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Dead or alive.Crossroads of fate
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【前回までのあらすじ】
キャブルへの移動中、下級モンスターに襲われ、初めて戦闘を目撃する。
更に魔王軍団長の1人、大天使ケルビムとも会い、マチルダは再度背筋の凍る思いをしたのだった。
キャブルに到着したマチルダ達。
彼女達がまず目にしたのは、町の入口に並ぶ人の列だった。
マチルダ「運転手、さん...あれは、何?」
運転手「んっ? あぁ、町に入る前の『検問』だよ」
2人はそれはもうとても嫌な予感がした。
ななこ「何の...検問??」
運転手「冒険者をあぶり出すためさ。魔王様は冒険者はまず知識を得るために図書館に向かう可能性が高い!とお考えでな、有名な図書館のある都市にはあぁして検問を設けてるんだよ」
2人は脂汗が止まらない。
そしてこの世界の魔王の先見にも脅威を感じていた。
マチルダ(あの魔王...見た目以上に先見の明があるのか...あの頭の悪そうな魔王が...いや、優秀なブレーンが側近にいると考えた方が自然か。。それに、これで確定した。冒険者はこの世界の全ての者達の敵ってことが...)
運転手「なぁに、怖くはないさ。たったひとつの質問に答えるだけさ」
マチルダ「初めてだったから少し驚いただけよ、そういうことね、分かったわ」
2人を乗せた馬車が検問にかかる。
検問担当者「おうアム、ご苦労さん。客室のお嬢さん方、降りてきてくれるかい??」
2人は言う通りにする。
検問担当者「知り合い同士か。なら代表で1人が質問に答えてくれればいいぞ」
マチルダ「じゃあ私が...」
ななこ(マチ...頑張って...)
検問担当者「では質問だ、デデン。漫画、ドラゴン◯ールの主人公の奥さんの名前は??」
マチルダ(なっ!? 簡単じゃない、どういうこと??...いや、考えろマチルダ...この質問の意味を...)
ちなみにドラゴン◯ールは2102年の世界でも知らない人はいないほど有名であるw
検問担当者「んっ?? どうした?? 簡単だろ?? 後ろ詰まってるから早くしてくれると助かるんだが~...」
マチルダはうつむいて小考した後、顔を上げて質問に答える。
マチルダ「な~んて、考えたフリ。分かるわけないじゃないそんなの、何よ?そのドラゴン◯ールって??」
ななこ(え~~~!? 答えないの~~?)
検問担当者はその答えを聞き、紙に何かを書いて渡す。
検問担当者「ほい、合格。『非冒険者証明書』だ、2人分な。失くすなよ~。よ~し次~~」
町へ入ることを許可されたマチルダ達は運賃を支払い馬車を見送った。
ななこがマチルダを見ると、青ざめた顔をしていた。
マチルダ「はぁ、はぁ...イチかバチかだった...脇汗かいたわw」
ななこ「ありがとうマチ。説明してくれる? 何で答えなかったの??」
マチルダ「単純な話ね『わかりません』が答えだからよ。異世界の知識を知ってる時点でおかしいからね」
ななこ「えっ? でもこっちの世界にもある程度異世界の知識が入り込んでるってさっきウルズの人が話してたよ」
マチルダ「えぇ、だから賭けだったの...でもイチ漫画の主人公、ましてや奥さんの名前を知らない人なんて私達の世界にだっているでしょ? それではあぶり出しにならないから分からないって返答の方が理に適ってると思ったの」
ななこ「あんな一瞬でそこまで考えてたんだ~。私だったら普通に答えてたなぁ~、やっぱマチは頼りになる!!」
マチルダ「何言ってるのよ。肝心な選択はなながいないとどうしようもないんだから、持ちつ持たれつよ。さぁ、図書館を探しましょ、冒険者じゃないって証明貰ったんだからこれで町民にも質問くらいは出来るわ」
マチルダのこの言葉に嫌味や驕りなど一切ない、それほどにマチルダはななこを心の底から信頼していたのだった。
ななこ「あっ、あの大きい建物じゃない??」
町の外れにある大きな建物があり、念願の図書館に到着した。
マチルダ「よぉ~~~し、全部の本を読む勢いで知識を吸収するわよ~~!!」
ななこ「私...多分、半日くらいしかもたないよw」
マチルダ「じゃあ限界来たら宿とっておいて、あと食べ物と飲み物も...」
ななこ「貰った路銀で足りるかなぁ~~...」
マチルダ「物価がまだ分かんないからね...足りなさそうならまた考えましょう」
マチルダは知的欲求が半端ではなく、お金やその後の事よりも今、目の前にある本の山に興味が集中していたのだったw
ななこ(はぁ~~、出たよマチの悪い癖w しょうがない、いつも通りここは私がフォローする状況ね)
結果から言ってしまうとそこからおよそ5日間、マチルダは図書館の開店から閉店まで延々と本を読み漁り続けたのだったw
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
【補足コーナー】
・検問のアイディアはマチルダの想像通り、魔王エメリーの発案ではない
・さやかやうららなどの各時代の日本からの転生者も複数人存在するため、日本の文化はある程度知れ渡っていた
・マチルダの単純な直感が必要な2択の成功率は何故か5%程度であり、ななこは逆に100%に近い成功率を収める
・速読を身に付けているマチルダは常人の10倍以上の速度で本を読破出来る
キャブルへの移動中、下級モンスターに襲われ、初めて戦闘を目撃する。
更に魔王軍団長の1人、大天使ケルビムとも会い、マチルダは再度背筋の凍る思いをしたのだった。
キャブルに到着したマチルダ達。
彼女達がまず目にしたのは、町の入口に並ぶ人の列だった。
マチルダ「運転手、さん...あれは、何?」
運転手「んっ? あぁ、町に入る前の『検問』だよ」
2人はそれはもうとても嫌な予感がした。
ななこ「何の...検問??」
運転手「冒険者をあぶり出すためさ。魔王様は冒険者はまず知識を得るために図書館に向かう可能性が高い!とお考えでな、有名な図書館のある都市にはあぁして検問を設けてるんだよ」
2人は脂汗が止まらない。
そしてこの世界の魔王の先見にも脅威を感じていた。
マチルダ(あの魔王...見た目以上に先見の明があるのか...あの頭の悪そうな魔王が...いや、優秀なブレーンが側近にいると考えた方が自然か。。それに、これで確定した。冒険者はこの世界の全ての者達の敵ってことが...)
運転手「なぁに、怖くはないさ。たったひとつの質問に答えるだけさ」
マチルダ「初めてだったから少し驚いただけよ、そういうことね、分かったわ」
2人を乗せた馬車が検問にかかる。
検問担当者「おうアム、ご苦労さん。客室のお嬢さん方、降りてきてくれるかい??」
2人は言う通りにする。
検問担当者「知り合い同士か。なら代表で1人が質問に答えてくれればいいぞ」
マチルダ「じゃあ私が...」
ななこ(マチ...頑張って...)
検問担当者「では質問だ、デデン。漫画、ドラゴン◯ールの主人公の奥さんの名前は??」
マチルダ(なっ!? 簡単じゃない、どういうこと??...いや、考えろマチルダ...この質問の意味を...)
ちなみにドラゴン◯ールは2102年の世界でも知らない人はいないほど有名であるw
検問担当者「んっ?? どうした?? 簡単だろ?? 後ろ詰まってるから早くしてくれると助かるんだが~...」
マチルダはうつむいて小考した後、顔を上げて質問に答える。
マチルダ「な~んて、考えたフリ。分かるわけないじゃないそんなの、何よ?そのドラゴン◯ールって??」
ななこ(え~~~!? 答えないの~~?)
検問担当者はその答えを聞き、紙に何かを書いて渡す。
検問担当者「ほい、合格。『非冒険者証明書』だ、2人分な。失くすなよ~。よ~し次~~」
町へ入ることを許可されたマチルダ達は運賃を支払い馬車を見送った。
ななこがマチルダを見ると、青ざめた顔をしていた。
マチルダ「はぁ、はぁ...イチかバチかだった...脇汗かいたわw」
ななこ「ありがとうマチ。説明してくれる? 何で答えなかったの??」
マチルダ「単純な話ね『わかりません』が答えだからよ。異世界の知識を知ってる時点でおかしいからね」
ななこ「えっ? でもこっちの世界にもある程度異世界の知識が入り込んでるってさっきウルズの人が話してたよ」
マチルダ「えぇ、だから賭けだったの...でもイチ漫画の主人公、ましてや奥さんの名前を知らない人なんて私達の世界にだっているでしょ? それではあぶり出しにならないから分からないって返答の方が理に適ってると思ったの」
ななこ「あんな一瞬でそこまで考えてたんだ~。私だったら普通に答えてたなぁ~、やっぱマチは頼りになる!!」
マチルダ「何言ってるのよ。肝心な選択はなながいないとどうしようもないんだから、持ちつ持たれつよ。さぁ、図書館を探しましょ、冒険者じゃないって証明貰ったんだからこれで町民にも質問くらいは出来るわ」
マチルダのこの言葉に嫌味や驕りなど一切ない、それほどにマチルダはななこを心の底から信頼していたのだった。
ななこ「あっ、あの大きい建物じゃない??」
町の外れにある大きな建物があり、念願の図書館に到着した。
マチルダ「よぉ~~~し、全部の本を読む勢いで知識を吸収するわよ~~!!」
ななこ「私...多分、半日くらいしかもたないよw」
マチルダ「じゃあ限界来たら宿とっておいて、あと食べ物と飲み物も...」
ななこ「貰った路銀で足りるかなぁ~~...」
マチルダ「物価がまだ分かんないからね...足りなさそうならまた考えましょう」
マチルダは知的欲求が半端ではなく、お金やその後の事よりも今、目の前にある本の山に興味が集中していたのだったw
ななこ(はぁ~~、出たよマチの悪い癖w しょうがない、いつも通りここは私がフォローする状況ね)
結果から言ってしまうとそこからおよそ5日間、マチルダは図書館の開店から閉店まで延々と本を読み漁り続けたのだったw
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
【補足コーナー】
・検問のアイディアはマチルダの想像通り、魔王エメリーの発案ではない
・さやかやうららなどの各時代の日本からの転生者も複数人存在するため、日本の文化はある程度知れ渡っていた
・マチルダの単純な直感が必要な2択の成功率は何故か5%程度であり、ななこは逆に100%に近い成功率を収める
・速読を身に付けているマチルダは常人の10倍以上の速度で本を読破出来る
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