7 / 8
番外編
リリアside
しおりを挟む
彼女、アリアと出会ったのは私達が7歳のときだった。母に連れられいった茶会でだった。アリアは綺麗なブロンドの髪で一つ一つの動作が優雅だった。一方私は騎士の家系で幼い頃から兄たちと剣術の真似事をしていたため髪も短くかなりガサツな性格でアリアとは正反対だった。普通は仲良くなる要素は全く無いのだが、何故かお互い惹かれあいすぐに仲良くなった。
「リリア、今日も剣術の稽古?」
「アリア! そうよ!もうすぐ学園に入るでしょ? 女子はほとんどが礼儀作法ばかりで剣術なんてできないでしょうから今のうちにね!」
「あら。剣術科があったはずよね。そこには入らないの?」
「入りたかったんだけど、母に止められて…」
「なるほど…だったら私も一緒におば様を説得するわ!」
「え?」
「礼儀作法は私が教えてあげる!私リリアが剣術をしているところを見るのが凄く好きなの。だから諦めないで!」
そう言われ私はもう一度母を説得することにした。リリアも一緒になって土下座する勢いで説得したら、必要最低限の礼儀作法ができることを条件に許して貰えた。 それからリリアの指導が上手いおかげで何とか母の条件をクリアして学園では剣術科を選択することができた。
学園へ入学後私達2人で行動していたのが4人になった。それが後に私達の夫となるトーマスとシオンだった。シオンが私に一目惚れをしたらしく私達に絡んでくるようになった。私は恋だの結婚だのには興味がなかったけれど貴族の娘だからいずれは何処かに嫁がねばならないと思っていた。その点で言うとシオンは由緒ある騎士の家系で私にもあっていると思った。シオンとよく一緒にいるトーマスはどうやらアリアのことが気になっているようで良く話かたりしている。
それから暫くしてそれぞれが婚約することに決まった。私とシオンそしてトーマスは剣術の稽古で汗を流し、その間アリアは木陰で本を読んだり私たちのことを見ているといのが習慣になった。
「リリアお疲れ様。タオルとお水よ。」
「ありがとう。アリアごめんね。退屈じゃない?」
「全然!剣術の稽古をしているリリアはとってもカッコよくて全然飽きないの!」
「そう言ってくれると嬉しいわ!」
「まるでリリアとアリア嬢が付き合ってるみたいだな…俺達の立場がないぜ」
「まあ、仕方ないだろ。あの二人の間に俺達が割って入ったようなもんだからな。」
「あ、トーマス様シオンタオルとお水そこに用意してありますよ。」
「「ありがとう…」」
学園を卒業するまでこの光景は続き卒業と共に結婚私はすぐにアレクを妊娠した。一方アリアは元々体が弱かったのが日々の社交界での人付き合いや義両親からの世継ぎはまだかというプレッシャーで体を壊してしまう。
夫であるトーマスも義両親を領地の別荘に追いやったりできる限りストレスをなくそうとしたおかげで少しづつ良くなり、アレクが生まれてから5年後アイリスが誕生した。
「ほらアレクこの子の名前はアイリスよ。」
アイリスはアリアによく似てとても可愛いかった。アレクもキラキラとした目でアイリスを見ている。
「アリア体調は?」
「大丈夫よ。アイリスが生まれたんだものこれから頑張らなくちゃ!」
「そうね。トーマス様は?」
「仕事に行かせたわ。私やアイリスから全然離れないんだもの。」
「あらあら。うふふ。」
アリアが元気そうで良かった。帰りにはアレクがアイリスから離れようとせず大変で毎日会いに行ってもいいと言う約束までさせられた。 私もアレクの付き添いという形で毎日アリアやアイリスに会いに行った。庭先で遊ぶアレク達を寝室の窓からアリアと談笑しながら眺める。そんな幸せな日常がずっと続けばいいと思った。
