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Injustice

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【前回までのあらすじ】
無事、能力授受のための試験も終わり、いよいよマチルダは人間神族秘伝の能力を修得することに。
しかしアペプからとある能力を得ることも条件に加えられるがその能力とは。。

マチルダが能力を修得し終えるのを待つ一行とワクムスビ。

ななこ「どんな能力があるんだろう??」

ワクムスビ「私達は閲覧を禁止されていますので内容は分かりかねますが、あの書物の能力は全てアペプ様のオリジナル能力です」

アスタロト「えっ!! 代々伝わる人間神族の凄い能力じゃなかったの??」

ワクムスビ「えぇ、元々はそうでした。しかしアペプ様が開発した能力は全てそれらの上位互換でしたので、全てアペプ様オリジナル能力に上書きされた模様です」

グディオン「へぇ~~、おばぁちゃんってやっぱ凄いんだぁ~~」

ワクムスビ「そうよお孫さん。あなたのお祖母様は歴代人間神族でもトップクラスに優秀で、それでいてかわいらしくて、無邪気で、とても愛おしい存在で...」

ななこ「ワクムスビさん、それくらいで...w」

ワクムスビ「し、失礼しました。アペプ様の話題になるとつい...」

アスタロト「あっ、出てきたね」

マチルダが一行の元に戻ってくる。

マチルダ「全く...ハメられた気分だわ」

ななこ「マチ、何かプリプリしてない??w」

マチルダは直前で知らされた条件について話す。

ななこ「へぇ...あのおばぁちゃんなかなか考えてるのね。じゃあせっかくだから見せてよ」

ワクムスビ「私からもぜひ、ぜひともお願いします!!」

マチルダ「視線が熱いわ、あと距離が近い、ちょっと離れてちょうだいw まぁどうせ使う事になるんだからここで一回試しておくわ、みんな見てて。薬指の能力『ノートレンド・ノーライフ!!』」

マチルダが薬指を掲げると、全身が発光する。

ななこ「せ、成功?? お~いマチ~~」

マチルダ「にゃはははは、無事会得させたようじゃな。でかしたぞククリ、ワク」

ワクムスビ「アペプ様~~。もっと頻繁に来てくださいよぉ~、寂しいです~~」

マチルダがアペプから条件として会得必須とされた能力とは、一定時間アペプを自身に憑依させる能力だった。

アペプ「ふむ、この娘、まだ魔力量が大してないのぅ。これでは憑依出来る時間も数分ってところかの。じゃがこれで世界各地のトレンドを自身の目で耳で体で感じる事が出来るのじゃ!! 今日は祝杯じゃな♪」

ななこ「声も姿もマチのまんまだから、何かすっごい違和感、でもちょっと新鮮w」

グディオン「おばぁちゃんなの? 聞いたよ、おばぁちゃん凄い人だったんだね~」

アペプ「ぜ~んぜん凄くないぞよ。ワシよりもっとトレンドに詳しい猛者はこの世に五万とおるからの」

いや、そういう話してんじゃないんだけどw

ワクムスビ「うふふ、ご謙遜なさるアペプ様も素敵にございます」

こいつもダメだなw

アペプ「と、いうわけでお仲間の諸君。新しい土地に到着した際には必ずワシを呼ぶようにこの娘によく言い聞かせておくようにの。もちろんピンチの時に呼び出してくれて構わん、ギブ&テイクで行こうではないか」

アスタロト「師匠の体でアペプさんの能力が使えるってこと??」

アペプ「いや、それは無理じゃが知識と戦術には自信があるからの。魔王軍では軍師の真似事のような事もしとったしな」

ククリヒメ「アペプ様。彼女が会得した能力はこの『ノートレンド・ノーライフ』と『オプティカルイリュージョン』『アンダーカバー』の3種類とのことです」

アペプ「オプティカルイリュージョンは予想通りじゃったが、アンダーカバーを選択するとはの。正攻法でぶつかるのを嫌気いやけする娘のようじゃ」

ななこ「??」

アペプ「ふむ、まぁ詳しくは直接聞くがえぇ。今回はこれでお暇するからの、後はよろしく頼むぞよ、ククリ、ワク」

ククリヒメ「かしこまりました」

ワクムスビ「近い内にまたお越しくださいね~」

マチルダの体からアペプが抜ける。

マチルダ「ふぅ。この能力気持ち悪いわ~。自分の意識があるのに全部あのばぁさんに乗っ取られてるんだもの」

ななこ「へぇ~、じゃあ今の会話も全部聞こえてたんだ」

マチルダ「えぇ。助言を聞いたりするのに意外と使い勝手いいかもね、なるべく使いたくないけど...w」

アスタロト「他2つの能力はどんなのなの??」

マチルダ「オプティカルイリュージョンはあのばぁさんが魔王護衛軍と戦った時に使ってた能力よ。発動すると対象者のみに幻影を見せることが出来るわ」

アスタロト「なるほどね。だから攻撃当たんなかったのね」

マチルダ「ただ、あのばぁさんはこの能力に他の何かを複合して使用してたっぽいけどね。じゃないと私達から見てまるっきり外れた位置に攻撃を放ってた事に説明がつかないから」

おそらく召喚体である事を利用した何かだとマチルダは感じたが、それに言及し始めるとアペプが既に死んでいる事に勘付かれる恐れがあると思い、マチルダはそれ以上この能力についての言及は避けた。

マチルダ「で、アンダーカバー。これは出会った事のある人物を呼び出して戦う事が出来るわ。それに勝利すると実際戦う時に全てのアビリティ値を50%ダウンすることが出来るの」

ななこ「ナニソレ? ムチャクチャな能力じゃない。相手はそれに気付けないんでしょ??」

マチルダ「そっ。本人は一切防ぐ事が出来ない究極のデバフ能力よ」

グディオン「面白そ~~、マチさんにピッタリだね」

マチルダ「何かバカにされた気分だけどまぁいいわw ねぇアスタロト、今の私達4人で勝てそうな魔王護衛軍は誰かいるかしら?」

アスタロト「えっ?? う~~ん、アンゲロスは無理でしょ。妖精エラも魔法陣厄介だし。あのエルフ族最強ララノアの娘ディネリンドは最近どんどん力つけてるって話。人間2人も厄介な武器持ってる...。強いて言えば同じ悪魔族のアビゲイルかしら?」

ななこ「確かネクロマンサー屍術士だったっけ?」

アスタロト「そうね。ネクロマンシー屍術は厄介極まりないけど、本体を叩けば問題ないし、アビゲイルは素の能力は全然大した事ないからね、何とかなると思うわ」

マチルダ「決まりね、じゃあ今日は休んで明日、早速戦いましょう」

この時、マチルダは能力を修得した直後で若干、テンションが上がっていた。
テンションが高い時はIQが下がるので、大事な決め事は決してしないように、おじさんとの約束だよw

......................................
【補足コーナー】
・滅多に使わないかつ緊急性の低い能力は、最も自由が効かない薬指に修得させるのが鉄板である(非常にどうでもいい情報w)
・憑依の時間は本体の魔力量に比例する
・アンダーカバーにてアビリティ値が減少する対象は、呼び出した際に戦闘に参加した全員に適用される
・アビゲイルの素の能力は、中級クラスの下の上程度
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