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せいぎのみかた
せいぎのみかた
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「君は、きっと凄い正義の味方になれるよ」
教会から帰る途中、片方の兄はそう言って来た。両手を二人の兄に握って貰い、拙くて短い足で一生懸命二人に着いて行っていた。時折半ば体が引きずられているように前のめりになったりするが、二人の兄は彼女を急かすような事はせずにゆっくりと体勢を立て直す時間をくれた。夕焼け時だった。夕日によって赤く染まった町並み。赤く尖った屋根に真っ白に塗りたくられた分厚い壁。大体の建物が同じような形に思えた。視界の中には自分たち以外の人影は見当たらなかった。誰も居ない、時の止まった街を歩いているような気分だった。だが孤独ではない。二人の優しい兄がちゃんと傍に居る。それだけで、彼女としては十分過ぎる程だった。時が止まった街の中、ただ一つ、兄の声だけが確かに響いている。
もう一人の兄が何かを言っている様だった。なにかからかうような口調なのは分かったが、なぜからかっているのかはよく分からなかった。言っている意味もロクに理解出来そうに無かったので、彼女は言われたその言葉を頭の中で反芻してみることにした。
正義の味方。気高く誇り高い騎士がそうだと聞いたことがある。親友の家に遊びに行った時テレビに付いていたアニメの主人公も、そうだと聞いた。悪い人を倒すのが、正義の味方だ。
そう言えば、この発言をした兄も彼女がいじめられている時に助けてくれた事がある。あの時の背中を思い出した。あれが正義の味方なのならば、それはとても素晴らしい事のように思えてきた。
それに、悪い人がいなくなれば、きっと、
「せいぎのみかた、なるよ!」
こんな幸せな日々がずっと続くのだ。
この手が、ずっと離れないのだと信じていた。
激しい剣戟が響いていた。日も落ちた夕暮れ過ぎ。寂れた廃ビルで鼓膜を震わせる剣戟の音。暗闇の中で時折チカチカと光るのは剣戟の際に火花が散っているからだろう。火花が散る際、見えたのは二人の剣士だった。
一方は、長い金色の髪に右耳の後ろの一房だけを三つ編みにした銀色の肩当てに青い制服を着た、美しい少女。
一方は、ボリュームのある銀髪をツーサイドアップにした赤と黒のゴスロリ服に身を包んだ、童顔の可愛らしい少女。
二人の少女はどう考えても相手を殺すつもりで剣を振り下ろしていた。金髪の少女の剣は銀髪の少女の首を正確に狙い済まし、銀髪の少女の剣は金髪の少女の体を両断しようと豪快に振り回す。金髪の少女が持っている剣は刀身の細い長剣、銀髪の少女は巨大な大剣を手に持っていた。二本共、線の細い少女達には余りにも不釣合いである。
だが、そんな常識等知らぬとばかりに。少女達はその細腕であり得ない剣戟を繰り返している。その顔には汗一つ浮かんでいない。あくまでも冷静に相手を見据えて急所を狙っていた。
銀髪の少女の大剣が廃墟でむき出しになった柱に当たった。特に体勢を崩すことも無く、銀髪の少女は柱を破壊して金髪の少女を見据えた。銀髪の少女の可愛らしい童顔に不釣り合いな獰猛な笑みが刻まれた。柱が壊れた影響か、天井からはパラパラと埃が落ちてきている。
「レティ。相変わらず不機嫌そうだけど、何かあった?」
銀髪の少女は距離を取るように背後に大きく跳躍して金髪の少女に問いかけた。金髪の少女は追うでもなく油断なく長剣を構えながら表情を消した顔で銀髪の少女を見据えている。
「君には関係無いだろう」
「勝手に喧嘩売って来といて偉そうに……」
「君が銀行強盗なんて馬鹿な事しなければ見逃したさ」
金髪の少女はその真っ青な瞳でまっすぐに銀髪の少女を見る。銀髪の少女は楽しそうに笑っているだけだ。
「しょうがないじゃない。アルヴァンが資金足りないって言うんだもん」
「……前から思っていたが、君が慕っているそのアルヴァン・ブランシャールって偽物じゃないか?」
不思議な事を言うものだ、と銀髪の少女はキョトンとした表情だ。金髪の少女は何かを振り切るように首を振った。
「あのブランシャール兄弟の……いいや、あの双星の聖人の片割れがそんな事言うはずがない。同姓同名の別人なのか?」
「何ぶつぶつ言ってんのよ」
金髪の少女がふむ、と思案していると銀髪の少女は面白く無さそうに唇を尖らせている。そんな銀髪の少女に、金髪の少女は苦笑した。
「アリシア。これで終わりにしよう。君は警察に捕まるべきだ」
「馬鹿言わないでよ、聖女様」
銀髪の少女の皮肉気な言葉をを皮切りに、二人の少女は同時に踏み込んだ。10メートル以上はあったであろう距離が一瞬に縮まっていく。だが、唐突に二人は激突する寸前で足を止めて後方へと下がった。
轟音を上げて、天井が崩れ落ちてくる。それと同時に、黒い大剣を手にした黒い修道女が降りてきた。華麗に床に着地を遂げた修道女は、楽しそうな笑みを浮かべて二人の少女を交互に見比べた。
「楽しそうな事してるじゃない、貴方達」
「教会のシスター……? でもどうしてこんな、しかもそんな登場の仕方って」
「なにそれコスプレ?」
修道女の登場に、呆然とした様子の二人の少女。修道女は至極楽しそうに剣を構え、金髪の少女に向き直った。
「貴方が……聖なる怪物『レティシア・アダムス』で相違無いかしら?」
「……ボクに何の用ですか。シスター」
「いいえ。特に用は無いんだけど、丁度通りかかったものだから」
にこやかに、大剣を持ったシスターは言った。ごく自然に。まるでそれが、当たり前であるかのように。
「殺しておこうと思って」
「やはり、そちらでしたか」
黒い大剣を構える修道女。まるで決定事項でも伝えるかのような自然さで滑らかに、容赦なく金髪の少女を殺すために踏み込んできた。金髪の少女は長剣で大剣を受け止め受け流し、逃げるように後退していく。
「あ、ちょ、ちょっと! あたしを無視すんなー!」
急速に遠ざかっていく金髪の少女と黒い修道女。銀髪の少女は除け者にされて頬を大きく膨らませていた。付いていこうと歩き出した瞬間、その肩に背後から手が置かれた。
「ひっ」
「こらこら、誰が資金難だから銀行強盗してこいなんて言ったんだい」
「あ、アルヴァン!」
背後から声を掛けてきたのは黒い髪に緑色の瞳をした男性だった。アルヴァンと呼ばれた男性は遠くから聞こえる剣戟の音の方へと目を向け、その音が遠ざかっている事を改めて確認していた。
「アリシア。嘘はいけないと言っただろう」
「だってぇ……」
「しかも、まるで私が悪い人みたいじゃないか」
「ぶー」
唇を尖らせる銀髪の少女に、黒髪の男性は苦笑した。
「まぁいいよ。帰ろう、アリシア」
「でも、まだレティと勝負着いてない!」
「……聖なる怪物とわざわざ戦わなくていいよ」
「むぅ……ねぇ、アルヴァン」
頬を膨らませ、男性から差し出された手を取って銀髪の少女は問いかけた。以前から疑問に思っていた事があるらしい。
「なんで、レティと戦ってる時は絶対に姿を現さないの?」
純粋な質問だった。男性は困ったな、と言う表情を浮かべて銀髪の少女を見る。
「……そうだね。自分でもよくはわからないけれど。きっと、辛いんだ」
「辛い?」
「あぁ、あの子は。眩しすぎる」
そう言って、男性は静かに歩き出した。銀髪の少女の手を引いている。少女は歩き出した男性の背中を凝視している。眩しすぎる、と男性は言った。それがどういうことなのか。
「でも、あたしにとっては、」
「?」
「貴方こそ、あたしの『聖人君主』よ」
少女が曇りのないまっすぐな瞳でそう言えば、男性は何も言わず静かに笑いかけてきた。
それこそ、汚れてはならない聖人のように。
教会から帰る途中、片方の兄はそう言って来た。両手を二人の兄に握って貰い、拙くて短い足で一生懸命二人に着いて行っていた。時折半ば体が引きずられているように前のめりになったりするが、二人の兄は彼女を急かすような事はせずにゆっくりと体勢を立て直す時間をくれた。夕焼け時だった。夕日によって赤く染まった町並み。赤く尖った屋根に真っ白に塗りたくられた分厚い壁。大体の建物が同じような形に思えた。視界の中には自分たち以外の人影は見当たらなかった。誰も居ない、時の止まった街を歩いているような気分だった。だが孤独ではない。二人の優しい兄がちゃんと傍に居る。それだけで、彼女としては十分過ぎる程だった。時が止まった街の中、ただ一つ、兄の声だけが確かに響いている。
もう一人の兄が何かを言っている様だった。なにかからかうような口調なのは分かったが、なぜからかっているのかはよく分からなかった。言っている意味もロクに理解出来そうに無かったので、彼女は言われたその言葉を頭の中で反芻してみることにした。
正義の味方。気高く誇り高い騎士がそうだと聞いたことがある。親友の家に遊びに行った時テレビに付いていたアニメの主人公も、そうだと聞いた。悪い人を倒すのが、正義の味方だ。
そう言えば、この発言をした兄も彼女がいじめられている時に助けてくれた事がある。あの時の背中を思い出した。あれが正義の味方なのならば、それはとても素晴らしい事のように思えてきた。
それに、悪い人がいなくなれば、きっと、
「せいぎのみかた、なるよ!」
こんな幸せな日々がずっと続くのだ。
この手が、ずっと離れないのだと信じていた。
激しい剣戟が響いていた。日も落ちた夕暮れ過ぎ。寂れた廃ビルで鼓膜を震わせる剣戟の音。暗闇の中で時折チカチカと光るのは剣戟の際に火花が散っているからだろう。火花が散る際、見えたのは二人の剣士だった。
一方は、長い金色の髪に右耳の後ろの一房だけを三つ編みにした銀色の肩当てに青い制服を着た、美しい少女。
一方は、ボリュームのある銀髪をツーサイドアップにした赤と黒のゴスロリ服に身を包んだ、童顔の可愛らしい少女。
二人の少女はどう考えても相手を殺すつもりで剣を振り下ろしていた。金髪の少女の剣は銀髪の少女の首を正確に狙い済まし、銀髪の少女の剣は金髪の少女の体を両断しようと豪快に振り回す。金髪の少女が持っている剣は刀身の細い長剣、銀髪の少女は巨大な大剣を手に持っていた。二本共、線の細い少女達には余りにも不釣合いである。
だが、そんな常識等知らぬとばかりに。少女達はその細腕であり得ない剣戟を繰り返している。その顔には汗一つ浮かんでいない。あくまでも冷静に相手を見据えて急所を狙っていた。
銀髪の少女の大剣が廃墟でむき出しになった柱に当たった。特に体勢を崩すことも無く、銀髪の少女は柱を破壊して金髪の少女を見据えた。銀髪の少女の可愛らしい童顔に不釣り合いな獰猛な笑みが刻まれた。柱が壊れた影響か、天井からはパラパラと埃が落ちてきている。
「レティ。相変わらず不機嫌そうだけど、何かあった?」
銀髪の少女は距離を取るように背後に大きく跳躍して金髪の少女に問いかけた。金髪の少女は追うでもなく油断なく長剣を構えながら表情を消した顔で銀髪の少女を見据えている。
「君には関係無いだろう」
「勝手に喧嘩売って来といて偉そうに……」
「君が銀行強盗なんて馬鹿な事しなければ見逃したさ」
金髪の少女はその真っ青な瞳でまっすぐに銀髪の少女を見る。銀髪の少女は楽しそうに笑っているだけだ。
「しょうがないじゃない。アルヴァンが資金足りないって言うんだもん」
「……前から思っていたが、君が慕っているそのアルヴァン・ブランシャールって偽物じゃないか?」
不思議な事を言うものだ、と銀髪の少女はキョトンとした表情だ。金髪の少女は何かを振り切るように首を振った。
「あのブランシャール兄弟の……いいや、あの双星の聖人の片割れがそんな事言うはずがない。同姓同名の別人なのか?」
「何ぶつぶつ言ってんのよ」
金髪の少女がふむ、と思案していると銀髪の少女は面白く無さそうに唇を尖らせている。そんな銀髪の少女に、金髪の少女は苦笑した。
「アリシア。これで終わりにしよう。君は警察に捕まるべきだ」
「馬鹿言わないでよ、聖女様」
銀髪の少女の皮肉気な言葉をを皮切りに、二人の少女は同時に踏み込んだ。10メートル以上はあったであろう距離が一瞬に縮まっていく。だが、唐突に二人は激突する寸前で足を止めて後方へと下がった。
轟音を上げて、天井が崩れ落ちてくる。それと同時に、黒い大剣を手にした黒い修道女が降りてきた。華麗に床に着地を遂げた修道女は、楽しそうな笑みを浮かべて二人の少女を交互に見比べた。
「楽しそうな事してるじゃない、貴方達」
「教会のシスター……? でもどうしてこんな、しかもそんな登場の仕方って」
「なにそれコスプレ?」
修道女の登場に、呆然とした様子の二人の少女。修道女は至極楽しそうに剣を構え、金髪の少女に向き直った。
「貴方が……聖なる怪物『レティシア・アダムス』で相違無いかしら?」
「……ボクに何の用ですか。シスター」
「いいえ。特に用は無いんだけど、丁度通りかかったものだから」
にこやかに、大剣を持ったシスターは言った。ごく自然に。まるでそれが、当たり前であるかのように。
「殺しておこうと思って」
「やはり、そちらでしたか」
黒い大剣を構える修道女。まるで決定事項でも伝えるかのような自然さで滑らかに、容赦なく金髪の少女を殺すために踏み込んできた。金髪の少女は長剣で大剣を受け止め受け流し、逃げるように後退していく。
「あ、ちょ、ちょっと! あたしを無視すんなー!」
急速に遠ざかっていく金髪の少女と黒い修道女。銀髪の少女は除け者にされて頬を大きく膨らませていた。付いていこうと歩き出した瞬間、その肩に背後から手が置かれた。
「ひっ」
「こらこら、誰が資金難だから銀行強盗してこいなんて言ったんだい」
「あ、アルヴァン!」
背後から声を掛けてきたのは黒い髪に緑色の瞳をした男性だった。アルヴァンと呼ばれた男性は遠くから聞こえる剣戟の音の方へと目を向け、その音が遠ざかっている事を改めて確認していた。
「アリシア。嘘はいけないと言っただろう」
「だってぇ……」
「しかも、まるで私が悪い人みたいじゃないか」
「ぶー」
唇を尖らせる銀髪の少女に、黒髪の男性は苦笑した。
「まぁいいよ。帰ろう、アリシア」
「でも、まだレティと勝負着いてない!」
「……聖なる怪物とわざわざ戦わなくていいよ」
「むぅ……ねぇ、アルヴァン」
頬を膨らませ、男性から差し出された手を取って銀髪の少女は問いかけた。以前から疑問に思っていた事があるらしい。
「なんで、レティと戦ってる時は絶対に姿を現さないの?」
純粋な質問だった。男性は困ったな、と言う表情を浮かべて銀髪の少女を見る。
「……そうだね。自分でもよくはわからないけれど。きっと、辛いんだ」
「辛い?」
「あぁ、あの子は。眩しすぎる」
そう言って、男性は静かに歩き出した。銀髪の少女の手を引いている。少女は歩き出した男性の背中を凝視している。眩しすぎる、と男性は言った。それがどういうことなのか。
「でも、あたしにとっては、」
「?」
「貴方こそ、あたしの『聖人君主』よ」
少女が曇りのないまっすぐな瞳でそう言えば、男性は何も言わず静かに笑いかけてきた。
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