21 / 48
Useless devil
しおりを挟む
【前回までのあらすじ】
強敵、オムニヴォラスライムを辛うじて倒したマチルダ達。
しかし、ななこは急を要するとはいえ、レベルアップポイントを全て力に振ってしまった。
マチルダ「改めて教えてアスタロト。力の値35ってのはこの世界だとどの程度のクラスなの?」
アスタロト「私が知ってる限りこの世界で最も力が強いのはダントツで天使アンゲロス。魔王軍団長ケルビムの孫娘ね、確か70くらいって話。で、その次はおそらく魔王軍団長の巨人族キュクロープスね。確か45前後だったと記憶してるわ」
ななこ「あの天使の子、力70もあるんだ...。。通りで私が見た時背筋が凍ったわけね」
マチルダ「でもこれで私達の旅の安全はかなり保証されたわね。近接のななこ、魔法のアスタロト、回復やバフデバフのグッディ」
アスタロト「私はそうは思わないわね」
マチルダ「意見は聞かせて」
アスタロト「まず力だけ伸ばしてもダメね。ななこちゃんおそらく今、動くだけでも結構辛いんじゃない?」
ななこ「うん、実は全身がバキバキ...特に足がね」
アスタロト「急な力の上昇に体が追いついてないのね。多分、筋繊維が損傷してるはず、後でグッちゃんに回復してもらうといいわ」
ななこ「筋肉の損傷は回復魔法で治るんだね、良かった~~」
アスタロト「まぁそれは徐々に慣れていけばいいけど、問題は敵の攻撃の種類にあるわ」
マチルダ「...幻術や操作魔法への耐性の問題ね?」
アスタロト「そっ。現状この4人にそれらに対する耐性はほぼない。私は知性や防御が高いからある程度防げるけど、格上の、それこそグッちゃんのおばあさんみたいな使い手と敵対したら確実に手も足も出ないわ」
ななこ「対策用のアイテムとか、ないの??」
アスタロト「魔王軍と提携を結んでいるさやかやなーご・なーごなら作り出せるかもしれないけど一般的にはまず手に入らないわね」
マチルダ「じゃあグッちゃんやあなたに荒行してもらうしかないわね」
アスタロト「師匠は本当に博識ね、本当に異世界の冒険者? その通りよ。グッちゃんに退散初期魔法『バックロール』と、私の操作系中級魔法『マニピュレータ』をあなた達にかけて慣れてもらうしかないわ」
操作や幻術系魔法は何度も浴びる事で免疫が出来てくる。
使用者はそれを知っているので、やたらに使用することは少ない。
マチルダ「旅の道中、就寝前にそれらの特訓は義務付けるわ。グッちゃんにはバックロールのベータも覚えてもらいましょう」
ちなみにこの話はいまだ気絶中のグディオンは聞いていないw
今後の対策を話しながら4人は村長達の元に戻り、討伐報告をした。
くるぶし村長「な、何と!! お嬢様方4人であの凶暴なスライムを倒したのですか? 意外な結末依頼者悦楽~~♪」
マチルダ除く全員「ひゅ~~~!!」
マチルダ「悦楽ってあんま使わんぞ!!w まぁいいわ、報酬はないのかしら??」
くるぶし村長「ありませんよ、村の資金の殆どをクエスト屋さんに預けてあるので」
マチルダ「たったあれだけで村の資金の殆どなの??w まぁないものはいいわ、じゃあ私達はキャブルに戻るから、後始末よろしくね」
くるぶし村長「たったあれだけ? 結構な金額のはずですが...まぁともかく皆様本当にありがとうございました。村長からの感謝、増長するな反社!!♪ これから始まる俺のフリースタイル、聴けるお前らハンカチ準備!! 気分最高、今日のパンチラインは...♪」
マチルダ「誰が反社じゃ!!w じゃ、じゃあ元気で、さようなら」
面倒くさくなりそうだったのでマチルダはグディオンを叩き起こし、転移魔法でとっととキャブルに帰還したw
キャブルのクエスト受注所。
受注所店員「マ、マチルダさん。まさか本当にあの最高難易度のクエストを達成してしまうなんて...凄すぎます!!」
マチルダ「んっ? 最高難易度??」
受注所店員「はい。あの村でのオムニヴォラスライム討伐クエストはこの受注所、最高難易度のクエストでした」
マチルダ「なん...だと!? アスタロト!! 何でよりにもよって最高難易度のクエスト受けたのよ、適当に達成出来そうなクエストを受けてきてと言ったはずでしょ??」
