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【前回までのあらすじ】
マチルダの指示により、いきなり魔王に単騎で挑まされたアスタロト。
全魔力を振り絞った高火力魔法も操作魔法も全く通じず、あえなく完敗を喫した。
ぶっ倒れていたアスタロトを回収し、再度会議を開く。
アスタロト「完全に無敵ね、デタラメな能力だわ。噂では前魔王よりも強かった相手の本気ですら傷ひとつ付けられなかったって話だもの」
ななこ「でもマチは何か気付いたみたいよ」
マチルダ「あの無敵能力はおそらく魔王の周辺を薄い膜のようなバリアで覆ってるイメージ。つまり外部からの影響は防げないと思ったの」
グディオン「??」
マチルダ「例を出すと子守唄を歌えば魔王も眠くなる、みたいな話、音だからバリアは関係ないでしょ?だからあのマニピュレータはワンチャン効果あるかも、と考えたわ」
アスタロト「マニピュレータはその人物をまるまる操作するからね、確かに」
マチルダ「想定通り通用はしなかった。でも勝負の直前に身に着けた魔王の耳のイヤリングが一瞬光ったわ。そして気付いたかしら? あの魔王、コンタクトレンズしてたわよ」
ななこ「全然気づかなかった...すごいよく見てるね。でも何でコンタクトレンズなんか...それにこの世界に無い物よね? 一体誰が...」
マチルダ「視覚に訴える幻術系魔法対策でしょ、おそらく。逆に無敵能力も音と視覚には効果は無いってことね。でもコンタクトレンズといい、あの携帯ゲーム機といい、確実に転生者が魔王軍に協力してるわね」
アスタロト「魔王軍に加担している転生者は何人かいるわよ。名前は確か~...さやか、うらら、チカ...だったかしら。アイテム製作のスペシャリストはさやかと伝説の鍛冶師、エルフと人間のハーフのなーご・なーご、それに私の推し、ステンノーね」
ななこ「いや、内部事情メチャクチャ詳しいじゃんw どうして?」
アスタロト「魔王軍の悪魔族と何人か友達だからね、たまにお茶するのよ。そこで聞いてもいないのに教えてくれるわ」
マチルダ「機密情報漏洩のレギュレーションガバ過ぎでしょ魔王軍w でもだからといって無理に聞き出そうとしないでね、それは不自然だから」
グディオン「で、マチさんの結論は??」
マチルダ「いくつか手段は思いついたけどどれも現実的じゃない。私達の力が圧倒的に足りないわ。まずは自分たちの能力向上が大前提ね」
ななこ「ところでいいの?2人とも。魔王軍に歯向かうんだよ、最悪殺されたりなんか...」
グディオン「えっ? それってそんなに大変なこと??」
アスタロト「モンスターと人間は死生観がかなり違うのよ。人間は生き続ける事を最優先にしがちだけど、モンスターはやりたい事が最優先。それが叶わないなら死んだほうがマシ、って思考」
ななこ「確かに全然違うね...でも...」
マチルダ「えぇ、やりたい事をやるには生きてないとね。だからあなた達には生命の維持を最優先することを命じるわ」
アスタロト「そりゃ死ねないわよ~、こんな面白そうな事死んじゃったらもったいないからね。じゃあ話を変えて冒険者について詳しく教えてくれないかしら、何か助言が出来るかもしれないわ」
マチルダとななこは2人に冒険者について詳しく聞かせた。
グディオン「え~、スゴイ!! っていうかちょっとズルいね」
アスタロト「えぇ、レベルアップ分の数値を任意でアビリティ値に割り振れるなんて...それじゃ無理矢理知性を99とかにも出来ちゃうって事でしょ? 知性99あればこの世界の大半の相手は軽くひねることが出来ちゃうわ、というか神の領域よ」
ななこ「ただ、最近は全然レベルが上がらなくなってきてるの。数値の割り振りはまだ一度もしてないわ」
マチルダ「ビルドの方向性は私達にとって究極の決断になるわ。だから今は自然上昇を優先してる。まずは能力を会得していかないと...」
グディオン「えへへ、じゃあ能力者になるんだね?」