しかし、そんな日々も突然終わりを告げた。アイリスが生まれてから3年後アリアが天に召されたのだ。まるで自分の半身を奪われたような気がした。いや気のせいではない。私の雄一無二であるアリアを失いポッカリと穴が空いてしまった。アリアの家にシオンとアレクと共に行くと。茫然自失としたトーマスがいた。シオンがそばに行き話しかける
「トーマス…」
「シオン。アリアが…アリアが…」
「ああ。深呼吸しろ。葬儀などのことは任せろ。お前はちゃんと奥方にお別れをしてこい。」
何とかよろめきながらトーマスはアリアの棺の前に行き声を出して泣いていた。しかしそんなトーマスより私は必死に母を探すアイリスに胸を痛めた。
「おかーたまは?」
思わず抱きしめてしまった。それからアイリスのことをアレクに任せ葬儀の指示をだしたりして何とか終わることが出来た。 ポッカリ空いた穴は塞がらないまま…葬儀を終え参列者が帰りお墓の前には私しか居なくなってやっと涙が溢れてきた。
「っどうして…私を置いていってしまうの?ずっと一緒に生きていこうって言ったじゃない。アレクとアイリスが結婚すれば…もっと一緒に居られるって…それまで頑張るって…言ったじゃない!」
初めてあんなに声を出して泣いたかもしれない。泣き疲れてお墓に身を寄せるようにして眠っている私をシオンは起こさないように屋敷へと連れて帰ってくれた。
アリアが居なくなって1ヶ月がたった。穴はまだ塞がらないまま… そんな時アリアの家では少しづつ問題が起きていた。
それはトーマスの育児放棄。まるでアイリスを居ないものとして扱うトーマスを私達夫婦は何度も注意した。
「トーマス!何故アイリスを無視する!」
「アイリス…アリアによく似てるんだ…」
「ええそうねアリアにとてもよく似てる。アリアの忘れ形見なのよ!愛しているのでしょ!アイリスが可哀想よ!」
「勿論愛してるさ。ただあの子を見ていると、お前が産まれてきたせいでアリアが死んだんだって言ってしまいそうになるんだ!」
「何を言ってるのよ!アリアが死んだのはあの子のせいじゃないわ!」
「わかってる!わかっているんんだ……」
私達はこれ以上トーマスとアイリスを同じ屋敷に住まわせるのはお互い危険だと判断しアイリスを引き取ることにした。
トーマスは最初の方こそ躊躇ったが、毎週アイリスの様子を手紙で知らせることを約束し承諾させた。
引き取る日もトーマスはアイリスと目をわせないようにし泣いてトーマスにしがみつこうとするアイリスをどうにか引き離し我が家に連れて帰った。その後何とか落ち着いたアイリス今では使用人を含め我が家の癒しとして皆が可愛がった。アレクもアイリスを妹のように可愛がり、こちらが呆れるほど過保護になった。
「リリおば様。これアンに教えて貰ったのリリおば様にプレゼントです!」
「まあ!よくできてる刺繍ねお花がとてもよく出来てる!ありがとう。」
誕生日に花の刺繍をしたハンカチをくれたアイリスを抱きしめて頬にキスをするとアイリスは嬉しそうにはにかんだ。
アイリスは家族の誕生日には何か手作りのものをプレゼントしてくれる。シオンやアレクは泣いて喜び、部屋に飾るほどで、アイリスに使ってください!と怒れれていた。勿論トーマスにも毎年プレゼントを準備し毎週送る手紙に同封し送っている。いつも短い返信だが、プレゼントを入れた後の返信には涙が落ちた後が残っていた。そろそろアイリスと暮らせるのではないかと私達が考えた頃突然トーマスが
「アイリス愛してる。」
という手紙を残して消えてしまった。
ーーーーーーーーーーー
一旦ここで終わります!
次で義母視点も終わりです。
物語も完結近し。
お気に入りの数が30を超えていてとても嬉しいです!
これからも亀更新ですが宜しくお願いします!!
「リリア、今日も剣術の稽古?」
「アリア! そうよ!もうすぐ学園に入るでしょ? 女子はほとんどが礼儀作法ばかりで剣術なんてできないでしょうから今のうちにね!」
「あら。剣術科があったはずよね。そこには入らないの?」
「入りたかったんだけど、母に止められて…」
「なるほど…だったら私も一緒におば様を説得するわ!」
「え?」
「礼儀作法は私が教えてあげる!私リリアが剣術をしているところを見るのが凄く好きなの。だから諦めないで!」
そう言われ私はもう一度母を説得することにした。リリアも一緒になって土下座する勢いで説得したら、必要最低限の礼儀作法ができることを条件に許して貰えた。 それからリリアの指導が上手いおかげで何とか母の条件をクリアして学園では剣術科を選択することができた。
学園へ入学後私達2人で行動していたのが4人になった。それが後に私達の夫となるトーマスとシオンだった。シオンが私に一目惚れをしたらしく私達に絡んでくるようになった。私は恋だの結婚だのには興味がなかったけれど貴族の娘だからいずれは何処かに嫁がねばならないと思っていた。その点で言うとシオンは由緒ある騎士の家系で私にもあっていると思った。シオンとよく一緒にいるトーマスはどうやらアリアのことが気になっているようで良く話かたりしている。
それから暫くしてそれぞれが婚約することに決まった。私とシオンそしてトーマスは剣術の稽古で汗を流し、その間アリアは木陰で本を読んだり私たちのことを見ているといのが習慣になった。
「リリアお疲れ様。タオルとお水よ。」
「ありがとう。アリアごめんね。退屈じゃない?」
「全然!剣術の稽古をしているリリアはとってもカッコよくて全然飽きないの!」
「そう言ってくれると嬉しいわ!」
「まるでリリアとアリア嬢が付き合ってるみたいだな…俺達の立場がないぜ」
「まあ、仕方ないだろ。あの二人の間に俺達が割って入ったようなもんだからな。」
「あ、トーマス様シオンタオルとお水そこに用意してありますよ。」
「「ありがとう…」」
学園を卒業するまでこの光景は続き卒業と共に結婚私はすぐにアレクを妊娠した。一方アリアは元々体が弱かったのが日々の社交界での人付き合いや義両親からの世継ぎはまだかというプレッシャーで体を壊してしまう。
夫であるトーマスも義両親を領地の別荘に追いやったりできる限りストレスをなくそうとしたおかげで少しづつ良くなり、アレクが生まれてから5年後アイリスが誕生した。
「ほらアレクこの子の名前はアイリスよ。」
アイリスはアリアによく似てとても可愛いかった。アレクもキラキラとした目でアイリスを見ている。
「アリア体調は?」
「大丈夫よ。アイリスが生まれたんだものこれから頑張らなくちゃ!」
「そうね。トーマス様は?」
「仕事に行かせたわ。私やアイリスから全然離れないんだもの。」
「あらあら。うふふ。」
アリアが元気そうで良かった。帰りにはアレクがアイリスから離れようとせず大変で毎日会いに行ってもいいと言う約束までさせられた。 私もアレクの付き添いという形で毎日アリアやアイリスに会いに行った。庭先で遊ぶアレク達を寝室の窓からアリアと談笑しながら眺める。そんな幸せな日常がずっと続けばいいと思った。
しかし、そんな日々も突然終わりを告げた。アイリスが生まれてから3年後アリアが天に召されたのだ。まるで自分の半身を奪われたような気がした。いや気のせいではない。私の雄一無二であるアリアを失いポッカリと穴が空いてしまった。アリアの家にシオンとアレクと共に行くと。茫然自失としたトーマスがいた。シオンがそばに行き話しかける
「トーマス…」
「シオン。アリアが…アリアが…」
「ああ。深呼吸しろ。葬儀などのことは任せろ。お前はちゃんと奥方にお別れをしてこい。」
何とかよろめきながらトーマスはアリアの棺の前に行き声を出して泣いていた。しかしそんなトーマスより私は必死に母を探すアイリスに胸を痛めた。
「おかーたまは?」
思わず抱きしめてしまった。それからアイリスのことをアレクに任せ葬儀の指示をだしたりして何とか終わることが出来た。 ポッカリ空いた穴は塞がらないまま…葬儀を終え参列者が帰りお墓の前には私しか居なくなってやっと涙が溢れてきた。
「っどうして…私を置いていってしまうの?ずっと一緒に生きていこうって言ったじゃない。アレクとアイリスが結婚すれば…もっと一緒に居られるって…それまで頑張るって…言ったじゃない!」
初めてあんなに声を出して泣いたかもしれない。泣き疲れてお墓に身を寄せるようにして眠っている私をシオンは起こさないように屋敷へと連れて帰ってくれた。
アリアが居なくなって1ヶ月がたった。穴はまだ塞がらないまま… そんな時アリアの家では少しづつ問題が起きていた。
それはトーマスの育児放棄。まるでアイリスを居ないものとして扱うトーマスを私達夫婦は何度も注意した。
「トーマス!何故アイリスを無視する!」
「アイリス…アリアによく似てるんだ…」
「ええそうねアリアにとてもよく似てる。アリアの忘れ形見なのよ!愛しているのでしょ!アイリスが可哀想よ!」
「勿論愛してるさ。ただあの子を見ていると、お前が産まれてきたせいでアリアが死んだんだって言ってしまいそうになるんだ!」
「何を言ってるのよ!アリアが死んだのはあの子のせいじゃないわ!」
「わかってる!わかっているんんだ……」
私達はこれ以上トーマスとアイリスを同じ屋敷に住まわせるのはお互い危険だと判断しアイリスを引き取ることにした。
トーマスは最初の方こそ躊躇ったが、毎週アイリスの様子を手紙で知らせることを約束し承諾させた。
引き取る日もトーマスはアイリスと目をわせないようにし泣いてトーマスにしがみつこうとするアイリスをどうにか引き離し我が家に連れて帰った。その後何とか落ち着いたアイリス今では使用人を含め我が家の癒しとして皆が可愛がった。アレクもアイリスを妹のように可愛がり、こちらが呆れるほど過保護になった。
「リリおば様。これアンに教えて貰ったのリリおば様にプレゼントです!」
「まあ!よくできてる刺繍ねお花がとてもよく出来てる!ありがとう。」
誕生日に花の刺繍をしたハンカチをくれたアイリスを抱きしめて頬にキスをするとアイリスは嬉しそうにはにかんだ。
アイリスは家族の誕生日には何か手作りのものをプレゼントしてくれる。シオンやアレクは泣いて喜び、部屋に飾るほどで、アイリスに使ってください!と怒れれていた。勿論トーマスにも毎年プレゼントを準備し毎週送る手紙に同封し送っている。いつも短い返信だが、プレゼントを入れた後の返信には涙が落ちた後が残っていた。そろそろアイリスと暮らせるのではないかと私達が考えた頃突然トーマスが
「アイリス愛してる。」
という手紙を残して消えてしまった。
ーーーーーーーーーーー
一旦ここで終わります!
