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Omnivorous slime

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【前回までのあらすじ】
魔王の側近達を圧倒したアペプだったが、なんととうの昔に死んでいた。
箝口令かんこうれいを敷かれつつ、今後のサポートの約束を取り付けたマチルダだったが死因がしょうもなさすぎて白けていたw

1人、アペプの元に残ったマチルダが3人と合流する。

ななこ「お帰り~、どうだった??」

マチルダ「理由がしょうもなさ過ぎてシリアス展開にすらなりゃしなかったわよ...」

グディオン「ねぇ何の話~~?」

マチルダ「おばあちゃんにこの世界の流行を聞いてたのよ。何かのタメになるかと思ってね」

グディオン「ふ~ん、そっか~」

アスタロト「ねぇ、もう私、限界なんだけど...ジャンマー打ぢだい!!」

マチルダ「これから新しい土地に行くってのに何言い出すのよ、後よ後」

アスタロト「じゃあこうしましょう。正直船代ギリギリの路銀しか残ってないでしょ? 金策にキャブルで高難易度のクエスト受けて来るからそれを達成したらジャンマー付き合ってよ」

確かに路銀はカツカツだ...。

ななこ「マチ...確かにお金はギリギリ...ここはアスタロトさんの言う通りにしない??」

マチルダ「むぅ...確かにお金の問題は無視できないか...。いいでしょ。適当に何か受けて来てよ、あんたが気張って何とか達成出来るレベルのクエストをね」

アスタロト「オッケー!! じゃあひとっ飛び行ってくるね~~」

そう言うとアスタロトはキャブルに飛んでいった。

マチルダ(あいつ...実力は確かだけどそこはかとないポンコツ臭がするのよね...大丈夫かしら)

数分後...。

アスタロト「受けてきたわよ~、ちょうどいいのがあったわ」

受注したクエストを全員で確認する。

マチルダ「オムニヴォラスライムの討伐? これだけ?? しかも凄い報奨金じゃない!!」

グディオン「えっ!! オムニヴォラスライム!? ちょっと無理なんじゃないかなぁ~~...見てみたいけど」

ななこ「このスライム、どれくらい強いの??」

グディオン「わかんない。とにかく雑食性でありとあらゆる物を取り込んで成長していくから強さの個体差が大きいんだよね~。少なくとも私1人なら多分勝てないかな~...」
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マチルダ「なるほど...弱いかもしれないし強いかもしれない...か」

グディオン「弱くはないと思うよ。少なくとも中級モンスターの強さはデフォルトで持ってるから」

アスタロト「心配ないわグッディちゃん。私に任せなさ~~い!!」

ななこ「あぁ言っておられますが、どうですかマチさん?」

マチルダ「I feel gloomy(超不安)...w」

不安を抱えつつ、被害が甚大との報告があった農村に向かう事にした。

キャブルから北東に2時間ほどの所にある名もなき農村。

マチルダ「へんぴな所ね~。っていうか誰もいなくない?」

アスタロト「こういう時のために高台を避難場所にするのよ、軟体属は動き鈍いからね。ほら、村の中央に高台があるわ、行ってみましょ」

高台を登り、部屋に到着したが...。

マチルダ「何か騒がしいわね...お邪魔しま~す」

部屋の扉を開けるとそこには...

農民A「ディスってみろ、これはフリースタイル、ヘイ!!」

マチルダ「フリースタイルラップバトルやってる!!!ww」

農民B「YoYo、勝負はお預けお客さんがお待ちかね、俺達から御駄賃もらうの待ちぼうけ~♪」

農民達「ヒュ~~!!!」

マチルダ「ヒュ~...じゃな~~いwww 何よ、全然悲壮感ないじゃないw」

農民B「クエスト受注してくださった方々ですか? わたくし村長のくるぶしソックスと申します」

マチルダ「村長かい!!w 受け答えは普通だけどそれ絶対MC名よね?w まぁいいわ、大変な状況らしいわね」

くるぶし村長「我々はどんな状況になろうともエンタメで人々を楽しませる、が村の掟でございます」

ななこ「いいと...思うわ、あははは、は」

アスタロト「で、例のスライムはどこ??」

くるぶし村長「村の端に古典的ですが落とし穴を掘ってそこにハメたところです。ですが脱出も時間の問題でしょう。討伐お願い出来ますか?」

グディオン「うん、やるやる~~」

くるぶし村長「これはこれはかわいらしい娘さんで。やれんだなその腕で、狩れんならそれも運命、今日がお前の名実ともに命日だyeah!♪」

農民達「ヒュ~~~!!」

マチルダ「サラっと失礼なリリックでフロウかましてくんじゃないわよ!!w」

アスタロト「個体の特徴、何か情報あるかしら?」

オムニヴォラスライムは個体差がとても激しく、弱点属性どころか強さもバラバラなのでさすがのアスタロトも慎重にならざるを得なかった。

くるぶし村長「あいにくうちの村にはまともな戦士はおりませんで、申し訳ないですが...」

アスタロト「ノーヒントって事ね。まぁ仕方ないかぁ~、私達で探るしかなさそうね」

ななこ「スライム相手は私の出番無さそうだなぁ...本当に大丈夫??」

アスタロト「まぁ大丈夫でしょ。作戦はあるわ」

ななこは能天気に笑っている。
グディオンはワクワクしていた、祖母アペプに似て刺激への好奇心が抑えられない感じだ。
諸々の理由で過去最大級に不安しかないマチルダだったw

.........................
【補足コーナー】
・麻雀はひとたびハマるともう24時間でも打ち続けたくなってしまう、麻薬のようなテーブルゲームであるw
・オムニヴォラスライムは目や耳がないので操術も幻術も効かない。そしてスライムなので物理攻撃もほとんど通らないという相性が悪いと100%勝てないなかなかの難敵
・この小さな村はキャブルとウルズの庇護下にあるので、村民達はほぼ非戦闘員だった(村民達も何かあったら助け呼べばいいや、と思っているw)
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