上 下
3 / 24

3 第二の人生……人生?

しおりを挟む

 その日、モントシュテルは頭を抱えていた。
 理由は同僚の女神ルクスフェンがやらかした・・・・・からだ。

 きっかけは、ルクスフェンがお気に入りの人間を転生させようとしていると、耳の早い部下から報告を受けた事だった。
 本来であれば、そういう生き死にの関係は、音楽の女神であるルクスフェンの管轄外だ。
 簡単に言うと他人の仕事である。そういうのに勝手に手を出すと、いらないいざこざが起きかねない。

 そして、そういういざこざの解決は、主神の補佐をしているモントシュテルに任されるのだ。
 当人同士で解決しろよとモントシュテルは何度も思った。単純に自分の仕事量が多すぎるのだ。
 主神の補佐なんて役職名だけはしっかりしているが、要は主神の雑用係である。

 神々の仕事の監視、調整と報告、揉め事の解決などなど。
 細かな仕事が全部モントシュテルに振られてくる。
 しかも神という奴は大抵が大雑把で傲慢だ。本人は良かれと思ってやった事も、相手からすればただ振り回されただけという事も多々ある。
 それによって起きた被害を何とかするのは、すべてモントシュテルなのだ。

 そしてたった今、ルクスフェンがそれ・・をやらかした。
 彼女のお気に入りの人間を転生させる際に「ちょっとだけ」と加護を増やしたのだ。

「ちょっと、ルクスフェン!? 俺の話、聞いていました!?」
「だってぇ~……」

 目を吊り上げてモントシュテルが怒ると、ルクスフェンがしょんぼりと肩を落とす。
 上目遣いにこちらを見て来るが、それどころではない。

 神の加護という奴は、少量であれば確かに良い方向へ作用する。
 けれども何事にも限度がある。与えすぎれば毒にも呪いにもなるのが、神の加護というモノだ。
 先ほどモントシュテルが「弾け飛ぶ」と言ったが、あれは例えではなく実際の話だ。
 与えられた加護に耐えきれなくなった魂が、パンと弾けて消滅してしまうのである。

「で、でもでも、ほら、フィガロちゃんは大丈夫だったし!」
「奇跡的に今はね」

 ハァ、とモントシュテルはため息を吐く。
 彼女が最後に加護を増やしたのに気付いた時、もう手遅れだと思った。
 けれども転生させる過程で、魂の強度が一時的に薄くなった事で、加護がその強度を補完する形となり何とか無事だっただけである。
 転生させた後それがどんな影響を及ぼすか、モントシュテルにも分からない。

「最後は一体何の加護を与えたんです?」
「……幸運」
「幸運!? うわぁ、マジでそれ与えたんですか?」
「だ、だって、フィガロちゃん、とっても運が悪いのよ。二十五年しか生きてないのに、人間の一生で起こる不幸の数のほとんどが起きているの」
「えっ、それ元が呪われていたりしません?」

 それはさすがにぎょっとした。
 だが、そう聞くと、どうして死んだのかも何となく理解が出来る。
 刺されたのは確かだが――そこに辿り着くまでに不運が重なった、という事だろう。

「うーん。呪われている感じはしなかったのよね」
「となると前世か何かでやっちまった感じですねぇ。まぁ、その辺りはレテの担当か……」

 モントシュテルは髪をがしがしと乱暴に掻く。

「……だけどまぁ、それなら元々の不運と加護が相殺されているかもしれませんね」
「そうよね! だからちょっとしっかりめに加護を与えちゃってても大丈夫よね」
「……ルクスフェン?」
「あっ」

 ルクスフェンは、しまった、と言わんばかりに両手で口を覆った。
 この女神は本当に……。
 モントシュテルはこめかみをピクピクさせながら、強く目を閉じた。

 フィガロが弾けて死ぬかどうかは、この際どうでも良い。
 神であるモントシュテルにとって、人間の生死というのは些細なものだ。
 問題は加護の方だ。先ほども言った通り、大きすぎる加護は毒にも呪いにもなる。
 その毒や呪いが加護を与えられた本人にだけ影響を与えるのならば、モントシュテルだって放っておく。しかし大きすぎる加護の場合、周りに悪い影響を及ぼす可能性がある。

 幸いフィガロを転生させたのは、自分の担当している地区――シュテルンビルトだ。
 あそこならばどうにか手を出せる。

(……とりあえず俺の部下を送って、しばらく様子を見させるか。ああ、頭が痛い)

 そう思いながら、モントシュテルは目を開き、

「ルクスフェンは主神にめちゃめちゃ怒られてください」

 と言うと、
 
「ええー!?」

 ルクスフェンは両手を頬に当てて、悲痛な声を上げたのだった。



◇ ◇ ◇



 次に意識が浮上した時には、フィガロは神殿のような場所にいた。
 建物の壁や柱は気品のある黒色に統一されており、そこに星と月の模様が描かれている。
 フィガロはそこの中央に置かれた、大きな台座の上に寝かされていた。

「…………ここは」

 どこだろう、とフィガロはぽつりと呟く。
 確か――音楽の女神が自分を転生させてくれると言っていて、夜の神が自分の担当地区で……と言っていた気がする。
 ぼんやりとそこまで考えて、フィガロはハッと飛び起きた。
 それからペタペタと自分の身体を触った。
 どうやら全裸のようだが、ちゃんと身体がある。ちゃんと、体温もある。正直、実感は湧かないが――生きているようだ。

「ルクスフェン様、モントシュテル様、ありがとうございます……!」

 フィガロは両手を合わせ、天に向かって感謝を捧げる。
 そうしてると、

「やれやれ、ようやく起きたかねぇ」

 なんて声が聞こえて来た。声は台座の下の方から聞こえて来る。
 えっ、とフィガロは目を丸くして、ひょいとそちらを覗いてみた。
 するとそこには、黒色のゆったりとした衣装を身にまとった巨大な男が、床にごろりと寝転がっているではないか。
 長い黒髪を後ろで結び、目の絵が描かれた布で両目を隠している。
 ヒッ、と短く悲鳴を上げてフィガロは後ろに後ずさった。
 男は「ふあーあ」とあくびをすると、よっこらせと身体を起こす。

「きょ、巨人族……!?」
「ちょっとちょっと、その態度は酷いんじゃない? こちとらモントシュテル様に命じられて、お嬢さんが起きるのをずっと待っていたってのに」
「モントシュテル様に?」
「そうそ」

 驚くフィガロをよそに、男はわざとらしく肩をすくめると「それから」と続ける。

「巨人族ってはのハズレ。ボクは一般人サイズだよ。違うのはお嬢さんの方」
「わ、私?」
「そ。自分の身体をよく見てみ」

 そう言うと、男はひょいと懐から、古そうな手鏡を取り出した。
 そしてそれをフィガロの方へ向けて来る。
 するとそこには、

「え」

 ――背中に虫の翅のようなものを生やしたフィガロがいた。
 見た目は十五、六くらいだろうか。死んだ時よりも若返っている。

「お若い……ッ!」
「鏡で自分の姿を見て、一番最初に反応するところそこ?」
「だって死んだ時二十五くらいでしたから。いやぁ若返ったなぁって……」
「人間で二十五なら、言うほど年でもないでしょうに。っていうかね、そこじゃない。もっと違う部分あったよね?」
「翅がありますね」
「ありますね……。何この子」

 あっけらかんとフィガロが答えれば、男からは呆れた眼差しを向けられてしまった。

「いや、何か身体を丈夫にしてくれるとか色々言われたので……」
「そこで納得するんかい。……まぁ、いいや。お嬢さん、翅以外に気付いた事は?」
「翅以外と言われても……」

 容姿はそのままだし……そう言えばサイズがどうのと言っていた気がする。
 そこまで考えてフィガロは辺りを見回した。
 相変わらず目の前の男は大きいが、それ以外にも、この部屋の調度品がやけに大きい気がする。壺なんて、フィガロの全身が入ってもまだ余裕がありそうだ。

(……あれ?)

 フィガロは首を傾げて、もう一度男を見上げる。大きい。
 ――大きいが、もしかして。

「私のサイズが小さい……?」
「ご名答!」

 男は軽快に手を叩いて頷いた。

「ルクスフェン様はお嬢さんを転生させた。その際に、人間ではなく別の種族にしたんだよ。まぁ見た目から察しているかもしれないが魔族だ。お嬢さんの場合は妖精だね」
「妖精……」
「そうそ。それでボクはモントシュテル様から、しばらくお嬢さんの御守を仰せつかったトバリ。よろしくね」

 そう言ってトバリと名乗った男はサムズアップした。

「それで、お嬢さん。お名前は?」
「フィガロです」
「それでいいの? 新しい人生だよ?」

 トバリは少し首を傾げてそう聞いて来た。
 そう言えば……とフィガロは思う。一度死んで、新しい人生を歩むのならば、名前もそうした方が良いのかもしれない。
 だけどフィガロと言う名前は――生前、何もかもを失ったフィガロに、ピアノの腕以外に残った唯一のものだ。
 亡くなった家族が呼んでくれた大事な名前だ。
 フィガロは指で頬をかくと、

「フィガロで」

 とトバリに言う。すると彼は軽く頷いて「分かった」と笑った。

「……ところで、お嬢さん。さっきから気になっていたんだけど」
「何ですか?」
「恥じらいないの?」

 トバリは何とも不思議そうに言う。
 恥じらい、とは何の事だろうか。そう考えて、フィガロはハッと自分の身体を見下ろした。
 そう言えば全裸だった。

「ぅぎゃーっ!?!?」

 フィガロはそう叫ぶと、転げ落ちるように台座を降りて、そこで自分の身体を隠した。
 まぁ、手遅れではあったけれど。
 その状態でフィガロはトバリに頼む。

「ふ、服はありませんか! 布でも良いです!」
「はいはい、ちょっと待っててね」

 トバリはそう言うと、人差し指を立てて、空中でくるくると円を描いた。
 するとその指先から夜空のような煌めきをもった黒色の光の糸が現れ、フィガロの身体にしゅるしゅると巻き付いて来る。
 そうして身体を覆い尽くすと、ふわり、と形を変え、そして――黒色のワンピースとなった。トバリの着ている衣装とよく似たデザインだ。

「はい、これでオーケー」
「あ、ありがとうございますぅ……」

 安堵の息を吐いて、フィガロはよたよたと立ち上がる。
 トバリは台座をぐるりと回ると、フィガロのいる方へと近づいて、膝をついた。そして右手を差し出してくれる。

「はい、乗って。まだ背中の翅で飛べないでしょうし」
「あ、お邪魔します……。というか、飛べるんですね……」
「まぁ妖精だからね」

 フィガロがそろりとその手に乗ると、トバリはよいしょと立ち上がった。
 視界が高くなる。人間だった頃には見慣れた高さなのに、何とも不思議な感覚だ。
 トバリはそのまま歩き出した。

「どちらへ?」
「ま、いつまでもここにいるわけにはいかないしね。……それにしてもお嬢さん、ボクの言う事をあっさり信じたね」
「お世話になった神様のお名前が出ましたので」
「そかそか。ボクとしては手間が省けたからいいけど、こりゃ別の意味で心配だな~」

 トバリはそんな事を言っている。
 彼の手の上で揺られながら、そう言えばとフィガロは大事な事を思い出した。

「ところでトバリ様。ここは一体どこになので?」
「ああ、そうだった。説明してなかったね」

 フィガロの質問に、トバリは軽く頷く。
 そんな話をしていると、二人は大きな扉の前に到着した。
 トバリはドアノブを握ると、扉を開きながら、

「ここはモントシュテル様が担当している地区――魔族の国シュテルンビルトだよ」

 と言ったのだった。
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

異世界転生したノンケの書生は、華族の貴公子に不埒な関係を望まれているが回避したい。

アナマチア
BL
ある日突然、交通事故で両親を亡くした、美大生の山田樹。 葬儀を終えて日常生活を送り始めるが、うつ状態になっていた樹は、葬儀後初めての登校時に接触事故で線路に落下する。 頭を強く打ち付けて視界が暗転し、目覚めると、見知らぬ部屋の布団の中に横たわっていた。 樹が夢でも見ている心地でいると、女中の花が現れて、樹のことを「早乙女さん」と呼んだ。 頭がぼうっとして何も考えられず、強い睡魔に襲われ、眠りに落ちようとしていた樹の前に、国防色の軍服を身にまとった偉丈夫――花ヶ前梗一郎(はながさきこういちろう)が現れた。 樹の名を切なそうに呼びながら近づいてきた梗一郎。驚いた樹は抵抗することもできず、梗一郎に抱き締められる。すると突然、想像を絶する頭痛に襲われた樹は、絶叫したのちに意識を失ってしまう。 そして気がつけば、重力が存在しない、真っ白な空間に浮かんでいた。そこで樹は、自分によく似た容姿の少年に出会う。 少年の正体は、早乙女樹の肉体を借りた、死を司る神――タナトスだった。そしてもう一柱、タナトスよりも小柄な少女、生を司る神――ビオスが現れる。 ビオスが言うには、樹は『異世界転生』をしたのだという。そして転生後の肉体の記憶は、特定の条件下で徐々に蘇ると告げられ、樹は再び異世界で目を覚ます。 樹が目覚めると、梗一郎が涙を流していた。 「樹が生きていて、本当によかった……!」 そう言って、梗一郎が樹の額に口付けた瞬間、樹の脳内に早乙女樹の幼少期と思われる映像が流れ、眠るように意識を失う。 『特定の条件下』とは、梗一郎との愛ある接触のことだった。 無事にひとつ目の記憶を取り戻した樹は、公家華族・花ヶ前伯爵家お抱えの書生(画家見習い)・『早乙女樹』を演じながら、花ヶ前家で生活を送る。 スペイン風邪による後遺症で『記憶喪失』になってしまった樹を心配して見舞いに来たのは、楚々とした容貌の美少女――梗一郎の妹である、花ヶ前椿子だった。 樹は驚愕に目を見開いた。 目の前に立つ少女は、樹が描いた人物画。 『大正乙女』そのままの姿形だったのである。 なんと樹は、自分が描いた油画の世界に異世界転生していたのだ。 梗一郎と恋仲であった早乙女樹として転生してしまった樹(ノンケ)は、男と恋愛なんて出来るはずがないと、記憶喪失を理由に梗一郎と距離を置くが……。

大好きな彼氏に大食いだって隠してたらなんだかんだでち●ち●食べさせられた話

なだゆ
BL
世話焼きおせっかい×大食いテンパリスト R-18要素はフェラ、イラマチオのみ。 長くスランプの中ひねり出したものなので暖かい目で読んでもらえると助かります。

裏の林にダンジョンが出来ました。~異世界からの転生幼女、もふもふペットと共に~

あかる
ファンタジー
私、異世界から転生してきたみたい? とある田舎町にダンジョンが出来、そこに入った美優は、かつて魔法学校で教師をしていた自分を思い出した。 犬と猫、それと鶏のペットと一緒にダンジョンと、世界の謎に挑みます!

睡眠開発〜ドスケベな身体に変えちゃうぞ☆〜

丸井まー(旧:まー)
BL
本人に気づかれないようにやべぇ薬を盛って、毎晩こっそり受けの身体を開発して、ドスケベな身体にしちゃう変態攻めのお話。 なんかやべぇ変態薬師✕純粋に懐いている学生。 ※くぴお・橘咲帆様に捧げます!やり過ぎました!ごめんなさい!反省してます!でも後悔はしてません!めちゃくちゃ楽しかったです!! ※喉イキ、おもらし、浣腸プレイ、睡眠姦、イラマチオ等があります。苦手な方はご注意ください。 ※ムーンライトノベルズさんでも公開しております。

淫獄桃太郎

煮卵
BL
鬼を退治しにきた桃太郎が鬼に捕らえられて性奴隷にされてしまう話。 何も考えないエロい話です。

転移したらダンジョンの下層だった

Gai
ファンタジー
交通事故で死んでしまった坂崎総助は本来なら自分が生きていた世界とは別世界の一般家庭に転生できるはずだったが神側の都合により異世界にあるダンジョンの下層に飛ばされることになった。 もちろん総助を転生させる転生神は出来る限りの援助をした。 そして総助は援助を受け取るとダンジョンの下層に転移してそこからとりあえずダンジョンを冒険して地上を目指すといった物語です。

余りモノ異世界人の自由生活~勇者じゃないので勝手にやらせてもらいます~

藤森フクロウ
ファンタジー
 相良真一(サガラシンイチ)は社畜ブラックの企業戦士だった。  悪夢のような連勤を乗り越え、漸く帰れるとバスに乗り込んだらまさかの異世界転移。  そこには土下座する幼女女神がいた。 『ごめんなさあああい!!!』  最初っからギャン泣きクライマックス。  社畜が呼び出した国からサクッと逃げ出し、自由を求めて旅立ちます。  真一からシンに名前を改め、別の国に移り住みスローライフ……と思ったら馬鹿王子の世話をする羽目になったり、狩りや採取に精を出したり、馬鹿王子に暴言を吐いたり、冒険者ランクを上げたり、女神の愚痴を聞いたり、馬鹿王子を躾けたり、社会貢献したり……  そんなまったり異世界生活がはじまる――かも?    ブックマーク30000件突破ありがとうございます!!   第13回ファンタジー小説大賞にて、特別賞を頂き書籍化しております。  ♦お知らせ♦  余りモノ異世界人の自由生活、コミックス3巻が発売しました!  漫画は村松麻由先生が担当してくださっています。  よかったらお手に取っていただければ幸いです。    書籍のイラストは万冬しま先生が担当してくださっています。  7巻は6月17日に発送です。地域によって異なりますが、早ければ当日夕方、遅くても2~3日後に書店にお届けになるかと思います。  今回は夏休み帰郷編、ちょっとバトル入りです。  コミカライズの連載は毎月第二水曜に更新となります。  漫画は村松麻由先生が担当してくださいます。  ※基本予約投稿が多いです。  たまに失敗してトチ狂ったことになっています。  原稿作業中は、不規則になったり更新が遅れる可能性があります。  現在原稿作業と、私生活のいろいろで感想にはお返事しておりません。  

[R-18] 奴隷のレッスン:騎士団所属の末っ子王子は、イケメン奴隷に身も心も奪われる

山葉らわん
BL
【縦読み推奨】 ■ 第一章(第1話〜第9話)  アラディーム国の第七王子であるノモクは、騎士団長ローエの招きを受けて保養地オシヤクを訪れた。ノモクは滞在先であるローエの館で、男奴隷エシフと出会う。  滞在初日の夜、エシフが「夜のデザート」と称し、女奴隷とともにノモクの部屋を訪れる。しかし純潔を重んじるノモクは、「初体験の手ほどき」を断り、エシフたちを部屋から追い返してしまう。 ■ 第二章(第1話〜第10話)  ノモクが「夜のデザート」を断ったことで、エシフは司祭ゼーゲンの立合いのもと、ローエから拷問を受けることになってしまう。  拷問のあと、ノモクは司祭ゼーゲンにエシフを自分の部屋に運ぶように依頼した。それは、持参した薬草でエシフを治療してあげるためだった。しかしノモクは、その意図を悟られないように、エシフの前で「拷問の仕方を覚えたい」と嘘をついてしまう。 ■ 第三章(第1話〜第11話)  ノモクは乳母の教えに従い、薬草をエシフの傷口に塗り、口吻をしていたが、途中でエシフが目を覚ましてしまう。奴隷ごっこがしたいのなら、とエシフはノモクに口交を強要する。 ■ 第四章(第1話〜第9話)  ノモクは、修道僧エークから地下の拷問部屋へと誘われる。そこではギーフとナコシュのふたりが、女奴隷たちを相手に淫らな戯れに興じていた。エークは、驚くノモクに拷問の手引き書を渡し、エシフをうまく拷問に掛ければ勇敢な騎士として認めてもらえるだろうと助言する。 ◾️第五章(第1話〜第10話)  「わたしは奴隷です。あなたを悦ばせるためなら……」  こう云ってエシフは、ノモクと交わる。 ◾️第六章(第1話〜第10話)  ノモクはエシフから新しい名「イェロード」を与えられ、またエシフの本当の名が「シュード」であることを知らされる。  さらにイェロード(=ノモク)は、滞在先であるローエの館の秘密を目の当たりにすることになる。 ◾️第七章(第1話〜第12話)  現在、まとめ中。 ◾️第八章(第1話〜)  現在、執筆中。 【地雷について】  「第一章第4話」と「第四章第3話」に男女の絡みシーンが出てきます(後者には「小スカ」もあり)。過度な描写にならないよう心掛けていますが、地雷だという読者さまは読み飛ばしてください(※をつけています)。  「第二章第10話」に拷問シーンが出てきます。過度な描写にならないよう心掛けていますが、地雷だという読者さまは読み飛ばしてください(※をつけています)。

処理中です...