3 / 13
03.手料理でお近づき大作戦
しおりを挟む
スタンリーが副団長から団長になったとき、ミシェルはチャンスだと彼を誘った。
「スタンリー様、団長就任おめでとうございます! よければ私にもお祝いさせてくれませんか!?」
お祝いでもっとお近づきになる作戦である。
「祝い?」
「はい、もし良ければですが」
「まさか、ミシェルに祝ってもらえるとは思ってかったな。嬉しいよ。ありがとう」
ほんのりと緩んだ口元がもう、愛おしくてたまらない。
ミシェルは頼み込んで、スタンリーの家に押しかけて料理を作ることにした。
外に食べに行っては、きっと奢られてしまうだろう。小娘に奢られるところなど、誰にも見せられないはずだから。
ミシェルは約束の日、買い物をすませると、教えてもらったスタンリーの家に向かった。
貴族になっているのだから当然だが、屋敷は予想以上に大きくてたじろいだ。
普段は料理人がいるそうだが、今日はミシェルが作るからと休みをとらせてあげたらしい。
「さて、何を作ってくれるんだ?」
「ふふ、出来上がってからのお楽しみです」
もったいぶって作り始めたのは良かったが、これが散々な出来だった。
どこに何があるかわからない、使い勝手がいつもとは違う台所というのはこんなにもやりにくいものだったのかとミシェルは愕然とした。
鍋や調味料を探しているうちに焦がしたり、火の調節をうまくできずに四苦八苦し、できあがったのは自分でも何を作りたかったのかわからない焦げた黒い物体になってしまったのだ。
別室で待たせていたスタンリーに正直に報告に行くと、彼はいつもの優しい目をして言った。
「その気持ちだけで十分だ。食事は俺が支度しよう」
「え? スタンリー様、お料理ができるんですか?」
「独身生活が長いからな」
そう言って彼は手際よく次々に料理を作っていく。
いわゆるこの地の郷土料理というものだ。誰もが馴染みのあるメニューでカウンターは埋め尽くされた。
湯気の立つスープは黄金色をしていて、男らしく大きめに切られた具材が食欲を誘い、ミシェルのお腹はグウと鳴った。
「あっ」
「遅くなってしまってすまない。食べよう」
遅くなってしまったのはスタンリーのせいではないのにそう言って、使用人に別室に運ばせると、そこでようやく昼食となった。テーブルの上には、ミシェルの作った焦げた物体も乗っている。
まさか食べはしないだろうと思っていたミシェルは、それを口に運ぶスタンリーを見て目を見張った。
「スタンリー様? 今、何を食べ……っ」
「ミシェルの作った料理だが?」
「やめてください! お腹を壊しちゃいます!」
「いや、これはこれでおいしい……げふっ、ごふっ」
「お、お水を……っ」
ごくごく水を飲み、なんとか平常に戻るスタンリー。
けれども彼はどれだけ止めても、おいしいわけもない物体を食べ続けてしまった。
何度もむせて、水でお腹が破裂してしまうのではないかと思うほど。
それとは対照的に、スタンリーの料理は美味しかった。特別な味付けをしているわけではない、素朴な男料理だったが、これがまた素材の味を引き立てていていくらでもお腹に入っていく。
はて、これは一体誰の祝いの席だっただろうかと首を傾げるほどだ。まるで罰ゲームのようなことをさせられたスタンリーは、それでもニコリと笑っている。
「ごちそうさま、ありがとうミシェル」
「おいしく、なかったですよね……」
「いや、そんなことは……」
「スタンリー様は、気を遣いすぎです! 初めておすすめした本の時だって、そうだったじゃないですか! 無理なことは無理だと、ちゃんとそう言ってください!」
騎士団長に向かって生意気なことを言ってしまい、ミシェルはしまったと口を押さえる。
すると、やっぱりスタンリーは面目なさそうに眉を下げて頬を掻いていた。その表情と仕草は、ミシェルの好きなひとつだから、困ってしまう。
「そう、だな。おいしくはなかった」
「うう、すみません……」
「だが」
逆接の言葉に、ミシェルは下げた視線をもとに戻す。
「俺は、ミシェルの作った料理を食べたかったんだ。俺のために作ってくれて嬉しかったよ。ありがとう、ミシェル」
オリーブグリーンの細められた目。優しい笑みに、いたわりの言葉。
ミシェルはキラキラのオンパレードにぶっ倒れそうになるのを必死で堪えて、こくこくと頷くことしかできなかった。
もう、好きだと言ってしまいたい。
けれど、こんな大失態の後で告白しても無理に決まっている。
もっともっと、仲良くなってからじゃないと。スタンリーを惚れさせるくらいになってからじゃないと、告白しても無意味だ……ミシェルはそう思った。
この黒い物体を食べさせてしまったお詫びにと、今度はスタンリーをミシェルの家に招待した。
料理が下手な女だと思われたままなのは嫌なので、リベンジだ。その日は普通に料理を作ることができて、ホッと胸を撫で下ろした。
「今日はおいしい料理をありがとう、ミシェル」
「いえ、前回が酷すぎましたから……今日は来てくださって、ありがとうございました」
「それじゃあ、また」
「え、また呼んでいいんですか?」
やった、と勝手に顔が明るくなると、スタンリーは少し驚いたように目を丸めた。
「あ、いや、また図書館で、という意味だったんだが」
「っは!」
都合の良い解釈をしていたことに、顔が熱くなってくる。相手は忙しい騎士団長なのだ。そんなにしょっちゅう誘われても迷惑に違いない。
「だが、誘ってくれるならありがたく来させてもらうよ」
「あの、じゃあ、今度はスタンリー様のお誕生日を祝わせてください! お誕生日はいつですか!?」
「二月十七日だ」
「わ、もう少しですね!」
「ミシェルは?」
「私ですか? 私は夏生まれなんです。八月十七日」
「日付が同じだ。覚えやすいな」
「あは、本当だ」
たったそれだけのことが嬉しくて、ミシェルの口から笑みが溢れる。
「じゃあ、十七日、良ければお祝いをさせてください。あ、予定があれば、次の日や次の週でも!」
「いや、いつものように仕事なだけで、その後の予定はない。誰かに祝われる年でもないしな」
「私、精一杯お祝いさせてもらいますね」
「ありがとう、嬉しいよ。けど、無理はしないようにな」
夜のせいか、細められた目からは大人の男の色気が漂ってくる。
「おやすみ、ミシェル」
「おやすみなさい、スタンリー様」
そう言って、ミシェルは顔を上げた。
ハグは、くれないだろうか。この国では、家族や仲の良い友人間では、離れ際にハグをする習慣がある。
今日でとても仲良くなれた気がして、ミシェルは期待してしまった。
「ああ、そうだミシェル。頼みがあるんだが」
「なんですか、スタンリー様」
「そのスタンリー様というのはやめてくれないか? 俺は元々貴族ではないし、団長としてあなたと会ってるわけではない」
団長として会っているわけではない……その言葉を聞いて、ミシェルは舞い上がった。スタンリーと会っているときは、彼がプライベートな時間だったので、当然と言えば当然であったが。
「じゃあ……スタンリー……さん?」
「ああ、それでいい」
ほんの少し口角が上がるのを見るだけで、胸がいっぱいになる。
そして呼び方を変えるだけでさらに距離が近くなった気がした。
「今日はありがとう。十七日を楽しみにしている」
「はい、私も楽しみです」
その日、ハグはなかったけれど。
スタンリーは素敵な笑顔を残して、帰っていった。
「スタンリー様、団長就任おめでとうございます! よければ私にもお祝いさせてくれませんか!?」
お祝いでもっとお近づきになる作戦である。
「祝い?」
「はい、もし良ければですが」
「まさか、ミシェルに祝ってもらえるとは思ってかったな。嬉しいよ。ありがとう」
ほんのりと緩んだ口元がもう、愛おしくてたまらない。
ミシェルは頼み込んで、スタンリーの家に押しかけて料理を作ることにした。
外に食べに行っては、きっと奢られてしまうだろう。小娘に奢られるところなど、誰にも見せられないはずだから。
ミシェルは約束の日、買い物をすませると、教えてもらったスタンリーの家に向かった。
貴族になっているのだから当然だが、屋敷は予想以上に大きくてたじろいだ。
普段は料理人がいるそうだが、今日はミシェルが作るからと休みをとらせてあげたらしい。
「さて、何を作ってくれるんだ?」
「ふふ、出来上がってからのお楽しみです」
もったいぶって作り始めたのは良かったが、これが散々な出来だった。
どこに何があるかわからない、使い勝手がいつもとは違う台所というのはこんなにもやりにくいものだったのかとミシェルは愕然とした。
