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24話 音の正体
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開かずの扉を開くと、狭い階段になっていた。
地下へと歩みを進めるたび、やはり燭台が道を示すように先を照らしている。
ローズマリーは、ディリウスにしがみつきたくなるのをなんとか堪えながらごくりと息を呑む。
「大丈夫か、ローズ」
「へ、へ、平気よっ」
「やっぱり何かの気配はするな」
「ひぃい……っ」
怖がる様子の全くないディリウスは、スタスタと階段を降りていく。
その先に終わりが見えると同時に、コォォオオオオッという声が間近で聞こえた。
「ディル……ッ」
「行こう、ローズ」
嬉しそうに言われ、『どうしてそうなるのよっ!』と叫びたい気分に駆られるが、不気味な声の主を刺激しないように黙るしかない。
数歩進み開けた場所に出ると、眩しいくらい一気に燭台が灯された。
大きな広間の真ん中で、青色の巨大な狼のようなものがコォォオオオオッと息を吐きながらこちらを睨んでいる。
「な、何あれっ」
「幻獣フェンリル……しかもかなりの古代種みたいだ」
「何それ、現代種とどう違うのよっ」
「幻獣は基本的に、年を追うごとにデカく強くなる」
「やばいじゃない!」
「まさかこんな大物と対峙できるなんてな!」
スラリと剣を抜くディリウス。戦う気満々だ。
伏せていたフェンリルが立ち上がり、ディリウスを見据えている。
立ち上がるとさらに大きい。人の背丈の二倍以上はあった。全長はいわずもがなだ。
「だ、大丈夫なの!? あんなのに勝てる!?」
「やってみなきゃわからないな」
「そんな! 危険すぎるわよ、一旦戻って……」
「来た! 下がってろ!!」
ガァァアアアアッと大きく鋭い牙を見せて襲ってくるフェンリル。
ディリウスは剣を抜くと通路から飛び出し、ローズマリーから距離を取った。フェンリルをおびき寄せているのだ。
「ひ、ひぇえ……っ」
抜けそうになる腰をなんとか叱咤し、数歩階段を登って退避した。
ディリウスは広間の奥で、フェンリル相手に引けを取っていない。
しかし相手は大きな牙と裂けるような口を持つ幻獣。噛み砕かれれば一巻の終わりだ。
そんなフェンリルに、ディリウスは臆さず斬りかかっている。
剣は幻獣の肩を斬り裂き、鮮血がほとばしった。
だがフェンリルの前足がディリウスを捉え、体は簡単に吹き飛ばされる。
「ディルッ!!」
「っぐ!!」
それでもディルはすぐに立ち上がり、剣を構えた。やられると同時に後ろに飛び退いていたのだろう。
その反射神経には驚嘆するが、何度もうまくいくとは限らない。少しやられただけでも、相当なダメージのはずだ。
「今、治癒を……」
「来るな!! そこにいろ!!」
移動しようとするローズマリーに、ディリウスは剣を振りかざしながら答えた。
確かに、行ったところで治癒が終わるまで待ってくれるとは思えなかった。
(私に何かできることはないの……!?)
必死に脳を回転させる。
(透明になって、この短剣で援護する? けど鼻が良さそうだからすぐに気付かれるわ。他に私ができることは……)
ローズマリーは、ディリウスにもらった手鏡を巾着袋から取り出した。
(鏡にディルかフェンリルを映し出す……って言っても、目の前で戦ってるんだから意味はない。あとは心を読む魔法しかないけど、対象に触れないと読めない。フェンリルには触れられる気がしないし……)
その時ふと、応用という言葉が舞い降りてきた。
アナエルが天候の魔法を応用で使っていたように、魔法を掛け合わせれば。
(もしかしたら、できるかもしれない!)
ローズマリーは鏡にフェンリルを映し出した。
大きな牙がディリウスの腕を捉えようとしていて、ローズマリーは「ひっ」と小さな悲鳴を上げる。
ギリギリで牙を避けるディリウス。
フェンリルは何度も真っ赤な口を開き、ディリウスを食おうとしている。
(早くしなきゃ!!)
ローズマリーは鏡に映し出されたフェンリルに手を置き、心を読む魔法を使った。
(お願い、うまくいって……! 弱点でもわかれば……!!)
瞬間、フェンリルの心が雪崩れ込んできた。かなり強い思念だ。
『壊せ……壊してくれ……!! 我は、使命など……もう……』
(壊す!? 何を……使命って……フェンリルは、何かに支配されているの?)
ローズマリーは広間を見渡した。
ちょうど対角線上に、小さな扉が見える。しかしフェンリルが訴えているのは、それではなさそうだった。
(どれ!? 何かあるはず……!!)
キョロキョロと見回すも、特に際立って何かがあるようには思えない。
その間にディリウスの傷は徐々に増えていく。
(一体どこに……あるのは燭台の光ばかりで……っ)
ふと気づいたローズマリーは、ただ見るのではなく魔法力を視た。すると、たくさんの燭台の中の一つだけが、膨大な魔法力を放っている。
(見つけた!!)
フェンリルとディリウスが戦っている後ろ側の燭台だ。
危険だが、行くしかない。
ローズマリーは邪魔なヒールを脱ぎ捨てると、スカートを翻して走った。
「バカ、来るな!!」
「私のことは気にしないで!」
「そんなわけにいくか!! っく!!」
攻撃を躱しながら、ディリウスはローズマリーを守ろうという体制に入っている。
いくらディリウスでも、人を守りながらの戦闘は難しいだろう。
ローズマリーは慌てて自分の姿を消し、魔法力の多い燭台へと向う。
「姿を消すのは、逃げる時だ! どこにいるのかわからなかったら守れないだろ!!」
ディリウスの怒りの声には答えず、一心不乱に走って辿り着いた。
見た目には同じ燭台だが、異様な量の魔法力だ。太い蝋燭を手に取ると、蝋燭とは思えない重さを感じる。
(何か入ってるわ! これが魔法力の源!? これを壊せば……!!)
蝋燭を下に置くと、ローズマリーは短剣を突き立てた。
ガキンッと音がすると同時に、周りの蝋が剥げ落ちて赤色の石が姿を現す。同時にローズマリーの透明化が解除されてしまった。
(この石……! 魔法を相殺できるんだわ!)
つまり魔法で壊すことはできないのだと瞬時に理解する。しかし。
「もとより、私は破壊の魔法なんて知らないのよ!!」
ローズは力任せに、短剣を石へと突き立てた。
地下へと歩みを進めるたび、やはり燭台が道を示すように先を照らしている。
ローズマリーは、ディリウスにしがみつきたくなるのをなんとか堪えながらごくりと息を呑む。
「大丈夫か、ローズ」
「へ、へ、平気よっ」
「やっぱり何かの気配はするな」
「ひぃい……っ」
怖がる様子の全くないディリウスは、スタスタと階段を降りていく。
その先に終わりが見えると同時に、コォォオオオオッという声が間近で聞こえた。
「ディル……ッ」
「行こう、ローズ」
嬉しそうに言われ、『どうしてそうなるのよっ!』と叫びたい気分に駆られるが、不気味な声の主を刺激しないように黙るしかない。
数歩進み開けた場所に出ると、眩しいくらい一気に燭台が灯された。
大きな広間の真ん中で、青色の巨大な狼のようなものがコォォオオオオッと息を吐きながらこちらを睨んでいる。
「な、何あれっ」
「幻獣フェンリル……しかもかなりの古代種みたいだ」
「何それ、現代種とどう違うのよっ」
「幻獣は基本的に、年を追うごとにデカく強くなる」
「やばいじゃない!」
「まさかこんな大物と対峙できるなんてな!」
スラリと剣を抜くディリウス。戦う気満々だ。
伏せていたフェンリルが立ち上がり、ディリウスを見据えている。
立ち上がるとさらに大きい。人の背丈の二倍以上はあった。全長はいわずもがなだ。
「だ、大丈夫なの!? あんなのに勝てる!?」
「やってみなきゃわからないな」
「そんな! 危険すぎるわよ、一旦戻って……」
「来た! 下がってろ!!」
ガァァアアアアッと大きく鋭い牙を見せて襲ってくるフェンリル。
ディリウスは剣を抜くと通路から飛び出し、ローズマリーから距離を取った。フェンリルをおびき寄せているのだ。
「ひ、ひぇえ……っ」
抜けそうになる腰をなんとか叱咤し、数歩階段を登って退避した。
ディリウスは広間の奥で、フェンリル相手に引けを取っていない。
しかし相手は大きな牙と裂けるような口を持つ幻獣。噛み砕かれれば一巻の終わりだ。
そんなフェンリルに、ディリウスは臆さず斬りかかっている。
剣は幻獣の肩を斬り裂き、鮮血がほとばしった。
だがフェンリルの前足がディリウスを捉え、体は簡単に吹き飛ばされる。
「ディルッ!!」
「っぐ!!」
それでもディルはすぐに立ち上がり、剣を構えた。やられると同時に後ろに飛び退いていたのだろう。
その反射神経には驚嘆するが、何度もうまくいくとは限らない。少しやられただけでも、相当なダメージのはずだ。
「今、治癒を……」
「来るな!! そこにいろ!!」
移動しようとするローズマリーに、ディリウスは剣を振りかざしながら答えた。
確かに、行ったところで治癒が終わるまで待ってくれるとは思えなかった。
(私に何かできることはないの……!?)