アスタロト「ん~~、選ぶの面倒くさくってw 一番儲かるやつ~~、って言ったらこれが出てきたのよ」
マチルダ「この、ポンコツ悪魔ぁぁ~~...」
グディオン「待って。最高難易度の達成報酬って確か別で支払われるんじゃなかったっけ??」
受注所店員「その通りです。クエスト受注分と後払い分成功報酬+最高難易度達成報酬合わせて白金貨180枚(約180万円相当)をお支払いします!!」
ななこ「しっ、白金貨180枚~~!!」
グディオン「最高難易度達成するとね、受注所の功績が国から認められて税制優遇とか特別報酬とかもらえるんだって~、だよね?」
受注所店員「はい。おかげさまでこの受注所も箔が付きました、本当にありがとうございます!!」
マチルダ「待って!! てことはあのオムニヴォラスライム、めちゃくちゃヤバイ相手だったって事、よね??」
受注所店員「はい、ドチャクソ危険モンスターです。上級クラスの強さを持っている人でも勝てるかどうか、という国のランク付けでしたけど...アスタロトさんには説明したはずですが...」
マチルダ「!! アスタロ~~ト~~...」
アスタロト「待って、それは本当に聞いていないわ、店員さんウソはダメよ~~」
受注所店員「?? 説明中、アスタロトさんは『小三元とホンイツはセットで行けるわね~~。トイトイも絡むとなお高くなるわ』とかうわ言を仰っていました、何のお話か私にはサッパリ分かりませんが。。」
マチルダ「大事な説明を聞いてる時にジャンマーの戦術を反芻してんじゃないわよこのポンコツ悪魔っ!!w」
アスタロト「あ、あはははは...」
一気に小金持ちになったマチルダ達だったが、もう2度と交渉や重要な話はアスタロトには任せないと心に誓うマチルダだったw
.....................................
【補足コーナー】
・巨人族は力の値が総じて大きいが、それでもキュクロープスの45は群を抜いている。ななこの35という値がいかに凄いかが分かる。
・最初に確認したクエスト報酬の額は依頼受注時に貰える額だった。成功報酬の後払い分はその5倍に相当する。ちなみにその事もアスタロトは聞いていなかったw
・小三元は2面子と雀頭が三元牌で構成されるので、自然とホンイツを狙いやすくなります(この説明いらんなw)
強敵、オムニヴォラスライムを辛うじて倒したマチルダ達。
しかし、ななこは急を要するとはいえ、レベルアップポイントを全て力に振ってしまった。
マチルダ「改めて教えてアスタロト。力の値35ってのはこの世界だとどの程度のクラスなの?」
アスタロト「私が知ってる限りこの世界で最も力が強いのはダントツで天使アンゲロス。魔王軍団長ケルビムの孫娘ね、確か70くらいって話。で、その次はおそらく魔王軍団長の巨人族キュクロープスね。確か45前後だったと記憶してるわ」
ななこ「あの天使の子、力70もあるんだ...。。通りで私が見た時背筋が凍ったわけね」
マチルダ「でもこれで私達の旅の安全はかなり保証されたわね。近接のななこ、魔法のアスタロト、回復やバフデバフのグッディ」
アスタロト「私はそうは思わないわね」
マチルダ「意見は聞かせて」
アスタロト「まず力だけ伸ばしてもダメね。ななこちゃんおそらく今、動くだけでも結構辛いんじゃない?」
ななこ「うん、実は全身がバキバキ...特に足がね」
アスタロト「急な力の上昇に体が追いついてないのね。多分、筋繊維が損傷してるはず、後でグッちゃんに回復してもらうといいわ」
ななこ「筋肉の損傷は回復魔法で治るんだね、良かった~~」
アスタロト「まぁそれは徐々に慣れていけばいいけど、問題は敵の攻撃の種類にあるわ」
マチルダ「...幻術や操作魔法への耐性の問題ね?」
アスタロト「そっ。現状この4人にそれらに対する耐性はほぼない。私は知性や防御が高いからある程度防げるけど、格上の、それこそグッちゃんのおばあさんみたいな使い手と敵対したら確実に手も足も出ないわ」
ななこ「対策用のアイテムとか、ないの??」
アスタロト「魔王軍と提携を結んでいるさやかやなーご・なーごなら作り出せるかもしれないけど一般的にはまず手に入らないわね」