マチルダ「えぇ。調べたところ能力には魔法とはひと味違う妙味みたいな物を感じたわ。魔王軍みたいな強大な組織に立ち向かうには一般的な魔法では太刀打ち出来ない。それに能力なら周知されてないから相手の虚も突ける」
アスタロト「能力のデメリットも、もちろん分かってるわよね?」
マチルダ「えぇ。MPの燃費が悪い、5つまでしか習得出来ない、一度付けたら変更不可、習得アビリティ値の要求値が高い、ってところよね?」
アスタロト「そういうこと。まずは基礎アビリティ値を上げていかないとね。じゃないとしょうもない能力しか会得出来ないわよ」
ななこ「近接職向けの能力もあるの?」
アスタロト「あるわよ。むしろ魔法使えない近接職向けの補助としての使い方が一般的ね。例えばさっき魔王といたソフィーって人間は近接職だけど能力者よ。確か...弾丸を発射する『ペネトレイト』液体電撃能力『チョコレートサンダー』なんかを会得してるらしいわ」
ななこ「なるほど~、遠距離攻撃や牽制に使うんだね。ていうかお友達、おっそろしくベラベラ個人情報話してくれるのねw」
グディオン「よ~し、じゃあ早速行こ!!」
マチルダ「あてがあるって言ってたわよね、どこに行くの??」
グディオン「私のおばあちゃんのところ♪」
それって魔王軍団長アマテラスの義理のお母さんやんけ、大丈夫かいなw
一同は思ったが、もちろん大丈夫ではないとんでもないおばあちゃんであることを3人はまだ知らない。
..........................
【補足コーナー】
・エメリーの体内に入る物は全て無毒化されるので、毒殺も嗅覚に訴える事も不可能
・モンスターは死についてあまり深く考えない。特に悪魔族は本能が何よりも最優先される。またお互いそれを理解しているので、相手を責めたりしないし、立場を尊重し合う。だが、人間族だけは例外で、死刑も拷問も必要とあらば厭(いと)わない。
・能力の会得には要求アビリティ値が最低3つは存在する 例)力15 知性20 命中25など
マチルダの指示により、いきなり魔王に単騎で挑まされたアスタロト。
全魔力を振り絞った高火力魔法も操作魔法も全く通じず、あえなく完敗を喫した。
ぶっ倒れていたアスタロトを回収し、再度会議を開く。
アスタロト「完全に無敵ね、デタラメな能力だわ。噂では前魔王よりも強かった相手の本気ですら傷ひとつ付けられなかったって話だもの」
ななこ「でもマチは何か気付いたみたいよ」
マチルダ「あの無敵能力はおそらく魔王の周辺を薄い膜のようなバリアで覆ってるイメージ。つまり外部からの影響は防げないと思ったの」
グディオン「??」
マチルダ「例を出すと子守唄を歌えば魔王も眠くなる、みたいな話、音だからバリアは関係ないでしょ?だからあのマニピュレータはワンチャン効果あるかも、と考えたわ」
アスタロト「マニピュレータはその人物をまるまる操作するからね、確かに」
マチルダ「想定通り通用はしなかった。でも勝負の直前に身に着けた魔王の耳のイヤリングが一瞬光ったわ。そして気付いたかしら? あの魔王、コンタクトレンズしてたわよ」
ななこ「全然気づかなかった...すごいよく見てるね。でも何でコンタクトレンズなんか...それにこの世界に無い物よね? 一体誰が...」
マチルダ「視覚に訴える幻術系魔法対策でしょ、おそらく。逆に無敵能力も音と視覚には効果は無いってことね。でもコンタクトレンズといい、あの携帯ゲーム機といい、確実に転生者が魔王軍に協力してるわね」
アスタロト「魔王軍に加担している転生者は何人かいるわよ。名前は確か~...さやか、うらら、チカ...だったかしら。アイテム製作のスペシャリストはさやかと伝説の鍛冶師、エルフと人間のハーフのなーご・なーご、それに私の推し、ステンノーね」
ななこ「いや、内部事情メチャクチャ詳しいじゃんw どうして?」
アスタロト「魔王軍の悪魔族と何人か友達だからね、たまにお茶するのよ。そこで聞いてもいないのに教えてくれるわ」
マチルダ「機密情報漏洩のレギュレーションガバ過ぎでしょ魔王軍w でもだからといって無理に聞き出そうとしないでね、それは不自然だから」
グディオン「で、マチさんの結論は??」
マチルダ「いくつか手段は思いついたけどどれも現実的じゃない。私達の力が圧倒的に足りないわ。まずは自分たちの能力向上が大前提ね」
ななこ「ところでいいの?2人とも。魔王軍に歯向かうんだよ、最悪殺されたりなんか...」
グディオン「えっ? それってそんなに大変なこと??」
アスタロト「モンスターと人間は死生観がかなり違うのよ。人間は生き続ける事を最優先にしがちだけど、モンスターはやりたい事が最優先。それが叶わないなら死んだほうがマシ、って思考」
ななこ「確かに全然違うね...でも...」
マチルダ「えぇ、やりたい事をやるには生きてないとね。だからあなた達には生命の維持を最優先することを命じるわ」
アスタロト「そりゃ死ねないわよ~、こんな面白そうな事死んじゃったらもったいないからね。じゃあ話を変えて冒険者について詳しく教えてくれないかしら、何か助言が出来るかもしれないわ」
マチルダとななこは2人に冒険者について詳しく聞かせた。
グディオン「え~、スゴイ!! っていうかちょっとズルいね」
アスタロト「えぇ、レベルアップ分の数値を任意でアビリティ値に割り振れるなんて...それじゃ無理矢理知性を99とかにも出来ちゃうって事でしょ? 知性99あればこの世界の大半の相手は軽くひねることが出来ちゃうわ、というか神の領域よ」
ななこ「ただ、最近は全然レベルが上がらなくなってきてるの。数値の割り振りはまだ一度もしてないわ」
マチルダ「ビルドの方向性は私達にとって究極の決断になるわ。だから今は自然上昇を優先してる。まずは能力を会得していかないと...」
グディオン「えへへ、じゃあ能力者になるんだね?」
マチルダ「えぇ。調べたところ能力には魔法とはひと味違う妙味みたいな物を感じたわ。魔王軍みたいな強大な組織に立ち向かうには一般的な魔法では太刀打ち出来ない。それに能力なら周知されてないから相手の虚も突ける」
アスタロト「能力のデメリットも、もちろん分かってるわよね?」
マチルダ「えぇ。MPの燃費が悪い、5つまでしか習得出来ない、一度付けたら変更不可、習得アビリティ値の要求値が高い、ってところよね?」
アスタロト「そういうこと。まずは基礎アビリティ値を上げていかないとね。じゃないとしょうもない能力しか会得出来ないわよ」
ななこ「近接職向けの能力もあるの?」
アスタロト「あるわよ。むしろ魔法使えない近接職向けの補助としての使い方が一般的ね。例えばさっき魔王といたソフィーって人間は近接職だけど能力者よ。確か...弾丸を発射する『ペネトレイト』液体電撃能力『チョコレートサンダー』なんかを会得してるらしいわ」
ななこ「なるほど~、遠距離攻撃や牽制に使うんだね。ていうかお友達、おっそろしくベラベラ個人情報話してくれるのねw」
グディオン「よ~し、じゃあ早速行こ!!」
マチルダ「あてがあるって言ってたわよね、どこに行くの??」
グディオン「私のおばあちゃんのところ♪」
それって魔王軍団長アマテラスの義理のお母さんやんけ、大丈夫かいなw
一同は思ったが、もちろん大丈夫ではないとんでもないおばあちゃんであることを3人はまだ知らない。
..........................
【補足コーナー】
・エメリーの体内に入る物は全て無毒化されるので、毒殺も嗅覚に訴える事も不可能
・モンスターは死についてあまり深く考えない。特に悪魔族は本能が何よりも最優先される。またお互いそれを理解しているので、相手を責めたりしないし、立場を尊重し合う。だが、人間族だけは例外で、死刑も拷問も必要とあらば厭(いと)わない。
・能力の会得には要求アビリティ値が最低3つは存在する 例)力15 知性20 命中25など
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