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【前回までのあらすじ】
図書館に籠りっぱなしのマチルダをよそに、路銀を稼ごうとクエストをこなしたななこ。
下級モンスターにすら苦戦する自身の力量を確認し、ななこは強くなる必要性を感じていた。
所変わってウルズの町。
魔王と共にいた人間、ソフィーは魔王軍6軍団長の1人、アマテラスと密談していた。
だが、ソフィーにぞっこんのエルフ、ディーネも何故か一緒にいた(密談だってのw)
ディーネ「ぷっ!! アマテラス様なに~~、そのカッコww」
アマテラス「魔王エメリー様に『暑苦しいから脱げ』と言われ...現在に至るよ...」
アマテラスはオシャレで2枚目な人間神族であり、同族から非常にモテるのだが、今やランニングに短パンというガキンチョのような格好を強制させられていたw
ソフィー「そんなことより冒険者関連のデータがまとまったのか?」
アマテラス「はい。こちらを...」
アマテラスは1枚の書類を手渡す。
ディーネ「何それ? ソフィーさん」
ソフィー「今まで討ち取った冒険者達の討伐ポイントだよ。これによると全520人今まで討ち取った事になってるな。で、最も討ち取った場所として多いのが私の故郷、ティップの町で146人だ、次いでここウルズで124人...」
アマテラス「しかしペイサンも114人です。この3都市で7割を占めますが思ったより初期スポーン地点はバラけているというのが正直な感想です...」
ソフィー「だが網を張るにはこの3都市を最優先すべきだろう。冒険者討伐組織長のさくちゃんにそう伝えておいてくれ」
アマテラス「さくちゃん...まだその呼び方慣れませんが、了解しましたw」
ディーネ「一時はこの世界を滅ぼそうとしてたディスペアヒューマン...今はさくちゃんか。が、まさかの強力な味方だもんねぇ~、ソフィーさんはやっぱスゴイな~。でもみんなにもっと協力依頼した方がいいんじゃん??」
ソフィー「こんなに殺伐とした気持ちになるのは私だけでいい、みんなには出来るだけ負担をかけたくないんだ。前魔王ならきっとそうするだろ?」
ディーネ「はぁぁぁ~~、もうだいしゅき、ソフィーさん!! いいえ、現魔王様!!」
アマテラス「ディーネちゃん、誰がどこで耳をそばだてているか分からないんだ。軽率な発言は以降、注意してくれよ」
ディーネ「ごめ~~ん、うっかり~~」
このデータを元に、この3都市は水面下で冒険者への包囲網が強化された。
マチルダ達がこのデータが出る前にウルズから出ていった事は幸運だった。
マチルダが図書館に籠もりだしてから5日後。
ようやく一区切りがついたようで、宿に戻ってくる。
ななこ「んっ、お帰り~、今日で調べ物は終わりでいいの??」
マチルダ「えぇ、粗方は調べ尽くしたわ、あそこにある書物のみの情報に限定されるけどね」
ななこ「じゃあ、色々教えて」
マチルダ「そうね、どこから話せばいいかな...。まずは私達の『アビリティ値』のチェックね」
ななこ「アビリティ値? あぁ、ステータスの事ね。ここではこう呼ぶんだ」
マチルダ「そうよ。なな、おでこ借りるわね」
マチルダはななこの額に手を乗せる、すると映像が浮かび上がった。
ななこ「へぇ~、これが私のアビリティ値。な、何か多くない??」
マチルダ「えぇ、このゲームのアビリティ値は本当にややこしいわ。口で説明するより図にまとめたから読んで」
ななこはマチルダがまとめたアビリティ値の説明を読む。
ななこ「このSDSって項目...どう見てもマイナスアビリティにしか見えないんだけどw これっていわゆる『7つの大罪』よね?」
マチルダ「そうよ。ここについてはあまり詳しくは分からなかったわ。モンスターが伸びやすいアビリティ値みたいね」
ななこ「あっ、右下の方にレベルアップポイントがあるわ。12も振れるのね」
マチルダ「何で12も振れるのよ。私なんて6しかないのに? 私が図書館に籠もってる間に何かしてたの??」
ななこ「へへぇ~、実は貰った路銀がとっくに切れてて金策にクエストをいくつかこなしてたの」
マチルダ「クッ、クエスト!? 危ない目に遭わなかったの?」
ななこ「何回かあったよ、でも何とかなった」
マチルダ「...いや、ごめんなさい。今、私は怒ろうとしてしまったわ。よく考えれば私のせいね、本当にごめんなさい...」
ななこ「いいよぉ~、謝んないで!! こっちこそ勝手に行動してごめんなさい」
マチルダ「分かってるわ。本に夢中になってたから話しかけられなかったんでしょ? お互い今回の件は不問にしない?」
ななこ「マチは本当に理性的だなぁ~、スゴイよ。マチがいいなら私もいいよ」
マチルダ「じゃあ話を戻しましょう。ポイントは今すぐにでもアビリティ値に振れるわ。でも少し考えましょう」
ななこ「そうね...ビルドどうするかは重要だもんね。おそらく再振りは出来なさそうだし」
マチルダ「でもねこれは朗報なんだけど、このレベルアップポイントを振れるのはどうやら冒険者の特権みたいなの。つまりここの住人は経験値...もっと言うと何を鍛えたかで勝手に成長していくだけみたい。私達はそれプラス任意にポイントが振れるのよ」
ななこ「そっか~、尚更ポイントの振り方は慎重にならないとね」
マチルダ「えぇ、だからこのポイントは暫くとっておいて、通常の経験値稼ぎをまずはすべきだと思うの、どう??」
ななこ「うん、そうしよう。だいぶこの周辺の下級モンスターにも慣れたし、今なら私1人である程度戦える。マチは一緒にいれば経験値入るでしょ??」
マチルダ「えぇ、頼もしいわ。でも私も見てるだけじゃもったいないからね。『初級魔法』は全て会得しておいたわ」
ななこ「えっ??いつの間に!!そんなに簡単に会得できるものなの??」
マチルダ「知性が一定以上なら誰だって修得出来るみたい。この世界の生きとし生ける者の殆どは幼少期に初級魔法を覚えさせられるらしいわ、それくらい簡単なのよ。ななこにも教えるわ、ただ威力は相当低いと思うけどね、知性がその...アレだからw」
ななこ「うっ!? いいわよ~、今までだって脳筋プレイでゴリ推して来たんだから今更よw」
マチルダ「よし、じゃあ早速明日からはクエストこなして金策と経験値両方稼ぎに行くわよ~」
ななこ「いえぇ~い!! やっとRPGっぽくなってきたね、楽しくなってきた~~♪」
ある程度のこの世界の知識を得たマチルダ達の本格的なゲーム攻略が始まった。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
【補足コーナー】
・アマテラスは軍団長の1人でかつ、魔王にとって一番の側近であり、魔王からの様々な依頼(及び厄介事w)をこなしている
・初期スポーンポイントは冒険者ごとにランダムで6箇所から選択するのだが、マチルダ達がスポーンポイントとして選べる町にペイサンやシクサスは選択肢になかった
・冒険者討伐組織(MLD)はMy loving daughtersの頭文字。さくちゃんは親バカであるw
・アビリティ値は使用頻度によって伸びやすさが変わる。例えば食っちゃ寝ばかりしていると、暴食や怠惰が上昇してしまうw
・BAはベーシックアビリティ。CAはコンバットアビリティ。SDSはseven deadly sinsの略、つまり7つの大罪である。
図書館に籠りっぱなしのマチルダをよそに、路銀を稼ごうとクエストをこなしたななこ。
下級モンスターにすら苦戦する自身の力量を確認し、ななこは強くなる必要性を感じていた。
所変わってウルズの町。
魔王と共にいた人間、ソフィーは魔王軍6軍団長の1人、アマテラスと密談していた。
だが、ソフィーにぞっこんのエルフ、ディーネも何故か一緒にいた(密談だってのw)
ディーネ「ぷっ!! アマテラス様なに~~、そのカッコww」
アマテラス「魔王エメリー様に『暑苦しいから脱げ』と言われ...現在に至るよ...」
アマテラスはオシャレで2枚目な人間神族であり、同族から非常にモテるのだが、今やランニングに短パンというガキンチョのような格好を強制させられていたw
ソフィー「そんなことより冒険者関連のデータがまとまったのか?」
アマテラス「はい。こちらを...」
アマテラスは1枚の書類を手渡す。
ディーネ「何それ? ソフィーさん」
ソフィー「今まで討ち取った冒険者達の討伐ポイントだよ。これによると全520人今まで討ち取った事になってるな。で、最も討ち取った場所として多いのが私の故郷、ティップの町で146人だ、次いでここウルズで124人...」
アマテラス「しかしペイサンも114人です。この3都市で7割を占めますが思ったより初期スポーン地点はバラけているというのが正直な感想です...」
ソフィー「だが網を張るにはこの3都市を最優先すべきだろう。冒険者討伐組織長のさくちゃんにそう伝えておいてくれ」
アマテラス「さくちゃん...まだその呼び方慣れませんが、了解しましたw」
ディーネ「一時はこの世界を滅ぼそうとしてたディスペアヒューマン...今はさくちゃんか。が、まさかの強力な味方だもんねぇ~、ソフィーさんはやっぱスゴイな~。でもみんなにもっと協力依頼した方がいいんじゃん??」
ソフィー「こんなに殺伐とした気持ちになるのは私だけでいい、みんなには出来るだけ負担をかけたくないんだ。前魔王ならきっとそうするだろ?」
ディーネ「はぁぁぁ~~、もうだいしゅき、ソフィーさん!! いいえ、現魔王様!!」
アマテラス「ディーネちゃん、誰がどこで耳をそばだてているか分からないんだ。軽率な発言は以降、注意してくれよ」
ディーネ「ごめ~~ん、うっかり~~」
このデータを元に、この3都市は水面下で冒険者への包囲網が強化された。
マチルダ達がこのデータが出る前にウルズから出ていった事は幸運だった。
マチルダが図書館に籠もりだしてから5日後。
ようやく一区切りがついたようで、宿に戻ってくる。
ななこ「んっ、お帰り~、今日で調べ物は終わりでいいの??」
マチルダ「えぇ、粗方は調べ尽くしたわ、あそこにある書物のみの情報に限定されるけどね」
ななこ「じゃあ、色々教えて」
マチルダ「そうね、どこから話せばいいかな...。まずは私達の『アビリティ値』のチェックね」
ななこ「アビリティ値? あぁ、ステータスの事ね。ここではこう呼ぶんだ」
マチルダ「そうよ。なな、おでこ借りるわね」
マチルダはななこの額に手を乗せる、すると映像が浮かび上がった。
ななこ「へぇ~、これが私のアビリティ値。な、何か多くない??」
マチルダ「えぇ、このゲームのアビリティ値は本当にややこしいわ。口で説明するより図にまとめたから読んで」
ななこはマチルダがまとめたアビリティ値の説明を読む。
ななこ「このSDSって項目...どう見てもマイナスアビリティにしか見えないんだけどw これっていわゆる『7つの大罪』よね?」
マチルダ「そうよ。ここについてはあまり詳しくは分からなかったわ。モンスターが伸びやすいアビリティ値みたいね」
ななこ「あっ、右下の方にレベルアップポイントがあるわ。12も振れるのね」
マチルダ「何で12も振れるのよ。私なんて6しかないのに? 私が図書館に籠もってる間に何かしてたの??」
ななこ「へへぇ~、実は貰った路銀がとっくに切れてて金策にクエストをいくつかこなしてたの」
マチルダ「クッ、クエスト!? 危ない目に遭わなかったの?」
ななこ「何回かあったよ、でも何とかなった」
マチルダ「...いや、ごめんなさい。今、私は怒ろうとしてしまったわ。よく考えれば私のせいね、本当にごめんなさい...」
ななこ「いいよぉ~、謝んないで!! こっちこそ勝手に行動してごめんなさい」
マチルダ「分かってるわ。本に夢中になってたから話しかけられなかったんでしょ? お互い今回の件は不問にしない?」
ななこ「マチは本当に理性的だなぁ~、スゴイよ。マチがいいなら私もいいよ」
マチルダ「じゃあ話を戻しましょう。ポイントは今すぐにでもアビリティ値に振れるわ。でも少し考えましょう」
ななこ「そうね...ビルドどうするかは重要だもんね。おそらく再振りは出来なさそうだし」
マチルダ「でもねこれは朗報なんだけど、このレベルアップポイントを振れるのはどうやら冒険者の特権みたいなの。つまりここの住人は経験値...もっと言うと何を鍛えたかで勝手に成長していくだけみたい。私達はそれプラス任意にポイントが振れるのよ」
ななこ「そっか~、尚更ポイントの振り方は慎重にならないとね」
マチルダ「えぇ、だからこのポイントは暫くとっておいて、通常の経験値稼ぎをまずはすべきだと思うの、どう??」
ななこ「うん、そうしよう。だいぶこの周辺の下級モンスターにも慣れたし、今なら私1人である程度戦える。マチは一緒にいれば経験値入るでしょ??」
マチルダ「えぇ、頼もしいわ。でも私も見てるだけじゃもったいないからね。『初級魔法』は全て会得しておいたわ」
ななこ「えっ??いつの間に!!そんなに簡単に会得できるものなの??」
マチルダ「知性が一定以上なら誰だって修得出来るみたい。この世界の生きとし生ける者の殆どは幼少期に初級魔法を覚えさせられるらしいわ、それくらい簡単なのよ。ななこにも教えるわ、ただ威力は相当低いと思うけどね、知性がその...アレだからw」
ななこ「うっ!? いいわよ~、今までだって脳筋プレイでゴリ推して来たんだから今更よw」
マチルダ「よし、じゃあ早速明日からはクエストこなして金策と経験値両方稼ぎに行くわよ~」
ななこ「いえぇ~い!! やっとRPGっぽくなってきたね、楽しくなってきた~~♪」
ある程度のこの世界の知識を得たマチルダ達の本格的なゲーム攻略が始まった。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
【補足コーナー】
・アマテラスは軍団長の1人でかつ、魔王にとって一番の側近であり、魔王からの様々な依頼(及び厄介事w)をこなしている
・初期スポーンポイントは冒険者ごとにランダムで6箇所から選択するのだが、マチルダ達がスポーンポイントとして選べる町にペイサンやシクサスは選択肢になかった
・冒険者討伐組織(MLD)はMy loving daughtersの頭文字。さくちゃんは親バカであるw
・アビリティ値は使用頻度によって伸びやすさが変わる。例えば食っちゃ寝ばかりしていると、暴食や怠惰が上昇してしまうw
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