私の幸せな結婚生活

吏人

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番外編

リリアside

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彼女、アリアと出会ったのは私達が7歳のときだった。母に連れられいった茶会でだった。アリアは綺麗なブロンドの髪で一つ一つの動作が優雅だった。一方私は騎士の家系で幼い頃から兄たちと剣術の真似事をしていたため髪も短くかなりガサツな性格でアリアとは正反対だった。普通は仲良くなる要素は全く無いのだが、何故かお互い惹かれあいすぐに仲良くなった。

「リリア、今日も剣術の稽古?」
「アリア! そうよ!もうすぐ学園に入るでしょ? 女子はほとんどが礼儀作法ばかりで剣術なんてできないでしょうから今のうちにね!」
「あら。剣術科があったはずよね。そこには入らないの?」
「入りたかったんだけど、母に止められて…」
「なるほど…だったら私も一緒におば様を説得するわ!」
「え?」
「礼儀作法は私が教えてあげる!私リリアが剣術をしているところを見るのが凄く好きなの。だから諦めないで!」

そう言われ私はもう一度母を説得することにした。リリアも一緒になって土下座する勢いで説得したら、必要最低限の礼儀作法ができることを条件に許して貰えた。 それからリリアの指導が上手いおかげで何とか母の条件をクリアして学園では剣術科を選択することができた。

学園へ入学後私達2人で行動していたのが4人になった。それが後に私達の夫となるトーマスとシオンだった。シオンが私に一目惚れをしたらしく私達に絡んでくるようになった。私は恋だの結婚だのには興味がなかったけれど貴族の娘だからいずれは何処かに嫁がねばならないと思っていた。その点で言うとシオンは由緒ある騎士の家系で私にもあっていると思った。シオンとよく一緒にいるトーマスはどうやらアリアのことが気になっているようで良く話かたりしている。
それから暫くしてそれぞれが婚約することに決まった。私とシオンそしてトーマスは剣術の稽古で汗を流し、その間アリアは木陰で本を読んだり私たちのことを見ているといのが習慣になった。

「リリアお疲れ様。タオルとお水よ。」
「ありがとう。アリアごめんね。退屈じゃない?」
「全然!剣術の稽古をしているリリアはとってもカッコよくて全然飽きないの!」
「そう言ってくれると嬉しいわ!」

「まるでリリアとアリア嬢が付き合ってるみたいだな…俺達の立場がないぜ」
「まあ、仕方ないだろ。あの二人の間に俺達が割って入ったようなもんだからな。」
「あ、トーマス様シオンタオルとお水そこに用意してありますよ。」
「「ありがとう…」」

学園を卒業するまでこの光景は続き卒業と共に結婚私はすぐにアレクを妊娠した。一方アリアは元々体が弱かったのが日々の社交界での人付き合いや義両親からの世継ぎはまだかというプレッシャーで体を壊してしまう。
夫であるトーマスも義両親を領地の別荘に追いやったりできる限りストレスをなくそうとしたおかげで少しづつ良くなり、アレクが生まれてから5年後アイリスが誕生した。

「ほらアレクこの子の名前はアイリスよ。」

アイリスはアリアによく似てとても可愛いかった。アレクもキラキラとした目でアイリスを見ている。

「アリア体調は?」
「大丈夫よ。アイリスが生まれたんだものこれから頑張らなくちゃ!」
「そうね。トーマス様は?」
「仕事に行かせたわ。私やアイリスから全然離れないんだもの。」
「あらあら。うふふ。」

アリアが元気そうで良かった。帰りにはアレクがアイリスから離れようとせず大変で毎日会いに行ってもいいと言う約束までさせられた。 私もアレクの付き添いという形で毎日アリアやアイリスに会いに行った。庭先で遊ぶアレク達を寝室の窓からアリアと談笑しながら眺める。そんな幸せな日常がずっと続けばいいと思った。
しかし、そんな日々も突然終わりを告げた。アイリスが生まれてから3年後アリアが天に召されたのだ。まるで自分の半身を奪われたような気がした。いや気のせいではない。私の雄一無二であるアリアを失いポッカリと穴が空いてしまった。アリアの家にシオンとアレクと共に行くと。茫然自失としたトーマスがいた。シオンがそばに行き話しかける

