最強辺境伯令嬢

吏人

文字の大きさ
上 下
23 / 24
騎士団審査

23

しおりを挟む
2人はそれぞれ自分の持つ剣を構える。
ロイドの持つ大剣はこの国で一般的なもので全長1.2~1.4m、刃渡り1~1.2m程度のもので使い込まれた跡がある。一方松葉の持つ剣は全長2mはある刀のようなものを使う。

「では 始め!」

柊が開始を宣言する
初めに動いたのはロイドの方だった。
一気に踏み込み松葉との距離を縮め大剣を一気に振りかぶった。

「うぉぉおお!」
「いい振りだが まだまだだ」

松葉はそう言うと軽々とロイドの大剣をかわした。
ロイドは一瞬驚いた様子を見せたが気を抜かず一手二手と大剣を振る。
一方松葉はどこか楽しそうにロイドの剣をかわしたりいなしたりしている。


「そろそろかな…」

そう言うと今まで守りに徹していた松葉が攻撃に転じ始める。
松葉はロイドの一振を刀でいなし反撃する。

「うわぁ!?」

その一撃でロイドは後ろへ飛ばされ体制を崩す。

「どうした? もう限界か?」
「…っく まだいけます!」
「よし! こい」

その後もロイドは諦めず松葉に向かい攻撃を繰り出すが松葉は全ていなし反撃をくらわす。
ロイドの方は息切れをしているが松葉はまだまだ余裕そうだ。
そんな攻防が五分ほど続いた時松葉の動きが先程までのものと変わり始めた。

「だいたいお前の剣技見せて貰ったし こっからはとにかく耐えろよ」
「?!」

松葉がそう言った途端急に姿が消える。ロイドは驚き動揺するがすぐに気を取り直し周囲を警戒する。しかしその時には既に真後ろに松葉がいた。 誰も追いつけない程のスピードでロイドの後ろに回り込み刀を振るう。

「っく!」
「ほう…」
「今のを受け止めるとは なかなかですね」

間一髪で振り向き松葉の剣を受け止めたロイドに柊と菊花が感心の言葉を呟く。
松葉も同意見のようで楽しそうに一手二手とロイドに攻撃を仕掛ける。
ロイドはなんとか剣を防ぐだけで手一杯のようだ。

「よし! この一撃で終いだ!」
「え?!」
「しっかり受け止めるか避けろよ」

松葉がそう言うと刀を振り下ろす。すると刀から竜巻のような斬撃が打たれロイドへめがけて迫って行った。

「松葉 ちょっと本気出したね」
「受け止めてくれる人間が向こうの世界にはいなかったので嬉しかったのでしょう」
「さて ロイドはどうするかな」

松葉が放った斬撃はものすごいスピードでロイドへ迫っている。 ロイドは大剣を構え直し真っ向から受けるようだ。
松葉は死なない程度には加減しているようなので大丈夫だろう。

「はあああああああああ!!!!」

大剣と斬撃がぶつかり合う。
大きな衝撃と共に砂吹雪が舞った。
そして砂吹雪がやんだそこには…

「はぁ…はぁ…っく!」

膝をついているが意識がかろうじてあるロイドがそこにいた。

「そこまで! 」

柊の合図により10分が経過したことが知らされる。

「よくやったな!」
「あ、ありがとう…ござ..いま」

バタン!
松葉がロイドに近ずき声をかけロイドが礼を言う途中倒れた。おそらく気絶したのだろう。松葉がロイドを担ぐと私の方へやってきた。私は菊花にロイドを医務室に連れていくよう指示する。

「お嬢 こいつ気に入りました!」
「そのようね でも彼だからあれに耐えれたのよ ほかの志願者にはしないように」
「わかってますよ!」

そう言ってロイドを預けると志願者達のいるところに戻っていく。

「お前達にあそこまでは要求しない 今はな 合格して騎士団に入れば今のロイドより強くなれるだろう」

松葉の言葉を聞いた志願者達が色めき経つ合格すれば先程のような戦いが自分達もできるようになる 。
そこからは我先にと模擬戦への挑戦を立候補し始めた。

「そろそろ移動しようか 見たかったロイドは見れたし あとは任せても大丈夫でしょ」
「かしこまりました 次はどちらに?」
「次は遠距離戦の方に行ってみようか」
「御意」


ーーーーーーーーーーーーーーー
いつも読んで頂きありがとうございます
接近戦の審査の様子はこの辺で終わりです
戦闘シーンって難しいですね……
全然上手く書けない…
精進します!
続きまして遠距離戦です接近戦より短くなる予定です!



しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

【完結】悪役令嬢に転生したけど、王太子妃にならない方が幸せじゃない?

みちこ
ファンタジー
12歳の時に前世の記憶を思い出し、自分が悪役令嬢なのに気が付いた主人公。 ずっと王太子に片思いしていて、将来は王太子妃になることしか頭になかった主人公だけど、前世の記憶を思い出したことで、王太子の何が良かったのか疑問に思うようになる 色々としがらみがある王太子妃になるより、このまま公爵家の娘として暮らす方が幸せだと気が付く

婚約破棄されたら魔法が解けました

かな
恋愛
「クロエ・ベネット。お前との婚約は破棄する。」 それは学園の卒業パーティーでの出来事だった。……やっぱり、ダメだったんだ。周りがザワザワと騒ぎ出す中、ただ1人『クロエ・ベネット』だけは冷静に事実を受け止めていた。乙女ゲームの世界に転生してから10年。国外追放を回避する為に、そして后妃となる為に努力し続けて来たその時間が無駄になった瞬間だった。そんな彼女に追い打ちをかけるかのように、第一王子であるエドワード・ホワイトは聖女を新たな婚約者とすることを発表した。その後はトントン拍子にことが運び、冤罪をかけられ、ゲームのシナリオ通り国外追放になった。そして、魔物に襲われて死ぬ。……そんな運命を辿るはずだった。 「こんなことなら、転生なんてしたくなかった。元の世界に戻りたい……」 あろうことか、最後の願いとしてそう思った瞬間に、全身が光り出したのだ。そして気がつくと、なんと前世の姿に戻っていた!しかもそれを第二王子であるアルベルトに見られていて……。 「……まさかこんなことになるなんてね。……それでどうする?あの2人復讐でもしちゃう?今の君なら、それができるよ。」 死を覚悟した絶望から転生特典を得た主人公の大逆転溺愛ラブストーリー! ※最初の5話は毎日18時に投稿、それ以降は毎週土曜日の18時に投稿する予定です

絶対に間違えないから

mahiro
恋愛
あれは事故だった。 けれど、その場には彼女と仲の悪かった私がおり、日頃の行いの悪さのせいで彼女を階段から突き落とした犯人は私だと誰もが思ったーーー私の初恋であった貴方さえも。 だから、貴方は彼女を失うことになった私を許さず、私を死へ追いやった………はずだった。 何故か私はあのときの記憶を持ったまま6歳の頃の私に戻ってきたのだ。 どうして戻ってこれたのか分からないが、このチャンスを逃すわけにはいかない。 私はもう彼らとは出会わず、日頃の行いの悪さを見直し、平穏な生活を目指す!そう決めたはずなのに...……。

【取り下げ予定】愛されない妃ですので。

ごろごろみかん。
恋愛
王妃になんて、望んでなったわけではない。 国王夫妻のリュシアンとミレーゼの関係は冷えきっていた。 「僕はきみを愛していない」 はっきりそう告げた彼は、ミレーゼ以外の女性を抱き、愛を囁いた。 『お飾り王妃』の名を戴くミレーゼだが、ある日彼女は側妃たちの諍いに巻き込まれ、命を落としてしまう。 (ああ、私の人生ってなんだったんだろう──?) そう思って人生に終止符を打ったミレーゼだったが、気がつくと結婚前に戻っていた。 しかも、別の人間になっている? なぜか見知らぬ伯爵令嬢になってしまったミレーゼだが、彼女は決意する。新たな人生、今度はリュシアンに関わることなく、平凡で優しい幸せを掴もう、と。 *年齢制限を18→15に変更しました。

悪役令嬢ですが最強ですよ??

鈴の音
ファンタジー
乙女ゲームでありながら戦闘ゲームでもあるこの世界の悪役令嬢である私、前世の記憶があります。 で??ヒロインを怖がるかって?ありえないw ここはゲームじゃないですからね!しかも、私ゲームと違って何故か魂がすごく特別らしく、全属性持ちの神と精霊の愛し子なのですよ。 だからなにかあっても死なないから怖くないのでしてよw 主人公最強系の話です。 苦手な方はバックで!

幼妻は、白い結婚を解消して国王陛下に溺愛される。

秋月乃衣
恋愛
旧題:幼妻の白い結婚 13歳のエリーゼは、侯爵家嫡男のアランの元へ嫁ぐが、幼いエリーゼに夫は見向きもせずに初夜すら愛人と過ごす。 歩み寄りは一切なく月日が流れ、夫婦仲は冷え切ったまま、相変わらず夫は愛人に夢中だった。 そしてエリーゼは大人へと成長していく。 ※近いうちに婚約期間の様子や、結婚後の事も書く予定です。 小説家になろう様にも掲載しています。

最強令嬢とは、1%のひらめきと99%の努力である

megane-san
ファンタジー
私クロエは、生まれてすぐに傷を負った母に抱かれてブラウン辺境伯城に転移しましたが、母はそのまま亡くなり、辺境伯夫妻の養子として育てていただきました。3歳になる頃には闇と光魔法を発現し、さらに暗黒魔法と膨大な魔力まで持っている事が分かりました。そしてなんと私、前世の記憶まで思い出し、前世の知識で辺境伯領はかなり大儲けしてしまいました。私の力は陰謀を企てる者達に狙われましたが、必〇仕事人バリの方々のおかげで悪者は一層され、無事に修行を共にした兄弟子と婚姻することが出来ました。……が、なんと私、魔王に任命されてしまい……。そんな波乱万丈に日々を送る私のお話です。

宮廷外交官の天才令嬢、王子に愛想をつかれて婚約破棄されたあげく、実家まで追放されてケダモノ男爵に読み書きを教えることになりました

悠木真帆
恋愛
子爵令嬢のシャルティナ・ルーリックは宮廷外交官として日々忙しくはたらく毎日。 クールな見た目と頭の回転の速さからついたあだ名は氷の令嬢。 婚約者である王子カイル・ドルトラードを長らくほったらかしてしまうほど仕事に没頭していた。 そんなある日の夜会でシャルティナは王子から婚約破棄を宣言されてしまう。 そしてそのとなりには見知らぬ令嬢が⋯⋯ 王子の婚約者ではなくなった途端、シャルティナは宮廷外交官の立場まで失い、見かねた父の強引な勧めで冒険者あがりの男爵のところへ行くことになる。 シャルティナは宮廷外交官の実績を活かして辣腕を振るおうと張り切るが、男爵から命じられた任務は男爵に文字の読み書きを教えることだった⋯⋯

処理中です...