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Old hag
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【前回までのあらすじ】
能力授受の試験として両人間神族と戦うことになり、ククリヒメには作戦勝ちを収める。
しかし。ワクムスビとタイマンしていたななこはどうやら敗北したようで...。
3人はワクムスビとの臨戦態勢を取るが...。
ワクムスビ「マチルダ様、それには及びません。ククリヒメを従えている所を見ると彼女を撃破されたのでしょう? で、あれば今回のテストは合格です」
ククリヒメ「っていうか勝敗関係ないんだけどね~」
ワクムスビ「はい、勝敗は関係なく能力の書かれた書物はお貸しするつもりでした、申し訳ありません」
マチルダ「そんな事だろうと思ったわ。ククリヒメさん、グッちゃんの攻撃を待ってたもんね、勝つつもりなかったでしょ??」
ククリヒメ「アペプ様のお孫さん相手だったからどうも遠慮しちゃったわ」
ワクムスビ「しかし驚きました。ななこ様はこの世界では見たことのない格闘術をお使いになる。しかも一撃はとてつもなく重たい...全てガードはしましたがその上からでもかなりのダメージを負いましたわ」
ななこ「えへへ、1発も当たんなかったなぁ~、悔しい」
ワクムスビ「もしよろしければですが、わたくしの使用する格闘術『獣道』を学ぶ気はありませんか? 直感の鋭いななこ様にピッタリですし、少し学べばわたくしなどすぐに置き去りに出来るほどセンスがあると感じました」
ななこ「面白そう...是非お願いしたいわ」
ククリヒメ「さすがアペプ様が認めた連中ね、まだ発展途上だけど全員秘めたる力は大したものだわ」
グディオン「えへへ、2人共おばぁちゃんの事好きなんだね、嬉しいな」
ククリヒメ「お孫さん!! その発言は...」
ワクムスビ「そ~~~~~なんですよ~~!! アペプ様って相当なご高齢でありながら無邪気でキラキラしててお強くて。この前もある地方でこんなトレンドが出始めましたよってご報告したら『なんじゃと、もっと、もっと詳しく教えてけれ!!』な~~んて目をキラキラさせながらわたくしに懇願なさるんですよ~~、も~~かわいくってかわいくって!!」
マチルダ(うっわ~~、超早口w 推しへの熱い想い聞くのしんどいわ~w)
ククリヒメ「は~いワク、そこまで!! っとこんな感じね。私は魔王軍在籍時にとてもお世話になったので離脱後は私が恩返ししたいと思ってね、色々と世話させてもらってるわ」
アスタロト「あははは、大人気ね、あのおばあちゃん」
ククリヒメ「さぁ、こちらに。能力の書かれた書物をお渡しします。どなたが修得されますか?」
マチルダ「私と...あと誰かいる??」
グディオン「私はパスね」
アスタロト「私も遠慮しとくわ」
マチルダ「??どうしてよ? かなり貴重な能力なのよ??」
アスタロト「う~~ん、まだ研究段階だけどね、能力を得れば得るほど、魔法の能力向上が頭打ちしちゃう可能性があるんですって」
マチルダ「えっ? そうなの??」
グディオン「うん。5本全部の指の能力を備えた人と、魔法だけの人の魔法能力向上の比較をしたら明確に差が出たって何かの記事で見たよ」
マチルダ「そうなのね...じゃあ私だけにしておきましょう、ななこも今回はパスした方がいいわね」
ななこ「うん、ビルドの方向性はもう少し考えたいからね」
ククリヒメ「ビルド??」
ななこ「あぁ、深い意味はないの、どう成長して行こうかまだ考え中ってだけで...」
マチルダ(私達が冒険者だってことは伝えていないみたいねアペプさん)
ククリヒメ「ではマチルダさん、こちらに」
奥の小さい部屋に通され、奥から能力の書かれた書物を持ってくるククリヒメ。
マチルダ「それが秘伝の書物ね、ありがとう」
ククリヒメ「......。」
マチルダ「どうしたの? 早く貸して」
ククリヒメは書物を渡そうとしない。
ククリヒメ「マチルダさん。アぺプ様から能力授受最後の条件をお話しします」
マチルダ「条件?? こんな直前で??」
ククリヒメ「えぇ、この条件は書物を渡す直前で言うように、との指示なので...。私を恨まないでねw 能力授受の条件は、この能力を必ず修得する事です」
ククリヒメは書物のとある箇所を指さす。
マチルダ「能力を? どんな能力...ゲッ!! あんのばあさん、最初からこれを私に修得させるのが目的だったのか!! 通りで気前が良すぎると思ったわ!!」
ククリヒメ「アペプ様は世界中のトレンドを求めるのに手段を問わないわ。これから世界中に赴くあなた達を見て利用できると考えたのでしょうね。で、どうする? これが飲めないならお引き取り頂く事になるのだけれど...」
マチルダ「くっそ~~~、飲むわよ、仕方ないでしょ!! 指一本奪われた気分だわ!! こうなったらこの能力で逆に報復してやるわ」
ククリヒメ「あ、ははははは...頑張ってねw」
まんまとアペプに嵌められたマチルダ。
しかしこの能力によって後にマチルダ達は何度も絶体絶命の危機を回避する事をこの時は知る由もなかった。
.........................
【補足コーナー】
・ななこは昔から世話になっている近所のじいさんの経営しているよくわからない格闘術を幼少期より習っているw
・獣道とは文字通り獣人族が得意とする、五感と第六感を頼りに戦う格闘術で決まった型はない。故に相手にとっては読みづらく厄介な近接格闘術である
・ククリヒメはアペプの世話に恩義を感じているのは確かだが、それは表向きの理由で、ワクムスビと百合関係にあるので一緒に洞窟にいるだけであるw
能力授受の試験として両人間神族と戦うことになり、ククリヒメには作戦勝ちを収める。
しかし。ワクムスビとタイマンしていたななこはどうやら敗北したようで...。
3人はワクムスビとの臨戦態勢を取るが...。
ワクムスビ「マチルダ様、それには及びません。ククリヒメを従えている所を見ると彼女を撃破されたのでしょう? で、あれば今回のテストは合格です」
ククリヒメ「っていうか勝敗関係ないんだけどね~」
ワクムスビ「はい、勝敗は関係なく能力の書かれた書物はお貸しするつもりでした、申し訳ありません」
マチルダ「そんな事だろうと思ったわ。ククリヒメさん、グッちゃんの攻撃を待ってたもんね、勝つつもりなかったでしょ??」
ククリヒメ「アペプ様のお孫さん相手だったからどうも遠慮しちゃったわ」
ワクムスビ「しかし驚きました。ななこ様はこの世界では見たことのない格闘術をお使いになる。しかも一撃はとてつもなく重たい...全てガードはしましたがその上からでもかなりのダメージを負いましたわ」
ななこ「えへへ、1発も当たんなかったなぁ~、悔しい」
ワクムスビ「もしよろしければですが、わたくしの使用する格闘術『獣道』を学ぶ気はありませんか? 直感の鋭いななこ様にピッタリですし、少し学べばわたくしなどすぐに置き去りに出来るほどセンスがあると感じました」
ななこ「面白そう...是非お願いしたいわ」
ククリヒメ「さすがアペプ様が認めた連中ね、まだ発展途上だけど全員秘めたる力は大したものだわ」
グディオン「えへへ、2人共おばぁちゃんの事好きなんだね、嬉しいな」
ククリヒメ「お孫さん!! その発言は...」
ワクムスビ「そ~~~~~なんですよ~~!! アペプ様って相当なご高齢でありながら無邪気でキラキラしててお強くて。この前もある地方でこんなトレンドが出始めましたよってご報告したら『なんじゃと、もっと、もっと詳しく教えてけれ!!』な~~んて目をキラキラさせながらわたくしに懇願なさるんですよ~~、も~~かわいくってかわいくって!!」
マチルダ(うっわ~~、超早口w 推しへの熱い想い聞くのしんどいわ~w)
ククリヒメ「は~いワク、そこまで!! っとこんな感じね。私は魔王軍在籍時にとてもお世話になったので離脱後は私が恩返ししたいと思ってね、色々と世話させてもらってるわ」
アスタロト「あははは、大人気ね、あのおばあちゃん」
ククリヒメ「さぁ、こちらに。能力の書かれた書物をお渡しします。どなたが修得されますか?」
マチルダ「私と...あと誰かいる??」
グディオン「私はパスね」
アスタロト「私も遠慮しとくわ」
マチルダ「??どうしてよ? かなり貴重な能力なのよ??」
アスタロト「う~~ん、まだ研究段階だけどね、能力を得れば得るほど、魔法の能力向上が頭打ちしちゃう可能性があるんですって」
マチルダ「えっ? そうなの??」
グディオン「うん。5本全部の指の能力を備えた人と、魔法だけの人の魔法能力向上の比較をしたら明確に差が出たって何かの記事で見たよ」
マチルダ「そうなのね...じゃあ私だけにしておきましょう、ななこも今回はパスした方がいいわね」
ななこ「うん、ビルドの方向性はもう少し考えたいからね」
ククリヒメ「ビルド??」
ななこ「あぁ、深い意味はないの、どう成長して行こうかまだ考え中ってだけで...」
マチルダ(私達が冒険者だってことは伝えていないみたいねアペプさん)
ククリヒメ「ではマチルダさん、こちらに」
奥の小さい部屋に通され、奥から能力の書かれた書物を持ってくるククリヒメ。
マチルダ「それが秘伝の書物ね、ありがとう」
ククリヒメ「......。」
マチルダ「どうしたの? 早く貸して」
ククリヒメは書物を渡そうとしない。
ククリヒメ「マチルダさん。アぺプ様から能力授受最後の条件をお話しします」
マチルダ「条件?? こんな直前で??」
ククリヒメ「えぇ、この条件は書物を渡す直前で言うように、との指示なので...。私を恨まないでねw 能力授受の条件は、この能力を必ず修得する事です」
ククリヒメは書物のとある箇所を指さす。
マチルダ「能力を? どんな能力...ゲッ!! あんのばあさん、最初からこれを私に修得させるのが目的だったのか!! 通りで気前が良すぎると思ったわ!!」
ククリヒメ「アペプ様は世界中のトレンドを求めるのに手段を問わないわ。これから世界中に赴くあなた達を見て利用できると考えたのでしょうね。で、どうする? これが飲めないならお引き取り頂く事になるのだけれど...」
マチルダ「くっそ~~~、飲むわよ、仕方ないでしょ!! 指一本奪われた気分だわ!! こうなったらこの能力で逆に報復してやるわ」
ククリヒメ「あ、ははははは...頑張ってねw」
まんまとアペプに嵌められたマチルダ。
しかしこの能力によって後にマチルダ達は何度も絶体絶命の危機を回避する事をこの時は知る由もなかった。
.........................
【補足コーナー】
・ななこは昔から世話になっている近所のじいさんの経営しているよくわからない格闘術を幼少期より習っているw
・獣道とは文字通り獣人族が得意とする、五感と第六感を頼りに戦う格闘術で決まった型はない。故に相手にとっては読みづらく厄介な近接格闘術である
・ククリヒメはアペプの世話に恩義を感じているのは確かだが、それは表向きの理由で、ワクムスビと百合関係にあるので一緒に洞窟にいるだけであるw
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