「トーマス…」
「シオン。アリアが…アリアが…」
「ああ。深呼吸しろ。葬儀などのことは任せろ。お前はちゃんと奥方にお別れをしてこい。」

何とかよろめきながらトーマスはアリアの棺の前に行き声を出して泣いていた。しかしそんなトーマスより私は必死に母を探すアイリスに胸を痛めた。

「おかーたまは?」

思わず抱きしめてしまった。それからアイリスのことをアレクに任せ葬儀の指示をだしたりして何とか終わることが出来た。 ポッカリ空いた穴は塞がらないまま…葬儀を終え参列者が帰りお墓の前には私しか居なくなってやっと涙が溢れてきた。

「っどうして…私を置いていってしまうの?ずっと一緒に生きていこうって言ったじゃない。アレクとアイリスが結婚すれば…もっと一緒に居られるって…それまで頑張るって…言ったじゃない!」

初めてあんなに声を出して泣いたかもしれない。泣き疲れてお墓に身を寄せるようにして眠っている私をシオンは起こさないように屋敷へと連れて帰ってくれた。 
アリアが居なくなって1ヶ月がたった。穴はまだ塞がらないまま… そんな時アリアの家では少しづつ問題が起きていた。
それはトーマスの育児放棄。まるでアイリスを居ないものとして扱うトーマスを私達夫婦は何度も注意した。

「トーマス!何故アイリスを無視する!」
「アイリス…アリアによく似てるんだ…」
「ええそうねアリアにとてもよく似てる。アリアの忘れ形見なのよ!愛しているのでしょ!アイリスが可哀想よ!」
「勿論愛してるさ。ただあの子を見ていると、お前が産まれてきたせいでアリアが死んだんだって言ってしまいそうになるんだ!」
「何を言ってるのよ!アリアが死んだのはあの子のせいじゃないわ!」
「わかってる!わかっているんんだ……」

私達はこれ以上トーマスとアイリスを同じ屋敷に住まわせるのはお互い危険だと判断しアイリスを引き取ることにした。
トーマスは最初の方こそ躊躇ったが、毎週アイリスの様子を手紙で知らせることを約束し承諾させた。
引き取る日もトーマスはアイリスと目をわせないようにし泣いてトーマスにしがみつこうとするアイリスをどうにか引き離し我が家に連れて帰った。その後何とか落ち着いたアイリス今では使用人を含め我が家の癒しとして皆が可愛がった。アレクもアイリスを妹のように可愛がり、こちらが呆れるほど過保護になった。

「リリおば様。これアンに教えて貰ったのリリおば様にプレゼントです!」
「まあ!よくできてる刺繍ねお花がとてもよく出来てる!ありがとう。」

誕生日に花の刺繍をしたハンカチをくれたアイリスを抱きしめて頬にキスをするとアイリスは嬉しそうにはにかんだ。
アイリスは家族の誕生日には何か手作りのものをプレゼントしてくれる。シオンやアレクは泣いて喜び、部屋に飾るほどで、アイリスに使ってください!と怒れれていた。勿論トーマスにも毎年プレゼントを準備し毎週送る手紙に同封し送っている。いつも短い返信だが、プレゼントを入れた後の返信には涙が落ちた後が残っていた。そろそろアイリスと暮らせるのではないかと私達が考えた頃突然トーマスが
「アイリス愛してる。」
という手紙を残して消えてしまった。


ーーーーーーーーーーー
一旦ここで終わります!
次で義母視点も終わりです。
物語も完結近し。
お気に入りの数が30を超えていてとても嬉しいです!
これからも亀更新ですが宜しくお願いします!!
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