マチルダ「じゃあグッちゃんやあなたに荒行してもらうしかないわね」
アスタロト「師匠は本当に博識ね、本当に異世界の冒険者? その通りよ。グッちゃんに退散初期魔法『バックロール』と、私の操作系中級魔法『マニピュレータ』をあなた達にかけて慣れてもらうしかないわ」
操作や幻術系魔法は何度も浴びる事で免疫が出来てくる。
使用者はそれを知っているので、やたらに使用することは少ない。
マチルダ「旅の道中、就寝前にそれらの特訓は義務付けるわ。グッちゃんにはバックロールのベータも覚えてもらいましょう」
ちなみにこの話はいまだ気絶中のグディオンは聞いていないw
今後の対策を話しながら4人は村長達の元に戻り、討伐報告をした。
くるぶし村長「な、何と!! お嬢様方4人であの凶暴なスライムを倒したのですか? 意外な結末依頼者悦楽~~♪」
マチルダ除く全員「ひゅ~~~!!」
マチルダ「悦楽ってあんま使わんぞ!!w まぁいいわ、報酬はないのかしら??」
くるぶし村長「ありませんよ、村の資金の殆どをクエスト屋さんに預けてあるので」
マチルダ「たったあれだけで村の資金の殆どなの??w まぁないものはいいわ、じゃあ私達はキャブルに戻るから、後始末よろしくね」
くるぶし村長「たったあれだけ? 結構な金額のはずですが...まぁともかく皆様本当にありがとうございました。村長からの感謝、増長するな反社!!♪ これから始まる俺のフリースタイル、聴けるお前らハンカチ準備!! 気分最高、今日のパンチラインは...♪」
マチルダ「誰が反社じゃ!!w じゃ、じゃあ元気で、さようなら」
面倒くさくなりそうだったのでマチルダはグディオンを叩き起こし、転移魔法でとっととキャブルに帰還したw
キャブルのクエスト受注所。
受注所店員「マ、マチルダさん。まさか本当にあの最高難易度のクエストを達成してしまうなんて...凄すぎます!!」
マチルダ「んっ? 最高難易度??」
受注所店員「はい。あの村でのオムニヴォラスライム討伐クエストはこの受注所、最高難易度のクエストでした」
マチルダ「なん...だと!? アスタロト!! 何でよりにもよって最高難易度のクエスト受けたのよ、適当に達成出来そうなクエストを受けてきてと言ったはずでしょ??」
アスタロト「ん~~、選ぶの面倒くさくってw 一番儲かるやつ~~、って言ったらこれが出てきたのよ」
マチルダ「この、ポンコツ悪魔ぁぁ~~...」
グディオン「待って。最高難易度の達成報酬って確か別で支払われるんじゃなかったっけ??」
受注所店員「その通りです。クエスト受注分と後払い分成功報酬+最高難易度達成報酬合わせて白金貨180枚(約180万円相当)をお支払いします!!」
ななこ「しっ、白金貨180枚~~!!」
グディオン「最高難易度達成するとね、受注所の功績が国から認められて税制優遇とか特別報酬とかもらえるんだって~、だよね?」
受注所店員「はい。おかげさまでこの受注所も箔が付きました、本当にありがとうございます!!」
マチルダ「待って!! てことはあのオムニヴォラスライム、めちゃくちゃヤバイ相手だったって事、よね??」
受注所店員「はい、ドチャクソ危険モンスターです。上級クラスの強さを持っている人でも勝てるかどうか、という国のランク付けでしたけど...アスタロトさんには説明したはずですが...」
マチルダ「!! アスタロ~~ト~~...」
アスタロト「待って、それは本当に聞いていないわ、店員さんウソはダメよ~~」
受注所店員「?? 説明中、アスタロトさんは『小三元とホンイツはセットで行けるわね~~。トイトイも絡むとなお高くなるわ』とかうわ言を仰っていました、何のお話か私にはサッパリ分かりませんが。。」
マチルダ「大事な説明を聞いてる時にジャンマーの戦術を反芻してんじゃないわよこのポンコツ悪魔っ!!w」
アスタロト「あ、あはははは...」
一気に小金持ちになったマチルダ達だったが、もう2度と交渉や重要な話はアスタロトには任せないと心に誓うマチルダだったw
.....................................
【補足コーナー】
・巨人族は力の値が総じて大きいが、それでもキュクロープスの45は群を抜いている。ななこの35という値がいかに凄いかが分かる。
・最初に確認したクエスト報酬の額は依頼受注時に貰える額だった。成功報酬の後払い分はその5倍に相当する。ちなみにその事もアスタロトは聞いていなかったw
・小三元は2面子と雀頭が三元牌で構成されるので、自然とホンイツを狙いやすくなります(この説明いらんなw)
0
お気に入りに追加
1
あなたにおすすめの小説

ちょっと大人な体験談はこちらです
神崎未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない
ちょっと大人な体験談です。
日常に突然訪れる刺激的な体験。
少し非日常を覗いてみませんか?
あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ?
※本作品ではPixai.artで作成した生成AI画像ならびに
Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。
※不定期更新です。
※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。
クラスメイトの美少女と無人島に流された件
桜井正宗
青春
修学旅行で離島へ向かう最中――悪天候に見舞われ、台風が直撃。船が沈没した。
高校二年の早坂 啓(はやさか てつ)は、気づくと砂浜で寝ていた。周囲を見渡すとクラスメイトで美少女の天音 愛(あまね まな)が隣に倒れていた。
どうやら、漂流して流されていたようだった。
帰ろうにも島は『無人島』。
しばらくは島で生きていくしかなくなった。天音と共に無人島サバイバルをしていくのだが……クラスの女子が次々に見つかり、やがてハーレムに。
男一人と女子十五人で……取り合いに発展!?
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。

社会不適合者と救世の旅
千楽 斐才
ファンタジー
和久成畝(わくなるせ)は友達の少ない学生だった。その上、人も社会も信用できなかった。
俗にいう社会不適合者であった。
しかしある時、自身の死を切欠に女神が押し付けたのは、女難の相と救世主と言う仕事だった。
自身の思いとは裏腹に転移され、襲い来る魔獣と厄介事の数々。
果たしてナルセは世界を救う事が出来るのだろうか。

異世界召喚でクラスの勇者達よりも強い俺は無能として追放処刑されたので自由に旅をします
Dakurai
ファンタジー
クラスで授業していた不動無限は突如と教室が光に包み込まれ気がつくと異世界に召喚されてしまった。神による儀式でとある神によってのスキルを得たがスキルが強すぎてスキル無しと勘違いされ更にはクラスメイトと王女による思惑で追放処刑に会ってしまうしかし最強スキルと聖獣のカワウソによって難を逃れと思ったらクラスの女子中野蒼花がついてきた。
相棒のカワウソとクラスの中野蒼花そして異世界の仲間と共にこの世界を自由に旅をします。
現在、第三章フェレスト王国エルフ編
後宮の胡蝶 ~皇帝陛下の秘密の妃~
菱沼あゆ
キャラ文芸
突然の譲位により、若き皇帝となった苑楊は封印されているはずの宮殿で女官らしき娘、洋蘭と出会う。
洋蘭はこの宮殿の牢に住む老人の世話をしているのだと言う。
天女のごとき外見と豊富な知識を持つ洋蘭に心惹かれはじめる苑楊だったが。
洋蘭はまったく思い通りにならないうえに、なにかが怪しい女だった――。
中華後宮ラブコメディ。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる