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第75話 誓い、ます……
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サビーナが街でいつものように皿洗いをし、寮に帰ろうとしていた時だった。
「サビーナ。あの話、ちゃんと考えてる?」
リタがそう問いかけてきたのだ。『あの話』とは、貴族と結婚をさせる業者に依頼するかどうかということで相違ないだろう。
「うーん、今はまだいいかなぁ」
「今はまだって、いつにするつもり? 若いうちの方が料金も安いらしいわよ。二十五を過ぎると難しいらしくって、高くつくのよ」
「そうなんだ」
「ずるいわよねぇ、男の依頼者の年齢はあまり関係ないみたいなのに」
リタの言葉に、サビーナの耳はウサギが警戒音を感じた時のようにピクリと動く。
「え……? 男の人も、依頼したりするの?」
「ええ、そうよ。逆玉っていうのかしらね。子供のいない貴族の元に養子になったりとか、一人娘の所に婿に入ったりだとか、そういう事も出来るようよ」
「そう、なんだ……」
「何よ、食いつくのってそこ? 変な子ねぇ」
リタは新種の両生類でも見るかのように、微妙に気持ち悪がりながら去って行ってしまう。
「そっか……男の人でも……」
サビーナは一人、ポソリとそう呟いていた。
街での仕事が終わり村に戻ると、青空授業を受けていた子供達がサビーナを見つけてクスクスと笑いあっている。何かおかしな格好でもしていただろうかと服装を確かめていると、生徒の一人であるケーウィンが声を発した。
「サビーナさん、明日暇?」
「え? うん、仕事は休みだけど」
サビーナがそう答えると、生徒達は一斉に喜んでいる。一体何なのか、さっぱり分からない。
「それがどうかしたの?」
「明日はさ、村の祭りだから、空けといてくれよな。村の誰かが迎えに行くから、家で待っててくれ」
「え? うん、分かった……」
ニヤニヤ、クスクスと笑っている生徒達。どことなく居心地が悪く、この日は授業を受けずに家の中へと入った。
その夜、セヴェリに明日何があるのかと尋ねてみたが、「子供の考える事ですよ」としか教えて貰えなかった。
そして一夜明けると、約束通り生徒達が家に迎えに来てくれる。
しかし何故だか「先生はこっち!」と言ってセヴェリだけをどこかに連れて行き、「先生の奥さんはこっちね!」とサビーナは女生徒に引っ張られて、少女の家へと連れて来られてしまった。
「どういう事? 今日はお祭りって言ってなかった?」
「うふふっ! まずその前に、先生の奥さんには着替えてもらいまーす!」
少女が嬉しそうに叫ぶように言うと、奥から少女の母親と見られる人物が現れた。
何故かその手に、純白のドレスを持って。
「……これって」
サビーナは言葉を詰まらせる。
「この村の女達で作ったんですよ。子供達がデザインをして」
そう言って渡されたのは、簡素ではあるが純白のドレスに花の冠、そしてヴェールだ。まさかこれはとサビーナは口をへの字に曲げた。
「先生は奥さんと結婚式を挙げてないって言ってたから、私達で計画したの!!」
無邪気な少女の笑顔。どうすればいいというのだろう。こんなものは着たくないと突っぱねるか。逃げ出すか。本当は夫婦などではないと言ってしまうか。
「セヴェリ先生、きっと喜ぶと思うんだ!!」
喜ぶはずがないではないか。相手がレイスリーフェではなく、ただのメイドなどとでは。イヤだ、こんなもの着たくなんかない。自分が惨めになるだけだ。
「このドレスのデザイン、気に入らなかった?」
不安そうにサビーナの顔を覗き込んでくる少女に、なんと言えばいいのだろう。きっと子供達はサビーナやセヴェリの嬉しそうな顔を想像して、これを計画したに違いない。さすがに子供らのその思いを潰すような真似はできない。
「ありがとう……着替えるね」
どうにかそれだけを答え、サビーナは渡されたドレスに袖を通した。何だろう、この気持ちは。湧き起こる気持ちの正体が掴めないまま、サビーナは混乱のうちにヴェールをかぶる。
姿見を見せられると、眩暈がしそうだった。
何故こんな姿を晒さなければならないのか。
沢山の人の思いが込められているであろうこのドレスを、こんなにも美しい純白のドレスを、血塗られた人間が着ていいはずがない。
「うわー、似合うー! 素敵!!」
「良かった、ぴったりのようね。とっても可愛いわよ!」
二人の言葉に、サビーナは自虐的に笑う。少女と母親は、サビーナとは対照的な陽の光るような笑顔だった。
用意ができると少女に押し出されるように外へと出る。そこにはテールコート姿に蝶ネクタイをしたセヴェリが立っていた。村の誰かに借りた為か、セヴェリの体にぴったりと沿っているわけではないが、流石に立ち居振る舞いは優雅そのものだ。
まだアンゼルード帝国にいた時、一緒に出かけていた執事服姿を思い出す。彼はあの時と変わらず、とても素敵だった。
「先生、奥さんキレイでしょ!」
そんな言葉にどうすれば良いのか分からず、視線を泳がせてしまう。そんな妻役を見たセヴェリは、眩しいものを見るかのように目を細めていた。
「ええ、とても綺麗です」
胸が、痛かった。
綺麗と言われたにも関わらず、苦しくて悲しくて仕方がない。
「行きましょう、サビーナ。皆が待ってくれています」
促されたサビーナは、仕方なく差し出された手を取る。そしてゆっくりと歩き始めた。
そこには手作りのヴァージンロードと、その周りには沢山の参列者達。そしてその先には神父に扮したケーウィンが立っていて、サビーナは青ざめる。
「あの、やっぱり私……」
「もう進むしかないですよ、サビーナ」
村人達が二人の姿を見つけて歓声を上げる。逃げ出したい気持ちを堪えて、サビーナはセヴェリと共にヴァージンロードを歩む羽目になった。
祝福してくれている村人の視線が、辛い。
隣のセヴェリを見ると、彼はまっすぐ前を見て、実にこの男らしい笑みを浮かべている。そんなセヴェリにケーウィンは問いかけた。
「セヴェリ先生、病める時も健やかなる時も、サビーナさんを愛することを誓いますか?」
「はい、誓います」
セヴェリは何でもない事の様にそう答え、サビーナは絶句する。
「サビーナさんは、誓いますか?」
サビーナは訴えるようにセヴェリを見つめるが、彼は目を細めてにっこりと頷くのみ。
嬉しそうにしているその演技が、上手い。彼はちゃんと分かっている。ここにいる皆の思いを、不意にしてはならない事を。
「……誓い、ます……」
サビーナが蚊の鳴くような声でそう告げると、ケーウィンは嬉しそうに次の言葉を発した。
「じゃー、誓いのキスを!!」
その言葉にサビーナは思わず声を荒げる。
「ちょ、そんなの無理! できるわけな……」
「なんで?」
「何でって……」
ケーウィンの素直な疑問にサビーナは答えることができない。夫婦はおろか、恋人ですらないからなのだと。それも、こんな人前でキスなどできようはずがないではないかと、伝える事は出来なかった。
「そんな恥ずかしがんなさんな! いつもしているこっちゃろうて!」
参列している村人の一人がそんな声を上げている。大人達の笑い声が聞こえてきて、サビーナは唇を噛んだ。もう今にも逃げ出したくなり、助けを求めるようにセヴェリを見つめるも、彼は眉を下げて笑っていた。
「目を瞑ってください、サビーナ。すぐ終わりますから」
セヴェリにそう言われては、逃げ出すことも叶わず。
「セヴェリ……」
彼の名を呼ぶと共に、サビーナは仕方なく目を瞑ることとなる。唇がかすかに震えてしまっているのが、自分でも分かる。
「すみません……」
サビーナにしか聞こえぬ程の小さな声でそう囁くと、セヴェリがヴェールをめくる気配がする。そしてその唇を、そっとサビーナの震える唇に押し当てられた。
彼の唇が優しく触れた瞬間、周りは歓声と拍手で包まれる。
サビーナの瞑られた瞳から、スルリと冷たい涙が一筋零れ落ちていく。
村人は、この涙を見てどう思っただろうか。感激の涙だと思っただろうか。
それならそれでもいい。子供達を傷付けずに済んだのならば。
いつまでも続く歓声と祝福の言葉。
サビーナはその音を、目を瞑ったままどこか遠くで聞いているかのようだった。
「サビーナ。あの話、ちゃんと考えてる?」
リタがそう問いかけてきたのだ。『あの話』とは、貴族と結婚をさせる業者に依頼するかどうかということで相違ないだろう。
「うーん、今はまだいいかなぁ」
「今はまだって、いつにするつもり? 若いうちの方が料金も安いらしいわよ。二十五を過ぎると難しいらしくって、高くつくのよ」
「そうなんだ」
「ずるいわよねぇ、男の依頼者の年齢はあまり関係ないみたいなのに」
リタの言葉に、サビーナの耳はウサギが警戒音を感じた時のようにピクリと動く。
「え……? 男の人も、依頼したりするの?」
「ええ、そうよ。逆玉っていうのかしらね。子供のいない貴族の元に養子になったりとか、一人娘の所に婿に入ったりだとか、そういう事も出来るようよ」
「そう、なんだ……」
「何よ、食いつくのってそこ? 変な子ねぇ」
リタは新種の両生類でも見るかのように、微妙に気持ち悪がりながら去って行ってしまう。
「そっか……男の人でも……」
サビーナは一人、ポソリとそう呟いていた。
街での仕事が終わり村に戻ると、青空授業を受けていた子供達がサビーナを見つけてクスクスと笑いあっている。何かおかしな格好でもしていただろうかと服装を確かめていると、生徒の一人であるケーウィンが声を発した。
「サビーナさん、明日暇?」
「え? うん、仕事は休みだけど」
サビーナがそう答えると、生徒達は一斉に喜んでいる。一体何なのか、さっぱり分からない。
「それがどうかしたの?」
「明日はさ、村の祭りだから、空けといてくれよな。村の誰かが迎えに行くから、家で待っててくれ」
「え? うん、分かった……」
ニヤニヤ、クスクスと笑っている生徒達。どことなく居心地が悪く、この日は授業を受けずに家の中へと入った。
その夜、セヴェリに明日何があるのかと尋ねてみたが、「子供の考える事ですよ」としか教えて貰えなかった。
そして一夜明けると、約束通り生徒達が家に迎えに来てくれる。
しかし何故だか「先生はこっち!」と言ってセヴェリだけをどこかに連れて行き、「先生の奥さんはこっちね!」とサビーナは女生徒に引っ張られて、少女の家へと連れて来られてしまった。
「どういう事? 今日はお祭りって言ってなかった?」
「うふふっ! まずその前に、先生の奥さんには着替えてもらいまーす!」
少女が嬉しそうに叫ぶように言うと、奥から少女の母親と見られる人物が現れた。
何故かその手に、純白のドレスを持って。
「……これって」
サビーナは言葉を詰まらせる。
「この村の女達で作ったんですよ。子供達がデザインをして」
そう言って渡されたのは、簡素ではあるが純白のドレスに花の冠、そしてヴェールだ。まさかこれはとサビーナは口をへの字に曲げた。
「先生は奥さんと結婚式を挙げてないって言ってたから、私達で計画したの!!」
無邪気な少女の笑顔。どうすればいいというのだろう。こんなものは着たくないと突っぱねるか。逃げ出すか。本当は夫婦などではないと言ってしまうか。
「セヴェリ先生、きっと喜ぶと思うんだ!!」
喜ぶはずがないではないか。相手がレイスリーフェではなく、ただのメイドなどとでは。イヤだ、こんなもの着たくなんかない。自分が惨めになるだけだ。
「このドレスのデザイン、気に入らなかった?」
不安そうにサビーナの顔を覗き込んでくる少女に、なんと言えばいいのだろう。きっと子供達はサビーナやセヴェリの嬉しそうな顔を想像して、これを計画したに違いない。さすがに子供らのその思いを潰すような真似はできない。
「ありがとう……着替えるね」
どうにかそれだけを答え、サビーナは渡されたドレスに袖を通した。何だろう、この気持ちは。湧き起こる気持ちの正体が掴めないまま、サビーナは混乱のうちにヴェールをかぶる。
姿見を見せられると、眩暈がしそうだった。
何故こんな姿を晒さなければならないのか。
沢山の人の思いが込められているであろうこのドレスを、こんなにも美しい純白のドレスを、血塗られた人間が着ていいはずがない。
「うわー、似合うー! 素敵!!」
「良かった、ぴったりのようね。とっても可愛いわよ!」
二人の言葉に、サビーナは自虐的に笑う。少女と母親は、サビーナとは対照的な陽の光るような笑顔だった。
用意ができると少女に押し出されるように外へと出る。そこにはテールコート姿に蝶ネクタイをしたセヴェリが立っていた。村の誰かに借りた為か、セヴェリの体にぴったりと沿っているわけではないが、流石に立ち居振る舞いは優雅そのものだ。
まだアンゼルード帝国にいた時、一緒に出かけていた執事服姿を思い出す。彼はあの時と変わらず、とても素敵だった。
「先生、奥さんキレイでしょ!」
そんな言葉にどうすれば良いのか分からず、視線を泳がせてしまう。そんな妻役を見たセヴェリは、眩しいものを見るかのように目を細めていた。
「ええ、とても綺麗です」
胸が、痛かった。
綺麗と言われたにも関わらず、苦しくて悲しくて仕方がない。
「行きましょう、サビーナ。皆が待ってくれています」
促されたサビーナは、仕方なく差し出された手を取る。そしてゆっくりと歩き始めた。
そこには手作りのヴァージンロードと、その周りには沢山の参列者達。そしてその先には神父に扮したケーウィンが立っていて、サビーナは青ざめる。
「あの、やっぱり私……」
「もう進むしかないですよ、サビーナ」
村人達が二人の姿を見つけて歓声を上げる。逃げ出したい気持ちを堪えて、サビーナはセヴェリと共にヴァージンロードを歩む羽目になった。
祝福してくれている村人の視線が、辛い。
隣のセヴェリを見ると、彼はまっすぐ前を見て、実にこの男らしい笑みを浮かべている。そんなセヴェリにケーウィンは問いかけた。
「セヴェリ先生、病める時も健やかなる時も、サビーナさんを愛することを誓いますか?」
「はい、誓います」
セヴェリは何でもない事の様にそう答え、サビーナは絶句する。
「サビーナさんは、誓いますか?」
サビーナは訴えるようにセヴェリを見つめるが、彼は目を細めてにっこりと頷くのみ。
嬉しそうにしているその演技が、上手い。彼はちゃんと分かっている。ここにいる皆の思いを、不意にしてはならない事を。
「……誓い、ます……」
サビーナが蚊の鳴くような声でそう告げると、ケーウィンは嬉しそうに次の言葉を発した。
「じゃー、誓いのキスを!!」
その言葉にサビーナは思わず声を荒げる。
「ちょ、そんなの無理! できるわけな……」
「なんで?」
「何でって……」
ケーウィンの素直な疑問にサビーナは答えることができない。夫婦はおろか、恋人ですらないからなのだと。それも、こんな人前でキスなどできようはずがないではないかと、伝える事は出来なかった。
「そんな恥ずかしがんなさんな! いつもしているこっちゃろうて!」
参列している村人の一人がそんな声を上げている。大人達の笑い声が聞こえてきて、サビーナは唇を噛んだ。もう今にも逃げ出したくなり、助けを求めるようにセヴェリを見つめるも、彼は眉を下げて笑っていた。
「目を瞑ってください、サビーナ。すぐ終わりますから」
セヴェリにそう言われては、逃げ出すことも叶わず。
「セヴェリ……」
彼の名を呼ぶと共に、サビーナは仕方なく目を瞑ることとなる。唇がかすかに震えてしまっているのが、自分でも分かる。
「すみません……」
サビーナにしか聞こえぬ程の小さな声でそう囁くと、セヴェリがヴェールをめくる気配がする。そしてその唇を、そっとサビーナの震える唇に押し当てられた。
彼の唇が優しく触れた瞬間、周りは歓声と拍手で包まれる。
サビーナの瞑られた瞳から、スルリと冷たい涙が一筋零れ落ちていく。
村人は、この涙を見てどう思っただろうか。感激の涙だと思っただろうか。
それならそれでもいい。子供達を傷付けずに済んだのならば。
いつまでも続く歓声と祝福の言葉。
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