15 / 74
ロレンツォ編
第15話 違和感があるそのわけは
しおりを挟む
翌日には離婚届を提出し、コリーンの市民権のカードからは、カルミナーティの文字が消えた。
ロレンツォは取り敢えず必要最低限の荷物を持って、イーストドールストリート沿いにある家へと向かう。この家に足を踏み入れた事は、数える程しかない。埃臭くて、ロレンツォは窓を開け放った。
「……広い家だな。掃除が大変そうだ」
騎士隊長の面子を保つ意味で、ほぼ強制的にこの家を貸し与えられた。リゼット、スティーグ、アクセルという貴族連中は立派な家に住んでいるし、元一般市民であるイオスは自分の家を建てている。エルフであるウェルスだけがロレンツォと同じ様に家を貸し与えられているが、彼は隊長になる前から借りている家なので、ここまで大きくは無い。
ある程度片付けが終わると、いつものように煙草を燻らせた。
「結婚でもすれば、ちょうど良い大きさの家に感じるのかな」
ふと、リゼットの顔が過る。彼女がここに来てくれたら、どんな生活が待っているだろうか。
ここで鼻歌を歌いながらご飯を作ってくれるだろうか。
コリーンには無事市民権を与えられて、離婚する事が出来た。ようやく自由の身である。これでウェルスが幸せになってくれれば、再びリゼットと付き合えるだろう。
そんな日はそう遠くない、とロレンツォは確信している。
何故ならば、ウェルスとその元恋人がまだ愛し合っていることを、ロレンツォは知っていた。
ある時、ディーナという元奴隷の女性が軍議中に飛び込んで来て、ウェルスに盛大な告白をしたのだ。また、ウェルスの方も最後の出撃の前に、ディーナを貰い受けたい気持ちがある事を伝えていたのをロレンツォは聞いていた。まだ二人には難関があるようだが、イオスに相談していたようだし、解決するのも時間の問題だろう。
もし、ウェルスとディーナがよりを戻せば。
リゼットの自責の念も無くなる。自分も幸せになっても良いと思えるはず。そうなれば、またリゼットと付き合える。そして今度は結婚だって出来る身なのだ。
ロレンツォはそんな日が来るのを想像し、幸せな気分に浸っていた……はずだった。
煙草はすでに手元まで燃え尽きていて、ロレンツォはそれを灰皿に置く。
何かが違うな、とロレンツォは首を捻らせた。
「眼鏡、か?」
いつもの様に黒縁の大きな眼鏡を掛けてみる。違和感が、少しだけ解消された。本とノートをテーブルの上に置くと、より一層緩和される。しかし、まだ何かが足りない。
「……コリーンの、視線だ」
この家にコリーンはいない。いつもの煙草を燻らせる時に送られる、コリーンの視線がここには無い。
喪失感……虚無感?
何だ、この気持ちは。
アルバンで暮らしていた時には何ともなかったが、トレインチェで別々に暮らすというのは、どうにも違和感がある。
そこにあるはずのものが無い。その物寂しさ。違和感。隔靴掻痒の感がある。
ロレンツォはもう一本タバコに火を点けた。
コリーンはどうしているかな。
俺が家に帰れない時、コリーンもこんな気持ちでいたんだろうか。
今、コリーンはどんな気持ちでいるのか……。
ふと、ロレンツォは既視感を覚える。この、誰かを恋しく思う気持ち。それをロレンツォは一度経験している。
「……懐郷病か」
何とロレンツォは、アパートを出てから一日も立たぬうちに、ホームシックにかかってしまっていたのだった。
次の日。仕事が終わると、ロレンツォはイースト地区の家には帰らず、ノース地区のアパートに向かった。
扉を開けようとしたが、鍵が掛かっている。まだ仕事から帰って来ていないのだろう。仕方なくロレンツォは、勝手に鍵を開けて入った。当たり前だが、部屋はまだロレンツォが出て行ったままだ。