必死に脳を回転させる。
(透明になって、この短剣で援護する? けど鼻が良さそうだからすぐに気付かれるわ。他に私ができることは……)
ローズマリーは、ディリウスにもらった手鏡を巾着袋から取り出した。
(鏡にディルかフェンリルを映し出す……って言っても、目の前で戦ってるんだから意味はない。あとは心を読む魔法しかないけど、対象に触れないと読めない。フェンリルには触れられる気がしないし……)
その時ふと、応用という言葉が舞い降りてきた。
アナエルが天候の魔法を応用で使っていたように、魔法を掛け合わせれば。
(もしかしたら、できるかもしれない!)
ローズマリーは鏡にフェンリルを映し出した。
大きな牙がディリウスの腕を捉えようとしていて、ローズマリーは「ひっ」と小さな悲鳴を上げる。
ギリギリで牙を避けるディリウス。
フェンリルは何度も真っ赤な口を開き、ディリウスを食おうとしている。
(早くしなきゃ!!)
ローズマリーは鏡に映し出されたフェンリルに手を置き、心を読む魔法を使った。
(お願い、うまくいって……! 弱点でもわかれば……!!)
瞬間、フェンリルの心が雪崩れ込んできた。かなり強い思念だ。
『壊せ……壊してくれ……!! 我は、使命など……もう……』
(壊す!? 何を……使命って……フェンリルは、何かに支配されているの?)
ローズマリーは広間を見渡した。
ちょうど対角線上に、小さな扉が見える。しかしフェンリルが訴えているのは、それではなさそうだった。
(どれ!? 何かあるはず……!!)
キョロキョロと見回すも、特に際立って何かがあるようには思えない。
その間にディリウスの傷は徐々に増えていく。
(一体どこに……あるのは燭台の光ばかりで……っ)
ふと気づいたローズマリーは、ただ見るのではなく魔法力を視た。すると、たくさんの燭台の中の一つだけが、膨大な魔法力を放っている。
(見つけた!!)
フェンリルとディリウスが戦っている後ろ側の燭台だ。
危険だが、行くしかない。
ローズマリーは邪魔なヒールを脱ぎ捨てると、スカートを翻して走った。
「バカ、来るな!!」
「私のことは気にしないで!」
「そんなわけにいくか!! っく!!」
攻撃を躱しながら、ディリウスはローズマリーを守ろうという体制に入っている。
いくらディリウスでも、人を守りながらの戦闘は難しいだろう。
ローズマリーは慌てて自分の姿を消し、魔法力の多い燭台へと向う。
「姿を消すのは、逃げる時だ! どこにいるのかわからなかったら守れないだろ!!」
ディリウスの怒りの声には答えず、一心不乱に走って辿り着いた。
見た目には同じ燭台だが、異様な量の魔法力だ。太い蝋燭を手に取ると、蝋燭とは思えない重さを感じる。
(何か入ってるわ! これが魔法力の源!? これを壊せば……!!)
蝋燭を下に置くと、ローズマリーは短剣を突き立てた。
ガキンッと音がすると同時に、周りの蝋が剥げ落ちて赤色の石が姿を現す。同時にローズマリーの透明化が解除されてしまった。
(この石……! 魔法を相殺できるんだわ!)
つまり魔法で壊すことはできないのだと瞬時に理解する。しかし。
「もとより、私は破壊の魔法なんて知らないのよ!!」
ローズは力任せに、短剣を石へと突き立てた。
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