引き籠もりたい件について

りねん

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第一章

予想外!でも、ある意味当たり

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  僕は、今日行われるお茶会(王宮にある庭園でした)で、誰にも印象が残らないように、大人しく座っていようと心に決めていた。決めていたんですけどねぇ。

  まさかの立食式で席が無いと言うね。出鼻挫かれた感が半端ないです。良かったことと言えば、人数がそこまで多くなかったこと。十五人くらいだろうか?

  位の高い公爵家から、セラフィーナ王妃への挨拶が始まり、アスキス家の挨拶もつつがなく終えた。

  セラフィーナ王妃は、優しい雰囲気の人でした。挨拶の間中、ずーーーっと、僕の顔を見てたけど。スマイル0円の精神で耐えたけど!王妃様、僕何かしましたか?(汗)

  挨拶が終わってから、お母様はご友人と楽しく話し始めたので、僕は、お母様の邪魔にならないよう静かに後ろで控えていた。

  だって、離れてテーブルにあるお菓子を食べるのも目立つし、かと言って同じくらいの子が⋯⋯そう、いないんですよ。

  え?選定とかは?!僕の勘違いだったの?!まぁ、十七・八歳くらいの女の子はいたけど。それでも貴婦人方の中に幼児が一人。勘弁してよ。

  小さくため息をついていたら、声を掛けられました。

「つまらないわよね?ごめんなさいね。会いたがってたから、こちらへいらっしゃい」

  そう声を掛けてくれ⋯いや、のは、セラフィーナ王妃でした。生前でもそんな凄い人にお近付きになったことがないのに⋯⋯何のフラグ?!

  そんなセラフィーナ王妃に、慌ててご挨拶をするお母様とご友人。僕は、セラフィーナ王妃とを繋いでおります。

「ハロルドを連れて行ってもよろしくて?」
「ど、どうぞ」

お母様よ⋯⋯。まぁ、そう言うしかないよね。ため息を堪えつつ、「では、お母様行ってまいります」と、気分はドナドナでお茶会を退場しました。

(――王妃様主催のお茶会は、どうなったよ?)

  そんなことが言える筈もなく、王家しか入れない庭園の東屋へと連れてかれた。そこには、エリアス・アルヴァ・マクスウェル第一王子様が居た。何故知ってるかって?お勉強したからね。まさかここで、学んだ知識が活かせるとはね~。

  座って待っていた、エリアス王子が目を輝かせながら、立ち上がり、こちらへ歩み寄って来た。いや、近寄らなくて、いいんで。もぅ、やだーーっ!!
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