最強辺境伯令嬢

吏人

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幼少期

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家に帰って早速家族にコボルトのことを話した。あの森は私が誕生日にお父様から頂いたもので憑依の訓練をしたりするためのものなので基本的に領民は寄り付かない。
両親は獣人の中では弱いとはいえ男性だと筋力だけでいうとコボルトの方が上のため少し悩んでいたが、私が珍しくお願いをしたのが嬉しかったらしく最後には了承してくれた。
アレク兄様は是非会ってみたい!と目を輝かせていたが、コボルト達が会ってもいいと言うまでは合わせないことにする。

「しかし、コボルト達が領地に入ったことに気づけなかった 魔国との国境線ばかりに気を取られているとうちから責められるかもな」
「そうね 訓練を厳しくして しっかりしてもらわないとね」

両親が何やら怖い顔で話し合っているがこれに関しては知らない顔をしておこう。
明日早速コボルトたちに今日の成果を知らせねば。

翌日コボルトたちに伝えると涙を浮かべて喜んでくれた。

「ありがとうございます!」
「ありがとうございます! ほんとに感謝しきれません!」
「キャン!」
「キャン!キャン!」

子供たちも喜んでくれているようだ。
それから私は12使達を呼んでコボルト達の生活の基準となる家作りを手伝ったり、森を開拓するのをしたりして徐々にコボルトの集落は完成へと近ずいていた。

「アイリス様」
「ロックさん」
「ありがとうございます 徐々に生活も安定してきました」
「とんでもないですよ 」
「どう恩を返したらいいか」
「この森で取れた山菜や果物をたまにくれればそれでいいですよ」
「しかし!」
「あ!そうだ もうすぐ私のお披露目会があるんです だからかなり多くの人がこの領地にやってきます」
「では その間は子供たちをしっかり見張らねばなりませんね」
「ええ そうしてください 」
「人は10歳で1度お披露目をするのですね」
「うーん 領主の娘だからっていうのもあると思う」
「アイリス様と話していると 10歳でだと言うことを忘れてしまいそうになります」
「よく言われる…そんなに子供っぽくない?」
「ハッハッハ 気にしなくて良いのですよ アイリス様はアイリス様でございます アイリス様のおかげで今の我々があるのですから」
「そう? ならいっか」
「はい」

ロックさんは私の顔を優しい顔で見ながらそう言ってくれる。戦いばかりの私にコボルト達と過ごす時間はとても有意義なものだ。 
現在この森は立ち入り禁止となっており領民たちには簡単に説明してある。
ここの領民はコボルトが住み始めたと知っても嫌がりもせず受け入れてくれた。
彼らが人が苦手で会いたがらないと知ると定期的に通う私にこっそりパンを持たせたり他にも食料をくれたりしてくれる。
素晴らしい領民たちだが念の為よそ者が入り込まないように立ち入り禁止としている。

「お嬢様、2日後のお披露目の時は2人くらい見張りに森にいてもらいましょうか」
「そうね 念の為そうしましょ」
「では人選は?」
「戦闘専門の松葉と結界が得意な桔梗の2人にしましようかな 2人ともいいかな?」

私が小さく問うと 

「任せろ!」
「仰せのままに」

脳内に了承の声が聞こえてくる。これでコボルト達が領地に見つかることはないだろう、見つかっても松葉に戦闘不能状態にして森から追い出してもらう。
いよいよ2日後に迫ったお披露目会一体そうなるのか。
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