ご飯は誰かと食べてくるだろうか。そう思いながらもロレンツォは野菜を手に取り、料理を作り始めた。いつもコリーンが作ってくれていたので、自分で作るのは久しぶりだ。
料理を並べ終わると、玄関で扉の開く音がした。
「あれ? ロレンツォ?! びっくりしたあ!」
泥棒かと思った、と言いながらリスの手提げ袋を置くコリーン。十年物の手提げだが、目立った汚れや破れも無く、綺麗に使われている。
「荷物を取りに来たの? あ、ご飯作ってくれたんだ」
「もしかして、食べて来たか?」
「ううん、仕事終わってすぐに帰って来たよ。お腹空いた」
コリーンは席に着き、ロレンツォと共に食事を始める。美味しそうに食べてくれる彼女に、ロレンツォは聞いた。
「いつもこんなに遅いのか?」
「いつもじゃないけど、ディーナさんが配達や狩りに出てて、私が店番の時はこんな感じかな」
時刻は午後八時半。職場であるウエスト地区から戻ってくるのに三十分の距離だ。ロレンツォは顔をしかめた。
「遅くなった時は迎えに行こう」
「ええ? いいよ。イースト地区とウエスト地区じゃ真逆だし。ここまで送ってたら、ロレンツォが帰るの遅くなるよ」
「だが最近、良くない事件が起こっているし」
「それってイースト地区の事件でしょ。ここもお店も大丈夫だよ」
「安易に考えるな。どこで起こってもおかしくないんだから。気を付けるに越した事はない」
「はーい。なんか急に過保護になったね」
「一人暮らしをさせるのは初めてだしな」
「何を今更。ロレンツォが戦争に行ってる時は、私いつも一人だったんだよ」
「そうだが、家で勉強していると思うのと、夜遅くまで働いていると思うのとじゃ、気構えが違うんだよ」
「そういうもんかな」
そう言いながら、コリーンはどこか嬉しそうに笑った。
「ごちそうさま! 久々のロレンツォのご飯、美味しかった!」
「それは良かった」
「もう帰るの?」
「いや……面倒だ、泊まっていくか。いいか?」
「勿論!」
まさかホームシックにかかってしまって帰りたくないとは言えず、ロレンツォはそんな言い方で誤魔化す。
「仕事は楽しいか?」
「うん。経理だけじゃなくて、色々させて貰ってるんだ。すごく勉強になる」
「給料はいくら貰えてるんだ?」
「月に六万ジェイア」
「……やっていけるのか?」
ここの家賃だけで三万ジェイアはする。風呂に張る湯を買ったり、灯り取りのための油を買ったり、毎日の食料を買っていたりしたら、すぐに無くなる……というより、ギリギリの生活になるだろう。
「まぁ今は少ないけど、店が安定すれば給料は上げてくれるって言ってくれたから」
「じゃあそれまでは、俺がここの家賃を払おう」
「それじゃあ自立にならないでしょ。大丈夫、少しは貯えもあるし」
「そう言えば、今月の小遣いを渡していなかったな」
財布を取り出そうとするロレンツォを、コリーンは制して口を尖らせた。
「ロレンツォ! ちょっと見守っててくれない? 私、自立したいの」
そうか。もうこういう行為は迷惑になるんだな。
今まで上げていた小遣いは、コリーン貯金に回そうと考える。結婚する時には、いくらかまとまったお金を持たせてやりたい。
「分かった。じゃあ、どうにも立ち行かなくなった時には……出来ればそうなる前に相談はしてくれ。迷惑を掛けるなんて思わなくていい。遠慮も無用だ。家族なんだからな」
そう言うとコリーンはこくりと頷き、感謝の言葉と共に笑顔を見せてくれていた。
ロレンツォは取り敢えず必要最低限の荷物を持って、イーストドールストリート沿いにある家へと向かう。この家に足を踏み入れた事は、数える程しかない。埃臭くて、ロレンツォは窓を開け放った。
「……広い家だな。掃除が大変そうだ」
騎士隊長の面子を保つ意味で、ほぼ強制的にこの家を貸し与えられた。リゼット、スティーグ、アクセルという貴族連中は立派な家に住んでいるし、元一般市民であるイオスは自分の家を建てている。エルフであるウェルスだけがロレンツォと同じ様に家を貸し与えられているが、彼は隊長になる前から借りている家なので、ここまで大きくは無い。
ある程度片付けが終わると、いつものように煙草を燻らせた。
「結婚でもすれば、ちょうど良い大きさの家に感じるのかな」
ふと、リゼットの顔が過る。彼女がここに来てくれたら、どんな生活が待っているだろうか。
ここで鼻歌を歌いながらご飯を作ってくれるだろうか。
コリーンには無事市民権を与えられて、離婚する事が出来た。ようやく自由の身である。これでウェルスが幸せになってくれれば、再びリゼットと付き合えるだろう。
そんな日はそう遠くない、とロレンツォは確信している。
何故ならば、ウェルスとその元恋人がまだ愛し合っていることを、ロレンツォは知っていた。
ある時、ディーナという元奴隷の女性が軍議中に飛び込んで来て、ウェルスに盛大な告白をしたのだ。また、ウェルスの方も最後の出撃の前に、ディーナを貰い受けたい気持ちがある事を伝えていたのをロレンツォは聞いていた。まだ二人には難関があるようだが、イオスに相談していたようだし、解決するのも時間の問題だろう。
もし、ウェルスとディーナがよりを戻せば。
リゼットの自責の念も無くなる。自分も幸せになっても良いと思えるはず。そうなれば、またリゼットと付き合える。そして今度は結婚だって出来る身なのだ。
ロレンツォはそんな日が来るのを想像し、幸せな気分に浸っていた……はずだった。
煙草はすでに手元まで燃え尽きていて、ロレンツォはそれを灰皿に置く。
何かが違うな、とロレンツォは首を捻らせた。
「眼鏡、か?」
いつもの様に黒縁の大きな眼鏡を掛けてみる。違和感が、少しだけ解消された。本とノートをテーブルの上に置くと、より一層緩和される。しかし、まだ何かが足りない。
「……コリーンの、視線だ」
この家にコリーンはいない。いつもの煙草を燻らせる時に送られる、コリーンの視線がここには無い。
喪失感……虚無感?
何だ、この気持ちは。
アルバンで暮らしていた時には何ともなかったが、トレインチェで別々に暮らすというのは、どうにも違和感がある。
そこにあるはずのものが無い。その物寂しさ。違和感。隔靴掻痒の感がある。
ロレンツォはもう一本タバコに火を点けた。
コリーンはどうしているかな。
俺が家に帰れない時、コリーンもこんな気持ちでいたんだろうか。
今、コリーンはどんな気持ちでいるのか……。
ふと、ロレンツォは既視感を覚える。この、誰かを恋しく思う気持ち。それをロレンツォは一度経験している。
「……懐郷病か」
何とロレンツォは、アパートを出てから一日も立たぬうちに、ホームシックにかかってしまっていたのだった。
次の日。仕事が終わると、ロレンツォはイースト地区の家には帰らず、ノース地区のアパートに向かった。
扉を開けようとしたが、鍵が掛かっている。まだ仕事から帰って来ていないのだろう。仕方なくロレンツォは、勝手に鍵を開けて入った。当たり前だが、部屋はまだロレンツォが出て行ったままだ。
ご飯は誰かと食べてくるだろうか。そう思いながらもロレンツォは野菜を手に取り、料理を作り始めた。いつもコリーンが作ってくれていたので、自分で作るのは久しぶりだ。
料理を並べ終わると、玄関で扉の開く音がした。
「あれ? ロレンツォ?! びっくりしたあ!」
泥棒かと思った、と言いながらリスの手提げ袋を置くコリーン。十年物の手提げだが、目立った汚れや破れも無く、綺麗に使われている。
「荷物を取りに来たの? あ、ご飯作ってくれたんだ」
「もしかして、食べて来たか?」
「ううん、仕事終わってすぐに帰って来たよ。お腹空いた」
コリーンは席に着き、ロレンツォと共に食事を始める。美味しそうに食べてくれる彼女に、ロレンツォは聞いた。
