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毒消し草を使った直後に毒に冒された時のような徒労感

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「はっ! たあっ! てやっ!」
 
 道具屋の裏手にある空き地でヴァルは剣を振るう。
 一日の仕事が終わった後、こうして剣の稽古をすることがヴァルの日課になっていた。
 来るべき旅立ちの日に向けて、今のヴァルができる精一杯のこと。
 そして、冒険に出ることを考えて剣を振っている時間だけは、嫌なことも全部忘れられた。

(俺は絶対に諦めないぞ……。いつか必ず冒険の旅に出て、王様やあの魔導師が泣いて謝るくらい超一流の勇者になるんだ。いつか必ず……)
 
 そう思うと、剣を握るヴァルの手により一層力がこもる。
 何もない空間に、彼らの顔を思い浮かべて、それを剣で切り裂いていくと、少しだけヴァルの気持ちも晴れた。

「精が出ますね、ヴァルさん」
 
 その時、鈴を転がすような声が聞こえ、ヴァルは剣を下ろす。
 振り返ると、ヴァルと一緒に道具屋の仕事をやってくれているミアの姿があった。
 ヴァルの胸くらいまでしかない小柄な体躯。顔はあどけなく、身体のラインにもまだ女性らしい凹凸は見られない。
 だが、街では珍しい綺麗な黒髪と、髪と同じ色の黒曜石のような瞳は、見る者に「ああ、早く彼女が大人になった姿を見てみたい……」と思わせるに十分な魅力を秘めていた。

「ああ、ミアちゃん。まだいたんだ」
「はい。明日の準備がもう少し残っていたので」
 
 二つに結んだ髪を揺らしながら、ミアはヴァルの元へ歩み寄ってくる。

「いつもありがとう。ミアちゃんが手伝ってくれなかったら、俺一人じゃとても道具屋なんて回せなかったよ」
「いえ、こちらこそお祖父ちゃんのお店を継いでくれてありがとうございました。私もお祖父ちゃんもヴァルさんには、とても感謝しているんです」
 
 はにかむミアを見て、ヴァルの胸はずきんと痛む。
 ミアは、ヴァルが道具屋をやっている経緯を全く知らない。勿論、ヴァルが本当は勇者として旅立ちたいと思っていることも。
 一生懸命ヴァルのことを助けてくれる彼女には、「本当は道具屋をやめて、冒険に旅立ちたい」などと口が裂けても言えなかった。もっとも、いつかはちゃんと説明して冒険に旅立つつもりではいたのだけれど。

「そ、そんな、お礼なんていいんだよ。俺なんて全然大したことしてないんだから」
「私、ヴァルさんのこと尊敬していますよ」
「えっ?」
「だって、慣れない道具屋の仕事もちゃんとやってくれているし、そのうえでこうして剣の稽古も怠らないんですから。すごく努力家だと思います」
 
 年下の子から尊敬の眼差しを受けるのは嬉しいのだが、ミアの場合は例外だ。良心がチクチクと痛む。

「あっ! そうだ!」
 
 その時、ミアが何かを閃いたように胸の前で手を合わせる。

「もし良ければ、私もヴァルさんの稽古をお手伝いさせてください」
「えっ? いや、でも、ミアちゃんに剣を握らせるのはちょっと……」
「大丈夫です。私はこっちを使いますから」
 
 そう言ってミアは掌の上に小さな火の玉を浮かべた。炎の魔法だ。

「ミアちゃん、魔法が使えたんだ」
「はい。小さい頃からお祖父ちゃんに習っていましたから」
 
 ミアの祖父であるデネ爺は、かつて大賢者と呼ばれた魔導師。ミアはその血を受け継ぐたった一人の孫娘だ。祖父譲りの魔法の才を持っていたとしても、何ら不思議はない。

「魔力のコントロールはお祖父ちゃんにも誉められていたので、ヴァルさんに怪我をさせることはないと思います」
 
 そこでヴァルは、先日フードの男が剣で魔法を弾いていたことを思い出した。ヴァルもあれくらいはできるようになりたい。となると、ミアちゃんの申し出は願ってもないチャンスだ。

「じゃあ、お願いしようかな」
「はい」
 
 ヴァルはミアから少し距離を取って剣を構える。

「俺からは攻撃しないから、ミアちゃんは俺に向かって魔法を撃ってくれ」
「分かりました。じゃあ行きますよ」
 
 ミアは掌にあった小さな火の玉を、頭の大きさくらいまで増幅させ、ヴァルに向かって放ってきた。

「いっ!?」
 
 予想していたよりもずっと速い弾速。
 ヴァルは思わず硬直してしまう。
 火の玉はヴァルの身体に当たる直前で、ふっと掻き消えたが、ヴァルの背中には冷たい汗が伝った。

「だ、大丈夫ですか? 一応、当たる前に解除はしたんですけど、怪我はしていませんか」
「あ、ああ。平気平気。ちょっと速くてびっくりしただけだから。もう一回撃ってくれるかな? 今度は目も慣れたし大丈夫だと思う」
「はい」
 
 弾速は今の一発で覚えた。
 後は、タイミングを合わせて剣を振るだけ。
 ヴァルは心の準備を整える。

「じゃあ、行きますよ」
「ああ」
 
 先ほどと同じ軌道・速さで飛んでくる火の玉。
 だが、今度はヴァルも剣を振る。

(よし! 手応えアリ!)
 
 ヴァルの剣は火の玉を真っ二つにした。斬られた火の球は空中で消失する。

「や、やった! 俺にも魔法が斬れた」
「さすがヴァルさん!」
 
 手に残る感触と達成感がヴァルの心を潤してくれる。こんなに気持ちが良い気分は久しぶりだ。

「よし、今の感触を忘れないうちにもう一回!」
「はい。じゃあ、今度は私も少し本気を出しますよ」
「えっ?」
 
 次の瞬間、ミアが手を組んで祈りを捧げると、彼女の周囲に無数の火の玉が出現した。
 これだけの炎を完全に制御できるとなると、普通に魔導士として食っていけるレベル。
 ヴァルは、完全に大賢者の血を舐めていた。

「今度は連続で撃ちますね。準備はいいですか?」
「は、はは。お手柔らかに頼むよ……」
 
 それから小一時間、ヴァルは無心で飛んでくる火の玉を斬り続けた。
 気が付けば、太陽は沈みかけ夕闇が迫ってきている。

「ぷはー、つっかれたー」
 
 汗だくのヴァルは、その場に倒れ込む。
 一体いくつの魔法を斬っただろうか。
 手の皮はところどころ破れているが、それでも気分は悪くなかった。むしろ、心地良くさえ思えたくらいだ。

「お疲れ様です、ヴァルさん。これ、使ってください」
 
 そんなヴァルにミアがタオルを渡してくれる。
 道具屋の仕事でもそうだが、ミアは細やかなところまで気が回る子だ。きっと将来は良いお嫁さんになるだろう、とヴァルは思う。
 同時に、ヴァルの中である考えがよぎった。

(《戦勇の紋章》を持つ俺と、大賢者の血を引くミアちゃん。そんな二人が手を取り合って営む道具屋ってちょっと物語性があってイイ感じじゃないか? 力と才能はあるけど武器を手にせず穏やかに暮らす二人は、こうした訓練や日々の仕事を通して少しずつ距離を縮めていく。だが、ある日、事件が起きて店はなくなってしまう。そこで二人は共に冒険者へ……そして、そんな二人が苦難の果てにこの世界の謎を解き明かす。ミアちゃんは『帰ったらまた一緒に道具屋をやりましょう』って言うんだけど、勿論それはフラグで俺は最後の戦いの後、行方知れずに。だけど、数年後に俺が『約束を果たしに来たよ』ってミアちゃんの前に現れて――)
 
 そんなところまで妄想したところで、ミアが不思議そうな目でヴァルを見つめていることに気付いた。

「どうかしましたか、ヴァルさん?」
「あ、いや、何でもない、何でもない。ところで、ミアちゃんは凄いね。こんなに魔法が使えるなんて思ってなかったよ」
 
 ヴァルが言うと、ミアは少し照れ臭そうに「ありがとうございます」と応えた。

「昔からお祖父ちゃんに色々と教えられたんです。もし、自分に何かあった時に、私一人でも生きていける力をつけなさいって」
 
 そういえば、ミアちゃんは早くに両親を亡くしている。そんな悲しい過去も、二人の物語に必要なエッセンス。そんなことを考えるヴァルだが、その妄想は直後に思わぬ形で破壊されることになる。

「そうだったんだ。でも、さすが大賢者の孫って感じだな。これだけ魔法の才能があるなら、今すぐ冒険者になってもきっと成功するよ」
「ほ、本当ですか!?」
 
 ミアは目を輝かせる。
 ヴァルの言葉には「将来、俺と一緒に冒険の旅に出よう」という意味が、暗に込められていたわけなのだが……。

「ああ、本当だとも! だから、ミアちゃんいつか俺と――」
「良かった。《戦勇の紋章》を持つヴァルさんのお墨付きがあれば、きっと私も冒険者としてやっていきますよね! ヴァルさんのおかげで覚悟が決まりました!」
「へっ? 覚悟?」
 
 ヴァルはデジャブを感じた。
 似たような展開が以前にもあった気がする……。
 そう、あれは王様に謁見した時のことだ……。

「ミ、ミアちゃん、覚悟っていうのは一体……?」
 
 ヴァルは恐る恐るミアに尋ねる。

「はい。私、スカウトされたんです。一緒に冒険の旅に出ようって」
「ス、スカウト!?」
 
 ヴァルは声が裏返ってしまった。
 確かに、ミアの魔法の腕は確かなもの。加えて、彼女は大賢者と謳われたデネ爺の血を受け継いでいる。そして、何より彼女はまだ若い。今でも十分に戦力になるうえ、これから実戦経験を積んで成長していけば、祖父を遥かに凌ぐ魔導師となる可能性も十分に秘めている。
 だから、噂を聞きつけた他の勇者が、彼女をパーティに引き入れたくなる気持ちも分からないでもない(実際に、ヴァルだってさっき似たような妄想をしていたのだから)。
 しかし、だからと言って、今日まで一緒に働いてきたヴァルを置いて自分だけ冒険に旅立つなんて残酷なことは――。

「私、冒険に旅立とうと思います!」
 
 無邪気な残酷さがそこにあった。

「ちょ、ちょっと待って、ミアちゃん! そ、それはいくらなんでも……」
「えっ? でも、今しがたヴァルさんは言ってくれたじゃないですか? 『冒険者になってもきっと成功するよ』って」
「い、いや、うん。確かにそうなんだけど、今ミアちゃんに旅立たれたら俺の心がぽっきりと逝ってしまう……じゃなくて、ほ、ほら、俺一人だとまだまだお店も回せないし、もうちょっとミアちゃんに手伝ってもらいたいなあ、なんて……」
「大丈夫ですよ! ヴァルさんは、この一ヶ月で立派な道具屋の店主に成長しました! それは私が保証します! 自信を持ってください!」
 
 平らな胸を反らして自信満々に語るミア。きっと心の底からそう思って誉めてくれているのだろうが、ヴァルとしては全く喜べなかった。

「あ~、良かった! ずっと迷っていたんですよ。スカウトされたけど、ヴァルさんを残して冒険の旅に出掛けるのは気が引けるなあって」
「え、あ、その……」
「でも、ヴァルさんの言葉で決心がつきました」
「いや、あれはそんなつもりで言ったわけじゃ……」
「安心してください。たまには帰ってきますし、冒険で稼いだお金は全部道具屋に入れますから。お祖父ちゃんにも『世界を見た方がいい』って言われていましたし、私にとっては冒険に出ること自体が一つの大きな幸せなんです」
 
 そして、ミアはとどめの一撃を放つ。

「それにほら、冒険って若いうちしかできないですし」
 
 自分より年下のミアに言われたことで、ヴァルの心はぽっきりと折れてしまった。

「それじゃあ、私はこれで失礼しますね。明日も道具屋のお仕事頑張ってください。私も冒険者としてたくさん稼いで来ますから」
 
 ミアは明るい笑顔で去っていく。
 ついさっきまで、ミアと道具屋をやるのも悪くないなと思い始めていたヴァルは、心に深刻なダメージを受けた。
 だが、同時にある強い思いがヴァルの中で燃え上がる。
 いや、再燃したと言った方がいいかもしれない。

(俺はやっぱり冒険に出たい!)

 手に持った剣を握りしめ、ヴァルは強くそう思った。


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