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11.思いもよらぬ告白
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ディートフリートはフローリアンの退位発言を聞いて、首を横に振り始めた。
「今はフローの支持が高まってきている。この大事な時期に交代などするものじゃないよ。私はエルベスでの生活が気に入っているし、ここに戻ってくる理由はない」
「理由、ですか……ツェツィーがここにいないから、というのは理由になりませんか」
フローリアンは自身の妻の名前を出した。王は、王妃のことを本当に愛していたのだろう。妻という支えがいなくなるの心労は、計り知れない。
しかし、それでもディートフリートは首を縦には振らなかった。
「ツェツィーリアのことは、本当に残念だったと思うし、フローも愛する人を失ってつらいだろう。しかしもう彼女は生きてはいないのだし……」
「いいえ、生きています」
さらりと言われた言葉に、ディートフリートもユリアーナも一瞬ぽかんとする。
これは悲しみのあまり、妄想が過ぎてしまったのではないかと思った。ディートフリートは憐みの顔に変えて言葉を押し出す。
「フロー……そう思いたいのはわかるが……」
「本当です。ツェツィーは愛する者と駆け落ちをしたので、殺されたことにしておきました。二人を国境沿いまで送って行ったのは、ルーゼンですよ」
フローリアンの発言に、ディートフリートがバッとルーゼンを振り返る。
「本当か?」
「本当です。ツェツィーリア様は生きてらっしゃいます」
「どうして言わなかった?!」
「誰にも言うなという陛下のお達しだったんで……すみません。あと、俺もどうしてそんなことになっているのか、よくわかってないんですよ。理由を聞く間もなく送り届けなきゃいけなかったんで」
ルーゼンは眉根を寄せながら、そんな風に話してくれた。エルベス組には何も理解できず、ディートフリートとユリアーナ、三人で首を傾げあう。
「僕は王の器ではありません。この国はやはり、兄さまが治めるべきだと思っています」
フローリアンの言葉に、もう一度ディートは振り返る。弟を見つめるその顔は、やはりというべきか、渋い。
「王位を退くといっても、今フローを支持している者はそう簡単に納得しないだろう」
「大丈夫ですよ。僕は持病持ちという設定ですから」
「設定?」
その時、ラルスが赤ちゃんを抱えてを連れて戻ってきた。リシェルと同い年のメイベルティーネだ。
ラルスからメイベルティーネを受け取って抱き上げたフローリアンの瞳は、聖母のような優しさを感じる。
「兄さま、ユリアーナ。僕の娘のメイベルティーネです」
「そうか、この子がツェツィーリアの忘れ形見のメイベルティーネ……いや、ツェツィーリアは生きているんだったな」
「兄さま、この子にツェツィーの血は入っていません」
王妃であったツェツィーリアの血が入っていない……そんな唐突の告白に、ディートフリートは顔を顰めている。
「……フローに側室がいたというのは聞いたことがなかったが」
「側室ではありませんよ。僕が真に愛する人の子です」
「誰だい?」
「目の前にいる、ラルスですよ」
人払いをした時もずっとそばにいた、短髪の護衛騎士。背が高く、がっしりとした体つきの男の人。
「えーと、ラルスは男に見えるんだが……男だったよな?」
「はい、俺は男で間違いないです」
人の良さそうな顔をしてはいるけれど、体格からしてどう見ても子どもは産めそうにない。つまりは、ラルスが誰かに産ませた子どもということになる。
男で間違いないというラルスの宣言に、ディートフリートは不可解そうに眉を顰めていた。
メイベルティーネは、彼と誰かの子ども。そこに王族の血は入っていないはずだと、ユリアーナも首を傾げた。
「ラウツェニングの血が入らないラルスの子どもを、どうしてフローとツェツィーリアの子として育てているんだ? 国民を騙しているのか?」
「はい、兄さま。僕はずっとずっと、国民を騙していました」
国民を騙すというあってはならない事態に、ユリアーナはぞくりと体を震わせる。
フローリアンはメイベルティーネをラルスに渡すと、真っ直ぐにディートフリートを見上げた。
「兄さま、この子は間違いなくラウツェニングの血が入っています。僕が産んだ、僕とラルスとの間の子ですから」
「………………………………なん、だって……」
ディートフリートが一歩後退し、頭を抱えている。ユリアーナはそんなディートフリートを支えようと手を置き、フローリアンに目を向けた。
フローリアンの凛々しくも美しい顔。メイベルティーネを抱いた時の、聖母のような表情。
「陛下は……女性、だったのですね……?」
「うん。僕は生まれたときから、ずっと女だったんだ。男の世継ぎが必要だったから……僕は、男として育てられた」
「そん、な……!」
フローリアンの思いもよらぬ告白に、ディートフリートは大きなショックを受けたようで、今にも倒れそうに顔を青ざめさせている。
「私のせいか……私が母上を追い詰め……フローを男として育てなければいけなくなってしまったのか……」
「ディー……!」
ディートフリートはユリアーナと別れたあと、継承争いを防ぐために男児は一人だけと決めていた両親を説き伏せて、もう一人男児を産んでもらったのだと言っていた。
そうさせてしまったのはユリアーナの存在があったからで、彼女を男として生きさせてしまったことに罪悪感が募る。しかしユリアーナ以上に、溺愛していた弟が妹だと知ったディートフリートは、苦しみの表情を見せていた。
「すまない、フロー……二十四年間も……一言、教えてくれていたら……っ」
「みんな、兄さまが好きだったんです。だから言えなかった。言いたくなかった。兄さまが幸せになって欲しかったから……僕も同じです」
「だが、フローの幸せを引き換えにしようなどとは思っていなかった!! すまない、フロー……本当にすまない……っ」
涙もろい夫は、ぼろぼろと涙を溢れさせながらフローリアンを抱きしめている。
「謝らないでください。僕には愛する人ができて、子も産むことができた。僕が兄さまに望むことは、ただひとつです」
そういうと、ディートフリートはゆっくりフローリアンから離れて、力強く首肯した。
「わかった。私が王位につこう。フローは女に戻って……今までの分も、どうか幸せに暮らして欲しい……」
「はい、ありがとうございます……兄さま……っ」
ディートフリートの止まらぬ涙を見て、フローリアンもまた目を潤ませている。
しかしそれを我慢するように、フローリアンは頭にある王冠を外した。
「フロー……」
「僕たちだけの戴冠式だ」
フローリアンの言葉に、ディートフリートはすぐさまその場に跪く。
現王は威厳がありつつもどこか女性らしい声を上げた。
「我フローリアン・ヴェッツ・ラウツェニングは、汝ディートフリート・ヴェッツ・ラウツェニングを第五十八代ハウアドル国王に任命する。この国の誰もが笑顔で平等に過ごすための、たゆみなき努力を惜しまぬよう、肝に銘じよ」
ユリアーナ、シャイン、ルーゼン、ラルス、それにリシェルとメイベルティーネが注目する。フローリアンは跪くディートフリートの頭に、王冠をそっと乗せた。
光り輝く王冠を載せられたディートフリートは、よく通る声を響かせる。
「しかと拝命しました。私ディートフリートはハウアドル王国のため、民の笑顔のため、尽力することをここに誓います」
誓いの言葉を言い終えるとディートフリートは立ち上がり、フローリアンを見て優しくも強く笑っていた。
その頼もしい姿は、誰が見ても王の中の王だ。
「やっぱりそれは兄さまが一番似合っています。兄さまは、王となるべくして生まれてきた人ですから」
「ありがとう、フロー。今以上にいい国にしてみせるよ」
「ふふ、兄さまほど優れた王はこの世にいないので、心配なんかしませんよ」
柔らかなフローリアンの微笑みを見て、ディートフリートは「本当に女の子だったんだな」と呟き。
この国の新しい王となる男は、妹にありったけの愛情を注ぎながら、抱きしめている。
前回、ディートフリートが王になったときの戴冠式を見られなかったユリアーナは、胸を熱くし。
再度この国の王になる、自身の夫を誇らしく思った。
「今はフローの支持が高まってきている。この大事な時期に交代などするものじゃないよ。私はエルベスでの生活が気に入っているし、ここに戻ってくる理由はない」
「理由、ですか……ツェツィーがここにいないから、というのは理由になりませんか」
フローリアンは自身の妻の名前を出した。王は、王妃のことを本当に愛していたのだろう。妻という支えがいなくなるの心労は、計り知れない。
しかし、それでもディートフリートは首を縦には振らなかった。
「ツェツィーリアのことは、本当に残念だったと思うし、フローも愛する人を失ってつらいだろう。しかしもう彼女は生きてはいないのだし……」
「いいえ、生きています」
さらりと言われた言葉に、ディートフリートもユリアーナも一瞬ぽかんとする。
これは悲しみのあまり、妄想が過ぎてしまったのではないかと思った。ディートフリートは憐みの顔に変えて言葉を押し出す。
「フロー……そう思いたいのはわかるが……」
「本当です。ツェツィーは愛する者と駆け落ちをしたので、殺されたことにしておきました。二人を国境沿いまで送って行ったのは、ルーゼンですよ」
フローリアンの発言に、ディートフリートがバッとルーゼンを振り返る。
「本当か?」
「本当です。ツェツィーリア様は生きてらっしゃいます」
「どうして言わなかった?!」
「誰にも言うなという陛下のお達しだったんで……すみません。あと、俺もどうしてそんなことになっているのか、よくわかってないんですよ。理由を聞く間もなく送り届けなきゃいけなかったんで」
ルーゼンは眉根を寄せながら、そんな風に話してくれた。エルベス組には何も理解できず、ディートフリートとユリアーナ、三人で首を傾げあう。
「僕は王の器ではありません。この国はやはり、兄さまが治めるべきだと思っています」
フローリアンの言葉に、もう一度ディートは振り返る。弟を見つめるその顔は、やはりというべきか、渋い。
「王位を退くといっても、今フローを支持している者はそう簡単に納得しないだろう」
「大丈夫ですよ。僕は持病持ちという設定ですから」
「設定?」
その時、ラルスが赤ちゃんを抱えてを連れて戻ってきた。リシェルと同い年のメイベルティーネだ。
ラルスからメイベルティーネを受け取って抱き上げたフローリアンの瞳は、聖母のような優しさを感じる。
「兄さま、ユリアーナ。僕の娘のメイベルティーネです」
「そうか、この子がツェツィーリアの忘れ形見のメイベルティーネ……いや、ツェツィーリアは生きているんだったな」
「兄さま、この子にツェツィーの血は入っていません」
王妃であったツェツィーリアの血が入っていない……そんな唐突の告白に、ディートフリートは顔を顰めている。
「……フローに側室がいたというのは聞いたことがなかったが」
「側室ではありませんよ。僕が真に愛する人の子です」
「誰だい?」
「目の前にいる、ラルスですよ」
人払いをした時もずっとそばにいた、短髪の護衛騎士。背が高く、がっしりとした体つきの男の人。
「えーと、ラルスは男に見えるんだが……男だったよな?」
「はい、俺は男で間違いないです」
人の良さそうな顔をしてはいるけれど、体格からしてどう見ても子どもは産めそうにない。つまりは、ラルスが誰かに産ませた子どもということになる。
男で間違いないというラルスの宣言に、ディートフリートは不可解そうに眉を顰めていた。
メイベルティーネは、彼と誰かの子ども。そこに王族の血は入っていないはずだと、ユリアーナも首を傾げた。
「ラウツェニングの血が入らないラルスの子どもを、どうしてフローとツェツィーリアの子として育てているんだ? 国民を騙しているのか?」
「はい、兄さま。僕はずっとずっと、国民を騙していました」
国民を騙すというあってはならない事態に、ユリアーナはぞくりと体を震わせる。
フローリアンはメイベルティーネをラルスに渡すと、真っ直ぐにディートフリートを見上げた。
「兄さま、この子は間違いなくラウツェニングの血が入っています。僕が産んだ、僕とラルスとの間の子ですから」
「………………………………なん、だって……」
ディートフリートが一歩後退し、頭を抱えている。ユリアーナはそんなディートフリートを支えようと手を置き、フローリアンに目を向けた。
フローリアンの凛々しくも美しい顔。メイベルティーネを抱いた時の、聖母のような表情。
「陛下は……女性、だったのですね……?」
「うん。僕は生まれたときから、ずっと女だったんだ。男の世継ぎが必要だったから……僕は、男として育てられた」
「そん、な……!」
フローリアンの思いもよらぬ告白に、ディートフリートは大きなショックを受けたようで、今にも倒れそうに顔を青ざめさせている。
「私のせいか……私が母上を追い詰め……フローを男として育てなければいけなくなってしまったのか……」
「ディー……!」
ディートフリートはユリアーナと別れたあと、継承争いを防ぐために男児は一人だけと決めていた両親を説き伏せて、もう一人男児を産んでもらったのだと言っていた。
そうさせてしまったのはユリアーナの存在があったからで、彼女を男として生きさせてしまったことに罪悪感が募る。しかしユリアーナ以上に、溺愛していた弟が妹だと知ったディートフリートは、苦しみの表情を見せていた。
「すまない、フロー……二十四年間も……一言、教えてくれていたら……っ」
「みんな、兄さまが好きだったんです。だから言えなかった。言いたくなかった。兄さまが幸せになって欲しかったから……僕も同じです」
「だが、フローの幸せを引き換えにしようなどとは思っていなかった!! すまない、フロー……本当にすまない……っ」
涙もろい夫は、ぼろぼろと涙を溢れさせながらフローリアンを抱きしめている。
「謝らないでください。僕には愛する人ができて、子も産むことができた。僕が兄さまに望むことは、ただひとつです」
そういうと、ディートフリートはゆっくりフローリアンから離れて、力強く首肯した。
「わかった。私が王位につこう。フローは女に戻って……今までの分も、どうか幸せに暮らして欲しい……」
「はい、ありがとうございます……兄さま……っ」
ディートフリートの止まらぬ涙を見て、フローリアンもまた目を潤ませている。
しかしそれを我慢するように、フローリアンは頭にある王冠を外した。
「フロー……」
「僕たちだけの戴冠式だ」
フローリアンの言葉に、ディートフリートはすぐさまその場に跪く。
現王は威厳がありつつもどこか女性らしい声を上げた。
「我フローリアン・ヴェッツ・ラウツェニングは、汝ディートフリート・ヴェッツ・ラウツェニングを第五十八代ハウアドル国王に任命する。この国の誰もが笑顔で平等に過ごすための、たゆみなき努力を惜しまぬよう、肝に銘じよ」
ユリアーナ、シャイン、ルーゼン、ラルス、それにリシェルとメイベルティーネが注目する。フローリアンは跪くディートフリートの頭に、王冠をそっと乗せた。
光り輝く王冠を載せられたディートフリートは、よく通る声を響かせる。
「しかと拝命しました。私ディートフリートはハウアドル王国のため、民の笑顔のため、尽力することをここに誓います」
誓いの言葉を言い終えるとディートフリートは立ち上がり、フローリアンを見て優しくも強く笑っていた。
その頼もしい姿は、誰が見ても王の中の王だ。
「やっぱりそれは兄さまが一番似合っています。兄さまは、王となるべくして生まれてきた人ですから」
「ありがとう、フロー。今以上にいい国にしてみせるよ」
「ふふ、兄さまほど優れた王はこの世にいないので、心配なんかしませんよ」
柔らかなフローリアンの微笑みを見て、ディートフリートは「本当に女の子だったんだな」と呟き。
この国の新しい王となる男は、妹にありったけの愛情を注ぎながら、抱きしめている。
前回、ディートフリートが王になったときの戴冠式を見られなかったユリアーナは、胸を熱くし。
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