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19話 聖女の存在
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翌日の昼過ぎ、ローズマリーは呼び出されて登城した。
大きな書斎に並べられた机の中央に、国王のアルカディールが座っている。両隣には第一王子のイシリオンと第二王子のディリウスの姿もあった。サイドのテーブルに筆記官や政務官、研究者が座っていて、ローズマリーは王から一番遠い場所で椅子を引かれて座る。
「よく来てくれた、ローズマリー。まずはいくつか質問をしたい。嘘はつかぬと女神に誓ってくれるか」
「はい」
ローズマリーは立ち上がり手のひらを心臓に置くと、真っ直ぐに宣誓する。
「私、ローズマリー・スカライザは、一切の虚偽を廃し、真実のみを語ることを女神様に誓います。私の言葉に偽りがあれば、女神様の裁きを受ける覚悟です」
「汝の言葉を信じよう。女神の名のもとに誓われたその重みを、この場にいる全員が受け止めることとなる。ローズマリー。そなたの誠意が試されることを、心に刻んでおくのだぞ」
「はい」
返事をすると座ってもいいと手で合図され、ローズマリーは着席した。
と同時に、ディリウスが立ち上がったと思うとローズマリーの隣にやってくる。
「ローズと共に行動した俺が、王族側にいるのはおかしい。俺もここで、皆の疑問に答えよう。女神に誓って、嘘はつかない」
「よかろう、そうするがいい」
国王の許可を得て、ディリウスが隣に座ってくれた。見慣れた凛々しい顔が隣にあること、こんなにも安心できる。
「それではまず、どうやって王城に侵入してきたのかを説明してもらおう。急に姿が現れたように見えたのは、何かの魔法か?」
アルカディールは魔法であることも視野に入れていたようだ。
嘘をつけば虚偽申告となり、立場が危うくなるので素直に魔法だと認めた。
昨日あったことを順にディリウスと語り、鏡で人を覗く魔法も使えたことを伝える。
アルカディールは当然隠していたことを怒ったが、ディリウスが「自分の判断だ」と庇ってくれて大事にはならなかった。
「売人からは組織の全貌を聞き出しておる。近いうちに一網打尽にできるであろう。イザベラはすでに投獄済みだ。ブライアー家もイザベラとは縁を切った。もう何も出来はせんだろう」
国王に薬を盛ろうとしていたのだから、当然の措置だ。ほっとしながらも、イザベラの真意が知りたくて疑問を口にする。
「イザベラは、一体何をするつもりだったのですか?」
「あやつは、ローズマリーに個人的な恨みがあったようだな」
「恨み……」
特に思い当たることがなくて、ローズマリーは首を傾げた。
「私に恨みがあって、どうして国王様に薬を?」
イザベラの行動が理解できない。国王に薬を盛ればどうなるか、考えればすぐわかったはずだというのに。
今度はイシリオンが同情の目を向けながら教えてくれた。
「イザベラ嬢……いやイザベラは、幼い頃からなんでもそつなくできるローズマリーが憎かったそうだよ。完全な逆恨みだよね」
確かにローズマリーとイザベラは、親の爵位が同じで年も近いため、何かと周りに比べられてきたのは確かだ。
しかしイザベラの方が褒められたことだってあったはずである。ローズマリーは全く気にしていなかったが、イザベラは違ったのだろう。
負けず嫌いな性格な上、負けても全く悔しがらないローズマリーを許せなかったのかもしれない。
「ローズマリーはディリウスと仲が良かったからね。ディリウスを奪えばさすがに悔しがると思っていたようだ」
「イザベラはすごい勘違いをしてたのですね……私とディルは、幼馴染みってだけなのに」
ただの勘違いで色仕掛けされ、最後には酷い暴言まで吐かれてしまったディリウスが可哀想だ。もし押し切られていたら、愛のない結婚をしていたことになる。
(そんなことになったらイザベラだって虚しいだけなのに、そこまでして私を悔しがらせたかったのかしら……理解できないわ)
おそらく一生理解はできないだろう。その執念を別のことに発揮すればこんなことにならなかったはずだが。
「イザベラはディリウスとの婚姻を無理にでも結ぶために、お父様に薬を飲ませようとしていた。けど他にも彼女は色々画策してたんだ」
「色々?」
「君の父上が税金を横領したという、偽の書類が見つかったんだよ。スカライザ家を没落させれば、ローズマリーも貴族ではなくなるからね」
判断能力を失わせる薬を飲まされていたら、偽の書類を真実だと思い込まされていたかもしれない。改めて、飲む前に止めることができてほっとした。
「それと、ブライアー家のお茶会で、マルグリートのブローチをローズマリーが盗んだと決めつけられたことがあっただろう?」
「はい」
「あれもイライザのしわざだったよ。イライザが不自然にマルグリートに接触したのを、他の令嬢が見ていた。彼女が盗んで、ローズマリーがやったと思わせるためにテーブルに置いたんだろう」
「……イシリオン様が調べてくださったのですか?」
忙しい第一王子が、そんな小さなことを気にかけてくれているだなんて、誰が思うだろう。ローズマリーは、驚いた目のまま、イシリオンの煌めくような笑みを見つめる。
「これまでは決め手がなかったから尋問もできなかったが、昨日ようやく聞き出せたよ。遅くなって悪かったね」
「そんな。私などのために、わざわざありがとうございます」
「このくらい、なんてことないよ」
ディリウスには到底できない表情だ。キラキラの王子様スマイルで、場が和んでいく。
結局、ローズマリーは魔法を隠していたことの注意を受けはしたものの、薬を盛られるのを防いだとしてお咎めはなかった。
売人もイザベラも投獄され、全てが解決し、解散しようとしたその時。
「大変です! 国王様!! 聖女が、聖女が現れました!!」
そんな報告が部屋に飛び込んできた。皆、何事かと顔を見合わせている。
「聖女ならローズマリーがおるだろう」
怪訝な顔を向ける国王に、遣いの者は心酔するような表情で。
「新しい聖女です!! 素晴らしい能力の持ち主なのです!!」
興奮するその姿を見て、ローズマリーの胸は何故だか不安に揺れるのだった。
大きな書斎に並べられた机の中央に、国王のアルカディールが座っている。両隣には第一王子のイシリオンと第二王子のディリウスの姿もあった。サイドのテーブルに筆記官や政務官、研究者が座っていて、ローズマリーは王から一番遠い場所で椅子を引かれて座る。
「よく来てくれた、ローズマリー。まずはいくつか質問をしたい。嘘はつかぬと女神に誓ってくれるか」
「はい」
ローズマリーは立ち上がり手のひらを心臓に置くと、真っ直ぐに宣誓する。
「私、ローズマリー・スカライザは、一切の虚偽を廃し、真実のみを語ることを女神様に誓います。私の言葉に偽りがあれば、女神様の裁きを受ける覚悟です」
「汝の言葉を信じよう。女神の名のもとに誓われたその重みを、この場にいる全員が受け止めることとなる。ローズマリー。そなたの誠意が試されることを、心に刻んでおくのだぞ」
「はい」
返事をすると座ってもいいと手で合図され、ローズマリーは着席した。
と同時に、ディリウスが立ち上がったと思うとローズマリーの隣にやってくる。
「ローズと共に行動した俺が、王族側にいるのはおかしい。俺もここで、皆の疑問に答えよう。女神に誓って、嘘はつかない」
「よかろう、そうするがいい」
国王の許可を得て、ディリウスが隣に座ってくれた。見慣れた凛々しい顔が隣にあること、こんなにも安心できる。
「それではまず、どうやって王城に侵入してきたのかを説明してもらおう。急に姿が現れたように見えたのは、何かの魔法か?」
アルカディールは魔法であることも視野に入れていたようだ。
嘘をつけば虚偽申告となり、立場が危うくなるので素直に魔法だと認めた。
昨日あったことを順にディリウスと語り、鏡で人を覗く魔法も使えたことを伝える。
アルカディールは当然隠していたことを怒ったが、ディリウスが「自分の判断だ」と庇ってくれて大事にはならなかった。
「売人からは組織の全貌を聞き出しておる。近いうちに一網打尽にできるであろう。イザベラはすでに投獄済みだ。ブライアー家もイザベラとは縁を切った。もう何も出来はせんだろう」
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「イザベラは、一体何をするつもりだったのですか?」
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「恨み……」
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「私に恨みがあって、どうして国王様に薬を?」
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「イザベラ嬢……いやイザベラは、幼い頃からなんでもそつなくできるローズマリーが憎かったそうだよ。完全な逆恨みだよね」
確かにローズマリーとイザベラは、親の爵位が同じで年も近いため、何かと周りに比べられてきたのは確かだ。
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負けず嫌いな性格な上、負けても全く悔しがらないローズマリーを許せなかったのかもしれない。
「ローズマリーはディリウスと仲が良かったからね。ディリウスを奪えばさすがに悔しがると思っていたようだ」
「イザベラはすごい勘違いをしてたのですね……私とディルは、幼馴染みってだけなのに」
ただの勘違いで色仕掛けされ、最後には酷い暴言まで吐かれてしまったディリウスが可哀想だ。もし押し切られていたら、愛のない結婚をしていたことになる。
(そんなことになったらイザベラだって虚しいだけなのに、そこまでして私を悔しがらせたかったのかしら……理解できないわ)
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「イザベラはディリウスとの婚姻を無理にでも結ぶために、お父様に薬を飲ませようとしていた。けど他にも彼女は色々画策してたんだ」
「色々?」
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「はい」
「あれもイライザのしわざだったよ。イライザが不自然にマルグリートに接触したのを、他の令嬢が見ていた。彼女が盗んで、ローズマリーがやったと思わせるためにテーブルに置いたんだろう」
「……イシリオン様が調べてくださったのですか?」
忙しい第一王子が、そんな小さなことを気にかけてくれているだなんて、誰が思うだろう。ローズマリーは、驚いた目のまま、イシリオンの煌めくような笑みを見つめる。
「これまでは決め手がなかったから尋問もできなかったが、昨日ようやく聞き出せたよ。遅くなって悪かったね」
「そんな。私などのために、わざわざありがとうございます」
「このくらい、なんてことないよ」
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「聖女ならローズマリーがおるだろう」
怪訝な顔を向ける国王に、遣いの者は心酔するような表情で。
「新しい聖女です!! 素晴らしい能力の持ち主なのです!!」
興奮するその姿を見て、ローズマリーの胸は何故だか不安に揺れるのだった。
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