「いつもこんなに遅いのか?」
「いつもじゃないけど、ディーナさんが配達や狩りに出てて、私が店番の時はこんな感じかな」
時刻は午後八時半。職場であるウエスト地区から戻ってくるのに三十分の距離だ。ロレンツォは顔をしかめた。
「遅くなった時は迎えに行こう」
「ええ? いいよ。イースト地区とウエスト地区じゃ真逆だし。ここまで送ってたら、ロレンツォが帰るの遅くなるよ」
「だが最近、良くない事件が起こっているし」
「それってイースト地区の事件でしょ。ここもお店も大丈夫だよ」
「安易に考えるな。どこで起こってもおかしくないんだから。気を付けるに越した事はない」
「はーい。なんか急に過保護になったね」
「一人暮らしをさせるのは初めてだしな」
「何を今更。ロレンツォが戦争に行ってる時は、私いつも一人だったんだよ」
「そうだが、家で勉強していると思うのと、夜遅くまで働いていると思うのとじゃ、気構えが違うんだよ」
「そういうもんかな」
そう言いながら、コリーンはどこか嬉しそうに笑った。
「ごちそうさま! 久々のロレンツォのご飯、美味しかった!」
「それは良かった」
「もう帰るの?」
「いや……面倒だ、泊まっていくか。いいか?」
「勿論!」
まさかホームシックにかかってしまって帰りたくないとは言えず、ロレンツォはそんな言い方で誤魔化す。
「仕事は楽しいか?」
「うん。経理だけじゃなくて、色々させて貰ってるんだ。すごく勉強になる」
「給料はいくら貰えてるんだ?」
「月に六万ジェイア」
「……やっていけるのか?」
ここの家賃だけで三万ジェイアはする。風呂に張る湯を買ったり、灯り取りのための油を買ったり、毎日の食料を買っていたりしたら、すぐに無くなる……というより、ギリギリの生活になるだろう。
「まぁ今は少ないけど、店が安定すれば給料は上げてくれるって言ってくれたから」
「じゃあそれまでは、俺がここの家賃を払おう」
「それじゃあ自立にならないでしょ。大丈夫、少しは貯えもあるし」
「そう言えば、今月の小遣いを渡していなかったな」
財布を取り出そうとするロレンツォを、コリーンは制して口を尖らせた。
「ロレンツォ! ちょっと見守っててくれない? 私、自立したいの」
そうか。もうこういう行為は迷惑になるんだな。
今まで上げていた小遣いは、コリーン貯金に回そうと考える。結婚する時には、いくらかまとまったお金を持たせてやりたい。
「分かった。じゃあ、どうにも立ち行かなくなった時には……出来ればそうなる前に相談はしてくれ。迷惑を掛けるなんて思わなくていい。遠慮も無用だ。家族なんだからな」
そう言うとコリーンはこくりと頷き、感謝の言葉と共に笑顔を見せてくれていた。
0
お気に入りに追加
70
あなたにおすすめの小説
娼館で元夫と再会しました
無味無臭(不定期更新)
恋愛
公爵家に嫁いですぐ、寡黙な夫と厳格な義父母との関係に悩みホームシックにもなった私は、ついに耐えきれず離縁状を机に置いて嫁ぎ先から逃げ出した。
しかし実家に帰っても、そこに私の居場所はない。
連れ戻されてしまうと危惧した私は、自らの体を売って生計を立てることにした。
「シーク様…」
どうして貴方がここに?
元夫と娼館で再会してしまうなんて、なんという不運なの!
結婚して5年、冷たい夫に離縁を申し立てたらみんなに止められています。
真田どんぐり
恋愛
ー5年前、ストレイ伯爵家の美しい令嬢、アルヴィラ・ストレイはアレンベル侯爵家の侯爵、ダリウス・アレンベルと結婚してアルヴィラ・アレンベルへとなった。
親同士に決められた政略結婚だったが、アルヴィラは旦那様とちゃんと愛し合ってやっていこうと決意していたのに……。
そんな決意を打ち砕くかのように旦那様の態度はずっと冷たかった。
(しかも私にだけ!!)
社交界に行っても、使用人の前でもどんな時でも冷たい態度を取られた私は周りの噂の恰好の的。
最初こそ我慢していたが、ある日、偶然旦那様とその幼馴染の不倫疑惑を耳にする。
(((こんな仕打ち、あんまりよーー!!)))
旦那様の態度にとうとう耐えられなくなった私は、ついに離縁を決意したーーーー。
セレナの居場所 ~下賜された側妃~
緑谷めい
恋愛
後宮が廃され、国王エドガルドの側妃だったセレナは、ルーベン・アルファーロ侯爵に下賜された。自らの新たな居場所を作ろうと努力するセレナだったが、夫ルーベンの幼馴染だという伯爵家令嬢クラーラが頻繁に屋敷を訪れることに違和感を覚える。
【完結】愛も信頼も壊れて消えた
miniko
恋愛
「悪女だって噂はどうやら本当だったようね」
王女殿下は私の婚約者の腕にベッタリと絡み付き、嘲笑を浮かべながら私を貶めた。
無表情で吊り目がちな私は、子供の頃から他人に誤解される事が多かった。
だからと言って、悪女呼ばわりされる筋合いなどないのだが・・・。
婚約者は私を庇う事も、王女殿下を振り払うこともせず、困った様な顔をしている。
私は彼の事が好きだった。
優しい人だと思っていた。
だけど───。
彼の態度を見ている内に、私の心の奥で何か大切な物が音を立てて壊れた気がした。
※感想欄はネタバレ配慮しておりません。ご注意下さい。
宮廷外交官の天才令嬢、王子に愛想をつかれて婚約破棄されたあげく、実家まで追放されてケダモノ男爵に読み書きを教えることになりました
悠木真帆
恋愛
子爵令嬢のシャルティナ・ルーリックは宮廷外交官として日々忙しくはたらく毎日。
クールな見た目と頭の回転の速さからついたあだ名は氷の令嬢。
婚約者である王子カイル・ドルトラードを長らくほったらかしてしまうほど仕事に没頭していた。
そんなある日の夜会でシャルティナは王子から婚約破棄を宣言されてしまう。
そしてそのとなりには見知らぬ令嬢が⋯⋯
王子の婚約者ではなくなった途端、シャルティナは宮廷外交官の立場まで失い、見かねた父の強引な勧めで冒険者あがりの男爵のところへ行くことになる。
シャルティナは宮廷外交官の実績を活かして辣腕を振るおうと張り切るが、男爵から命じられた任務は男爵に文字の読み書きを教えることだった⋯⋯
どうして私にこだわるんですか!?
風見ゆうみ
恋愛
「手柄をたてて君に似合う男になって帰ってくる」そう言って旅立って行った婚約者は三年後、伯爵の爵位をいただくのですが、それと同時に旅先で出会った令嬢との結婚が決まったそうです。
それを知った伯爵令嬢である私、リノア・ブルーミングは悲しい気持ちなんて全くわいてきませんでした。だって、そんな事になるだろうなってわかってましたから!
婚約破棄されて捨てられたという噂が広まり、もう結婚は無理かな、と諦めていたら、なんと辺境伯から結婚の申し出が! その方は冷酷、無口で有名な方。おっとりした私なんて、すぐに捨てられてしまう、そう思ったので、うまーくお断りして田舎でゆっくり過ごそうと思ったら、なぜか結婚のお断りを断られてしまう。
え!? そんな事ってあるんですか? しかもなぜか、元婚約者とその彼女が田舎に引っ越した私を追いかけてきて!?
おっとりマイペースなヒロインとヒロインに恋をしている辺境伯とのラブコメです。ざまぁは後半です。
※独自の世界観ですので、設定はゆるめ、ご都合主義です。
アルバートの屈辱
プラネットプラント
恋愛
妻の姉に恋をして妻を蔑ろにするアルバートとそんな夫を愛するのを諦めてしまった妻の話。
『詰んでる不憫系悪役令嬢はチャラ男騎士として生活しています』の10年ほど前の話ですが、ほぼ無関係なので単体で読めます。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる