引き籠もりたい件について

りねん

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第一章

母は強し。でも、結果オーライ!

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『ちょろいお父様より、お母様を攻略しなければ!』と、思った私は、涙で訴えてみることにした。

(ココは、『私』より『僕』かなぁ。『私』だったら、貴族の子息でも言うだろうから、そのままにしてたんだけど⋯⋯、よしっ!)

「お母様⋯⋯、お勉強っていけないことなんですか?
――僕、お父様やお母様の自慢の息子になりたいのですっ」

  目に涙を浮かべながら、上目遣いで訴えてみました!あざとい?それが何か?羞恥心なんて、赤ちゃんの時に、空の彼方へ投げ飛ばしましたよ。

「――お母様、ダメ⋯⋯ですか?」

  とどめとばかりに、更に首を傾げながら、訴え掛けてみたんですけどねぇ。

「ハロルドちゃんお母様はね、やっぱり元気にお外で遊んだ方がいいと思うの!」

(やはり、『子供は風の子、元気な子』推奨派か!!)

  そんなことを思ってたら、お父様も同調しちゃうし⋯⋯。貴族の子供って、お外駆け回ったりして遊ぶの?え、そうなの??何かイメージが⋯⋯。

  まぁ、結果から言うと、家庭教師は付けてくれました。マナー講座やこの国の歴史とか、一番知りたかった一般常識を学ぶために。

  魔法は、生活魔法なら許可が出ました!お母様は、攻撃魔法とかが使いたいのかと、思ったそうです。

  前世の彼氏、毅なら「使ってみたい!」って、言うんだろうけど。RPGとか大好きだったし。それはもう、コンシューマからソシャゲまで。

  私は、乙女ゲームくらい。でも、乙女ゲームでシナリオやら声優さんの声に悶えてると、毎回嫉妬するんだよね。嫉妬するところが可愛かったなぁ。

   ――今頃、彼は私がいなくても、幸せを掴んでくれているだろうか。今でも愛してる毅には、幸せになって欲しい。私ではない誰かでも。
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