Spelunker's

CHABO

文字の大きさ
上 下
7 / 39

Reach the starting line

しおりを挟む
【前回までのあらすじ】
図書館に籠りっぱなしのマチルダをよそに、路銀を稼ごうとクエストをこなしたななこ。
下級モンスターにすら苦戦する自身の力量を確認し、ななこは強くなる必要性を感じていた。

所変わってウルズの町。
魔王と共にいた人間、ソフィーは魔王軍6軍団長の1人、アマテラスと密談していた。
だが、ソフィーにぞっこんのエルフ、ディーネも何故か一緒にいた(密談だってのw)

ディーネ「ぷっ!! アマテラス様なに~~、そのカッコww」

アマテラス「魔王エメリー様に『暑苦しいから脱げ』と言われ...現在に至るよ...」

アマテラスはオシャレで2枚目な人間神族であり、同族から非常にモテるのだが、今やランニングに短パンというガキンチョのような格好を強制させられていたw

ソフィー「そんなことより冒険者関連のデータがまとまったのか?」

アマテラス「はい。こちらを...」

アマテラスは1枚の書類を手渡す。

ディーネ「何それ? ソフィーさん」

ソフィー「今まで討ち取った冒険者達の討伐ポイントだよ。これによると全520人今まで討ち取った事になってるな。で、最も討ち取った場所として多いのが私の故郷、ティップの町で146人だ、次いでここウルズで124人...」

アマテラス「しかしペイサンも114人です。この3都市で7割を占めますが思ったより初期スポーン地点はバラけているというのが正直な感想です...」

ソフィー「だが網を張るにはこの3都市を最優先すべきだろう。冒険者討伐組織MLD長のさくちゃんにそう伝えておいてくれ」

アマテラス「さくちゃん...まだその呼び方慣れませんが、了解しましたw」

ディーネ「一時はこの世界を滅ぼそうとしてたディスペアヒューマン...今はさくちゃんか。が、まさかの強力な味方だもんねぇ~、ソフィーさんはやっぱスゴイな~。でもみんなにもっと協力依頼した方がいいんじゃん??」

ソフィー「こんなに殺伐とした気持ちになるのは私だけでいい、みんなには出来るだけ負担をかけたくないんだ。前魔王ならきっとそうするだろ?」

ディーネ「はぁぁぁ~~、もうだいしゅき、ソフィーさん!! いいえ、

アマテラス「ディーネちゃん、誰がどこで耳をそばだてているか分からないんだ。軽率な発言は以降、注意してくれよ」

ディーネ「ごめ~~ん、うっかり~~」

このデータを元に、この3都市は水面下で冒険者への包囲網が強化された。
マチルダ達がこのデータが出る前にウルズから出ていった事は幸運だった。

マチルダが図書館に籠もりだしてから5日後。
ようやく一区切りがついたようで、宿に戻ってくる。

ななこ「んっ、お帰り~、今日で調べ物は終わりでいいの??」

マチルダ「えぇ、粗方は調べ尽くしたわ、あそこにある書物のみの情報に限定されるけどね」

ななこ「じゃあ、色々教えて」

マチルダ「そうね、どこから話せばいいかな...。まずは私達の『アビリティ値』のチェックね」

ななこ「アビリティ値? あぁ、ステータスの事ね。ここではこう呼ぶんだ」

マチルダ「そうよ。なな、おでこ借りるわね」

マチルダはななこの額に手を乗せる、すると映像が浮かび上がった。

ななこ「へぇ~、これが私のアビリティ値。な、何か多くない??」

マチルダ「えぇ、このゲームのアビリティ値は本当にややこしいわ。口で説明するより図にまとめたから読んで」

ななこはマチルダがまとめたアビリティ値の説明を読む。

ななこ「このSDSって項目...どう見てもマイナスアビリティにしか見えないんだけどw これっていわゆる『7つの大罪』よね?」

マチルダ「そうよ。ここについてはあまり詳しくは分からなかったわ。モンスターが伸びやすいアビリティ値みたいね」

ななこ「あっ、右下の方にレベルアップポイントがあるわ。12も振れるのね」

マチルダ「何で12も振れるのよ。私なんて6しかないのに? 私が図書館に籠もってる間に何かしてたの??」

ななこ「へへぇ~、実は貰った路銀がとっくに切れてて金策にクエストをいくつかこなしてたの」

マチルダ「クッ、クエスト!? 危ない目に遭わなかったの?」

ななこ「何回かあったよ、でも何とかなった」

マチルダ「...いや、ごめんなさい。今、私は怒ろうとしてしまったわ。よく考えれば私のせいね、本当にごめんなさい...」

ななこ「いいよぉ~、謝んないで!! こっちこそ勝手に行動してごめんなさい」

マチルダ「分かってるわ。本に夢中になってたから話しかけられなかったんでしょ? お互い今回の件は不問にしない?」

ななこ「マチは本当に理性的だなぁ~、スゴイよ。マチがいいなら私もいいよ」

マチルダ「じゃあ話を戻しましょう。ポイントは今すぐにでもアビリティ値に振れるわ。でも少し考えましょう」

ななこ「そうね...ビルドどうするかは重要だもんね。おそらく再振りは出来なさそうだし」

マチルダ「でもねこれは朗報なんだけど、このレベルアップポイントを振れるのはどうやら冒険者の特権みたいなの。つまりここの住人は経験値...もっと言うと何を鍛えたかで勝手に成長していくだけみたい。私達はそれプラス任意にポイントが振れるのよ」

ななこ「そっか~、尚更ポイントの振り方は慎重にならないとね」

マチルダ「えぇ、だからこのポイントは暫くとっておいて、通常の経験値稼ぎをまずはすべきだと思うの、どう??」

ななこ「うん、そうしよう。だいぶこの周辺の下級モンスターにも慣れたし、今なら私1人である程度戦える。マチは一緒にいれば経験値入るでしょ??」

マチルダ「えぇ、頼もしいわ。でも私も見てるだけじゃもったいないからね。『初級魔法』は全て会得しておいたわ」

ななこ「えっ??いつの間に!!そんなに簡単に会得できるものなの??」

マチルダ「知性が一定以上なら誰だって修得出来るみたい。この世界の生きとし生ける者の殆どは幼少期に初級魔法を覚えさせられるらしいわ、それくらい簡単なのよ。ななこにも教えるわ、ただ威力は相当低いと思うけどね、知性がその...アレだからw」

ななこ「うっ!? いいわよ~、今までだって脳筋プレイでゴリ推して来たんだから今更よw」

マチルダ「よし、じゃあ早速明日からはクエストこなして金策と経験値両方稼ぎに行くわよ~」

ななこ「いえぇ~い!! やっとRPGっぽくなってきたね、楽しくなってきた~~♪」

ある程度のこの世界の知識を得たマチルダ達の本格的なゲーム攻略が始まった。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
【補足コーナー】
・アマテラスは軍団長の1人でかつ、魔王にとって一番の側近であり、魔王からの様々な依頼(及び厄介事w)をこなしている
・初期スポーンポイントは冒険者ごとにランダムで6箇所から選択するのだが、マチルダ達がスポーンポイントとして選べる町にペイサンやシクサスは選択肢になかった
・冒険者討伐組織(MLD)はMy loving daughtersの頭文字。さくちゃんは親バカであるw
・アビリティ値は使用頻度によって伸びやすさが変わる。例えば食っちゃ寝ばかりしていると、暴食や怠惰が上昇してしまうw
・BAはベーシックアビリティ。CAはコンバットアビリティ。SDSはseven deadly sinsの略、つまり7つの大罪である。
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

ママと中学生の僕

キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。

校長室のソファの染みを知っていますか?

フルーツパフェ
大衆娯楽
校長室ならば必ず置かれている黒いソファ。 しかしそれが何のために置かれているのか、考えたことはあるだろうか。 座面にこびりついた幾つもの染みが、その真実を物語る

マッサージ師にそれっぽい理由をつけられて、乳首とクリトリスをいっぱい弄られた後、ちゃっかり手マンされていっぱい潮吹きしながらイッちゃう女の子

ちひろ
恋愛
マッサージ師にそれっぽい理由をつけられて、乳首とクリトリスをいっぱい弄られた後、ちゃっかり手マンされていっぱい潮吹きしながらイッちゃう女の子の話。 Fantiaでは他にもえっちなお話を書いてます。よかったら遊びに来てね。

蘇生魔法を授かった僕は戦闘不能の前衛(♀)を何度も復活させる

フルーツパフェ
大衆娯楽
 転移した異世界で唯一、蘇生魔法を授かった僕。  一緒にパーティーを組めば絶対に死ぬ(死んだままになる)ことがない。  そんな口コミがいつの間にか広まって、同じく異世界転移した同業者(多くは女子)から引っ張りだこに!  寛容な僕は彼女達の申し出に快諾するが条件が一つだけ。 ――実は僕、他の戦闘スキルは皆無なんです  そういうわけでパーティーメンバーが前衛に立って死ぬ気で僕を守ることになる。  大丈夫、一度死んでも蘇生魔法で復活させてあげるから。  相互利益はあるはずなのに、どこか鬼畜な匂いがするファンタジー、ここに開幕。      

RUBBER LADY 屈辱の性奴隷調教

RUBBER LADY
ファンタジー
RUBBER LADYが活躍するストーリーの続編です

【R-18】クリしつけ

蛙鳴蝉噪
恋愛
男尊女卑な社会で女の子がクリトリスを使って淫らに教育されていく日常の一コマ。クリ責め。クリリード。なんでもありでアブノーマルな内容なので、精神ともに18歳以上でなんでも許せる方のみどうぞ。

小学生最後の夏休みに近所に住む2つ上のお姉さんとお風呂に入った話

矢木羽研
青春
「……もしよかったら先輩もご一緒に、どうですか?」 「あら、いいのかしら」 夕食を作りに来てくれた近所のお姉さんを冗談のつもりでお風呂に誘ったら……? 微笑ましくも甘酸っぱい、ひと夏の思い出。 ※性的なシーンはありませんが裸体描写があるのでR15にしています。 ※小説家になろうでも同内容で投稿しています。 ※2022年8月の「第5回ほっこり・じんわり大賞」にエントリーしていました。

隣の席の女の子がエッチだったのでおっぱい揉んでみたら発情されました

ねんごろ
恋愛
隣の女の子がエッチすぎて、思わず授業中に胸を揉んでしまったら…… という、とんでもないお話を書きました。 ぜひ読んでください。

処理中です...