12 / 64
1-11 パンと遭遇
しおりを挟む
チラッチラッと、時折ルトの様子を伺うルティア。
ルトは講義に集中しながらも、そんなルティアの視線に気づき、疑問に思っていた。
どうかしたのだろうか。
「えっと……僕、何か変かな?」
「……! いえ、あの申し訳ありません。あまり気にしないでください!」
ルトが小声で話しかけると、ルティアはビクッと身体を震わせた後、何とも言えない笑みを浮かべる。
明らかにいつもと様子が違っていた。
しかし、本人が何でもないと言っているのに追及するのも、良くないだろう。
「う、うん」
ルトはルティアから視線を外すと、教壇の方へと向いた。
そしてそのまま講義の方へ集中しているとと、ルティアが再度チラチラとルトの方へ視線を向け始めた。
「……えっと、もしかして体調が悪いとか……?」
「……いえ! 私は元気ですわ!」
「じゃあ、どうしたの? その、時折こちらをチラチラと見てるけど」
別に嫌じゃないけど、なんか気になって……と付け加え、笑いかける。
すると、ルティアはフーッと小さく息を吐くと、
「あの……自らここに来ておきながら、申し訳ありません。私友人の方と並んで講義を受けるという事が初めてでして……その、どうにも落ち着かなくて……」
言って苦笑いを浮かべた。
対しルトは、同様に苦笑いを浮かべると、
「僕も同じ状況だから安心して」
ルティアが視線を向けている事に気づくという事は、多少なりとも彼女を気にかけているという事である。
もし、講義に本気で集中していたのならば、視線など気にならないだろう。
結局、ルトもルティアと同じという訳である。
しかしだからと言って、このまま2人して気にしているようでは、講義どころではなくなってしまう。
そう思ったルトは、躍る心臓を何とか宥めながら、
「ほら、成績落としちゃうと困るし、何とか頑張ろ」
「はい、が、頑張りますわ……!」
ルティアは胸の前でグッと拳を握った。
◇
「では、ルトさん! また今度お会いしましょう!」
「うん、また今度ね」
何だかんだ講義の方へと意識を向けることのできた2人は、あの後無事終える事ができた。
そして、相変わらず生徒達の視線を浴びる中、別れを告げると、それぞれ次の講義へと向かった。
先程ルティアと並んで講義を受けたという事に未だどこか信じられないルトは、その後何とか2限目も終え、昼休みを迎えた。
いつも通り、持参したパンを持って食堂へと向かうと、その途中でアロンと遭遇。
ちょうど彼も昼食を取る予定だった為、共に食堂へと向かった。
道中、アロンがハッとすると、思い出したように話を始めた。
「そういやさ、草原でオーガが現れたんだってな」
「怖いよね。迂闊に草原に行けないよ」
遭遇した事を隠せとは言われていないが、別に話す事もないだろう。
それに、オーガが怖いのは事実だ。
「なー。とりあえず少しの間、狩場を変えなきゃな」
「だね」
「っと、ついたついた」
そうこうしているうちに、食堂へと到着した。中へ入る。
すると、ズラーっと並ぶ丸テーブルとそこに座り食事を取る多くの学生の姿が目に入った。
大抵は食堂のメニューを注文しており、ルトやアロンの様な弁当持参組は少数の様であった。
「さて、どこ座るか」
「うーん、あそことか?」
言って、ルトは最も端に位置する4人用の小さな丸テーブルを指差した。
食堂の受け取り口から遠く、中々に人気の無さそうなテーブルだ。
アロンはそちらへと目を向けると、頷き了承の意を示した。
移動し、向かい合って座る。
次いで、鞄を漁り、ルトは紙に包まれた安物のパンを、アロンは柔らかそうなパンと、一片の干し肉を取り出した。
「え、ルトまさかそれだけなのか?」
「……うん。いつもなら干し肉を持ってきたりするんだけど、実は昨日唯一の武器の短剣が折れちゃってさ。新しい短剣を買う為に少しでも節約をしなくちゃいけないんだよね」
言って、ルトはアハハと何とも言えない笑みを浮かべる。
「まじか~そりゃキツイわなぁ」
想像したのかアロンは小さく顔を歪める。
そしてすぐに、何かを思いついたのか、ハッとした表情を浮かべると、
「あ、そうだ! ならさ、明日からパンじゃなくて干し肉でも持ってこいよ!」
「……え、いやでも」
話がよくわからなかった。
確かにパンと干し肉の値段に大きな差はない為、どちらを持ってきても、金銭的に問題はない。
しかし、現状あまり食事の摂れないルトにとっては、同じ値段でも量があり、腹持ちが良い方が良い。だからこそ、あまり量のない干し肉を諦め、固いパンを食らっているのだ。
怪訝な表情を浮かべるルト。そんな彼の考えがアロンにも理解できたのだろう。
アロンはウンウンと頷くと、グッと笑みを作り、高らかに声を上げた。
「パンなら、俺が用意してやるからさ!」
「え……いやいや! いくら何でもそれはアロンに悪いよ!」
「大丈夫、大丈夫! 正確には用意してるのは、俺じゃなくて母親なんだけどさ。毎日朝学校前に焼いて渡してくれる訳よ。だから何個か多目に焼いてくれるように頼んどくわ!」
「流石にそれは悪いんじゃ……」
「なーに、問題ないさ! きっと、喜んで作ってくれると思うぜ!」
「いや、でも……」
アロンは庶民の出だ。きっと、そこまで裕福な家庭ではないだろう。
だからこそ、パン1つをとっても、貴重でそう簡単に他人に与えられるものではない筈なのだ。
だからと、ルトが中々首を縦に振らないでいると、アロンが少し真面目な表情を浮かべ、
「……この前ルトと知り合った時の事を親に話したらさ、泣いて喜んでくれたんだよ。アロンにやっと友人ができたーってな。大げさだよな、全く」
「……良い親御さんだね」
「おう! んでそん時に言ってたんだよ。もし友達に何かあったら、助けてあげなよってさ! だからよ、仲良くなったお礼……ってのも変だけどさ、とにかく受け取ってくれよ」
遠慮はある種の美徳だとルトは考えている。しかし、ここで遠慮するのは、何か違うと思った。
「わかった。じゃあ、頂く事にするよ」
「おう! 基本、昼はここだよな?」
「火曜日以外はここで食べるよ」
「なら火曜以外はこの丸テーブル周辺に集合でどうだ?」
「うん、わかった」
「よっしゃ! 決まりだな!」
アロンがどこか嬉しそうに笑う。そしてさてと、と話を続けた。
「とりあえず飯にしようぜ! ……っと、その前に……」
数個あるパン、そして大きめの干し肉をそれぞれ半分にわける。
「ほら、今日はこれやるよ」
言って、学園の盆に乗せルトへと差し出した。
躊躇おうとするルト。しかしすぐにそれを察したアロンは、
「遠慮しなくても良いぜ、だって友達だからな!」
「……ありがとう。じゃあ、いただきます」
言って、1つを手にとり、アロンが一口齧ったのを目にすると、同じようにガブリとかぶりついた。
抵抗少なく噛み切れ、口内に小麦の香りが広がる。
「……美味しい」
思わず声を漏らす。
それが本心だとわかったのだろう。アロンは嬉しそうに笑うと、
「だろ? うちの親が作るパンは、貴族が食ってる奴よりも美味いんだぜ」
「うん、僕もそう思う」
「だろ?」
正直貴族の食べているものがどんなものか、ルトにはわからない。
しかし、このパンから感じられる暖かさは、きっとどんなに高級なパン屋でさえも生み出すことはできないだろう。
そう、漠然と思った。
と、その後雑談を交えながら食事をしていると、不意にアロンがハッとした表情を浮かべた。
「あ、そうだ」
「…………?」
「今日2限の講義受けてる時に、近くの奴の話し声が聞こえてきてさ」
「うん」
「で、その中にルトの話題があったんだよ」
「…………え!? ど、どんな内容?」
「いや、何か噂が流れてるらしいんだが、内容を聞いていると、流石に非現実的過ぎるというか。まぁ多分誰かが流した嘘だとは思うんだが……」
「うんうん」
「……ルトが最近、あの『天使』ルティアちゃんと──」
と。
「あら……? ルトさんではありませんか!」
突然、そんな声が聞こえた。
パッと振り返ると、そこには何やらバスケットを手に持ち、パッと明るい表情を浮かべるルティアの姿があった。
「あ、こんにちは、ルティアさん」
ルトが微笑む。すると、ルティアがたったったっと早足で近づいてきた。
「こんにちは、ルトさん! ……ふふっ、先程の講義振りですわね」
言って、首を傾げにっこりと笑う。
そんな2人の姿を見て、アロンがあんぐりと口を開けていた。
「ルティアちゃんが……え? ルトさんって、え……!?」
そしてそのままバッバっと2人の顔を見比べる。
「あ……申し訳ございません。もしかしてお邪魔でしたか?」
「い、いえいえ……! とんでも御座いません! もう、どうぞ、お好きになさって下さい!」
言って、立ち上がり、椅子を両手で示した。
テンパり過ぎており、もはや普段のカッコ良さは無くなっていた。
「えっと……でしたら、昼食の方、ご一緒させていただいてもよろしいでしょうか?」
ルティアが微笑む。
「ええ! もう、勿論大歓迎ですよ! なぁ、ルト! そうだよな!」
「え? うん、勿論」
「ありがとうございます。では、失礼致しますわ」
言って、ルティアが椅子へと腰掛けた。
ざわめく食堂内。
そんな中で、慣れが生じたのかいつも通りのルト、どこか楽しそうに微笑むルティア、緊張かパニックか、ガチガチで汗がタラタラと垂れているアロンという、様相の違う3人の食事会が急遽始まった。
ルトは講義に集中しながらも、そんなルティアの視線に気づき、疑問に思っていた。
どうかしたのだろうか。
「えっと……僕、何か変かな?」
「……! いえ、あの申し訳ありません。あまり気にしないでください!」
ルトが小声で話しかけると、ルティアはビクッと身体を震わせた後、何とも言えない笑みを浮かべる。
明らかにいつもと様子が違っていた。
しかし、本人が何でもないと言っているのに追及するのも、良くないだろう。
「う、うん」
ルトはルティアから視線を外すと、教壇の方へと向いた。
そしてそのまま講義の方へ集中しているとと、ルティアが再度チラチラとルトの方へ視線を向け始めた。
「……えっと、もしかして体調が悪いとか……?」
「……いえ! 私は元気ですわ!」
「じゃあ、どうしたの? その、時折こちらをチラチラと見てるけど」
別に嫌じゃないけど、なんか気になって……と付け加え、笑いかける。
すると、ルティアはフーッと小さく息を吐くと、
「あの……自らここに来ておきながら、申し訳ありません。私友人の方と並んで講義を受けるという事が初めてでして……その、どうにも落ち着かなくて……」
言って苦笑いを浮かべた。
対しルトは、同様に苦笑いを浮かべると、
「僕も同じ状況だから安心して」
ルティアが視線を向けている事に気づくという事は、多少なりとも彼女を気にかけているという事である。
もし、講義に本気で集中していたのならば、視線など気にならないだろう。
結局、ルトもルティアと同じという訳である。
しかしだからと言って、このまま2人して気にしているようでは、講義どころではなくなってしまう。
そう思ったルトは、躍る心臓を何とか宥めながら、
「ほら、成績落としちゃうと困るし、何とか頑張ろ」
「はい、が、頑張りますわ……!」
ルティアは胸の前でグッと拳を握った。
◇
「では、ルトさん! また今度お会いしましょう!」
「うん、また今度ね」
何だかんだ講義の方へと意識を向けることのできた2人は、あの後無事終える事ができた。
そして、相変わらず生徒達の視線を浴びる中、別れを告げると、それぞれ次の講義へと向かった。
先程ルティアと並んで講義を受けたという事に未だどこか信じられないルトは、その後何とか2限目も終え、昼休みを迎えた。
いつも通り、持参したパンを持って食堂へと向かうと、その途中でアロンと遭遇。
ちょうど彼も昼食を取る予定だった為、共に食堂へと向かった。
道中、アロンがハッとすると、思い出したように話を始めた。
「そういやさ、草原でオーガが現れたんだってな」
「怖いよね。迂闊に草原に行けないよ」
遭遇した事を隠せとは言われていないが、別に話す事もないだろう。
それに、オーガが怖いのは事実だ。
「なー。とりあえず少しの間、狩場を変えなきゃな」
「だね」
「っと、ついたついた」
そうこうしているうちに、食堂へと到着した。中へ入る。
すると、ズラーっと並ぶ丸テーブルとそこに座り食事を取る多くの学生の姿が目に入った。
大抵は食堂のメニューを注文しており、ルトやアロンの様な弁当持参組は少数の様であった。
「さて、どこ座るか」
「うーん、あそことか?」
言って、ルトは最も端に位置する4人用の小さな丸テーブルを指差した。
食堂の受け取り口から遠く、中々に人気の無さそうなテーブルだ。
アロンはそちらへと目を向けると、頷き了承の意を示した。
移動し、向かい合って座る。
次いで、鞄を漁り、ルトは紙に包まれた安物のパンを、アロンは柔らかそうなパンと、一片の干し肉を取り出した。
「え、ルトまさかそれだけなのか?」
「……うん。いつもなら干し肉を持ってきたりするんだけど、実は昨日唯一の武器の短剣が折れちゃってさ。新しい短剣を買う為に少しでも節約をしなくちゃいけないんだよね」
言って、ルトはアハハと何とも言えない笑みを浮かべる。
「まじか~そりゃキツイわなぁ」
想像したのかアロンは小さく顔を歪める。
そしてすぐに、何かを思いついたのか、ハッとした表情を浮かべると、
「あ、そうだ! ならさ、明日からパンじゃなくて干し肉でも持ってこいよ!」
「……え、いやでも」
話がよくわからなかった。
確かにパンと干し肉の値段に大きな差はない為、どちらを持ってきても、金銭的に問題はない。
しかし、現状あまり食事の摂れないルトにとっては、同じ値段でも量があり、腹持ちが良い方が良い。だからこそ、あまり量のない干し肉を諦め、固いパンを食らっているのだ。
怪訝な表情を浮かべるルト。そんな彼の考えがアロンにも理解できたのだろう。
アロンはウンウンと頷くと、グッと笑みを作り、高らかに声を上げた。
「パンなら、俺が用意してやるからさ!」
「え……いやいや! いくら何でもそれはアロンに悪いよ!」
「大丈夫、大丈夫! 正確には用意してるのは、俺じゃなくて母親なんだけどさ。毎日朝学校前に焼いて渡してくれる訳よ。だから何個か多目に焼いてくれるように頼んどくわ!」
「流石にそれは悪いんじゃ……」
「なーに、問題ないさ! きっと、喜んで作ってくれると思うぜ!」
「いや、でも……」
アロンは庶民の出だ。きっと、そこまで裕福な家庭ではないだろう。
だからこそ、パン1つをとっても、貴重でそう簡単に他人に与えられるものではない筈なのだ。
だからと、ルトが中々首を縦に振らないでいると、アロンが少し真面目な表情を浮かべ、
「……この前ルトと知り合った時の事を親に話したらさ、泣いて喜んでくれたんだよ。アロンにやっと友人ができたーってな。大げさだよな、全く」
「……良い親御さんだね」
「おう! んでそん時に言ってたんだよ。もし友達に何かあったら、助けてあげなよってさ! だからよ、仲良くなったお礼……ってのも変だけどさ、とにかく受け取ってくれよ」
遠慮はある種の美徳だとルトは考えている。しかし、ここで遠慮するのは、何か違うと思った。
「わかった。じゃあ、頂く事にするよ」
「おう! 基本、昼はここだよな?」
「火曜日以外はここで食べるよ」
「なら火曜以外はこの丸テーブル周辺に集合でどうだ?」
「うん、わかった」
「よっしゃ! 決まりだな!」
アロンがどこか嬉しそうに笑う。そしてさてと、と話を続けた。
「とりあえず飯にしようぜ! ……っと、その前に……」
数個あるパン、そして大きめの干し肉をそれぞれ半分にわける。
「ほら、今日はこれやるよ」
言って、学園の盆に乗せルトへと差し出した。
躊躇おうとするルト。しかしすぐにそれを察したアロンは、
「遠慮しなくても良いぜ、だって友達だからな!」
「……ありがとう。じゃあ、いただきます」
言って、1つを手にとり、アロンが一口齧ったのを目にすると、同じようにガブリとかぶりついた。
抵抗少なく噛み切れ、口内に小麦の香りが広がる。
「……美味しい」
思わず声を漏らす。
それが本心だとわかったのだろう。アロンは嬉しそうに笑うと、
「だろ? うちの親が作るパンは、貴族が食ってる奴よりも美味いんだぜ」
「うん、僕もそう思う」
「だろ?」
正直貴族の食べているものがどんなものか、ルトにはわからない。
しかし、このパンから感じられる暖かさは、きっとどんなに高級なパン屋でさえも生み出すことはできないだろう。
そう、漠然と思った。
と、その後雑談を交えながら食事をしていると、不意にアロンがハッとした表情を浮かべた。
「あ、そうだ」
「…………?」
「今日2限の講義受けてる時に、近くの奴の話し声が聞こえてきてさ」
「うん」
「で、その中にルトの話題があったんだよ」
「…………え!? ど、どんな内容?」
「いや、何か噂が流れてるらしいんだが、内容を聞いていると、流石に非現実的過ぎるというか。まぁ多分誰かが流した嘘だとは思うんだが……」
「うんうん」
「……ルトが最近、あの『天使』ルティアちゃんと──」
と。
「あら……? ルトさんではありませんか!」
突然、そんな声が聞こえた。
パッと振り返ると、そこには何やらバスケットを手に持ち、パッと明るい表情を浮かべるルティアの姿があった。
「あ、こんにちは、ルティアさん」
ルトが微笑む。すると、ルティアがたったったっと早足で近づいてきた。
「こんにちは、ルトさん! ……ふふっ、先程の講義振りですわね」
言って、首を傾げにっこりと笑う。
そんな2人の姿を見て、アロンがあんぐりと口を開けていた。
「ルティアちゃんが……え? ルトさんって、え……!?」
そしてそのままバッバっと2人の顔を見比べる。
「あ……申し訳ございません。もしかしてお邪魔でしたか?」
「い、いえいえ……! とんでも御座いません! もう、どうぞ、お好きになさって下さい!」
言って、立ち上がり、椅子を両手で示した。
テンパり過ぎており、もはや普段のカッコ良さは無くなっていた。
「えっと……でしたら、昼食の方、ご一緒させていただいてもよろしいでしょうか?」
ルティアが微笑む。
「ええ! もう、勿論大歓迎ですよ! なぁ、ルト! そうだよな!」
「え? うん、勿論」
「ありがとうございます。では、失礼致しますわ」
言って、ルティアが椅子へと腰掛けた。
ざわめく食堂内。
そんな中で、慣れが生じたのかいつも通りのルト、どこか楽しそうに微笑むルティア、緊張かパニックか、ガチガチで汗がタラタラと垂れているアロンという、様相の違う3人の食事会が急遽始まった。
0
お気に入りに追加
854
あなたにおすすめの小説
元おっさんの俺、公爵家嫡男に転生~普通にしてるだけなのに、次々と問題が降りかかってくる~
おとら@ 書籍発売中
ファンタジー
アルカディア王国の公爵家嫡男であるアレク(十六歳)はある日突然、前触れもなく前世の記憶を蘇らせる。
どうやら、それまでの自分はグータラ生活を送っていて、ろくでもない評判のようだ。
そんな中、アラフォー社畜だった前世の記憶が蘇り混乱しつつも、今の生活に慣れようとするが……。
その行動は以前とは違く見え、色々と勘違いをされる羽目に。
その結果、様々な女性に迫られることになる。
元婚約者にしてツンデレ王女、専属メイドのお調子者エルフ、決闘を仕掛けてくるクーデレ竜人姫、世話をすることなったドジっ子犬耳娘など……。
「ハーレムは嫌だァァァァ! どうしてこうなった!?」
今日も、そんな彼の悲鳴が響き渡る。
勇者召喚に巻き込まれ、異世界転移・貰えたスキルも鑑定だけ・・・・だけど、何かあるはず!
よっしぃ
ファンタジー
9月11日、12日、ファンタジー部門2位達成中です!
僕はもうすぐ25歳になる常山 順平 24歳。
つねやま じゅんぺいと読む。
何処にでもいる普通のサラリーマン。
仕事帰りの電車で、吊革に捕まりうつらうつらしていると・・・・
突然気分が悪くなり、倒れそうになる。
周りを見ると、周りの人々もどんどん倒れている。明らかな異常事態。
何が起こったか分からないまま、気を失う。
気が付けば電車ではなく、どこかの建物。
周りにも人が倒れている。
僕と同じようなリーマンから、数人の女子高生や男子学生、仕事帰りの若い女性や、定年近いおっさんとか。
気が付けば誰かがしゃべってる。
どうやらよくある勇者召喚とやらが行われ、たまたま僕は異世界転移に巻き込まれたようだ。
そして・・・・帰るには、魔王を倒してもらう必要がある・・・・と。
想定外の人数がやって来たらしく、渡すギフト・・・・スキルらしいけど、それも数が限られていて、勇者として召喚した人以外、つまり巻き込まれて転移したその他大勢は、1人1つのギフト?スキルを。あとは支度金と装備一式を渡されるらしい。
どうしても無理な人は、戻ってきたら面倒を見ると。
一方的だが、日本に戻るには、勇者が魔王を倒すしかなく、それを待つのもよし、自ら勇者に協力するもよし・・・・
ですが、ここで問題が。
スキルやギフトにはそれぞれランク、格、強さがバラバラで・・・・
より良いスキルは早い者勝ち。
我も我もと群がる人々。
そんな中突き飛ばされて倒れる1人の女性が。
僕はその女性を助け・・・同じように突き飛ばされ、またもや気を失う。
気が付けば2人だけになっていて・・・・
スキルも2つしか残っていない。
一つは鑑定。
もう一つは家事全般。
両方とも微妙だ・・・・
彼女の名は才村 友郁
さいむら ゆか。 23歳。
今年社会人になりたて。
取り残された2人が、すったもんだで生き残り、最終的には成り上がるお話。
異世界で神様になってたらしい私のズボラライフ
トール
恋愛
会社帰り、駅までの道程を歩いていたはずの北野 雅(36)は、いつの間にか森の中に佇んでいた。困惑して家に帰りたいと願った雅の前に現れたのはなんと実家を模した家で!?
自身が願った事が現実になる能力を手に入れた雅が望んだのは冒険ではなく、“森に引きこもって生きる! ”だった。
果たして雅は独りで生きていけるのか!?