次で義母視点も終わりです。
物語も完結近し。
お気に入りの数が30を超えていてとても嬉しいです!
これからも亀更新ですが宜しくお願いします!!
0
お気に入りに追加
105
あなたにおすすめの小説


~春の国~片足の不自由な王妃様
クラゲ散歩
恋愛
春の暖かい陽気の中。色鮮やかな花が咲き乱れ。蝶が二人を祝福してるように。
春の国の王太子ジーク=スノーフレーク=スプリング(22)と侯爵令嬢ローズマリー=ローバー(18)が、丘の上にある小さな教会で愛を誓い。女神の祝福を受け夫婦になった。
街中を馬車で移動中。二人はずっと笑顔だった。
それを見た者は、相思相愛だと思っただろう。
しかし〜ここまでくるまでに、王太子が裏で動いていたのを知っているのはごくわずか。
花嫁は〜その笑顔の下でなにを思っているのだろうか??

だってわたくし、悪女ですもの
さくたろう
恋愛
妹に毒を盛ったとして王子との婚約を破棄された令嬢メイベルは、あっさりとその罪を認め、罰として城を追放、おまけにこれ以上罪を犯さないように叔父の使用人である平民ウィリアムと結婚させられてしまった。
しかしメイベルは少しも落ち込んでいなかった。敵対視してくる妹も、婚約破棄後の傷心に言い寄ってくる男も華麗に躱しながら、のびやかに幸せを掴み取っていく。
小説家になろう様にも投稿しています。

セレナの居場所 ~下賜された側妃~
緑谷めい
恋愛
後宮が廃され、国王エドガルドの側妃だったセレナは、ルーベン・アルファーロ侯爵に下賜された。自らの新たな居場所を作ろうと努力するセレナだったが、夫ルーベンの幼馴染だという伯爵家令嬢クラーラが頻繁に屋敷を訪れることに違和感を覚える。

10年間の結婚生活を忘れました ~ドーラとレクス~
緑谷めい
恋愛
ドーラは金で買われたも同然の妻だった――
レクスとの結婚が決まった際「ドーラ、すまない。本当にすまない。不甲斐ない父を許せとは言わん。だが、我が家を助けると思ってゼーマン伯爵家に嫁いでくれ。頼む。この通りだ」と自分に頭を下げた実父の姿を見て、ドーラは自分の人生を諦めた。齢17歳にしてだ。
※ 全10話完結予定
命を狙われたお飾り妃の最後の願い
幌あきら
恋愛
【異世界恋愛・ざまぁ系・ハピエン】
重要な式典の真っ最中、いきなりシャンデリアが落ちた――。狙われたのは王妃イベリナ。
イベリナ妃の命を狙ったのは、国王の愛人ジャスミンだった。
短め連載・完結まで予約済みです。設定ゆるいです。
『ベビ待ち』の女性の心情がでてきます。『逆マタハラ』などの表現もあります。苦手な方はお控えください、すみません。

義妹が大事だと優先するので私も義兄を優先する事にしました
さこの
恋愛
婚約者のラウロ様は義妹を優先する。
私との約束なんかなかったかのように…
それをやんわり注意すると、君は家族を大事にしないのか?冷たい女だな。と言われました。
そうですか…あなたの目にはそのように映るのですね…
分かりました。それでは私も義兄を優先する事にしますね!大事な家族なので!

ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる