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フロー編③
55.大切なもの
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フローリアンは、ゆっくりながらもスタイを十枚完成させた。
スタイの端につけているワンポイントの刺繍も、最初に比べればかなりよくなったと、フローリアンは自分で思っている。
「ラルス……明日、剣帯貸してくれる?」
夜、二人きりのベッドの上で、フローリアンはそう切り出した。
「もしかして、刺繍してくれるんですか?!」
「う、うん。まだまだ下手だけど、ここにいるうちしか刺繍はできないと思うから」
「フローラが俺のために刺繍をしてくれるだけで、嬉しいですよ」
優しく目元にキスをされ、くすぐったくてフフと笑ってしまう。
「で、でも、僕まだうさぎかイヌしか刺繍できなくって……どっちがいい?」
「うーん、じゃあ両方で!」
「両方?」
「はい。しょっちゅう泣いて目を赤くしているうさぎがフローラ。そしてフローラに仕える忠犬が俺。両方あった方が、常に一緒にいられる気分になるんで!」
「ちょっと! 僕、そんなに目が赤くなるまで泣いてないからね!?」
「なってますよ。いつも目、真っ赤です」
「そんなこと、ない、もん……たぶん」
ぷいっとそっぽを向くと、後ろからぎゅっと抱きしめられる。
大きな腕にすっぽりと収められると、ラルスの香りを感じた。
「フローラは、泣いた顔もかわいいんですよ」
「……ばか」
「キスしていいですか?」
「……うん」
そっと顔を寄せられて、唇と唇が触れ合う。
もう何度したかわからないくらいに交わしているというのに、キスするたびに胸が鳴るのは変わらない。
「俺、同僚が剣帯に刺繍しているのを見るたびに憧れてたんで……嬉しいです」
「他の人はどんな刺繍をしてるの?」
「色々でしたよ。幾何学模様みたいなやつから、花とか、ドラゴンとか、森とかの風景を刺繍してる人もいました」
「え、ちょっと、うさぎとイヌで大丈夫?!」
「動物をしてる人もいましたよ。リアルなオオカミとか」
「僕ができる刺繍、明らかに子ども用のかわいいタッチなんだけど!」
「ははっ、いいじゃないですか! 世界に一つしかない、俺の剣帯になります」
「でも」
「それ以上言うと、怒りますよ」
「んっ」
少し低い声を出したラルスに、フローリアンは口を閉ざされた。
***
翌日、フローリアンは一日中剣帯と格闘し………
そして、夕方に仕上がった。
家の中で渡すと冷やかされそうで、ラルスを呼び出し一緒に外に出る。
ラルスは見るからにわくわくしていて、フローリアンは気が重くなった。
別荘を出て、小さな川が流れるところまでくると、フローリアンは後ろを振り返ってラルスを目だけで見上げる。
「えっとね、ラルス」
「はい!」
「剣帯なんだけど……」
「できましたか!?」
「失敗、しちゃったんだ……」
フローリアンはうつむきながら、手の中にある剣帯をぎゅっと握りしめた。
渡された剣帯は誰の刺繍もされた跡がなく、自分が初めて刺繍するのだと思うと嬉しかった。
しかしスタイに刺繍するのと、剣帯に刺繍するのでは、勝手が違いすぎたのだ。丸枠は使えない、生地はごつくて硬くて針が通りづらい。そして、技術が圧倒的に足りない。
ハウアドル王国の女性の多くは刺繍を習うものだし、多少苦手な人でもそれなりに形になるのだろう。
だがフローリアンが剣帯にした刺繍は、まともな形にならなかった。
「ごめん、ラルス……」
「見せてください」
「でも……」
「大丈夫ですから」
手の中にある剣帯を、ラルスにゆっくり奪われた。
さらさらと流れる川の音だけが聞こえる。
なにを言われてしまうだろうかとと身を縮めていると、端にある刺繍を見つけたラルスは、にっこりと微笑んだ。
「なんだ、ちゃんとできてるじゃないですか」
「ぜ、全然ちゃんとじゃないよ……! もう、なんの生き物かわからなくなっちゃって……ぐちゃぐちゃだし……」
自分で言いながら情けなくなる。
スタイにしたように、もっとマシなものができると思っていた。なのに出来上がったのは、なぜだかブタとキツネのような生き物。ピンクのうさぎにしようと思ったのがダメだったのか。うさぎとイヌには、どうしたって見えない。
だというのにラルスは、その剣帯を装着してしまった。
「ごめん……王都に戻ったら、新しい剣帯を支給するから……」
「いらないですよ、これで十分です」
「だめだよ、そんなの!」
「どうしてですか?」
「だって、そんなのを仲間に見られたら、ラルスだって恥ずかしいだろうし……」
フローリアンはシャインの剣帯しか見たことがないが、きっとみんなきれいに刺繍してあるのだろう。騎士で見せ合いをした時に、王の護衛騎士であるラルスがこんな刺繍をしていては、笑われてしまうに違いない。
「恥ずかしくなんてないですよ。俺の愛する人が、一生懸命に刺繍してくれたんだって自慢します!」
「ほ、本当にそんなのでいいの?」
「もちろん! 俺、刺繍のある剣帯って憧れだったんで、嬉しいです!」
どこをどう見てもうまいと言えない刺繍を、ラルスはこんなにも喜んでくれる。
もっときれいに見栄え良く作れたらと思っていたが、ラルスの偽りのない笑顔を見るとそんな気持ちも吹っ飛んでしまった。
「へへ……使ってくれるの、うれしいよ。ありがとう、ラルス」
「俺の方こそ、世界一の剣帯をありがとうございます」
「これでラルスも、『無事に帰ることができる』?」
フローリアンがラルスを見上げると、彼は目を細めて。
「はい。これでなにがあっても、必ずフローラの元に帰れます」
そう言ってラルスは、フローリアンをぎゅっと抱きしめてくれた。
スタイの端につけているワンポイントの刺繍も、最初に比べればかなりよくなったと、フローリアンは自分で思っている。
「ラルス……明日、剣帯貸してくれる?」
夜、二人きりのベッドの上で、フローリアンはそう切り出した。
「もしかして、刺繍してくれるんですか?!」
「う、うん。まだまだ下手だけど、ここにいるうちしか刺繍はできないと思うから」
「フローラが俺のために刺繍をしてくれるだけで、嬉しいですよ」
優しく目元にキスをされ、くすぐったくてフフと笑ってしまう。
「で、でも、僕まだうさぎかイヌしか刺繍できなくって……どっちがいい?」
「うーん、じゃあ両方で!」
「両方?」
「はい。しょっちゅう泣いて目を赤くしているうさぎがフローラ。そしてフローラに仕える忠犬が俺。両方あった方が、常に一緒にいられる気分になるんで!」
「ちょっと! 僕、そんなに目が赤くなるまで泣いてないからね!?」
「なってますよ。いつも目、真っ赤です」
「そんなこと、ない、もん……たぶん」
ぷいっとそっぽを向くと、後ろからぎゅっと抱きしめられる。
大きな腕にすっぽりと収められると、ラルスの香りを感じた。
「フローラは、泣いた顔もかわいいんですよ」
「……ばか」
「キスしていいですか?」
「……うん」
そっと顔を寄せられて、唇と唇が触れ合う。
もう何度したかわからないくらいに交わしているというのに、キスするたびに胸が鳴るのは変わらない。
「俺、同僚が剣帯に刺繍しているのを見るたびに憧れてたんで……嬉しいです」
「他の人はどんな刺繍をしてるの?」
「色々でしたよ。幾何学模様みたいなやつから、花とか、ドラゴンとか、森とかの風景を刺繍してる人もいました」
「え、ちょっと、うさぎとイヌで大丈夫?!」
「動物をしてる人もいましたよ。リアルなオオカミとか」
「僕ができる刺繍、明らかに子ども用のかわいいタッチなんだけど!」
「ははっ、いいじゃないですか! 世界に一つしかない、俺の剣帯になります」
「でも」
「それ以上言うと、怒りますよ」
「んっ」
少し低い声を出したラルスに、フローリアンは口を閉ざされた。
***
翌日、フローリアンは一日中剣帯と格闘し………
そして、夕方に仕上がった。
家の中で渡すと冷やかされそうで、ラルスを呼び出し一緒に外に出る。
ラルスは見るからにわくわくしていて、フローリアンは気が重くなった。
別荘を出て、小さな川が流れるところまでくると、フローリアンは後ろを振り返ってラルスを目だけで見上げる。
「えっとね、ラルス」
「はい!」
「剣帯なんだけど……」
「できましたか!?」
「失敗、しちゃったんだ……」
フローリアンはうつむきながら、手の中にある剣帯をぎゅっと握りしめた。
渡された剣帯は誰の刺繍もされた跡がなく、自分が初めて刺繍するのだと思うと嬉しかった。
しかしスタイに刺繍するのと、剣帯に刺繍するのでは、勝手が違いすぎたのだ。丸枠は使えない、生地はごつくて硬くて針が通りづらい。そして、技術が圧倒的に足りない。
ハウアドル王国の女性の多くは刺繍を習うものだし、多少苦手な人でもそれなりに形になるのだろう。
だがフローリアンが剣帯にした刺繍は、まともな形にならなかった。
「ごめん、ラルス……」
「見せてください」
「でも……」
「大丈夫ですから」
手の中にある剣帯を、ラルスにゆっくり奪われた。
さらさらと流れる川の音だけが聞こえる。
なにを言われてしまうだろうかとと身を縮めていると、端にある刺繍を見つけたラルスは、にっこりと微笑んだ。
「なんだ、ちゃんとできてるじゃないですか」
「ぜ、全然ちゃんとじゃないよ……! もう、なんの生き物かわからなくなっちゃって……ぐちゃぐちゃだし……」
自分で言いながら情けなくなる。
スタイにしたように、もっとマシなものができると思っていた。なのに出来上がったのは、なぜだかブタとキツネのような生き物。ピンクのうさぎにしようと思ったのがダメだったのか。うさぎとイヌには、どうしたって見えない。
だというのにラルスは、その剣帯を装着してしまった。
「ごめん……王都に戻ったら、新しい剣帯を支給するから……」
「いらないですよ、これで十分です」
「だめだよ、そんなの!」
「どうしてですか?」
「だって、そんなのを仲間に見られたら、ラルスだって恥ずかしいだろうし……」
フローリアンはシャインの剣帯しか見たことがないが、きっとみんなきれいに刺繍してあるのだろう。騎士で見せ合いをした時に、王の護衛騎士であるラルスがこんな刺繍をしていては、笑われてしまうに違いない。
「恥ずかしくなんてないですよ。俺の愛する人が、一生懸命に刺繍してくれたんだって自慢します!」
「ほ、本当にそんなのでいいの?」
「もちろん! 俺、刺繍のある剣帯って憧れだったんで、嬉しいです!」
どこをどう見てもうまいと言えない刺繍を、ラルスはこんなにも喜んでくれる。
もっときれいに見栄え良く作れたらと思っていたが、ラルスの偽りのない笑顔を見るとそんな気持ちも吹っ飛んでしまった。
「へへ……使ってくれるの、うれしいよ。ありがとう、ラルス」
「俺の方こそ、世界一の剣帯をありがとうございます」
「これでラルスも、『無事に帰ることができる』?」
フローリアンがラルスを見上げると、彼は目を細めて。
「はい。これでなにがあっても、必ずフローラの元に帰れます」
そう言ってラルスは、フローリアンをぎゅっと抱きしめてくれた。
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