が多発していた
・この地方は大悪魔ルシファー管轄の土地であり、その娘であるステンノーも妖精族の集落へは自由に行き来できる許可を貰っていた
・ロストウッズ内では転移魔法は発動しない
・ステンノーにとってティターニアは神以上の憧れの存在
・エンフォースメント内で術者が万が一負けた場合も相手に同じ状況を強要される
妖精族の住むロストウッズに向かうマチルダ達。
入り口を案内したのは臨時で仲間になったターニャだった。
ロストウッズに突入したマチルダ達を待ち受けていたのは、下級モンスターの猛襲だった。
マチルダ「はぁ、はぁ。何よこのモンスターの量。それに樹霊とかアンデッドとか表ではあまり見ないモンスターばかり...」
ターニャ「ロストウッズは非常に魔素が濃いので、樹木や草木が生を持ち、死者がアンデッド化しやすい環境だと聞いておりますわ」
アスタロト「じゃあ妖精だってただじゃ済まないんじゃないの??」
ターニャ「妖精はすばしっこくて、特に逃げる時の速さは光速とも音速とも言われているくらいですので大丈夫なのでしょう」
グディオン「それ聞いたことある~。でも根が単純だからお菓子とか甘いもので簡単に釣られて人身売買されてるって話よね」
ターニャ「今は魔王軍がしっかりと法治しておりますので、そのような蛮行は相当な罰が与えられるはずですわ、それに...」
マチルダ「それに??」
ターニャ「今は全世界が冒険者という共通の敵を持っていますので犯罪率は激減し、以前とは比べ物にならないほど1枚岩となっていますわ。何せこの世界存続に関わる脅威なのですから...」
マチルダ「...」
ターニャ「??」
アスタロト「さっ、そろそろよね? ターニャちゃんが言ってた泉って」
アスタロトが気を遣い、うまく話題を逸らす。
グディオン「泉に何があるの??」
ターニャ「妖精族の集落への入口ですわ。特別な呪文を使い飛び込む事で集落へ辿り着けますの、むっ!!」
ターニャが何かに気づく。
マチルダ「後ろからすごい魔力の何者かが来る!!」
アスタロト「あれ? あららステンノーじゃな~~い」
ステンノー「アスタ...ロト。また会ったわね」
ターニャ「あなたが噂の大悪魔ルシファーの娘にして天才悪魔と名高いステンノーさんですわね。お初にお目にかかります、ターニャと申しますわ」
ステンノー「これはこれはご丁寧に...。でももっとぶっきらぼうでいいのよ、唾なんて吐かれるとちょっと私、ヤバイかも...」
いやヤバイのはお前だw
アスタロト「どうしたの、こんな所に」
ステンノー「私はルシファー様のお使いで妖精族に用事があってね。あっ、そうそう、マチルダさんとターニャさんにこれを渡しておくわ、何でも持ってるだけで魔法防御力が上がる特殊な札、だそうよ。魔王様が全世界の人間族に配布してるの」
マチルダ「それはありがたいけどまた何で??」
ステンノー「ご存知の通り現魔王様は人間であらせられます。種族的に能力の劣る人間族を保護するための施策の一環、だそうよ」
マチルダ「ふ~~ん、まぁいいわありがとう」
マチルダとターニャは札を受け取る。
マチルダ「んっ、何か札が変色していってるけど...ターニャちゃんのは??」
ターニャ「いえ、わたくしのは特に何も...」
ステンノー「....。あっ、そうだ急用を思い出したわ。じゃあ皆さんごきげんよう」
ステンノーは引き返そうとする。
ターニャ「待ってくださいまし。このお札、何の魔力も感じませんわ。本当のところ、これは一体何ですの?」
ステンノー「い、いえ、私は何も知りません。ただ渡せと言われただけで...」
ターニャ『エンフォースメント!!』
アスタロト「ぶわっ、なになになに???」
ターニャが小指をステンノーに向け、何かを唱えると、球状の部屋が広がり、ターニャとステンノー以外が押し出される。
ステンノー「こっ、これは??」
ターニャ「わたくしの小指の能力エンフォースメント。この球状の部屋からは自力で出ることは出来ませんわ」
マチルダ「ターニャちゃんどうしたの?? 何故そんな事を...」
ターニャ「答えよステンノー。そなた、何を隠しておる? この札は何じゃ??」
ターニャの口調が変わる。
ステンノー「...あなた、何者?? どこか違和感は感じてはいたけど、少なくとも人間ではないわね」
ターニャ「さすが現世の神話級悪魔じゃ、違和感を感じるだけでも大したものよ。良かろう、正体を明かしてしんぜよう」
そう言うとターニャの体が発光し、真の姿となった、その正体は...
ステンノー「ままままままま、まさ、まさか...そのお姿は...ティ、ティターニア様!!!!」
ティターニア「いかにも。っと、口調はターニャのままでおらねばな。その通り、わたくしの正体はティターニアですわ」
アスタロト「ティ...ティターニア...。大昔、大魔王様を凌ぐ実力を持つとされていた妖精族の女王、伝説級の人物じゃない。。まだ生きてたなんて...」
グディオン「ターニャちゃんすっごい人だったんだね~~、後で遊ぼ~~」
ティターニア「えぇ、もちろんですわグディオンちゃん。マチルダさんすみません、騙してしまって...」
マチルダ「いえ、そんな事は今はいいわ。それよりこの札、何がひっかかったの??」
ティターニア「長年の勘、という奴ですわ。どうなのですか?ステンノーさん??」
ステンノーは敬服し、小刻みに震えながら土下座のスタイルだw
ステンノー「わわわわ、わたくしの様な下賤な者と会話をしてくださるなど何たる光栄。貴方様のお噂、伝説は書物となり、このステンノー、幼少期よりあなた様に憧れているしがなく陳腐な悪魔族のひとりにございます。このようなみすぼらしい姿にて貴方様のお目を汚してしまった事、深くお詫び申し上げますっっ!!」
ティターニア「頭を上げてくださいまし。わたくしへのその敬意、悪い気はしませんがそれでは答えになっていませんよ」
ステンノー「たたた、大変申し訳ございません。ですが...ですが、こればかりは申し上げるわけには参りません、何卒ご容赦を...」
ステンノーは伝説の大妖精に会った事でただのオタクになってしまっており、戦闘意欲などまるで削がれてしまっていたw
ティターニア「...弱りましたね、このパターンは体験した事がありません。普通なら玉砕覚悟で向かってくるのですが...。では少しやる気を湧かせて差し上げるとしましょうか...妖精族オリジナル魔法『moremore』」
ティターニアはステンノーに魔法を浴びせる。
ステンノー「なっ、何でしょう...。不遜と知りつつも貴方様に挑みたくなってきました」
ティターニア「この魔法は妖精族の子供同士が遊んでいた時に相手が飽きて帰ろうとした時、強制的にもっと遊びたくなるように編み出された魔法ですわ」
いや、ろっくでもねぇな、妖精族ww
ティターニア「先にこの部屋でのルールを説明しておきましょう。この部屋は別名『告白と強要の間』あなたがわたくしに負けると隠し事を包みなく吐き出し、その後わたくしはあなたの記憶を都合良く上書きすることが出来るのです。もちろんこの部屋であなたが死ぬ事はありません、遠慮なくかかって来るといいですわ」
ステンノー「相手にとって不足なし。遠慮なく参ります大妖精ティターニア様!!もし敵わなければ容赦なく、徹底的に痛めつけてくだされば至福にございます!!」
ティターニア「えぇ~~…w」
魔法にかかっているにも関わらず、最大限の敬意を払うステンノー。
彼女の自己肯定感の低さとMっ気は女王の魔法ですら治せないほど重症であったw
.........................
【補足コーナー】
・妖精族は地上ではレア種族なので、誘拐拉致が多発していた
・この地方は大悪魔ルシファー管轄の土地であり、その娘であるステンノーも妖精族の集落へは自由に行き来できる許可を貰っていた
・ロストウッズ内では転移魔法は発動しない
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