鍋や調味料を探しているうちに焦がしたり、火の調節をうまくできずに四苦八苦し、できあがったのは自分でも何を作りたかったのかわからない焦げた黒い物体になってしまったのだ。
別室で待たせていたスタンリーに正直に報告に行くと、彼はいつもの優しい目をして言った。
「その気持ちだけで十分だ。食事は俺が支度しよう」
「え? スタンリー様、お料理ができるんですか?」
「独身生活が長いからな」
そう言って彼は手際よく次々に料理を作っていく。
いわゆるこの地の郷土料理というものだ。誰もが馴染みのあるメニューでカウンターは埋め尽くされた。
湯気の立つスープは黄金色をしていて、男らしく大きめに切られた具材が食欲を誘い、ミシェルのお腹はグウと鳴った。
「あっ」
「遅くなってしまってすまない。食べよう」
遅くなってしまったのはスタンリーのせいではないのにそう言って、使用人に別室に運ばせると、そこでようやく昼食となった。テーブルの上には、ミシェルの作った焦げた物体も乗っている。
まさか食べはしないだろうと思っていたミシェルは、それを口に運ぶスタンリーを見て目を見張った。
「スタンリー様? 今、何を食べ……っ」
「ミシェルの作った料理だが?」
「やめてください! お腹を壊しちゃいます!」
「いや、これはこれでおいしい……げふっ、ごふっ」
「お、お水を……っ」
ごくごく水を飲み、なんとか平常に戻るスタンリー。
けれども彼はどれだけ止めても、おいしいわけもない物体を食べ続けてしまった。
何度もむせて、水でお腹が破裂してしまうのではないかと思うほど。
それとは対照的に、スタンリーの料理は美味しかった。特別な味付けをしているわけではない、素朴な男料理だったが、これがまた素材の味を引き立てていていくらでもお腹に入っていく。
はて、これは一体誰の祝いの席だっただろうかと首を傾げるほどだ。まるで罰ゲームのようなことをさせられたスタンリーは、それでもニコリと笑っている。
「ごちそうさま、ありがとうミシェル」
「おいしく、なかったですよね……」
「いや、そんなことは……」
「スタンリー様は、気を遣いすぎです! 初めておすすめした本の時だって、そうだったじゃないですか! 無理なことは無理だと、ちゃんとそう言ってください!」
騎士団長に向かって生意気なことを言ってしまい、ミシェルはしまったと口を押さえる。
すると、やっぱりスタンリーは面目なさそうに眉を下げて頬を掻いていた。その表情と仕草は、ミシェルの好きなひとつだから、困ってしまう。
「そう、だな。おいしくはなかった」
「うう、すみません……」
「だが」
逆接の言葉に、ミシェルは下げた視線をもとに戻す。
「俺は、ミシェルの作った料理を食べたかったんだ。俺のために作ってくれて嬉しかったよ。ありがとう、ミシェル」
オリーブグリーンの細められた目。優しい笑みに、いたわりの言葉。
ミシェルはキラキラのオンパレードにぶっ倒れそうになるのを必死で堪えて、こくこくと頷くことしかできなかった。
もう、好きだと言ってしまいたい。
けれど、こんな大失態の後で告白しても無理に決まっている。
もっともっと、仲良くなってからじゃないと。スタンリーを惚れさせるくらいになってからじゃないと、告白しても無意味だ……ミシェルはそう思った。
この黒い物体を食べさせてしまったお詫びにと、今度はスタンリーをミシェルの家に招待した。
料理が下手な女だと思われたままなのは嫌なので、リベンジだ。その日は普通に料理を作ることができて、ホッと胸を撫で下ろした。
「今日はおいしい料理をありがとう、ミシェル」
「いえ、前回が酷すぎましたから……今日は来てくださって、ありがとうございました」
「それじゃあ、また」
「え、また呼んでいいんですか?」
やった、と勝手に顔が明るくなると、スタンリーは少し驚いたように目を丸めた。
「あ、いや、また図書館で、という意味だったんだが」
「っは!」
都合の良い解釈をしていたことに、顔が熱くなってくる。相手は忙しい騎士団長なのだ。そんなにしょっちゅう誘われても迷惑に違いない。
「だが、誘ってくれるならありがたく来させてもらうよ」
「あの、じゃあ、今度はスタンリー様のお誕生日を祝わせてください! お誕生日はいつですか!?」
「二月十七日だ」
「わ、もう少しですね!」
「ミシェルは?」
「私ですか? 私は夏生まれなんです。八月十七日」
「日付が同じだ。覚えやすいな」
「あは、本当だ」
たったそれだけのことが嬉しくて、ミシェルの口から笑みが溢れる。
「じゃあ、十七日、良ければお祝いをさせてください。あ、予定があれば、次の日や次の週でも!」
「いや、いつものように仕事なだけで、その後の予定はない。誰かに祝われる年でもないしな」
「私、精一杯お祝いさせてもらいますね」
「ありがとう、嬉しいよ。けど、無理はしないようにな」
夜のせいか、細められた目からは大人の男の色気が漂ってくる。
「おやすみ、ミシェル」
「おやすみなさい、スタンリー様」
そう言って、ミシェルは顔を上げた。
ハグは、くれないだろうか。この国では、家族や仲の良い友人間では、離れ際にハグをする習慣がある。
今日でとても仲良くなれた気がして、ミシェルは期待してしまった。
「ああ、そうだミシェル。頼みがあるんだが」
「なんですか、スタンリー様」
「そのスタンリー様というのはやめてくれないか? 俺は元々貴族ではないし、団長としてあなたと会ってるわけではない」
団長として会っているわけではない……その言葉を聞いて、ミシェルは舞い上がった。スタンリーと会っているときは、彼がプライベートな時間だったので、当然と言えば当然であったが。
「じゃあ……スタンリー……さん?」
「ああ、それでいい」
ほんの少し口角が上がるのを見るだけで、胸がいっぱいになる。
そして呼び方を変えるだけでさらに距離が近くなった気がした。
「今日はありがとう。十七日を楽しみにしている」
「はい、私も楽しみです」
その日、ハグはなかったけれど。
スタンリーは素敵な笑顔を残して、帰っていった。
1
お気に入りに追加
470
あなたにおすすめの小説
愛する人は、貴方だけ
月(ユエ)/久瀬まりか
恋愛
下町で暮らすケイトは母と二人暮らし。ところが母は病に倒れ、ついに亡くなってしまう。亡くなる直前に母はケイトの父親がアークライト公爵だと告白した。
天涯孤独になったケイトの元にアークライト公爵家から使者がやって来て、ケイトは公爵家に引き取られた。
公爵家には三歳年上のブライアンがいた。跡継ぎがいないため遠縁から引き取られたというブライアン。彼はケイトに冷たい態度を取る。
平民上がりゆえに令嬢たちからは無視されているがケイトは気にしない。最初は冷たかったブライアン、第二王子アーサー、公爵令嬢ミレーヌ、幼馴染カイルとの交友を深めていく。
やがて戦争の足音が聞こえ、若者の青春を奪っていく。ケイトも無関係ではいられなかった……。
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/love.png?id=38b9f51b5677c41b0416)
【完結】傷跡に咲く薔薇の令嬢は、辺境伯の優しい手に救われる。
朝日みらい
恋愛
セリーヌ・アルヴィスは完璧な貴婦人として社交界で輝いていたが、ある晩、馬車で帰宅途中に盗賊に襲われ、顔に深い傷を負う。
傷が癒えた後、婚約者アルトゥールに再会するも、彼は彼女の外見の変化を理由に婚約を破棄する。
家族も彼女を冷遇し、かつての華やかな生活は一転し、孤独と疎外感に包まれる。
最終的に、家族に決められた新たな婚約相手は、社交界で「醜い」と噂されるラウル・ヴァレールだった―――。
【完結】ひとりぼっちになった王女が辿り着いた先は、隣国の✕✕との溺愛婚でした
鬼ヶ咲あちたん
恋愛
側妃を母にもつ王女クラーラは、正妃に命を狙われていると分かり、父である国王陛下の手によって王城から逃がされる。隠れた先の修道院で迎えがくるのを待っていたが、数年後、もたらされたのは頼りの綱だった国王陛下の訃報だった。「これからどうしたらいいの?」ひとりぼっちになってしまったクラーラは、見習いシスターとして生きる覚悟をする。そんなある日、クラーラのつくるスープの香りにつられ、身なりの良い青年が修道院を訪ねて来た。
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/love.png?id=38b9f51b5677c41b0416)