実は神様になっていたズボラ女と、それに巻き込まれる人々(神々)とのドタバタラブ? コメディ。
※この作品は「小説家になろう」でも掲載しています
騎士学院のイノベーション
黒蓮
ファンタジー
この世界では、人間という種が生存できる範囲が極めて狭い。大陸の大部分を占めているのは、魔物蔓延る大森林だ。魔物は繁殖能力が非常に高く、獰猛で強大な力を有しており、魔物達にとってみれば人間など餌に過ぎない存在だ。
その為、遥か昔から人間は魔物と戦い続け、自らの生存域を死守することに尽力してきた。しかし、元々生物としての地力が違う魔物相手では、常に人間側は劣勢に甘んじていた。そうして長い年月の果て、魔物達の活動範囲は少しずつ人間の住む土地を侵食しており、人々の生活圏が脅かされていた。
しかし、この大陸には4つの天を突くほどの巨大な樹が点在しており、その大樹には不思議と魔物達は近寄ろうとしなかった。だからこそ魔物よりも弱者であるはずの人間が、長い年月生き残ってきたとも言える。そして人々は、その護りの加護をもたらす大樹の事を、崇拝の念を込めて『神樹《しんじゅ》』と呼んでいる。
これは神樹の麓にある4つの王国の内の一つ、ヴェストニア王国に存在する学院の物語である。
システムバグで輪廻の輪から外れましたが、便利グッズ詰め合わせ付きで他の星に転生しました。
大国 鹿児
ファンタジー
輪廻転生のシステムのバグで輪廻の輪から外れちゃった!
でも神様から便利なチートグッズ(笑)の詰め合わせをもらって、
他の星に転生しました!特に使命も無いなら自由気ままに生きてみよう!
主人公はチート無双するのか!? それともハーレムか!?
はたまた、壮大なファンタジーが始まるのか!?
いえ、実は単なる趣味全開の主人公です。
色々な秘密がだんだん明らかになりますので、ゆっくりとお楽しみください。
*** 作品について ***
この作品は、真面目なチート物ではありません。
コメディーやギャグ要素やネタの多い作品となっております
重厚な世界観や派手な戦闘描写、ざまあ展開などをお求めの方は、
この作品をスルーして下さい。
*カクヨム様,小説家になろう様でも、別PNで先行して投稿しております。
特殊部隊の俺が転生すると、目の前で絶世の美人母娘が犯されそうで助けたら、とんでもないヤンデレ貴族だった
なるとし
ファンタジー
鷹取晴翔(たかとりはると)は陸上自衛隊のとある特殊部隊に所属している。だが、ある日、訓練の途中、不慮の事故に遭い、異世界に転生することとなる。
特殊部隊で使っていた武器や防具などを召喚できる特殊能力を謎の存在から授かり、目を開けたら、絶世の美女とも呼ばれる母娘が男たちによって犯されそうになっていた。
武装状態の鷹取晴翔は、持ち前の優秀な身体能力と武器を使い、その母娘と敷地にいる使用人たちを救う。
だけど、その母と娘二人は、
とおおおおんでもないヤンデレだった……
第3回次世代ファンタジーカップに出すために一部を修正して投稿したものです。
不遇な死を迎えた召喚勇者、二度目の人生では魔王退治をスルーして、元の世界で気ままに生きる
六志麻あさ@10シリーズ書籍化
ファンタジー
異世界に召喚され、魔王を倒して世界を救った少年、夏瀬彼方(なつせ・かなた)。
強大な力を持つ彼方を恐れた異世界の人々は、彼を追い立てる。彼方は不遇のうちに数十年を過ごし、老人となって死のうとしていた。
死の直前、現れた女神によって、彼方は二度目の人生を与えられる。異世界で得たチートはそのままに、現実世界の高校生として人生をやり直す彼方。
再び魔王に襲われる異世界を見捨て、彼方は勇者としてのチート能力を存分に使い、快適な生活を始める──。
※小説家になろうからの転載です。なろう版の方が先行しています。
※HOTランキング最高4位まで上がりました。ありがとうございます!
無属性魔法を極めた俺は異世界最強!?
ないと
ファンタジー
異世界に行きたい
ずっとそんな事を願っていたある日、俺は集団転移に遭ってしまった。
転移すると周り中草木が生い茂っている森林の中で次々とモンスターが襲ってくる。
それに対抗すべく転移した人全員に与えられているらしいチート能力を使おうとしたのだが・・・・・
「魔法適正が『無』!?」
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる