世界の秩序は僕次第

虎鶫

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メンギャの章:セキライミ編

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ペタッペタッペタッ!
僕は広間に戻った。

メンギャの章:セキライミ編

「メンギャ様、よくご無事で」
ゾハギが心配そうに駆け寄ってきた。

「なぁ、ゾハギ。人間の腕が4本になることってあるのか?」
「人間どもは腕が2本のはずですが」
「そうだよな・・・」

何故プリファイは腕が4本あったんだ。

最初に戦っていた時は2本だけだったはずだ。
でも、背後を取ったときに4本に増えた。
元々4本で普段は後ろに隠しているのか?

なんにしても、今の僕ではプリファイには勝てない。
「ゾハギ、あのモリよりも強い武器はないか?」
「あるというか、ないというか・・・」
「どっちなんだ?」
「武器は存在しますが、ここにはありません」
「では、どこにある?」
「あるとすれば、セキライミ・・・」

「セキライミにあるのだな?」
「確証はありませんが、セキライミなら何か落ちてそうな気が」
「入ったことは?」
「ないです」

・・・

手詰まりか。

「ゾハギ、バイアってなんだ?」
「!」
ゾハギの顔が強張った

「バイアは・・・われわれではかなわない相手です」
よっぽどの強敵のようだ。

そうなると、あるかどうかわからないが、セキライミに行ってみるか。
カシジュマの時に少しヒントを得ている。
最初の部屋の次ぐらいには進めるだろう。

「ちょっと行ってくる」
「メンギャ様、次はどこへ?」
「セキライミ」
「・・・」
ゾハギが黙ってしまった。

「ゾハギ、あとの事は任せたぞ」
よく考えるとこの台詞を言うのは2回目だ。
次は無事に戻ってこれるだろうか。

ザッパーン!
僕はセキライミの近くの湖から上陸した。

セキライミには、プリファイと互角に戦えるような武器があるのだろうか。
それとも、別の解決策があるのか。

セキライミに入った。
ここは独特の雰囲気がする。

最初の部屋の前に立った。
セキダイコの時はビリビリする床だったが、セキライミではどうだろうか。

・・・

あれ?
一見同じ模様の床が並んでいるように見えるが、よくみるとちょっとずつ違っている。

僕は一番手前の床に石を投げ込んでみた。

バチッ!

セキダイコの時のように石は粉々に砕け散った。
ということは、この床と同じ模様がバチバチする床ということか。

なるほど。
だからグインが最初の部屋しか進んでいない事を驚いたのか。
カシジュマならこの床の違いが見破れる。

念のため、違う模様の床に石を投げ込んでみた。
コロコロ・・・
大丈夫のようだ。

タネが分かるとあっけない。
真ん中の床はまた違った模様をしているが、これを踏めばペンデュラムが発動されるのだろう。
ピョンピョンと飛び跳ねながら安全な床を移動していった。

次の部屋へと続く道に仕掛けは・・・なさそうだ。
ビクビクしながら進んでいる姿を見られると滑稽だろうな。

次の部屋の入り口が近づいてきた。
たぶん、何かの仕掛けがあるだろう。

・・・

いや、仕掛けどころか何もない。
え?
僕は石を拾って入り口の一番近くのところに向けて投げ込んだ。

ヒューッ!

石は落下していった。
床が無い部屋?

いくつかの石を拾って無造作に投げ込んだ。
ヒューッ!
コロコロ・・・
ヒューッ!
ヒューッ!

大半の石は同じように落下していったが、いくつかの石は宙に浮いている。
もしかして、透明の床か何かか?

ビリビリは無さそうなので、入り口の前の空間に向ってモリでついてみた。

スカッ!

やっぱり、ここには床がない。
入り口前の周辺のほかの場所をモリでついてみた。

スカッ!
カツンッ!
スカッ!

なるほど。
少なくともあそこには床がある・・・はず。

考えていても先には進めない。
床があると思われる場所に向って移動してみた。

スタッ!

無事に着地できた。
ということは、このやり方で床を探していけば先に進める!

スカッ!
カツンッ!
カツンッ!
スカッ!
順調に進んでいるようだ。

スカッ!
コンッ!?

あれ?
モリでついた場所が何もないと思ったら横から何かが当たった手ごたえがあった。
もう一度ついてみた。

スカッ!

やっぱり床はない。
しばらくそのままにしていると、コンッ!
やはり横から何かが当たった。

もしかして動く床?
そうでなくても見えないのに、どうやって床の位置を判断しろと。

石を投げようにも入り口から離れているから足元にはない。
うーん・・・

あっ!
ようするに、何らかの印があればいいのか。
でもなぁ・・・痛そうだしなぁ・・・

と、言っている場合ではない。
はぁ、仕方が無いか。

ピッ!
僕はモリで指を切り裂いた。

プシューッ!
血?のようなものが流れ出てくる。

僕は部屋の中に向って振りかけた。
透明だった床が血の痕で区別できるようになった。

でも、痛い。
プシューッ!
というか、止まらないけど大丈夫なのか?

移動する床どころか、次の部屋までの道筋がわかるぐらいまで部屋の中に広がった。
プシューッ!
軽く斬ったつもりが全く止まる気配が無い。

ガクッ!
力が抜ける感じがある。
これは貧血に似た症状か。

このままではまずい。
次の部屋の状況も気になるが、この出血を止めないと意味が無い。
ゾハギなら何か方法を知っているだろう。

帰り道も僕の血でくっきりと示してくれている。
最初の部屋に戻ってきた。
ここの方が何もしなくても目に見える分楽でいい。

ピョン、ピョン、ピョン!
床さえ踏まなければビリビリもこない。

急いでセキライミから外に出た。
あとは、湖に戻るだけ。

グガーーーッ!

何かの雄たけびが聞こえてきた。
音のするほうを見ると何かが飛んでくる。

リクド?いや、色が違う。
けど、ヤバイ。
慌てて逃げた。

ドーーーーーンッ!
リクドっぽいやつが壁にぶつかった。

ガラガラガラッ!
ザッパーーン!

激突の衝撃で壁が崩れて湖の水が流れ込んできた。
ラッキー!
湖までの移動が楽になった・・・

ズシーン、ベチャッ!
崩れてきた壁に何かが潰される音が聞こえてきた。

え!?
音に反応して一瞬反応が遅れた。
ズシーン、ベチャッ!

・・・

「・・・ゃーん、もしもーし」
コンコン!
誰かが声をかけながら頭を叩いてくるのを感じる。

「もう!サーカさん、それやめて・・・あれ?」
知らない人が目に前に居た。

続々々々・メムロの章へつづく
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