【完結】おしどり夫婦と呼ばれる二人
通木遼平
恋愛
アルディモア王国国王の孫娘、隣国の王女でもあるアルティナはアルディモアの騎士で公爵子息であるギディオンと結婚した。政略結婚の多いアルディモアで、二人は仲睦まじく、おしどり夫婦と呼ばれている。
が、二人の心の内はそうでもなく……。
※他サイトでも掲載しています
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/love.png?id=38b9f51b5677c41b0416)
【完結】初恋の伯爵は愛を求めない!買われた契約妻は恋心をひた隠す
白雨 音
恋愛
男爵令嬢のセリアは結婚を間近に控えていたが、両親の死により全てを失ってしまう。
残された負債の為、債権者の館で下女となるが、元貴族という事で、
風当たりも強く、辛い日々を送っていた。
そんなある夜、館のパーティで、セリアは一人の男性に目を奪われた。
三年前、密かに恋心を抱いた相手、伯爵レオナール___
伯爵は自分の事など記憶していないだろうが、今の姿を彼に見られたくない…
そんな気持ちとは裏腹に、セリアはパーティで目立ってしまう。
嫉妬した館の娘ルイーズの策謀で、盗人の汚名を着せられたセリア。
彼女の窮地に現れたのは、伯爵だった…
異世界恋愛 ※魔法要素はありません。《完結しました》
お読み下さり、お気に入り、エール、ありがとうございます☆
呪いを受けて醜くなっても、婚約者は変わらず愛してくれました
しろねこ。
恋愛
婚約者が倒れた。
そんな連絡を受け、ティタンは急いで彼女の元へと向かう。
そこで見たのはあれほどまでに美しかった彼女の変わり果てた姿だ。
全身包帯で覆われ、顔も見えない。
所々見える皮膚は赤や黒といった色をしている。
「なぜこのようなことに…」
愛する人のこのような姿にティタンはただただ悲しむばかりだ。
同名キャラで複数の話を書いています。
作品により立場や地位、性格が多少変わっていますので、アナザーワールド的に読んで頂ければありがたいです。
この作品は少し古く、設定がまだ凝り固まって無い頃のものです。
皆ちょっと性格違いますが、これもこれでいいかなと載せてみます。
短めの話なのですが、重めな愛です。
お楽しみいただければと思います。
小説家になろうさん、カクヨムさんでもアップしてます!
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/love.png?id=38b9f51b5677c41b0416)
悪役令嬢は王子の溺愛を終わらせない~ヒロイン遭遇で婚約破棄されたくないので、彼と国外に脱出します~
可児 うさこ
恋愛
乙女ゲームの悪役令嬢に転生した。第二王子の婚約者として溺愛されて暮らしていたが、ヒロインが登場。第二王子はヒロインと幼なじみで、シナリオでは真っ先に攻略されてしまう。婚約破棄されて幸せを手放したくない私は、彼に言った。「ハネムーン(国外脱出)したいです」。私の願いなら何でも叶えてくれる彼は、すぐに手際を整えてくれた。幸せなハネムーンを楽しんでいると、ヒロインの影が追ってきて……※ハッピーエンドです※
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/love.png?id=38b9f51b5677c41b0416)
【完結】みそっかす転生王女の婚活
佐倉えび
恋愛
私は幼い頃の言動から変わり者と蔑まれ、他国からも自国からも結婚の申し込みのない、みそっかす王女と呼ばれている。旨味のない小国の第二王女であり、見目もイマイチな上にすでに十九歳という王女としては行き遅れ。残り物感が半端ない。自分のことながらペットショップで売れ残っている仔犬という名の成犬を見たときのような気分になる。
兄はそんな私を厄介払いとばかりに嫁がせようと、今日も婚活パーティーを主催する(適当に)
もう、この国での婚活なんて無理じゃないのかと思い始めたとき、私の目の前に現れたのは――
※小説家になろう様でも掲載しています。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる