世界の秩序は僕次第

虎鶫

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ルートA

サーカとドンリンの章

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『おい、サーカ。メムロが連れ去られたぞ』
『えらいこっちゃ。おばちゃんに怒られてまう!』
『怒られるだけじゃすまないぞ』

サーカとドンリンの章

『メムロちゃん、どこに行ったんやろか』
『恐らく、巣だろうな』
『はぁ、ブクドの巣なんか、どこにあるか知らんで』
『オレもだ』

『というか、この辺ってブクドやなくてレクドの監視範囲とちゃうかったんかいな』
『うむ。レクドの監視範囲のはずだが、何か異変が起きているのかもしれないな』
『メムロちゃんの行方はわからんし、合流しにいくでー』
『探さなくてもいいのか?』
『メムロちゃんの事やから、また迷子になってて、ひょっこりと現れるで』
『楽観的だな』

そういうと2人は合流地点のヨサトへ向って移動していった。

草原から沼地へと景色が変わっていく。
『サーカ、この辺はルロが出るぞ』
『ったくだるいなー。ドンちゃん、一発かましたって』
『オマエなぁ、簡単に言うな。アレやると疲労がすごいから連発はできんぞ』
『かまへんかまへん。リズリーの肉はちゃんと残してるで』
『はぁ・・・』

ドンリンが諦めた表情をしたが、気合を入れだした。
空気が震えている。

『いくぞ!』
『よろしこー』

ドンリンがジャンプして、着地のタイミングに合わせて拳を地面に叩きつけた。

ドーーーーンッ!

ポーン!
沼からルロ達が飛び出してきた。

『おお!さっすがドンちゃん、大漁やでー』
スパッ!スパッ!スパッ!
サーカは華麗な剣さばきでルロ達が沼に戻る前に全滅させた。

『サーカ、もう1回いくか?』
『もうちょい遊んでたいけど、ヨサトに急ぐでー』
『そうだな』

ルロ達もドンリンの一撃が強烈過ぎたのか、逃げ去っていったようだ。

『ようやくヨサトが見えてきたでー』
『で、ヨサトのどこで誰と待ち合わせなのだ?』
『行くとこっちゅーたら、ギルドしかないやん。誰が来るかはお楽しみやで』
『まぁそれはいいが、メムロの件はどう説明するのだ?』
『あー、忘れてたわー。やっばいなぁ。どないしよ』
サーカが頭をかかえる。

『合流までに言い訳考えておけよ』
そういってドンリンはヨサトのギルドに向った。
『ドンちゃんも同罪やからなー』
サーカもギルドへ向った。

サーカはギルドに入るなり、ギルドマスターに声をかけた。
「シュヌはん、じゃますんでー」
「じゃまするんやったら、かえってやー」
「あいよー・・・ってなんでやねん!」

「あー、やっぱり、このノリ最高やなー。帰ってきた感あるわー」
サーカはそういいながらドンリンの肩をバンバンと叩いた。
『おい、何を言っていたのかわからんが、意味無く叩いてくるな』
ドンリンが困惑している。

「サーカ、久しぶりやな。ほんで横のはつれか?」
「せやねん、ドンちゃんゆーねん」
「で、お前がここにきたっちゅーことは、いらん事してギルドを追い出されたんか?」
「ちゃうちゃう、オレみたいな品性高潔な人間を追い出すようなギルドなんかあれへんで」
「どこが品性高潔やねん。ま、ほんまの目的はワニナなんやろ」
「さっすがシュヌはん。説明楽でえぇわ。もうちょいしたら援軍も来るし、シュヌはんの出番はないでー」
サーカとシュヌは息の合った掛け合いをしている。

『サーカ、何を話しているか説明してくれ』
『ここのギルドマスターのシュヌはん。あとは省略』
『はぁ・・・聞くだけ無駄だったか』

しばらくすると、ギルドに2人入っていった。
「こんにちは、ナトリ街のギルドから来たルーナです。サーカとここで待ち合わせ・・・って、居るのなら先に言ってよ!」
「よっ、ルーナ。何をかしこまってるんや。でも無事に着いたようやな」
ルーナがサーカを見つけて声をあげた。

「まぁルーナ落ち着け。サーカの方が先に出てるから先に着いていて当然だろう」
そう言って、ルーナをなだめた人物・・・セイドだ。
「久しぶりだなシュヌ」
「あぁ、援軍ってセイドやったんか。サーカを追い出さんって奇特なやっちゃなぁ」
「サーカはこれでいて中々役に立つからな」

「ねねね、サーカ、このでかいの誰?」
ルーナがドンリンを指差して聞いた。
「ドンちゃんや。つよいでー」
「ふーん、まぁアンタが言うのならそうなんでしょうね。で、メムロ君は?」

「!」
サーカの目が明らかに泳いだ。

「サーカと一緒に先に出たとロキから聞いたがメムロはどこだ?」
「いあー、あのー、そのー・・・」
サーカにしては珍しく歯切れが悪い。
「そうよ!メムロ君はどこなのよ!」
ルーナが詰めよる。
「えっとー・・・迷子になった」

ジーッ!
「オ、オレのおっとこ前の顔そんなに見つめても、これ以上はよぉならんで」

・・・

「連れ去られた・・・」
「はぁ?なにそれ?」
「いや、これはほんまやねんて、連れ去られてん」
「サーカ、誰にだ?」
「ブクド・・・」

「えーーーーーっ!っていうかブクドがなんでよ?」
「おまえ、驚くか質問するか、どっちかにせーよ」
サーカが思わずつっこむ。

「ギノツにお前達と一緒に行った時に、でおーたやつおったやろ?あれの青い版」
「それは知ってるけど、えーーーーーーーーーっ!」
ルーナはただただ驚くだけだった。

・・・

沈黙の時間が流れる。

「ま、まぁ、メムロちゃんのことやから、なんやかんやでまた、ひょっこり出てくるって、うんうん」
「言われてみれば、メムロはいつも気がつけば村に帰ってきてるな」
「な、な、セイドはんやったらわかるやろ?」
サーカがセイドに同意を求めている。

『サーカ、わかるように説明をしてくれ』
『メムロちゃんの話してただけや』

「で、メムロってのがどーなったか知らんけど、じぶんらのんびり談笑してる暇あるんかいな」
シュヌの発言で全員ハッとなった。

「せ、せやで。メムロちゃんの事は一旦おいといて、ワニナに向うでー!」
「やれやれ、調子のいいやつだ」
セイドが呆れたように言う。

「シュヌ、もしメムロがここに来たら先に向ってるといっておいてくれ」
「別にかまへんけど、メムロっての見たことないで。まぁきーつけて」

全員、ギルドから出てワニナに向って移動を始めた。

メクドの章へつづく
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