最強辺境伯令嬢

吏人

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騎士団審査

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2人はそれぞれ自分の持つ剣を構える。
ロイドの持つ大剣はこの国で一般的なもので全長1.2~1.4m、刃渡り1~1.2m程度のもので使い込まれた跡がある。一方松葉の持つ剣は全長2mはある刀のようなものを使う。

「では 始め!」

柊が開始を宣言する
初めに動いたのはロイドの方だった。
一気に踏み込み松葉との距離を縮め大剣を一気に振りかぶった。

「うぉぉおお!」
「いい振りだが まだまだだ」

松葉はそう言うと軽々とロイドの大剣をかわした。
ロイドは一瞬驚いた様子を見せたが気を抜かず一手二手と大剣を振る。
一方松葉はどこか楽しそうにロイドの剣をかわしたりいなしたりしている。


「そろそろかな…」

そう言うと今まで守りに徹していた松葉が攻撃に転じ始める。
松葉はロイドの一振を刀でいなし反撃する。

「うわぁ!?」

その一撃でロイドは後ろへ飛ばされ体制を崩す。

「どうした? もう限界か?」
「…っく まだいけます!」
「よし! こい」

その後もロイドは諦めず松葉に向かい攻撃を繰り出すが松葉は全ていなし反撃をくらわす。
ロイドの方は息切れをしているが松葉はまだまだ余裕そうだ。
そんな攻防が五分ほど続いた時松葉の動きが先程までのものと変わり始めた。

「だいたいお前の剣技見せて貰ったし こっからはとにかく耐えろよ」
「?!」

松葉がそう言った途端急に姿が消える。ロイドは驚き動揺するがすぐに気を取り直し周囲を警戒する。しかしその時には既に真後ろに松葉がいた。 誰も追いつけない程のスピードでロイドの後ろに回り込み刀を振るう。

「っく!」
「ほう…」
「今のを受け止めるとは なかなかですね」

間一髪で振り向き松葉の剣を受け止めたロイドに柊と菊花が感心の言葉を呟く。
松葉も同意見のようで楽しそうに一手二手とロイドに攻撃を仕掛ける。
ロイドはなんとか剣を防ぐだけで手一杯のようだ。

「よし! この一撃で終いだ!」
「え?!」
「しっかり受け止めるか避けろよ」

松葉がそう言うと刀を振り下ろす。すると刀から竜巻のような斬撃が打たれロイドへめがけて迫って行った。

「松葉 ちょっと本気出したね」
「受け止めてくれる人間が向こうの世界にはいなかったので嬉しかったのでしょう」
「さて ロイドはどうするかな」

松葉が放った斬撃はものすごいスピードでロイドへ迫っている。 ロイドは大剣を構え直し真っ向から受けるようだ。
松葉は死なない程度には加減しているようなので大丈夫だろう。

「はあああああああああ!!!!」

大剣と斬撃がぶつかり合う。
大きな衝撃と共に砂吹雪が舞った。
そして砂吹雪がやんだそこには…

「はぁ…はぁ…っく!」

膝をついているが意識がかろうじてあるロイドがそこにいた。

「そこまで! 」

柊の合図により10分が経過したことが知らされる。

「よくやったな!」
「あ、ありがとう…ござ..いま」

バタン!
松葉がロイドに近ずき声をかけロイドが礼を言う途中倒れた。おそらく気絶したのだろう。松葉がロイドを担ぐと私の方へやってきた。私は菊花にロイドを医務室に連れていくよう指示する。

「お嬢 こいつ気に入りました!」
「そのようね でも彼だからあれに耐えれたのよ ほかの志願者にはしないように」
「わかってますよ!」

そう言ってロイドを預けると志願者達のいるところに戻っていく。

「お前達にあそこまでは要求しない 今はな 合格して騎士団に入れば今のロイドより強くなれるだろう」

松葉の言葉を聞いた志願者達が色めき経つ合格すれば先程のような戦いが自分達もできるようになる 。
そこからは我先にと模擬戦への挑戦を立候補し始めた。

「そろそろ移動しようか 見たかったロイドは見れたし あとは任せても大丈夫でしょ」
「かしこまりました 次はどちらに?」
「次は遠距離戦の方に行ってみようか」
「御意」


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いつも読んで頂きありがとうございます
接近戦の審査の様子はこの辺で終わりです
戦闘シーンって難しいですね……
全然上手く書けない…
精進します!
続きまして遠距離戦です接近戦より短くなる予定です!



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