世界の秩序は僕次第

虎鶫

文字の大きさ
67 / 78
メマシルート

続々々々々・メムロの章:セキダイコ(緑)石像編

しおりを挟む
「オオカさん、この像を調べましょう」
緑に光る原因はわからないが、この像には何か秘密がありそうな気がする。
「なんか気になるんやな?」
僕は頷いた。

続々々々々・メムロの章:セキダイコ(緑)石像編

石像を調べると言ったものの、どうやって調べよう。
「オオカさん・・・」
「なんや、メムロちゃん」
「どうやって調べましょう」
オオカさんが肩を落とした。

「ま、しゃーないか。メムロちゃんのやりたいよーにやったらえぇよ」
求めていた答えは貰えなかった。

「うーん・・・」
とりあえず、じっくり眺めてみた。
オオカさんは部屋の壁にもたれかかって僕の行動を見守っている。

あれ?
「オオカさん、今は殺気がないんですよね?」
「ないでー」
「気配は?」
「メムロちゃんは何か感じてるんか?」
「うーん、よくわからないのですが・・・なんだか視線を感じるんです」
「おう、オレがメムロちゃんを見とるからなぁ」
そう言うとオオカさんはケラケラと笑った。

「もう、そうじゃないんですって!」
「すまんすまん、そないに怒りな」
オオカさんが顔の前に片手を出して謝っているそぶりをしている。

あまり近寄りすぎるのも良く無さそうな気がする。
足元の小石を手に取った。
「メムロちゃん、えぇ判断やけど軽めにしときやー」
オオカさんは、僕が小石を像に投げつけると思ったのだろう。

「小石ぶつけるぐらいだと大丈夫でしょ」
そういって、像に向けて小石を投げた。

コンッ!

特別コントロールがいいわけでは無いが、ちゃんと像に小石がぶつかった。
えっ?

「あの、オオカさん今見てました?」
「見とったでー、ナイスピッチや」
「ありがとうございます・・・じゃなくて、像ですよ像」
「像がどないしたんや?」
「いやなんだかこっちを見たような・・・」

「像が動いたっちゅーことか?」
「像は動いてないはずなんですけど、なんだかこっちを見たような気がして」
「こっちからはなーんも変化ないけどなぁ」
「そうですか・・・」
「それやったらなおさらきーつけや」
僕は頷いた。

オオカさんからは見えなかったのか。
でも確かにこっちを見たような気がす気がする。
念のため、もう一度小石をなげてみよう。

足元の小石を拾い上げると・・・

ギョロッ!

視線を感じたので像の方を見るとやはりこちらを見ている。
「オオカさん、ほらほら!」
そういいながら僕は像の顔を指差した。

「落ち着きぃな、顔はなーんも変わっとらんで」
オオカさんには見えてないのか変化が無いという。

僕はまた小石を投げた。
コンッ!
ギロッ!

石が像に当たると同時にこっち睨みつけてきた。

「やっぱり動きますよこの像!」
僕は興奮気味にそういった。

「こっちから見たら動いとらんけどなぁ」
オオカさんの位置からは顔が見えないのだろうか。

「よし、こうなったら!」
僕は剣を使って像と突つこうとした。

「あかん!メムロちゃん、それはアカン!」
オオカさんはそう言いながら僕の方にかけつけてくる。

が、既に時遅し。
これまでまったく動かなかった像が動き出した!

「な、なんで!?」
困惑していた僕はその場から離れる事を忘れてしまった。

ガッ!

像が僕の頭を掴んだ。
「痛つつ・・・」
バタバタとあがくが像の手は外れない。

「メムロちゃん!」
「オ、オオカさーん!」
僕はオオカさんに向って手を伸ばしたが、それも遅かった。

ヒューン!
どこかに瞬間移動したようだ。

頭を掴まれたまま緑の光に包まれた部屋に移動した。
「う、うわーーーっ!」
僕はパニックになって叫ぶことしかできなかった。

『アキラメロ』
どこからか声が聞こえてきた。
と、同時に身体が緑の光で包まれる。
ピカーッ!

ドサッ。
「う、うぅ・・・」
そのまま僕は倒れこんで、次第に意識を失っていった。

続々々々々・メムロの章つづく
しおりを挟む
感想 2

あなたにおすすめの小説

ギャルい女神と超絶チート同盟〜女神に贔屓されまくった結果、主人公クラスなチート持ち達の同盟リーダーとなってしまったんだが〜

平明神
ファンタジー
 ユーゴ・タカトー。  それは、女神の「推し」になった男。  見た目ギャルな女神ユーラウリアの色仕掛けに負け、何度も異世界を救ってきた彼に新たに下った女神のお願いは、転生や転移した者達を探すこと。  彼が出会っていく者たちは、アニメやラノベの主人公を張れるほど強くて魅力的。だけど、みんなチート的な能力や武器を持つ濃いキャラで、なかなか一筋縄ではいかない者ばかり。  彼らと仲間になって同盟を組んだユーゴは、やがて彼らと共に様々な異世界を巻き込む大きな事件に関わっていく。  その過程で、彼はリーダーシップを発揮し、新たな力を開花させていくのだった!  女神から貰ったバラエティー豊かなチート能力とチートアイテムを駆使するユーゴは、どこへ行ってもみんなの度肝を抜きまくる!  さらに、彼にはもともと特殊な能力があるようで……?  英雄、聖女、魔王、人魚、侍、巫女、お嬢様、変身ヒーロー、巨大ロボット、歌姫、メイド、追放、ざまあ───  なんでもありの異世界アベンジャーズ!  女神の使徒と異世界チートな英雄たちとの絆が紡ぐ、運命の物語、ここに開幕! ※不定期更新。最低週1回は投稿出来るように頑張ります。 ※感想やお気に入り登録をして頂けますと、作者のモチベーションがあがり、エタることなくもっと面白い話が作れます。

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

軽トラの荷台にダンジョンができました★車ごと【非破壊オブジェクト化】して移動要塞になったので快適探索者生活を始めたいと思います

こげ丸
ファンタジー
===運べるプライベートダンジョンで自由気ままな快適最強探索者生活!=== ダンジョンが出来て三〇年。平凡なエンジニアとして過ごしていた主人公だが、ある日突然軽トラの荷台にダンジョンゲートが発生したことをきっかけに、遅咲きながら探索者デビューすることを決意する。 でも別に最強なんて目指さない。 それなりに強くなって、それなりに稼げるようになれれば十分と思っていたのだが……。 フィールドボス化した愛犬(パグ)に非破壊オブジェクト化して移動要塞と化した軽トラ。ユニークスキル「ダンジョンアドミニストレーター」を得てダンジョンの管理者となった主人公が「それなり」ですむわけがなかった。 これは、プライベートダンジョンを利用した快適生活を送りつつ、最強探索者へと駆け上がっていく一人と一匹……とその他大勢の配下たちの物語。

最難関ダンジョンをクリアした成功報酬は勇者パーティーの裏切りでした

新緑あらた
ファンタジー
最難関であるS級ダンジョン最深部の隠し部屋。金銀財宝を前に告げられた言葉は労いでも喜びでもなく、解雇通告だった。 「もうオマエはいらん」 勇者アレクサンダー、癒し手エリーゼ、赤魔道士フェルノに、自身の黒髪黒目を忌避しないことから期待していた俺は大きなショックを受ける。 ヤツらは俺の外見を受け入れていたわけじゃない。ただ仲間と思っていなかっただけ、眼中になかっただけなのだ。 転生者は曾祖父だけどチートは隔世遺伝した「俺」にも受け継がれています。 勇者達は大富豪スタートで貧民窟の住人がゴールです(笑)

妻からの手紙~18年の後悔を添えて~

Mio
ファンタジー
妻から手紙が来た。 妻が死んで18年目の今日。 息子の誕生日。 「お誕生日おめでとう、ルカ!愛してるわ。エミリア・シェラード」 息子は…17年前に死んだ。 手紙はもう一通あった。 俺はその手紙を読んで、一生分の後悔をした。 ------------------------------

【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。

三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎ 長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!? しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。 ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。 といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。 とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない! フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!

最強無敗の少年は影を従え全てを制す

ユースケ
ファンタジー
不慮の事故により死んでしまった大学生のカズトは、異世界に転生した。 産まれ落ちた家は田舎に位置する辺境伯。 カズトもといリュートはその家系の長男として、日々貴族としての教養と常識を身に付けていく。 しかし彼の力は生まれながらにして最強。 そんな彼が巻き起こす騒動は、常識を越えたものばかりで……。

友人(勇者)に恋人も幼馴染も取られたけど悔しくない。 だって俺は転生者だから。

石のやっさん
ファンタジー
パーティでお荷物扱いされていた魔法戦士のセレスは、とうとう勇者でありパーティーリーダーのリヒトにクビを宣告されてしまう。幼馴染も恋人も全部リヒトの物で、居場所がどこにもない状態だった。 だが、此の状態は彼にとっては『本当の幸せ』を掴む事に必要だった 何故なら、彼は『転生者』だから… 今度は違う切り口からのアプローチ。 追放の話しの一話は、前作とかなり似ていますが2話からは、かなり変わります。 こうご期待。

処理中です...